夏です、真っ盛りです旅行シーズンです。
なんと言うか、全て投げ出して何処かに行きたい気分です。
そう、今回のお話はゆっくりの旅行。
彼らは空路でも、海路でもない、第三の道を使って旅行に出かけます。
それはどんな道なのかって?フフフフフフフフ…。
この小説は銀魂のパロディです。
でてくるゆっくりはロクなのがいませんし、
ゆっくりが酷い目に合う描写もございます。
それでも我慢できると言う方だけ、席を立たずにこのままお待ちください。
てゐ魂第二十七話「旅行にはアクシデントが一杯。」
…暑い。
本日ゆぶき町は夏日真っ盛り。
平均気温40℃。氷の妖精を抱きしめたくなる今日この頃、
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ハ:::::::レヘ::i' 三三三 三三三 ハソ:::ハ =ャ .r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ!人レル レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>、_ ノ ハ } \
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「…てゐさ~ん、熱いど~。」
「そんな事言わないの、余計に熱くなるから。」
てゐとれみりゃは熱気こもる万屋で半溶け状態になっていた。
万屋にクーラーなんて贅沢なものは置いていない。
頼みの綱の扇風機も、熱風だけを送るので無意味な代物と成り果てている。
「あ~あつ~い…こんな暑い日に私達は万屋で何やってるんだろうね。」
「しょうがないど、もしかしたら依頼人が来るかもしれないし…。」
「こんな状況で依頼人なんて繰るわけ無いじゃん、もう今日は仕事を切り上げて何処か涼しい所に行こうかなぁ…?」
「何処かって、何処に行くんだど?」
「そんなの決まってるでしょ。」
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│ | スーパーゆっくり | |
│ | 24時間営業 | |
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「スーパーの試食コーナー食べ歩きツアー。」
「何だど!その卑しいツアーは!」
思わず暑さを忘れて突っ込みを入れるれみりゃ。
「良いじゃん、スーパーのクーラーで涼める上に試食コーナーで腹が膨れる、
これ以上は無いくらい最高のツアーだと思うけど?」
「今はよくても後々れみりゃがそのお店に行きづらくなるんだど!
『あ、試食コーナーでただメシ食いまくっていたゆっくりだ』なんて後ろ指差されたくないど!」
「そんな大げさな…。」
言いながらもてゐ達は熱さで更に溶けてきている。
…別に本当に溶けているわけじゃあない、イメージだ。
「…あ、そういえば今日はてんこちゃんを見かけないけど、何処にいったんだど?」
と、そこでれみりゃがそんな事を口にする。
彼女の言う通り、てんこの姿は朝から何処にも見えなかった。
「てんこなら今朝きめら丸の散歩に出かけたよ。」
そんなれみりゃの疑問に答えるてゐ。
「ふ~ん…アレ?ちょっと待って、ホントに今朝出かけているんだとしたら
ちょっと帰ってくるのが遅すぎるんじゃないのかど?」
今は昼の12時、いくらてんこでも時間単位寄り道するほど、馬鹿じゃあない。
「…言われて見れば、確かに遅いかな、…あ、もしかして…。」
そう言いながらてゐが頭の中に思い浮かべたもの、それは…。
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「部屋の中でこれかけ暑いんだし、外に出たてんこはその何倍もの暑さでどろどろに溶けちゃったんじゃ…。」
「いくら何でもそれは無いんだど!…うッ。」
れみりゃは大声でそうつっこむ。
余計な体力を使った所為で、れみりゃはちょっとクラッと来てしまった。
「あ~あ、無駄に叫ぶから…これでどうかな。」
てゐは髪の毛の中からタオルを取り出すと、れみりゃの頭の上に乗せた。
頭が冷やされた成果、れみりゃは冷静になったようだ。
てゐもタオルを頭に載せて、考える。
「…それにしてもてんこ何処まで遊びに言ったんだろうね…
まさか本当に厄介なことに巻き込まれたんじゃあないだろうねぇ…。」
と、てゐが心配していた次の瞬間。
「おぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
凄い絶叫を上げながら、てんこが万屋の玄関をぶち破った。
玄関の扉はそのままてゐ達のいる今まで飛んで行き、てゐの横をすり抜けて後ろの壁にぶち当たる。
てゐの頬の皮が裂けて、中身の餡子がツウーッと垂れていく。
「…。」
「…。」
てゐとレミリアがそれを見てが冷や汗を流していると、今度はてんこがきめら丸を引き連れて今に入ってくる。
「おぉ、帰ってきた帰ってきた。」
「私はきめら丸と一緒に日課の朝の散歩に向かっていたんだが、
その途中で通常では在り得ない幸運を手に入れ、急遽とんずらでカカッと
通常では在り得ない速さでkっゆうきょ戻って来た訳だが。」
相変わらずのブロント語でてゐ達にそう報告するてんこ。
「私はアンタの所為で寿命がマッハだったんだけど?」
頬から餡子を垂らしながらてゐはてんこに向かってこう言った。
「てんこちゃん、通常では在り得ない速さじゃ無いど、もう昼過ぎているど。」
れみりゃがてんこに向かってそう言った。
言われたてんこ机の上に置かれている卓上時計に目を向ける。
時計は既に12時を廻っていた。
「ほう、何だか妙に腹がすくと思っていたらこんな時間だったのか。
桃をくれ、九個で良い。」
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⊂二ヽ' 'ヽ
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てんこはそう言っててゐ達に手を差し出した。
「私は和食でお願いします。」
きめら丸もご飯を要求してくる。
「…散歩から遅れて帰ってきて、玄関まで壊しておいて、何でそんなに偉そうなのさ?」
てゐが呆れ顔でそう問いかけてくる。
それを聞いたてんこがニヤリと笑ってこう言った。
「お前頭わりぃな、私は万屋PTの中では工場長ポジ。
偉そうにしていても何もおかしくは無い。」
「工場長!?何で工場長?」
「工場長はアイテムを生み出すまとめ役、だから偉いのは確定的に明らか。」
てんこの言動は相変わらず解るようで解らなかった。
「解った、解ったど、工場長、とりあえず玄関の扉もとの位置に戻すからそこ退いてくれないかど?」
れみりゃはぶっ飛んで壁に当たった玄関の扉を頭の上に乗せててんこにそう言った。
「おおっと、そういえばもう一つ報告する事がある。」
と、突然てんこはきめら丸に向かって目配せする。
すると、きめら丸はてゐ達にこう言った。
「てゐさん、れみりゃさん、私達が散歩から帰るのに遅れたのは理由があります。
帰る途中で福引をやっていて、てんこさんがそれに参加したからです。」
「福引?」
「えぇ、何時も散歩に行くとき、私の朝飯になるドックフードも買いに行くのですが、
そのときのオマケで福引券を貰いまして、当然、私とてんこさんも福引に参加するわけで。」
「…帰りが遅れた理由はそれね、で?あんたはテイッシュを9個当てて帰ってきたわけ?」
「フッフッフ。」
そこで、てんこは不適に笑っててゐに一枚の紙切れを手渡した。
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│ハワイ六泊七日 .│
│ 四名様ご招待 ..│
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「こ、これって!」
てゐは渡された旅行チケットを見て驚愕する。
「俺は不良だからよ、ここぞという時に一位を引き当てる。」
てんこはフッ、と笑いながらそう言った。
「こ、工場長~!」
てゐとれみりゃはてんこに向かって大声でそう叫んだ。
~☆~
ゆっくり達の住む都市の中央に位置する地区「中央ぷれいす」地区。
ゆっくり達がゆっくりする為の場所として発達してきたこの地区の中心には、巨大なビルが建っている。
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりしていってね!!! <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
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|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', i
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .|
( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
てっぺんにゆっくりの象徴を施されたこのビルの名前は「メインプレイス」。
高い所に登れば、ゆっくり都市の何処からでも見えるこのビルが、ゆっくり都市の象徴である。
「お~いつ来ても無駄にでかいね、このビルは。」
てゐ達万屋御一行はその馬鹿でかいビルの前に立っていた。
「う~、れみりゃ、ハワイに行くのも、ネット旅行も始めてだど~!」
てゐの隣で、既にれみりゃがレイを付けて踊っていた。
「れみりゃ、落ち着け、まだハワイについていない。」
てゐがそう言ってれみりゃをなだめる。
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,' i ' ; ゝ、人人ノ/_ノノ / ノ u、
i ヽ .| (ヒ_] ヒ_ン ) / / i '、
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ヽ_ri 人 ヽ _ン ヽ 人 '、
l_!!! ,、 >.、_ ,.イ/ー--、 -―--、 ) ) )
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ヽ_ ノ ヽ |
ヽ | ) ) )
「全く、こんな大勢のゆっくりの前ではしゃいで恥ずかしくないんですかねぇ?」
「お前が言うな!って言うかなんで裸になってるのさ!」
てゐは一糸纏わぬてんこに向かってそんなツッコミを入れる。
てんこは前も隠しもせず、堂々とした態度でこう答えた。
「お前頭わりぃな、ハワイに着いたらすぐ泳げるよう準備したに決まってるべ。」
「それで裸!?せめて水着を着るとか考えなかったの!?」
「最近の水着は高すぎる買いにくい!それに、外国のビーチは裸で泳いで良いって聞いた事があるんですが?」
「確かにヌーディストビーチってのはあるけど、ハワイにそんなものは(確か)無いんだど!
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「ヽr'´、, -、 . --.、ノ)クヘ
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_く/::/イ:::/!:::ハ:::|:::l、:ヽ',y、
l:/:厶XLィ/ Lハメ、:ノ:ハr'
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ホラ、警備員がこっちを見ているから早く服を着るんだど!」
ギャーギャー騒いでいるてゐ達。
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<ノノ´ `ヽ y''"コ、 r゚∞ _,、 ヽ
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'ノ ,ン ノレ' レ' ソ、ソ ( i _`/iヘ,ニ_ ヽ`i `Y
( |´ レ〈 (ヒ] ヒン〈ハ ヽ、イ(ヒ] ヒン) ハ`‐、__ゝ
ヽ 人ゝ" 、─ッ "イソ o88⌒)ヽ 、.ー' l" 、─ッ ""ノ,. | j
___,∧,")( ゝ > 、`_´, イン (,,ゝ゚ ワ゚)ゝ ゝ__ゝ、`_´ ,. イ_,,..ノノ ̄
>,ゝ/ヽ、ノ::V:::_」∠::::7ァ_>ァ、 ゚0ー0゚,,.. -――C○ィ )  ̄ ̄\
.,:'ィiヽ':::_>''"´  ̄ `ヽ!, // ̄ヽ ゝ○o _ ヽ
/ キア'" ', 、`フ Y //\ / \`L_ ',
,イ / / /´___!_ i ハ _ノ_`! ! Y .,' / ゝ、__,..-、\  ̄`i う) i
'、!,イ ,' /ァ´ノ_」_ノレ' レ' ソ`ハ/ ノ | /斗jナ ル ヽ、ナ‐-\ ` し' |
ノ ', レ、 ! (ヒ_] ヒ_ン Y i、( ゝ、| ! | (ヒ_] ヒ_ン ) ',ヽ、 ハ ! \
( ソ'´ Vi "" ,___, "ハヘノ' T{∧{'" ,___, ""i} リ `T ‐ヽ
y'´ ! !. //// ヽ _ン ///ノノハ _ノ ム! /// ヽ _ン ///// !_」
,' ! , ヽ、_,ゝ ,ハ ! ゝ._ノ人 ∠ノ |
'、 ゝ、ノ )ハゝ、, ,..イノ ソ `ー‐ >, 、 _,. <_Z_ /ノ/
`ヽ(ゝ/)ヽ,ノイi,` ''=ー=':i´ノ´ンノ / ̄_ヽ`ー-一'イ==≠二
「ねぇしずは、あそこにいるゆっくりギャーギャー騒ぎすぎじゃ無いかしら?」
「きっと初めての旅行なんでしょ?全く、これだからど素人は困るわね。」
周りにいるゆっくり達はそんな感じでその光景を見守っていた。
と、その時だった。
「…おいぃ!?さっきから姿が何処にも見えませんが?」
そう言っててんこは慌てて辺りをキョロキョロ見回し始めた。
…ちなみに服はてゐ達が無理矢理着せたので問題は無い。
「…見かけないって、誰の事だど?」
れみりゃはそう問いかける。
この旅行に参加するのは、てゐ、れみりゃ、てんこの三名だ。
それ以外に参加者はいないはずなんだが…。
「きめら丸に決まってるサル!」
「きめら…えぇええええええ!?」
てんこの答えを聞いて、てゐ達は驚きのあまり声を上げた。
「てんこちゃん!?まさかきめら丸をここに連れてきたの!?」
「hai!」
れみりゃの問いかけに元気一杯に答えるてんこ。
「ちょ、冗談じゃ無いよ!あいつが居るだけで大騒ぎになるじゃない!」
てゐは慌ててキョロキョロ辺りを見回して、きめら丸を探し始める。
しかし、何処にも姿が見当たらない。
「何処にも居ないど…。」
「あんなでかい姿、イヤでも目に入ると思うんだけど…。」
てゐがそんな事を呟いたその時だった。
「おぉ…おぉ…。」
きめら丸の独特の泣き声が、メインプレイスの玄関の向こうから聞こえてきた。
「!今の声は!」
「おいィ?主人を放って置いて先に行ってるなんて間接的とは言え反逆と一緒でしょう?」
「そこは気にする所じゃ無いど!」
てゐ達はすぐにメインプレイスの中に入る。
中にはいってすぐに見えてくるのは、旅行者達が待ち合わせするロビーである。
そこで、本当に何処に行こうが目立ってしまう、きめら丸の巨大な後姿が確認された。
「あ、あそこにきめら丸がいるど!」
一番に発見した、れみりゃが羽できめら丸を指差した。
「ああ良かった、まだ大惨事になってはいないみたいだね。」
てゐ達はそう言いながらきめら丸の方へと向かっていく。
と、そこで今までてゐ達に向かって背中を向けていたきめら丸がくるりと振り向いた。
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`<ヽ, 「:l // ヽ, |:l _/"ニニン'フ .,ィつry
丶,`:-': '-..,「:| ,└''"´ ̄^`ヾご/ヽ、ノ:://:ン. //フ_
 ̄ ̄ヾ/´ 、、 ヽ ヽ/ノ:ノィ斗、/// /ゥ
ノ lヽ j /、lヽ ト、 .'l.>‐ .::: /`ハ / / / / ラ
h'´ r'"イ .ノ\| .r=ァ レ'{ }l彡" rヽ / / / /∠っ,
o,'ヽ.,l .r=- >l11`o' :ノ ) ,'))入,,/r,.´./^:~^ヽヽヾ、_ ._,,,,,_ ,/)
/゛_,.,,ニ_ ヽ'、,.ィV二ヽ. 人ルィ / ノ))))) },/ヽ'/,,-~l-、_ヽj\ィ,, ヒン,,,, !-/ノ,
," r′ レ'ヽゝ /7∞!::::::ハノ.:ミ三::,/ ,/爻彡"=ニフ/ ,(,,l':i'' l^/’;;- 、、,/∠ニ=,,-"´~,゚ ゙
.│ { ./ !:: ̄:::::/'´ ! ::ミ≡'/ ,i"爻彡ヘ::〉z/‐"~i 〉//^!^lヽ,,_^l_"_=-";;' "
', ` / !:::::::::::/ |:.:.: ::ミ ´ !/‐'''''~~ν -,t'"i/:ノ_ノ,ノ ~i=─"ニ"="="ェ
.ヽ 、 ,くヽ、〉--:〈 .____.!::.::::ミ.i´ ./:::::::::/:::::`"‐‐+ノ/フ、_`__′ ~ヽ,ノ''''` ''  ̄
\ ′""``し'/:::i::::::::!__ンヽ、⌒v' ノ':::::::/:::::::::::::::::::::V\ノフ、,'::ヽ _,,...,_ ,
``'¬ー'''" |メ!川!,ハ'i ヽ、,,,,,√/~^ヽ:::::::::::::::::::〈 \ノ~`ゝ-"/" .r=ァヽ
(~⌒~i !~⌒~}:::::ノ 'l:::::::::::::::::::l' '`:-‐' ゙y(´ r=‐ ,ィ
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ノ ;, ,' ト"ン ヾt‐''~:::(, "、_,_',ノ
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∠ | ノ `、 ノ^ ノ:、,,, :::>
_ノ=´レV`,i- 厶ス /`v`〉 / _/ i,ヽ./
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「手遅れだー!」
てゐは大声でそう叫んだ。
「あわわわわ!食っちゃってるど!何処かの胴付きゆっくりを頭から丸ごと!」
れみりゃは完全にパニックに陥っている。
「てんこ!早くあいつを吐き出させて!」
てゐはてんこに向かってそう指示を出す。
一番懐いているてんこの言う事なら、きめら丸のいう事も聞いてくれるだろう。
「えぇ~なんかばっちぃ…。」
「ばっちいとかそう言う問題じゃ無いから!ゆっくりの命が懸かっているから!早く!」
てゐに言われて、てんこはしぶしぶきめら丸の元へと向かう。
「…きめら丸、今すぐ口に含んでいるものを吐き出すべきそうすべき。」
「おぉ、了解了解。」
てんこに言われてきめら丸は、すぐに口の中のものを吐き出した。
ダラァ。
なんとも生理的に気持ち悪い音を立てて、食われていた胴付きゆっくりは地面に転がった。
「…え~と、し、死んでいないどね?」
れみりゃが恐る恐る、その胴付きゆっくりに近づいた。
,. '"´ ̄ ̄`"'' ヽ、/ヽ、__
/ //`ー∠
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i / i !__ ハ ハ-‐i- 「__rイ´',
! i /.ゝ、 レ' /ハ |/ .i
レヘ/ i __ __ ! | |
zzz | !7"" ,___, "" | .| |
.| 人. ヽ _ン .| | i |
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,.ィV二ヽ.
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`し'/:::i::::::::!__ンヽ、
「ZZZ…。」
その胴付きゆっくりは、キレイな金髪も、黒い服も涎塗れになりながらも、呑気な寝息を立てていた。
「よ、よかったど…コイツ寝ているど…あんな状態でぐーすか寝ていたって何か凄い気がするけど。」
れみりゃはその様子を見て、ホッと一息ついていた。
一方、てゐはきめら丸が吐き出した胴付きゆっくりの顔を見て難しい顔をしている。
「?どうした?そんなおかしい顔をして。」
てんこがてゐにそう問いかける。
「いや、こいつの顔どっかで見た気がするんだけど…?」
「ハァ?こんなきめら丸に食われても平然と寝ている変なゆっくりをお前は知っているんですか?」
「…何処だったかな?かなり昔に見たことがある気がするんだけど…。」
そう言っててゐが何かを思い出そうとしていたその時だった。
きめら丸がてゐ達に話しかけてきた。
「所でてゐさん、なんかもうすぐ私達の乗るうー戦艦の発着時間のようなんですが、ここでジッとしていて良いんですか?」
「え!?もうそんな時間なの?」
きめら丸の言葉でてゐは思い出しかけていたことを引っ込めて、慌て始める。
「そんなに慌てなくても良いですよ、実はあなたたちがここに来るまでの間に私が手続きを済ませておきました。」
「え!?ホント?」
てゐは驚いた顔できめら丸を見た。
「ハイ、受付の人には怪訝な顔をされましたが、手続き事態は滞り無く済ませておきました。」
「…アンタって時々妙に優秀なときがあるね。」
てゐはどうリアクションしたら良いか解らない。
「てゐさん!早く行くど!ホントに乗り遅れてしまうど!」
と、れみりゃがてゐ尼僧呼びかける。
てゐがれみりゃの方へと振り向くと、れみりゃとてんこの姿がかなりはなれた所に見えた。
「うわ、相変わらずこういう時は行動早いね、あいつらは。」
「私達も急ぎましょう。」
てゐ達は早足でれみりゃ達の元へと掛けていった。
てゐ達がその場から消えて暫く立った頃。
「…う~ん…よく寝たのか~。」
きめら丸が咥えていた胴付きゆっくりがゆっくりと起き上がった。
眠たげに目を擦ろうとして、自分の顔に何かべとついた物が纏わり付いている事に気づく。
「ん?何だこれ?獣臭いのか~。」
きめら丸の涎だから獣臭いのは当たり前だろう。
顔全体が涎まみれと言う事態は普通のゆっくりにはかなりゆっくり出来ない事態だろう。
「…ま、そんな事はどうでも良いのか~。」
しかしそのゆっくりは、全くその事に気をかけなかった。
神経が図太いというか、なんと言うか。
その胴付きゆっくりが気にかけたのは、顔に付いた涎ではなく、現在の時刻だった。
「…あ!まずい!もうこんな時間!?」
ロビーの時計を見て、胴付きゆっくりは慌てだす。
「急がないと!これで10回連続で遅刻したらせいちゃんに怒られる!」
胴付きゆっくりはそう独り言を呟くと、すぐにロビーに向かって走り出した。
最終更新:2011年02月02日 16:53