この小説は銀魂のパロディです。
碌なゆっくりが出てきません。
ゆっくりが酷い目に会う描写があります。
それでも構わない方だけ、先にどうぞ。
てゐ魂三十二話「絆って奴身体のサイズとか関係ない。」
「…町が滅ぶ?たかがでかいゆっくり一匹でまた随分と大げさだねぇ。」
ドス・まりさの目的を利いててゐは思わずそう答えてしまう。
「ん?お前もしかしてピグ・れいむディスってるんじゃないだろうな?」
ドス・まりさはてゐにズズイっと迫りながらそう言った。
でかい顔ですごまれるとやはり迫力は段違いだ。
「別にそんなつもりじゃないけどさ。」
「お前、ピグ・れいむを馬鹿にスンナよ、あいつホントに強いんだからな、図鑑を見てみろこのやろー!」
そう言ってどす・まりさは図鑑をれみりゃから取り上げると、てゐに押し付けた。
正直、うんざりしたてゐだが、仕方ないかと思いつつ図鑑のページを見る。
図鑑には、こう書かれていた。
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【ピグ・れいむ】危険レベル特A
巨大ゆっくりの中でも戦闘能力が秀でているゆっくりがこれだ。
まず厄介なことに姿を消す事が出来る。
そして、低速であるが空を飛ぶ能力を持っている。
これらの能力も戦闘能力の高さに一役買っているが一番の厄介はそのもち肌である。
脅威の柔軟性を誇るそのもち肌は弾幕はおろか、ミサイルすら跳ね返す。
他にもこのゆっくりには108の秘密があるのだが、唯一つだけいえる事がある。
とりあえず、こいつに出会ったら怒らせることだけはやめておいた方がいい。
「どうだ!ピグ・れいむの恐ろしさがわかったか?」
どす・まりさは胸を張りながらそう言った。
「いや、確かに戦った身としてはあの戦闘力の凄さは嫌でも解ってるんだけどねぇ…
でもさ、あれが町に出てもあっという間に軍隊に囲まれてジ・エンドってのがオチじゃない?」
てゐはそう反論する。
今度はドス・まりさのターンだ。
「…まぁ確かに一匹じゃ軍隊は無理かもしれないな、町も全滅とは行かないかもしれない。
しかし、問題はあいつだけじゃない、頭に生えたあの顔にも問題はあるんだ。」
「…そういえば生えてましたね、きめぇ丸の顔が。」
むらさがそう言ったその時だった。
大月が何かに気づいたような表情になったのだ。
「・・・まさか!あいつの頭に付いていたのは…きせい丸か!?」
大月は真剣な表情でそう叫ぶ。
「き、きせい丸ですって!?」
「…え?きせい丸?」
むらさ以外のゆっくり達は大月の言葉の意味をいまいち理解していなかった。
「ご名答だ、ピグ・れいむにきせい丸…正にカモがネギ背負ったならぬ
DIOが石仮面を被った…な組み合わせだぜ。」
例えがかなり意味不明だがとにかくどす・まりさは不敵な笑みを浮かべてそう答えた。
「まずいな…まさかきせい丸が出てくるとは…これは厄介だぞ。」
「きせい丸…まさかあのゆっくりの頭に付いてるのがそうだったなんて…。」
「…あのさお二人さん、自分達だけわかった顔で納得しないでよ、
置いてけぼりな私らにも解りやすく説明して。」
神妙な面持ちで喋っている大月とむらさに対しててゐが説明を求める。
「…なんだ?お前達知らないのか?ゆっくりなら誰でも知ってると思っていたのに。」
大月がてゐの言葉を聞いて意外そうな顔でそう言った。
「知らなくて何が悪いのさ。」
「買ってきた図鑑にも載ってないど。」
「解らない、何それ、外人?歌?」
「本当に知らないのか?俺達の国では社会問題になるほど有名な奴だぞ。
何しろ、寄生された奴は非常に凶暴になるし、一度増えたら増殖を食い止めるのはなかなか難しい
一つの町の住人が、丸ごときせい丸に乗っ取られた「マリアリシティの悲劇」も知らないのか!?」
大月が信じられないと言った表情で質問攻めにしてくる、
てゐは少しイライラしながらこう答える。
「ホントに知らないって!って言うかマリアリシティって何処にあるのさ?」
「…君達の心の中?」
大月は胸に手を当て、首をかしげながらそう答えた。
「何処だよ!」
直後、てゐの怒号が還ってきたのは言うまでもない。
「とにかく、知らないものは知らないの!結局きせい丸ってなんなのさ!」
てゐ達三人のゆっくりが大月を囲んで説明を要求する。
きせい丸について説明してくれたのは、むらさであった。
「きせい丸と言うのは、名前どおり、何かに寄生する生き物です。
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初めは小さなきめぇ丸と言った外見で、宿主の頭に乗っかります。
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やがて、成長と共に、宿主と一体化、この時点で主導権はきせい丸に移り、
宿主は操られてしまいます。
操られた宿主は本能のままに暴飲暴食を繰り返し、
きせい丸に栄養を送るだけの存在と成り果てるのです。
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そして成長しきったきせい丸は凄い数に分裂、分裂したきせい丸は新たな宿主を求めて彷徨います。
これの繰り返しで個体を増やしていく生き物なのです。」
「…要するに勝手に生き物に取り付いて洗脳する物騒な生き物って事?」
ひとしきり説明を聞いて、てゐはむらさにそう問いかける。
「ええ、おおむねそれで合っています。」
むらさはコクリと頷いてそう答えた。
「そ、そんな生き物がいたなんで知らなかったど…。」
れみりゃが驚きの表情でそう答えた。
「お前達知らないのも無理はないんだぜ、もともとこの国には居ない生き物だからな。
たぶん、外の国から流れ込んできたんじゃないかとまりさは思ってるんだぜ。」
ドス・まりさはそう説明する。
「ほう、外国ですか、世界は広いと言うことですね。」
解ってるんだか解ってないんだか、てんこはうんうん頷きながらそう言った。
「で、あんたきせい丸が厄介な存在だって言ってたけど、どの辺が厄介なのさ?」
と、てゐが大月にそう質問する。
大月は真剣な表情で答える。
「厄介なのは生き物であればどんな奴にでも取り付くことと、、
きせい丸そのものの増殖力だ。
特に厄介なのは増殖力だな、
たった半日放って置いただけであいつらは元の100倍の数にまで増殖する。」
「うわぁ…。」
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/ ̄_ヽ`ー-一'イ==≠二~
きめぇ丸の行進が頭の中をよぎり、てゐの背筋がゾクリとなる。
「もし増殖したきせい丸に寄生された山の生き物達が一斉にゆっくりの町に乗り込んで来たら…。
ゆっくりの町は、きせい丸の町になってしまうだろうな。」
「ちょ、チョットそれシャレにならんでしょ…。」
てゐ達はそれを聞いて顔色を真っ青に染めている。
「そんな最悪の事態を避ける方法はただ一つ、
山中にばら撒かれたきせい丸が成長してしまう前に、母体であるピグ・れいむに寄生したきせい丸を
ピグ・れいむ事抹殺してしまうしかない。
まりさは、その為にここまで来たんだぜ。」
ドス・まりさはそう言って立ち上がった。
「抹殺って…それは少し残酷じゃないのかど!?」
物騒な言葉が出てきたので、れみりゃが慌てた顔になる。
「成長する前ならまだ助けられたんだろうけどな…成長してしまったらもう手遅れなんだぜ。」
そう言いながらドス・まりさは洞窟の外に向かってボヨンボヨンと弾みだす。
そして…。
洞窟の外に出たとたん、ドス・まりさは外においてあった大岩を使って洞窟の入り口を塞ぎ始めた。
「!?ちょ、あんた何入り口ふさいでんのさ、そんな事したら私たちが出れないじゃない!」
慌てて洞窟の入り口に向かうてゐ達。
しかし、てゐ達が洞窟の出入り口に付く頃には、もう既に出入り口はてゐ達が出入り出来ないほどに狭くなっていた。
「悪いけど、ここから先はまりさの仕事なんだぜ。」
その岩の隙間から顔を除かせながらどす・まりさはそう言った。
「どうせまりさ達が来たことで国はこの山を封鎖しちゃってるからな、
ここに避難していた方がお前達にとってもっとも安全なんだ。
奥の方に地下水脈があるからそこで身体をよーく洗っておいておけよ、
きせい丸の胞子が体についている可能性があるからな。」
「あんた、まさか一人であいつを相手にするつもりじゃ…!」
てゐの問い掛けにドス・まりさは答えなかった。
「…一日たってまりさが戻ってこなかったら地下水脈に飛び込みな、
かなり流れが速くて危ないけど、山の外まで流れ着くことが出来るはずだぜ。」
それだけ言うと、どす・まりさは岩を完全に閉じてしまった。
日が完全に差し込まなくなったため、あたりは一気に真っ暗になる。
「う、うわ!誰か明かり持ってないのかど!?」
れみりゃの呼びかけに答えたのは大月だった。
懐から取り出した懐中電灯であたりを照らし出す。
「へぇ、あんた準備がいいじゃん。」
「…山に行くんだからこれくらいの準備はやっておくだろう。」
懐中電灯でてゐ達を照らしながら、大月はそう答えた。
「しかしこれは参りましたねぇ、まさか閉じ込められてしまうとは…。
どうするんですか?先生。」
むらさは大月にそう問いかける。
「…そうだな、まりさの言う通り、きせい丸が居ると言うのなら
ここでおとなしくしていた方が良いと思うんだが…。」
そう呟きながらも大月はてゐの方へと振り向いた。
てゐはじーっと閉ざされた入り口を見つめている。
「私らが力をあわせてもこの岩は動かせそうもないねぇ。
と、なると地面を掘るしかないかな…。」
「…お前、あいつを追いかける気か?」
岩をどうにかする方法を考えているてゐに向かって大月はそう問いかけた。
「?何のこと?あたしはあいつに松茸を独り占めされるんじゃないかと焦っているだけだよ。」
その問い掛けに対しててゐはそう答えた。
「外にはきせい丸とピグ・れいむの脅威があるんだぞ、それなのに何でお前は
そんな無茶なことをしようとするんだ?」
「決まってるでしょ。」
てゐの答えはこうだった。
「あいつごときに心配されるほど、ゆっくりは弱い生き物じゃないってことを証明したいだけだよ。」
てゐはそう言うと、耳を使って地面を掘り始める。
どうやら地面を掘って洞窟を出る穴を作るつもりのようだ。
「て、てゐさん!れみりゃも手伝うど!」
「どうやら私の力が必要な予感。」
てんこもれみりゃも、一緒に穴を掘り始める。
「うわぁ、自分から危険に飛び込む行為をしようなんて、
相変わらずあのゆっくり達は何考えてるのかわかりませんね、先生…。」
その様子を見たむらさは、半ば呆れた様子でそう言いながら大月の方へと振り向いた。
「…くそ、何処にしまったっけ?あまり使わないと思って奥の方に閉まったのは失敗だったな。」
…大月はリュックの中から何かを探していた。
「…せ、先生?何をしているのです?」
「見て解らないのか?穴を掘るためのスコップを探している。
…お、会った。」
そう言っているうちに目的のものは見つかったようだ。
「どうやら私も、人間が弱い生き物じゃないって事を証明したいらしい。」
大月はリュックからスコップを取り出すと、てゐ達を手伝うために動き出した。
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最終更新:2011年02月03日 18:06