てゐ魂 第二十六話-2

~☆~

「…あ~何ていうかね、きっついわこれ。」

その頃、かぐやは店内の掃除をしながらそんな事を呟いていた。
別に頼まれたわけじゃ無いが、他にすることも無いし、ジッとしている気分に離れなかったのだ。

「…ズーッと自分がやってきているのは正しいと思っていたんだけどねぇ。
 ああいう被害者の声を聞くとやっぱり心にグザッと来るわよね、実際。」

ビルの自爆テロは自分の部下がやった事なのだろうか、とか。
旦那さんを失ったけーねは一体どんな気持ちだったんだろうか、とか。
そんな考えがかぐやの頭の中を駆け巡っていく。

「…とっととこの店から出て行った方が良いわよね、
 これ以上ここに居たら…何か反逆ゆっくりなんてやってられなくなるわ、実際。」

そんな独り言を呟きながらかぐやは店の掃除を進めていく。
と、店の床に何かが落ちていることに気がついた。

「…これは…財布?」

かぐやは床に財布が落ちているのに気づいて拾い上げた。
状況から考えても、これはけーねの財布には間違いなかった。

「あのゆっくり、買い物に行くのに財布を忘れていってどうするのよ。」

かぐやはそう言うと、財布を持って店の外に出る。
店の前に置いてあるスィーがかぐやの視界に入る。
「あら、スィーには乗らなかったのね、だったら走れば追いつける可能性も…。」
…そこでかぐやは妙な違和感を覚えた。

「…ってちょっと待て、けーねはアレだけの材料をスィーを使わずにどうやって運ぶ気よ。」

スープの材料は一回分だけでも、巨大なホウロウ鍋を一杯にしてしまうほどの量があった。
アレだけの量をスィーを使わずに運ぶのはほぼ不可能と行ってもいいだろう、
何故けーねはスィーに乗らなかったのか?
そんな事を考えていたかぐや。
その時、彼女は足元に何かが転がっているのを見つけた。

「…これって、催眠スプレー?」

かぐやはスプレーに書かれていた『一吹きでグッスリ!ねむねむスプレー!』の文字を見て
何だか嫌な予感を覚えていた。

~☆~

「こんなに簡単にうまく行くとは思わなかったね!マジキチさん!」


                      .___      .xヘ
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         .   !. n    |イ  | |_/|_|ハ_|_|  ヽ、l/ /´
              | ト、   ,イ  /N{;:::゚ノ   {;:::゚)|   ト..! ̄___    _____  ______.  
             と /`^./ ! i Ⅳ xx.t‐-─ァ xx.i  | i| ネ  _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''  
              K/    |  i|ハ    V三リ   | .!  | /, ン 'r ´          ヽ、
         .     |   、_∨ .\____ ,.ノ|/|  |、 i ,' ==─-      -─== ;
               \__乂   i 〉`ーv─' 〈| | |/∧| i イ ルゝ、イ;人レ/ルヽイ  i
         .         /  `ー| |`ー个ー-、イ ! t.イ| |||. i、|. | (ヒ_]    ヒ_ン) i リイj
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──────   |           そーなのCAR           |          |
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ゆっくりれいむが妙に背の高いスィーを操作しながら後ろに居るマジキチにそう問いかけた。

「ああ、後は中に居るこいつをどっかのゆっくりマニアにでも売りつけて店も売り捌いちまえば完璧だ。
 暫くは遊んで暮らせるほどの金が手にはいらぁ!」

マジキチは不気味な笑みを浮かべながらそう言った。

「良いんですかいマジキチさん?この人はマジキチさんのお姉さん…。」

「ハン、姉とはいっても結局は義理だよぎり!本当ならもこうの姉貴が死んだ時点で縁は切れてらぁ、
 あの店だってこのゆっくりが居なくちゃとっとと売り払っていたところだ!
 お前達だって反逆ゆっくりの活動資金がほしいんだろ!」

「活動資金っていっても殆ど遊んでばかりでまともな活動したことが無いけどね、れいむ達は!」

「そう言えばそうだったな!ゲハハハハハハハハ!」

マジキチと運転手のれいむがスィーの上で笑いあう。
…だが次の瞬間、この二匹のゆっくりの表情が凍りついた。


凍符「パーフェクトフリーズ」


ドドドドドドドド!


スィーの進行方向上に、いきなり氷の弾幕が張られたからだ。

「え!?うわぁああああ!?」

このままでは弾幕の中に突っ込んでしまう。
慌ててゆっくりれいむはブレーキを掛けた。
スィーは止まり、何とか弾幕の中につっこむと言う事態は避けることが出来た。

「び、びっくりしたぁ…。」

「誰だ!こんな所でスペルカードを使った奴は!」

叫ぶマジキチ。
すると、マジキチたちの乗るスィーに近寄る胴付きゆっくりが三人。



    /^\      ,.へ___
   /   >''´ ̄ ̄`'''ヽ7
   |  /´ _       _'ヽ、
   〉 / /´  /  ,  、  、 ヽ〉
  /  i イ  レ\ ハノ! /i  i       
  └rイ レイ (ヒ_]   ヒ_ン)ハヘ| n⌒i     
  く_ノ  〉 i""  ,___,  " iハ _,,.! ノ
   ハ. i ハ、   ヽ _ン   人|´ /
  i\レヘハレへ〉'=r--r='i´Vヽy'´
  ヽ、,_`ヽ,r'´ `ト、 ∞」 i  ノ
  <   ̄〉、___ノ   ̄  Y/
   >_/ /〉 ,  ,   、!_ゝ
    `(⊆ノ/ /  !   ハ
      くヘ,.へ_,.へ__,.ヘ,.ヘ
       `'r、__ハ___ハ__!ン
        ト_ン   ト_ノ


「はーい、ゴメンなさ~い、公安⑨課ですよ~。」

三人のゆっくりのうち、真ん中にいた青い服を着たゆっくりがマジキチに手帳を見せながらこう言った。

「…隊長、いくら何でも弾幕は危険すぎるのでは無いかと。」

「え?でも確実に止まってくれるじゃん。」

「そうかもしれませんけど、もう少し穏便な方法は無かったのかぜ…。」

呑気なやり取りを繰り広げる、ちるの率いる公安⑨課の面々。
(こ、公安⑨課だとぉ~!?何でそんな連中がこの辺をうろついているんだ!?)
反対に、マジキチの方は顔を真っ青にしていた。
まさかここで⑨課の連中に出くわすとは思ってなかったようだ。

「あたいは今、指名手配犯を追っている!お前なんか色々怪しいからそのスィーの中調べてもいい?」

「隊長、今度はかぐや関係ないからって見逃すとかそんな真似しないで下さいね。」

「はーい。」

部下の忠言もそこそこにちるのはマジキチたちの乗るスィーに歩み寄ってくる。

「あ、あのすみません!」

「れ、れ、れ、れいむ達は今ひっじょーに忙しいから!このスィーの中には本当に何も無いから!
 だからゆっくり見逃してね!」

マジキチと運転手のれいむは物凄い量の冷や汗を流しながらそう言った。

「むっ!」

その瞬間、ちるのの瞳がきらりと輝いた。
様子の代わったちるのを見て、マジキチは心底穏やかでは無い。

「!?」

「ど、どうなされたのでございまするか?」

「今…あたいは一つの真実にたどり着いた!」

そう言ってちるのはビシイイイイイッ!とスィーを指差す。
繰り返そう、ビシいっ、では無く、ビシイイイイイイイッ!である。
気合の入れ方が本当に半端では無い。
そして、スィーを指差したまま、ちるのはこう叫んだ。

「そのスィーの中に、かぐやが入ってるんだな!?」

「…え?」

ちるのの言葉に、マジキチ達は思わず間の抜けた声を上げた。
「い、いえ、違いますけど…。」
とりあえず気を取り直してそう答えるマジキチ。

「あたい知ってるよ!そう答える奴ほど反って怪しい!ましてやお前達は見た目の時点で怪しいだろ!」

しかし、ちるのはマジキチの言葉を信用しない。
「ちょ、ちょっと待って!私たちの見た目が怪しいなんて何処が!?」
そう反論するマジキチ。
すると、ちるのはマジキチの全身をジロジロ見つめてこう言った。

「むしろ怪しくないところを探すのが大変だろ。」

「あ、それにはれいむも同意です、隊長。」

ちるのどころか、部下にまで怪しいのレッテルが貼られてしまった。

「さあ!スィーの中身を見せろ!怪しいところが何も無かったら見逃してあげるから!」

「やましい所がないのならさっさと見せた方が良いよ?」

「そうだぜ。」

そう言ってマジキチ達に歩み寄っていくちるの達。
(ま、マズイ…ここでスィーの中身は見せられねぇ!)
スィーの中身はかぐやでは無い。
しかし、中身を見せたら間違いなく問い詰められるような代物だ。
どうしよう、マジキチがそう思ったその時だった。

「ええい!れいむ達は忙しいんだよ!こんな頭の悪そうな検問には付き合ってられないよ!」

運転手のれいむがそう言ってスィーのアクセルを一気に踏み込んだ!


ブブブォオオオオオオン!


大型のスィーは急発進し、ちるのの部下の方へと突っ込んで行く!

「げ!?」

「うわあっ!!?」

突っ込んで来たスィーに対し、慌てて横に飛んでかわすちるのの部下達!
スィーはそのままちるの達の囲みを破って道の向こう側へと出て行ってしまった。

「よ、よくやった!一時はどうなるかと思ったぜ!」

マジキチはスィーの上で運転手のれいむに向かってこう言った。

「ゆふふふふ!後はあいつらを振り切るだけだね!」

そう言うと、運転手のれいむは更にスィーのスピードを上げた。
一方、ちるの達のほうはと言うと、部下達が呆然と逃げていくスィーを見つめていた。

「あ、あぶなぁ…あんなゆっくりしていない運転始めてみたぜ。」

「でも、そこまでしてれいむ達から逃げたかったって事は…隊長の推理、大当たり?」

部下がそう言った途端、カチャッと言う音が横で聞こえてきた。
部下達が横に首を向けると…。




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             彡           ヽ、__ノ



「だったら尚更逃がす訳には行かないね!」

やっぱりと言うかなんと言うか、ちるのがバズーカを構えてスタンバイしていた。

「ああ、隊長が予想通りの行動をとってるよ…。」

「もう、撃つなり何なり勝手にしてくれだぜ。」

部下たちはそれを見て、もはや諦めの境地に至っていた。

「よぉ~し!かぐや!覚悟…。」

シュンッ!

その時、ちるのの横を、何かが凄い速さで駆け抜けた!
「え?」
ちるのは、思わず横を見る。
しかし、そこには空気の流れを感じるだけで、誰の姿も見当たらなかった。

一方その頃、スィーに乗っているマジキチ達は…。

「お、おい!あのゆっくりバズーカを構えてるぞ!」

後ろを見ていたマジキチが真っ青になってそう叫ぶ。

「え!?ま、マズイ!スピード上げなくちゃ!」

それを聞いていた運転手れいむは慌ててアクセルを踏もうとした。
その時、横からこんな声が。

「やめなさい、下手にスピードを上げて事故ッたら元も子もないでしょうが、
 ここは真っ直ぐ逃げるより、横道にはいって障害物に身を隠した方が良いわよ。」

「あ、成る程、頭良いね!マジキチさん!」

運転手れいむはそう言ってマジキチの方へと振り向く。
…しかし、マジキチは驚いた顔で冷や汗を掻いていた。

「…どうしたの、マジキチさん?」

「…おい、お前、誰と話していたんだ?俺は何も言っていないぞ?」

「え?」

マジキチのその台詞を聞いて、運転手れいむはキョトンとした顔になる。
マジキチがは何もいってない?じゃあ自分は誰と話していたというのだ?
…嫌な予感を覚えた運転手れいむは、恐る恐る顔を横に向けた。




                 
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「こらこら、よそ見運転も危ないわよ~。」

そこにはスィーに乗ったかぐやの姿があった。
彼女はマジキチに乗るスィーと並走して走って居たのだ。


「うわぁあああああああああ!」

それを見て、運転手のれいむは思わず大声を上げる。
マジキチの方も、かぐやが現れたことで完全に混乱している。

「て、てめぇはあいつの店で手伝いをしていた!い、いつの間に俺達のスィーと並んでやがるんだ!」

「…けーねの姿が見えないと思ったらやっぱりアンタが絡んでいたのね、
 …で、けーねは何処にやったわけ?」

かぐやはマジキチにそう問いかける。
表情は相変わらず、しかしその口調には確かな怒りが感じられた。
マジキチは背筋に冷たいものを感じ、運転手れいむに指示を出す。

「す、スピードを上げろ!」

「ゆ、ゆっくりわかってるよ!」

運転手れいむがアクセルを強く踏みつける!

ブォオオオオオン!

スィーのエンジンが唸りをあげ、かぐやの乗るスィーを一気に引き離す!
置いてけぼりにされたかぐやは、別に慌てるまでも無く、こう呟いた。

「…私を怒らせて逃げ切れると思ってるの?バカなの?」

そう呟いて、かぐやは心の中でクロックアップと、呟いた。
次の瞬間、かぐやの姿が消えた。


~☆~

一方、⑨課の面々は。

「…隊長、れいむはもう何が起こってるのか解らないよ。」

「いきなりかぐやが現れてあのスィーを追いかけて言ったと思ったらまたかぐやが消えたぜ。」

立て続けに起こった珍現象についていけず、部下たちは混乱していた。
一方のちるのは、バズーカを構えたまま、ピクリとも動かない。

「…隊長、さっきから動かないね…。」

「…何だかこの先の展開が予想できるんだぜ。」

部下たちはそう呟くと、ちるのの傍へと近づいた。



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        r!;:7' ,.'´  ハ    !   ヽ;:!
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      く/`iノ iノ  !__,.、/ | /_,!-ハ  〉从./ ̄ ̄|、______
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ド  //  く : ゝ、.,_,. イノ´::`ヽ,_∞_i::レi   i, :'"
タ       `ヽ::::::::::::::::',_____!::::',__ノ  
           ヽi::::::::i:::::::::::::::::::i   .:ト
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      :::::::::::::::く∠:::::i  '"´i//i     ヽ
        :::::::::::::::`ー'、    !ー-:`ー-、____ノヽ
           ::::::::::::::`''ー- '::::::::::::::::ヽ.,____ノi 彡
             彡           ヽ、__ノ


ちるのは、バズ-カを構えたまま固まっていた。
その頭は完全にショートを起こしており、煙を上げている。

「うわあああ!やっぱり!」

「状況について来れなくて、頭がショートしたんだ!」

部下達は慌ててちるのの身体を激しく揺する。

「おいこら隊長!こんな所で気絶するんじゃないんだぜ!」

「早い所目を覚ましてね!」

そう呼びかけるがちるのはやっぱりノーリアクション。
「ああもう!こうなると再起動に時間が掛かって面倒だよ!」
部下達がちるのの身体を揺する速度が一層激しくなった。


カチッ。


と、突然何かのスイッチが入ったような音がした。

「…え?」

「今の音は何なんだぜ?」

嫌な予感を覚える部下達。


ドカアアン!


次の瞬間、ちるのが構えていたバズーカから弾が発射された!
「うわあっ!?」
部下達は驚いてシリモチをついてしまう。

そして、発射されたバズーカの弾は、そのまま街道の向こうへと消えていった。

「び、ビックリした…。」

「な、何か弾が発射されたけど、大丈夫かな?」

部下たちは非常に不安な眼差しで、バズーカの弾が飛んでいったほうを見つめていた。


~☆~
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最終更新:2011年02月02日 16:41