てゐ魂 第三十一話-1

銀魂パロディ

下品なネタ多し(今回は特に)。

ゆっくりが割と酷い目に合う。


それでも構わない方だけ下へどうぞ。
























てゐ魂 第三十一話「外国人にとって松茸ってあまり価値の無いものなんだってさ。」


「うわぁ、見てくださいよ、先生!私、こんなにきれいな川、初めて見ました!」

川に飛び込んだむらさは濡れるのも構わずにはしゃいでいる。
彼女の言うとおり、川は透き通っていて、そこを泳ぐ魚が見えるほどにきれいだった。
「ほう、国が管理しているだけの事はあるな。」
大月はそう言って川に足を突っ込んだ。


ドロォ。


瞬間、大月の足からなんか濁りのようなものが出てくる。
綺麗な川があっという間に黒く染まり、タニシですら住めないんじゃないか?と思えるくらい酷い川に変貌する。

「…先生、足を洗ったのは何時ですか?」

「…すまん。」

思わず謝ってしまった大月であった。



「…………。」

一方、てゐ達万屋は木の根元に集まっていた。
密集するほど寄り集まった仲、3人のゆっくりはジッと木の根元に生えている物を見つめている。

「…ねぇ、てゐさん。」

「何?」

「さっきかられみりゃ達はこんな密集して何をやっているんだど?」

「何って、考えてるんでしょ?」

「何をだど?」

     _,,...,_
  /_~,,..::: ~"'ヽ
 (,,"ヾ  ii /^',)
    :i    i"
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    ヽ _ノ
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「このきのこが食べられるかを。」

「絶対食べたくないど!」

れみりゃは思わずてゐにツッコミを入れた。
確かに、顔と手足が生えたキノコなんてたとえ極上の味であったとしても食べたくは無い。

「私を食べる度胸の無い奴は、このさきいきのこれないぞ!」

しかも喋る、これだけで食欲が減退するのは明らかだった。

「おいぃ、このキノコ、何か私たちを挑発してきたんですが?やっぱりこれ、食べられるんじゃないですか?」

キノコが喋ったことに驚いて、てんこがそう言ってくる。
その言葉を受けててゐはうーむ、と考える。

「う~ん、こいつが食べられるのはゴブゴブって所かね、とりあえず、大月さんに食べさせてみて
 安全かどうか確かめて…。」

「ちょ、依頼人に何危ない物を食わせようとしているんだど!」

「知ってる?キノコ類の食事事情はね、沢山の毒キノコで犠牲になった人達の上に成り立っているんだよ。
 大月さんはね、今このキノコが食えるかどうかという謎の生き証人になれるかもしれないよ?」

「だから勝手にそんな大役を背負わせるな!お前は大月さんのなんなんだど!」

「え~と、一応はボディガード?」

「立場がわかっているなら、なおさらこんな得体の知れないキノコを食わせようとするんじゃないど!」

「…ハイハイ、解りました。
 じゃあとり合えずこの新種のキノコは諦めて、素直に松茸探しに戻りますか。」
れみりゃの言葉を受けて、とり合えずてゐはこのキノコを諦めたようだ。

「常識に縛られ未知の可能性に飛びつかないようじゃ、このさきいきのこれない!」

「うるさいど!」

なおも喋る謎のキノコに、思わず怒鳴りつけていたれみりゃであった。



「…何やってるんでしょうか、あのゆっくり達は。」

むらさはキノコを囲んでガヤガヤやっているゆっくりたちを見て、呆れた表情でそう呟く。

「…あいつら、相変わらず遊んでいるようにしか見えないな。」

大月もその光景を見て、深いため息をつく。

「う~♪」

           ,. -───-- 、_
  ♪   rー-、,.'"          `ヽ、.
   \ _」::::::i  _ゝへ__rへ__ ノ__   `l
     く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、    }^ヽ、
   .r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>、_ ノ ハ } \
  /ヽ/ r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒  `!  i  ハ /  }! i ヽ
 / / ハ ハ/ ! /// ヽ_ ノ /// i  ハ  〈〈{_   ノ  }  _」
 ⌒Y⌒Y´ノ /l           ハノ i  ヽ⌒Y⌒Y´
      〈,.ヘ ヽ、        〈 i  ハ  i  〉
       ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハヘノ

と、その時大月の側にれみりゃが飛んでやってきた。
れみりゃは羽をバタつかせて大月の周りをぐるぐると飛び回っている。

「おぉ、れみりゃ君はまじめに警護してくれるのか。」

大月はれみりゃを見てそんな事を呟く。

「……あの、先生。」

その光景を見てむらさは大月に話しかけてきた。

「れみりゃさんならあそこでキノコを見ていますけど。」

むらさの言うとおり、キノコを囲んでいるゆっくりたちの中にれみりゃの姿があった。

「え?」

「それに、そのれみりゃは空を飛んでますけど、たしかれみりゃの羽は手足の代わりであって
 空を飛べるようには出来ていないはずです。」

「あ。」

言われて大月は思い出す。
胴無しゆっくりの羽や飾りは人間で胴付きゆっくりで言う手足の代わりであることを。
詳しくは第一話参照。
…ならば、今、大月の周りで飛び回っているこのれみりゃは一体何なのか?

疑問に思った大月がれみりゃをジッと観察していると…。



          ,. -───-- 、_
      rー-、,.'"          `ヽ、.
      _」::::::i  _ゝへ__rへ__ ノ__   `l
     く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、
      \::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>
      r'´ .ィ"Y◎`,  、 '◎Y.::`!  i  ハ
      ヽ/ ! " ⌒,トェェェイ⌒.::::::::i  ハ   ',
      .ノ /l    |,r-r-|  .:::::::ハノ i  ヽ.
      〈,ヘ  ヽ、 `ニニ´ .::::::::,〈 i  ハ  i  〉
       ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハヘノ

「キシャアアアアアアアアアッ!」

ガブッ!

いきなりそのれみりゃは牙を向いて大月に頭から噛み付いてきた。
「ぎゃああああああああああ!」
その激痛で思わず大月は絶叫してしまった。

「お、大月さん!?」

いきなりれみりゃ?に頭をかまれてその辺を声尾がり回る大月を見て思わず叫ぶむらさ。

「ん?何?後ろが騒がしいけど。」

てゐ達も、自分達の後ろで突然大声が聞こえたもんだから
驚いて大月達のほうへと振り向く。
「って、大月さん、何やってんの?」
これが大月の姿を見て、てゐがもらしたコメントです。

「てゐさん!何暢気な事言ってんですか!早く大月さんを助けてください!
 あんたらその為にここに居るんでしょうが!」

むらさがてゐに向かって大声でそう叫ぶ。
「ちょ、そんな間近で叫ばれたら鼓膜破れるって…。
 れみりゃ、あんたあいつの頭に噛み付いている同類を説得してきてよ。」
てゐはれみりゃにそうお願いする。
ところがれみりゃは首を横に振った。
「てゐさん、多分あいつはれみりゃが説得したところでどうにもできないど。
 って言うかあいつはゆっくりじゃないんだど。」

「え?」

れみりゃの言葉に、てゐはキョトンとした顔になる。
「こいつを見てみるんだど。」
そう言ってれみりゃが帽子の中から取り出したのは、ポケットサイズの小冊子。
タイトルには「アウトドアに役立つ動物図鑑・ゆっくりの国編」と書かれてある。

「…何さ、これ。」

「山に行くって事で、途中のコンビニで買った本だど。」

そう言えば、ここに行く途中でコンビニに立ち寄った気がする。

「って、あんた、そんなもん買う金どこにあったのさ。」

「お金は大月さんが払ってくれたんだど、このくらいなら必要経費で下ろさせるって事で。」

「…あいつ、会社の金を使うんならウチに払う依頼料ももっと出してくれてもいいのに…。」

「そんな事よりてゐさん、このページを見てほしいんだど!」

そう言ってれみりゃはてゐにあるページを開いて見せ付けた。
そのページには、れみりゃの写真と共に、こんなことが書かれていた。


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      rー-、,.'"          `ヽ、.
      _」::::::i  _ゝへ__rへ__ ノ__   `l
     く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ、
      \::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7ヽ___>
      r'´ .ィ"Y◎`,  、 '◎Y.::`!  i  ハ
      ヽ/ ! " ⌒,トェェェイ⌒.::::::::i  ハ   ',
      .ノ /l    |,r-r-|  .:::::::ハノ i  ヽ.
      〈,ヘ  ヽ、 `ニニ´ .::::::::,〈 i  ハ  i  〉
       ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハヘノ


【れみりゃモドキ】危険レベル:B

れみりゃに良く似ているがゆっくりではなく、あの有名なチュバカブラの亜種である。
れみりゃに似た姿を利用してゆっくりに近づき、噛み付いてその中身を吸い取ってしまう生き物。
この生き物のせいで人間の国では「ゆっくりれみりゃゆっくり捕食説」が蔓延し、
れみりゃが迫害されていた時期がある。

なお、捕食対象は主にゆっくりなのだが、
似たような形状をしている人間の頭にも噛み付く事がある。
人間の場合、噛み付かれても中身を吸い取られることは無いが、
代わりにすっぽん並みにしつこくかまれ続けるので注意が必要。


「…へぇ。」

てゐはページを読んだあと、大月の方へと振り向く。
「あぁあああああああああああああ!」
大月は相変わらず、れみりゃモドキに頭を噛み付かれたまま、辺りをごろごろ転がっていた。

「これだけゆっくりがいっぱい居る状況で真っ先に大月に噛み付いてくるなんて、
 れみりゃモドキが馬鹿なのか、あいつの運が悪いのか…。」

「暢気な事言ってないで早く大月さんを助けてください!」

呆れるてゐに向かってむらさがそう怒鳴ってくる。

「ハイハイ、解ってますって。」

てゐはそう言ってスペルカードを取り出した。
「す、スペルカード!?ちょっとてゐさん!弾幕なんて使ったら大月さんにも当たっちゃうど!」
そう言ってれみりゃが慌てててゐを止めようとする。
するて、てゐはれみりゃの方へと振り向いてこう言った。

「れみりゃ、あたしは何時弾幕を使うって言った?」

「え?でもそれ、スペルカード…。」

「スペルカードは弾幕を生成するものとは限らないの。」

てゐがそう言うと、スペルカードとてゐの身体が光り始めた!

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照符「さいたまサンシャイン」

次の瞬間、太陽に変化したてゐが一気に辺りを照らし出す!

「う、うわっ!」

「まぶしい!」

周りに居たゆっくり達は思わず怯んでしまう。

『ぎゃああああああああ!』

そして、絶叫を上げる奴が二人。
一人は大月、そしてもう一人はれみりゃモドキだ。


「きしゃああああああ!?」


れみりゃモドキは大月の頭から牙を離すと、
さいたまの発する光から逃げるように森の奥へと消えていった。

「おぉ~確かにチュバカブラの亜種ってのは本当みたいだねぇ、
 強い光は大の苦手みたい。」

てゐは逃げていくれみりゃモドキを見て、そんな事を呟いた。
「ぎゃああああ!めが~めが~!」
そして大月はさいたまの光をモロに見てしまったため、某大佐のような状態になってしまっていた。
「大月さん、目薬です!」
むらさはそんな大月に目薬を差し出す。
大月は慌てて目薬をさして目をハンカチで押さえ込んだ。

「さて、大丈夫かい大月さん。」

「出来ればあんな生物に襲われる前に助けてほしかったよ…。」

何とか視力が回復した大月さんはてゐにそんな感想をもたらした。

「…それにしても、今のれみりゃもどき、おかしいど。」

と、突然れみりゃがそんな事を呟いた。
「おかしい?一体何がですか?」

「この山は国が管理している山で、国が四六時中監視しているから
 ああいう危険生物が出てくる筈は無いんだど。」

「…まぁ、自然というのは我々の想像を超えるときがあると言いますし、
 ああいう危険生物の一匹や二匹ぐらい監視漏れする事もあるかも知れませんよ?」

れみりゃの疑問にむらさがそんな答えを出す。
「ううん…そんなもんなのかど?」
何とも納得いかないれみりゃだが、そこである事実に気が付いた。
「…って、てんこちゃんの姿がさっきから何処にも見えないんだけど、あいつどこに言ったんだど?」 

「え?」

言われてむらさもてんこの姿が何処にも見えないことに気づく。
てんこは何処に消えたのか?
「…てんこならそこに居るよ。」
その疑問に答えたのはてゐであった。

「フム、あっちから松茸の匂いが漂ってきている予感。」

てんこはそう言って、フラフラとした足取りでどこか遠くに行こうとしていた。
「ちょ、てんこさん!そんな勝手に遠くに行こうとしないでください!」
むらさが慌てててんこを呼び止める。

「おいぃ!こっちは今松茸が見つかるかどうかの瀬戸際なんです
 できればあまり邪魔してほしくないんですけどねぇ…。」

「遭難したら元も子もないでしょうが!」

不満を告げるてんこに向かって思わずそう叫んでしまったむらさであった。


プニッ。


「ん?」

その時だった、てんこの頬に妙な感触があったのは。
「?どうしたのてんこ?」
てゐはてんこに向かってそう叫ぶ。
「いや、何だか私の頬に妙な感触があった。」

「はぁ?」

てゐはてんこの方を見てみる。
…しかし、てんこの周りには障害物のようなものは見当たらない。

「何も無いじゃない、あんた、何にぶつかったって言うのさ。」

「いや、確かに…。」

そう言っててんこは手を伸ばす。

プニ。

その指先には、プニプニした感触が確かにあった。
「やっぱり私の目の前に何かがある!」
てんこは何も無い虚空に手を伸ばしながらそう叫ぶ。

「…てんこ、そんなばればれの嘘を使わないでよ。」

しかし、てゐの反応は非常に冷たいものだったりする。
「おいぃ!私は冗談何て言っているつもりは無いんだが!」
見えない何かに触れながらてんこがそう叫んだ次の瞬間だった。


…ゴオッ!


「うわあっ!」

突如、てんこの周りに激しい空気の流れが発生し、てんこは弾き飛ばされた!
何が起こったのか?それは単純明快、
目に見えない巨大な何かが、てゐ達の方に向かって突っ込んできたのだ。

「………まずい!みんなふせて!」

迫ってくる威圧感に気づいたてゐはれみりゃ達に向かってそう叫ぶ。
てゐの言葉に、れみりゃたちを初めとしたどう無しゆっくりはその全身を出来る限り平べったくし、
それが出来ない大月は腹ばいの姿勢になる!


ゴォッ!


見えない何かはそのままれみりゃたちの頭上ギリギリを通り過ぎて行き…。


バキバキバキイッ!


そのまま、れみりゃたちの背後にあった木々をなぎ倒した。
「…な、何だどこれは…。」
れみりゃはなぎ倒された木々を見て震えている。

「…こりゃあ、私はさっきてんこに言った事を誤らなくちゃいけないねぇ。」

「その通り、早くあやまっテ!」

てんこは謝罪を要求してきているが、今はそんな場合じゃない。

ボワァアアアアア…。

「…!?な、何ですか、あれは。」
それを見て、むらさは思わずそんな事を言ってしまう。
なぎ倒された木々の上に、何か輪郭のようなものが浮かび上がったのだ。
輪郭はだんだんはっきりして行き、やがて、てゐたちに襲い掛かった怪物の正体がはっきりと現れる。


                // ヽ,
               ,.└''"´ ̄ ̄   `ヽ、
             ,. '´     、、   ヽ  ヽ
           ノ   ,  lヽ  j /、lヽ ト、_,,.',
          r'´ r'"イ .ノ\| .レ r=;ァ'レ'  {  }
          {  !、 l rr=-       /  `'''l.>‐ .、
          レヽ.,ト'     ー=‐'   /    l 、,,_,,ノ
          {  ,}' ',          /ヘ,  /レ' ,/ >‐、
          .7'´レ1 ヽ            人ル'レ'   'i、_ ノ
      __,-‐'、  レ~i` ヽ 、_     ( "  ______
     /       ヽ _/ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ_ゝ         /
     /   _, -‐ ' ̄                \ _ ノ| ヽ
    i r‐'                         ヽ    ヽ/
    !/|                            \  ノヽ
   / ── --- __            __ --- ── \  i
   / ── ‐‐‐     ̄         ̄     ‐‐‐ ──  ヽ   i
   i   /  i \    / /、 | ,   /   ! |  、  /   i  |
   |  ノi   | _\  ノi ノ ヽ レ' /  __ノ .レ'  ヽ ノ|  |  |
   |  | | / i / ト-- i         ├- ヽ ! i   |   |   i | |
   |/ノ '| | ヽ L_ _|          L_ __ノ ノ   |    | ヽ  | | |
     iヽ/i ////              //// | ̄ ̄|  i i  |
     | | |        ,____,             |    | ノ |   |
      | i       \   ヽ /           |   |  | |. |
      |__,ゝ         ヽ __ノ            |__| ノ |  |
      | | |',                      / | | |  /  /
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      |  ,  i |ヽ                 /i |   |  /i  /
      |/ ノ レ ー─--------───一'  ノ レ' レ'  レ'



シルエットだけ見れば、非常にバランスの悪い雪だるまに見えた。
でかいゆっくりれいむが雪だるまの胴体で、きめぇ丸が頭部分になっている。
しかし、異様なのはきめぇ丸の方だった。
まるで、でっかいれいむのたんこぶの様に、頭に張り付いているのだ。

「お、おい。これはゆっくりなのか?」

自分の記憶にある一般的なゆっくりとは明らかに違うそいつを見て、大月は思わずそう呟いてしまった。

大月のその疑問に、てゐがこんな事を言った。

「…そんなのは解らないねぇ、でも一つだけ、解る事もあるよ。」

てゐはそう言いながら髪の毛の中からスペルカードを取り出す。
巨大れいむは、そんなてゐに向かって今にも突撃しそうな体制をとっている。
その瞳は明らかにてゐに敵意を向けている。


「…こいつは、敵だ!」


てゐは先手必勝と言わんばかりにスペルカードを巨大霊夢に向かって投げつけた。

「エンシェントデューパー」

同時に無数の高速弾幕が巨大れいむに襲い掛かる!
弾幕を見て巨大れいむは回避行動をとろうとするが、やっぱりその巨大な見た目どおり、俊敏な動きは出来ないようだ。

ズガガガガガガガガガガ!

巨大れいむはその顔面にモロに弾幕を受けてしまった!

「おぉ!これはやったど!」

れみりゃがその様子を見てそう叫ぶ。
「いや、ちょっと待て!何か様子がおかしいぞ!」
しかし、その直後、大月が巨大れいむの様子を見ながらそう叫んだ。

弾幕は確かに巨大れいむの顔面に直撃した。
しかし、問題はその後、
何故か弾は消えずに巨大れいむの顔面にめり込んだままなのだ。


グッ、ポヨォオオオオオオオオン!


次の瞬間、巨大れいむはその巨大を一段と大きく膨らませた。
それだけで顔面にめり込んでいた弾幕がそのままてゐ達に元へと飛んで行ったのだ!

「な!?」

てゐ達の回避行動は一瞬遅れてしまった。

ドガガガガガガガ!

「うわぁああああああ!?」
弾幕が当たっててゐ達は思いっきり吹き飛ばされる!
何とか立ち上がると、てゐは巨大れいむをジッと見つめた。

「び、びっくりした…弾幕を跳ね返すなんて何て滅茶苦茶な奴何だい。」

「いや、滅茶苦茶なのはそれだけじゃないみたいだぞ。」

「え?」てゐが大月の言葉に思わずそう反応した次の瞬間だった。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…。


巨大れいむの身体からまるでロケットが発射するような音が聞こえてくる。


      ___      ____     ______
     /       ヽ _/ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ_ゝ         /
     /   _, -‐ ' ̄                \ _ ノ| ヽ
    i r‐'                         ヽ    ヽ/
    !/|                            \  ノヽ
   / ── --- __            __ --- ── \  i
   / ── ‐‐‐     ̄         ̄     ‐‐‐ ──  ヽ   i
   i   /  i \    / /、 | ,   /   ! |  、  /   i  |
   |  ノi   | _\  ノi ノ ヽ レ' /  __ノ .レ'  ヽ ノ|  |  |
   |  | | / i / ト-- i         ├- ヽ ! i   |   |   i | |
   |/ノ '| | ヽ L_ _|          L_ __ノ ノ   |    | ヽ  | | |
     iヽ/i ////              //// | ̄ ̄|  i i  |
     | | |        ,____,             |    | ノ |   |
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      |__,ゝ         ヽ __ノ            |__| ノ |  |
      | | |',                      / | | |  /  /
      | | | ヽ                    ノ| | | | ノ| /
      |  ,  i |ヽ                 /i |   |  /i  /
      |/ ノ レ ー─--------───一'  ノ レ' レ'  レ'
                   ''/| ! |ヽ'~
                   (~'`'`~)
                  (⌒.| l l |⌒)
                 (((  | ll ||  ))
               ( ) 从| ll || ))⌒)))
                ) ))⌒)))) )) /ヽ)
                ) )(  ))) ))⌒))))


その直後、本当に巨大れいむはまるでロケットのように空中へ急上昇する!
「と、飛んだーーー!?」
もうこれには、そのまんまな感想しか言いようが無い。
空中に飛び上がった巨大れいむはそのままてゐ達のいる森を見下ろすように空中停止する。
一体どのようなテクノロジーを使っているのか、巨大れいむはそのまま一ミリも動かない。


ぐぉおおおおおん…。


次の瞬間巨大れいむの全身を白いオーラが包み込む。
「お、おいぃてゐ!あれ何かやばく無いですか!」
てんこの言うとおりだった。
あの状態になったゆっくりれいむが何を発射するのかを、てゐは知っている。

「む、夢想封印…!」

ゆっくりれいむの代名詞的スペルカード「夢想封印」。
回避不能なホーミング弾幕でその威力は計り知れない。
しかも、あの巨大なれいむが放つ弾幕だ、そのサイズも威力も通常の物とは桁が違うことは容易に想像できる。


ゴオッ!


そして、その予想は的中した。
巨大れいむの放った夢想封印は普通の夢想封印より遥かに大きかった。
こちらに向かって落下しているそれが着弾すれば、間違いなくこのあたりの地形が変わってしまうだろう。


「て、てゐさん!あれ絶対やばいですって!」


むらさが顔色を真っ青にしててゐにそう訴える。


「そんな事言われなくても解ってるよ!」


そう答えてみるが、正直、こんな化け物弾幕をどうにかする方法はてゐには思いつかない。
ホーミング弾幕なのでそもそもかわす事は出来ないし、
かわせたとしても着弾の衝撃で大ダメージは確実。
今回ばかりは無理かもしれない、とてゐは覚悟を決めていた。


その次の瞬間だった。


ドガアアアアアアアアアアアッ!


その巨大な夢想封印を、何処からとも無く飛んできた更に巨大なレーザー砲が吹き飛ばしたのは。
「え…?」
消滅していく超巨大弾幕を見ながら、てゐは思わず呆然としてしまった。

「い、今のビームは誰が放ったんですか?」

むらさが混乱しているその時、てんこがこう叫んだ。

「おいぃ、あっちを見てみるべきそうすべき!」

てんこが指差す方向に、てゐ達の視線が集中した。

「あ、あれって…。」

てんこが指差しているものを見て、てゐ達は思わず呆然としてしまった。

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|   ノ ’   ・ |   /   | /   ヽ  /   |  , 、     ・   \
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 ・    ・ / レ'|  .!、|__  ._|             |__ ノ  .レ' .|  ノ
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そこに居たのは今現在空を飛んでいる巨大なれいむと同じくらいの大きさの
巨大なまりさだった。
ちなみにこっちには頭にきめぇ丸の顔が付いていない。

「ま、まさか、あれは…伝説のどす・まりさ?」

大月はその巨大なまりさを見て思わずそんな声を漏らした。
その次の瞬間、その巨大なまりさは口を大きく広げた。

ゴォオオオオオオオオッ!

巨大まりさはそのまま凄い勢いで吸い込みをはじめた!

「え?う、うわわわわわわわ!?」

「す、吸い込まれるどー!」

その吸引力に耐え切れずてゐ達は勿論、一番図体が大きい大月でさえ巨大まりさに吸い込まれていく!
だが、そのままてゐ達が巨大まりさの腹の中に吸い込まれることは無かった。
そうなる前に巨大まりさが口を閉じたからだ。


ボヨン!ボヨン!ボヨン!



てゐ達はその弾力があるボディで上空に打ち上げられる。
そのまま巨大まりさは頭の上に載っている黒いとんがり帽子を器用にさかさまにする。

スポッスポッ。

まるでバスケットボールがゴールに入るように三角帽子の中にてゐ達が次々と放り込まれる。
帽子の中に全員が入ったことを確認するとまりさはまた帽子をひっくり返して被りなおし、そのまま巨大れいむに背を向けて逃げ出した。



ズガガガガガガガガガガガ!



上空にいた巨大れいむは逃がさんとばかりにその巨大まりさに向かって弾幕を放つ。
しかし、巨大まりさは見た目に似合わないそのすばやい身のこなしでヒョイヒョイと弾を交わしていった。
そのまま巨大まりさはまるでドリブルに失敗したバスケットボールのようにボヨンボヨン弾んで巨大れいむの弾幕から逃げていった。


「な、何が起こっているっ訳!?って言うかおっさん臭い!少し離れて!」

「む、無理だ!こうも狭い空間にぴっちり詰め込まれていちゃ…!」

「うわぁ~上下に弾む~なんか気持ち悪い~…。」


一方、巨大まりさの帽子の中でてゐ達は
巨大まりさが移動するために弾む時の振動と、無理やり詰め込まれたためによる無茶な姿勢によって
阿鼻叫喚の地獄絵図になっていた。
巨大まりさが弾むたびにてゐ達はまるで宇宙空間に放り出されたようになり、
三半規管がぶっ壊れていく。

「や、ヤバ…激しい振動で…戻しそう…。」

「てゐさん…れみりゃ、何だかお花畑が見えてきたどぉ~…。」

「オウッフ…ちょっとこれシャレにならんでしょ…。」

てゐ達全員がノックアウトするのに、そう時間は掛からなかった。



~☆~


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最終更新:2011年02月03日 17:04