※この作品はれみりゃとお兄さんシリーズの世界観です。
※オリキャラが苦手な方は申し訳ありませんが引き返してください。
※時系列は、
ちびりゃのはじめてのぱたぱたの一週間後の日曜日です。
よろしければどうぞ
ちびりゃのダイエット教室
「うっう~♪うぁうぁ♪」
俺の目の前でれみりゃが踊ってくれる。
可愛いぜ…。
「うっ…う~…あぅっ!!」
「うぁ!おちびちゃんだいじょぶだいじょぶ~?」
もう一匹のれみりゃ…ちびりゃもその踊りを見て自身も踊ろうとするが、転んでしまう。
ちびりゃの親であるれみりゃが駆け寄る。
「あぅ~…しっぱいしちゃったどぉ…」
「う~…おちびちゃん…」
「もういちどれみぃのかりしゅま☆だんすでゆっくりするどぉ!!」
「う~…」
ちびりゃは立ちあがり、もう一度踊る体勢を作る。
しかし…
「うっ…あぅっ!!」
「うぁ!!おちびちゃ~ん!!」
またもや転んでしまうちびりゃ。
れみりゃが再び慌てて駆け寄る。
「あぅ~…どぉしてぇ…」
涙目になるちびりゃ。
床は柔らかい絨毯なのでちびりゃの身体には怪我はないが、ちびりゃの精神には深刻なダメージを与えていたようだ。
何故ちびりゃが踊れないか俺にもれみりゃにもよくわかっている。
何故なら…
「あぅ~…なんだかおもいおもいだどぉ…」
「う~…」
ちびりゃの体型が大きく変わってしまっているからだ。
横方面に太くなっている。
このような体型ではバランスが取れないだろう。
「なあ、ちびりゃ」
「あぅ?」
見かねて声を掛ける。
このままではちびりゃもゆっくり出来ないだろう。
「ダイエットしないか?」
「あぅ?だいえっとってなんだどぉ?」
まずそこから話を始めなければいけないようだった。
「え~と…ダイエットってのはな…」
どう説明したらいいものか。
太ってるとかそういうこと言ったらちびりゃが泣き出してしまうかもしれないな…。
「…ダイエットをするとカリスマになれるんだ」
「うぁ!!」
「あぅ!!」
強ち嘘ではない…はずだ。
太ってるカリスマって情けないと思うし。
ちびりゃだけでなくれみりゃまで驚いている。
まあ、俺も教えたこともなかったし、姉貴も教えたことがなかっただろうからなあ。
「れみぃだいえっとしたいどぉ!!」
「れみぃもぉ!!」
ちびりゃだけでなくれみりゃまで食いついてきた。
れみりゃはダイエットする必要はないような気はするが…まあ運動することは良いことだよな。
しかし、ダイエットするにしても…狭い家の中じゃやりにくいだろう。
かと言って、寒空の中を走るという選択肢はちびりゃには酷だろう。
少し本格的な場所に行くとするか。
「じゃあ、今からダイエットしに行くか」
「あぅあぅ♪れみぃはだいえっとしてぇ♪かりしゅまれみぃになるどぉ♪あぅ~♪」
「まんまぁもぉ♪だいえっとしてぇ♪おちびちゃんといっしょにぃ♪さらにかりしゅまになるぞぉ♪うぁうぁ♪」
嬉しさのあまりに踊りだす親子れみりゃ。
「あぅっ!!」
「うぁ!おちびちゃ~ん!だいじょぶだいじょぶ~?」
ちびりゃは転んでしまっていたがな。
「れみりゃもちびりゃも準備できたか?」
「れみぃはじゅんびおっけぇだけどぉ…」
「あぅ…れみぃのおようふく…ぎゅうぎゅうだどぉ…」
しまった。
れみりゃは紅い上下のジャンパーを身につけているのだが…ちびりゃがあまりにも太り過ぎてジャンパーが入らないようだ。
まさかこのような展開になるとは思わなかった。
う~ん…。
ちびりゃの普段から着てる服は、ちびりゃの身体に合わせて大きくなってるようだから全く気付かなかった。
…よく考えたらそれもおかしな話だよな。
れみりゃの服って身体と一緒に成長しているのか?
そう言えば、レプリカれみりゃ服というのは買ってあげたことはあるが、そっちは着れなくなると廃棄だ。
しかし、元々れみりゃが着ていた服は今でもれみりゃが着ている。
れみりゃとはそれなりに長い間一緒に暮らしてきたが、ここに一つまた謎が生まれてしまったぜ…。
まあ、それはともかくちびりゃをどうするか…。
仕方ない。
「ちびりゃ、この中に入れ」
「あぅ?これなんだどぉ?」
俺が持ち出したのは大きめのスポーツバッグ。
人間の子供が入れるくらいの大きさだ。
ちびりゃの身体の大きさなら多分大丈夫だ。
「あぅ~!このなかせませまだどぉ!ゆっくりできないどぉ!」
それでもやはり狭かったらしい。
入ろうとしたが、すぐに出てきてしまう。
どうするかな…。
「ちびりゃ、何とか入れないか?」
「あぅ~!せませまでゆっくりできないどぉ…」
「寒いのと暗くて狭いのどっちが良い?」
「あぅ!?」
ちびりゃは驚きの顔で俺を見る。
この中に入ってくれないと素の状態のまま寒空の下で過ごさなければいけない。
だからどちらかの選択肢になる。
…それとも俺の部屋でダイエットするか?
しかし大したことは出来ないだろうしなあ。
「あぅ…ゆっくりできないせませまにするどぉ…」
渋々スポーツバッグの中に入るちびりゃ。
良い子だ。
単に寒いのが嫌なだけだっただろうけどな。
「ちびりゃ、暗くても我慢してくれよ?」
「あぅ?」
ちびりゃは俺が何を言っているのか分からなかったようだ。
しかし、チャックを閉めないとどっちにしてもちびりゃが寒い思いをするだけだ。
俺は躊躇せず、スポーツバッグのチャックを閉めた。
「あぅ~!!くらくらせませまでゆっくりできないどぉ~!!!」
ようやく俺の言葉の意味が理解できたようだ。
少々可哀相だが仕方ない。
車に着くまでの辛抱だから我慢して欲しい。
「行くぞ、れみりゃ」
「う~…おちびちゃんだいじょ~ぶかなぁ…」
「あぅ~!!まんまぁ~!!だずげでぇ~!!」
ちびりゃが泣き出してしまった。
ここで会話している間も惜しい。
「れみりゃ、ちびりゃが本格的に泣きだす前に急ぐぞ」
「う…う~!!わかったぞぉ!!」
「まんまぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ちびりゃが入ったスポーツバッグは少々重かった。
一週間前は片手で軽々と持ち上げられた筈なのだが…。
ゆっくりは一週間でここまで太るものなのか?
そんなことを考えながら、俺とれみりゃは玄関の外へ出た。
「あぅ~…ぶ~ぶ~はぽかぽかだどぉ…♪」
「うぁうぁ♪おちびちゃんゆっくりできてるぞぉ♪まんまぁもゆっくりできるぞぉ♪」
車の中までちびりゃを運び、エンジンを点けるとちびりゃをスポーツバッグの中から出した。
しかし、改めてみると今のちびりゃは本当に太いな…。
ふとましいという形容詞を通り越してる気がする。
最早デb…いやいや、やめておこう。
今は運転中であるし。
余計なことは考えないようにしよう。
「まんまぁ~!あれなんだどぉ~?」
「あれってどれだっぞぉぉぉぉ!?」
車の中から窓の外に柔らかい指を向けるちびりゃに困り果てるれみりゃ。
2人は一週間前と同じことをやっていた。
まだまだ子供だから仕方ないのか。
しばらく運転していると目的地に到着する。
目的地は大きめのスポーツジムだ。
ここはゆっくりも使用可能という珍しいジムで、テレビにも取り上げられたことがある。
「あぅ~♪おっきないえだどぉ♪かりしゅまをかんじるどぉ♪」
「うぁうぁ♪ここでだいえっとしてぇ♪かりしゅまおぜうさまめいくあ~っぷなんだぞぉ♪」
「あぅあぅ♪れみぃもかりしゅまめいくあ~っぷなんだどぉ♪」
どこで覚えたんだそんな言葉。
さすがに古すぎるぞ。
ま、姉貴以外にいないんだがな。
俺は駐車場に車を停める。
やはり大きな建物だと駐車場も大きいので車を停めやすいもんだ。
さて、ちびりゃはどうするかな…。
「ちびりゃ、寒いのと暗くて狭いのどっちが良い?」
「さむさむにするどぉ!くらくらせませまはゆっくりできないどぉ!」
即答された。
よっぽど嫌だったらしい。
自分としては名案だったと思ったのだが。
ちびりゃがそう言うのなら仕方ない。
俺達はちびりゃが入っていたスポーツバッグを車の中に置いて、車の外に出る。
「しゃぶしゃぶだどぉぉぉぉぉ!!!!でみぃご~まがんにがえりだいどぉぉぉぉぉぉ!!!!」
「おちびちゃぁぁぁぁぁん!!!!す~りす~りだっぞぉぉぉぉぉ!!!!」
やっぱりちびりゃは泣き出してしまったが。
ちびりゃを両手で担いで走る俺とれみりゃは、スポーツジムの入り口まで到着する。
ふぅ…やはり中は暖かいな。
俺はちびりゃをその場に降ろし、受付へ向かう。
「あぅ~♪ぽかぽかだどぉ♪ゆっくりできるどぉ♪」
「はふぅ~…はふぅ~…まんまぁつかれたぞぉ…」
れみりゃは荒々しく息を吐く。
泣き叫ぶちびりゃの声をバックに、車からここまで走ってきたのだ。
疲れて当然だろう。
重い重いちびりゃを担ぎながら走って俺も疲れた。
俺も未だに息が乱れている。
「あぅ?まんまぁもぉ♪ゆっくりするどぉ♪」
「はふぅ~…はふぅ~…」
親の苦労子知らずってやつか。
今のれみりゃはちびりゃに返事をする気力もないようだ。
ま、ちびりゃには中でしっかりと苦労してもらうことになるとは思うがな。
受付を済ませ、俺達は上履に履き替える。
当然、胴付きゆっくり用の上靴もある。
多くの胴付きゆっくり用の上靴は比較的シンプルな物が多いのに対し、胴付きれみりゃ用はデザインに拘った物が多いようだ。
れみりゃ達は結構見た目に拘るからな…。
「れみぃこれがいいどぉ!!」
「うぁ?おちびちゃん!?こっちのほうがかりしゅまだぞぉ!?」
「あぅ~…れみぃこっちにするどぉ!!」
「うぁ!これもすてがたいぞぉ…う~…」
「あぅ~…どれもかりしゅまだどぉ…」
「う~…」
上靴を前にして悩む親子。
上靴一つに何分掛けるんだ。
気持ちは分からんでもないが…。
「上靴なんてどれでも良いだろ?早く入ろうぜ」
「うぁ!どうでもよくはないぞぉ!」
「あぅ!ここでれみぃたちのかりしゅまがとわれるんだどぉ!」
怒られた。
普段の靴は至ってシンプルな癖に。
「う~…」
「あぅ~…」
結局20分後にようやく中に入ることが出来た。
ヘヴィだぜ…。
「うぁ?なんだかくさくさだぞぉ?」
「なんだかむしむししてるどぉ…」
更衣室で着替えた俺達(といってもれみりゃとちびりゃはいつもの服装だが)は、トレーニングルームへと入る。
恐らく想像と大きく違った空気だったのだろう。
れみりゃとちびりゃは怪訝そうな顔をする。
ま、そもそもダイエットの説明が悪かっただろうからな…。
それはともかく、まずは準備体操からかな…。
受付で準備運動の例が書いてある紙をもらってきたので、この通りにやってみるか。
「れみりゃ、ちびりゃ、準備体操をやるぞ」
「うぁ?」
「あぅ?」
今度は準備体操の意味がわからなかったようだ。
さて、どう説明すれば良いものか。
「準備体操ってのは…ダイエットの前座にやるものなんだよ」
「うぁ!なるほどだっぞぉ!!」
「あぅあぅ♪れみぃもじゅんび…?なんとかをやるどぉ!!」
俺は準備体操の例が書いてある紙を見る。
まずは屈伸か…。
「よし、2人とも。…まずは…」
よく考えたらこいつらに筋肉はあるのか?
いや、こいつらは筋肉どころか骨すらない。
手足はあるが、中身は肉まんのはずだ。
肉離れは愚か筋肉痛でさえ起こるのか怪しい。
俺は紙へと視線を戻す。
『ゆっくりの方には適当に準備体操をやらせて下さい』と書いてあった。
適当って…まあ、ゆっくりは種類で体格差が激しいから仕方ないのかもしれないが。
それでもアバウト過ぎるだろ…。
…まあいいや。
「れみりゃ、ちびりゃ、少し踊っててくれ」
「うぁうぁ♪かりしゅま☆だんすでゆっくりするぞぉ♪」
「あぅあぅ♪れみぃもれみぃもぉ♪」
俺は一人で人間用の準備体操をすることにした。
「あぅっ!!」
「おちびちゃ~ん!!だいじょぶだいじょぶ~?」
ちびりゃはやはり転んでしまっていた。
「よし、ちびりゃ、まずこれに乗ってくれ」
「あぅ?れみぃ?」
準備体操を終えた俺は、早速ちびりゃにダイエットを開始してもらうことにした。
トレッドミルの上にちびりゃに乗ってもらう。
ちなみにトレッドミルってのは…動く床の上を走り続ける機械のことだ。
大抵の人は一度はやったことがあるんじゃないだろうか。
これは胴付き胴なし問わず汗を流すことが出来る。
ゆっくりに汗があるのかは知らないが。
…汗って言うより汁かな。
まあいいや。
俺はトレッドミルを最低速度に設定する。
最初はここからスタートするべきだろうな。
「あぅ?ゆかさんがうごくどぉ!?」
「ちびりゃ!落ちないように走れ!」
「あっ、あぅ!?」
落ちた。
まあ、最初は仕方ないな。
その身で体験してもらった方がちびりゃは理解が早い。
口で言ってもよくわからないだろうから。
「う~…ゆっくりできないどぉ…」
ちびりゃが不満そうな顔をする。
想像していた物と全く違うのだろう。
しかし、これだけでやめてもらう訳にはいかないのだ。
「ちびりゃ、ここでやめてしまうとカリスマになれないぞ?」
「あぅ!?」
俺の言葉に目を見開くちびりゃ。
『カリスマになれない』…ちびりゃにはその言葉の威力はどれ程のものなのか。
顔がそれを示していた。
「おちびちゃ~ん!まんまぁもおうえんしてるぞぉ!」
れみりゃの声援が飛ぶ。
れみりゃは太ってるとは言い難いが(あの
ダンスだけで十分運動になりそうだし)、自分だけ仲間外れと思われるのも心外なので、後で何かやらせてみるか。
「あぅ!れみぃはまんまぁのようなかりしゅまになるんだどぉ!!」
ちびりゃは真剣な顔をして、再度トレッドミルの上に乗る。
俺はもう一度設定をし直す。
勿論最低速度のままだ。
「ちびりゃ!床が動きだしたら走るんだぞ!」
「りょうかいだっどぉ!」
その気合の入った声が発せられると同時にトレッドミルが動き出す。
「あぅ!あぅ!」
ちびりゃは懸命に走りだそうとするが…
「あぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
「お、おちびちゃぁぁぁぁぁぁん!!!」
落ちた。
やれやれ、時間がかかりそうだな。
その光景を見て、俺は小さくため息をついた。
「あぅっ!あぅっ!」
何度目かの挑戦の後、ちびりゃも落ちないようになってきた。
心なしかちびりゃの体が細くなったような気がする。
ゆっくりってのは新陳代謝が激しいんだな…。
「おちびちゃ~ん!!まんまぁがみてるっぞぉ!!」
その時、突然トレッドミルがゆっくりと止まる。
設定時間が終了したのだ。
「あぅ?うごかなくなったどぉ?」
ちびりゃには訳がわからないだろう。
とりあえずちびりゃには上手くやれたってことを教えてあげないといけない。
「ちびりゃ!よくやったな!これでまたカリスマに一歩近づけたぞ!」
褒める時はとことん褒めてやる。
ちびりゃは怪訝そうな顔をしていたが、俺の言葉を理解すると満面の笑みを浮かべた。
「あぅ~♪れみぃかりしゅまになれたどぉ♪」
「うぁうぁ♪おちびちゃんのかりしゅまにぃ♪まんまぁもめ・ろ・め・ろなんだぞぉ♪」
「「ばんじゃ~い!」」と両手を頭上に上げるれみりゃとちびりゃ。
可愛いぜ…。
「じゃあ、ちびりゃは少し休憩にして、れみりゃも何かやってみるか?」
「うっう~♪まんまぁもだいえっとするぞぉ♪」
「まんまぁがんばるどぉ♪」
さて、どれにしようかな。
胴付きゆっくり用のエアロバイクにするか…それとも胴付きゆっくり用の肋木にぶら下がるか…。
う~ん…。
「むっきゅっきゅ…」
ん?
何か背後から腹の底から湧き上がるような野太い声が聞こえたような…。
というか荒々しく生温かい息が…?
俺はゆっくりと振り返る。
そこには…
r''´ | /| 「ヽr'´、, -、 . --.、ノ)クヘ ''''''i _,,... -‐ '' ´ | /\
l レ'´ | [>r'>ソ~;:::::::Y::l:::i:::::ム〉 ノ〉 ' | 」 / \
l ,. ┘ く/::/イ:::/!:::ハ:::|:::l、:ヽ',y、 | ,. -''''´ / \
,..-''´ r '´,.-'´| l:/:厶XLィ/ Lハメ、:ノ:ハr' └ '''´ / /
r‐ ''''7 r'´ , 、 !''´ .| ,ノ|:::| (ヒ_] ヒ_ンY::|〈‐-、-- 、_ / /
/ / /ヽ l / 冫 / //.l:::| ,___, |:::||'、.,_'、 ヽ / /
/ /< ヽl/ / r´‐l (::|::|:::|、 ヽ_ン |:::||::::l `ヽ、.:.゙、_ / /
/ / > ヽ r' ,.ヘ / / /|::|::|::\____/:|:::|:-:リ.... .:.:.:::l!`ヽヽ、/
/ //,. ヘ \ / / / l:. .:.::l__:.:_,:.:.:.、 , __.:.:.:.:.:、:.:.:.:.,. -─-、ノ :l、 `
/ ' / ゙、 // | :. .:.:.:.:.::/´ ``ヽ!´_ ``ニ7´: .:.:.:l....:ハ、
../ / ゙、/ l:.:.:.:........:.:./ヽ`ヽ. ̄`l!:.:................:.:l ヽ .:.:.l.:/: ヾ,、
// _,. -─- 、 /':、:.:.:::::::/:.: ヽ ヽ:ノ:.丶、:.:.:.:.,/!:ヽ .:.:::::;::'´'、 ゙;ヽ
,r' そ \ ゙、 、`ー-〈:.:.:. l:.: ... ` ̄ ノ、:.:`>‐-、r''´ ̄`` }ヽ
l こ | `ー、:.''、ヽ:.:.:.......,:.:ノ-‐'':.`ー-‐:.r''フ-∠.,__ノ:′ ...:.:./...,冫
| ま | ゙、 ヽヽ;,:.ノ''´ ̄ヽ、.....:.:./ i r‐''`Y`ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.-'':.:.:.:/
l で > \ :.... ``''‐- 、._ ``'''''`ヽ...:.:.「'′:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ
ヽ、 よ / ヽ::.:.:.:.:.:.:.... .......:.:.:.:.:.:.,..ノ‐--一 '''´ ̄ ̄ ̄
`ー─-- '´ /'、__`'-:.:.:.:.:.-‐,. -‐''7
な、何だこいつはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
人間なのかゆっくりなのかわからねぇぇぇぇぇぇ!!!!!
ていうか近い!近いって!
「うぁ♪ぱっちぇだぞぉ♪」
「あぅあぅ♪ぱっちぇぱっちぇ~♪」
れみりゃとちびりゃは親しげに挨拶をする。
初対面だというのに…同じゆっくりだからか?
れみりゃ種とぱちゅりー種は仲良しになる確率が高い傾向があると言われているからな…。
「で、何か用なんですか…?」
思わず敬語になってしまう。
丸太のような腕が正直色んな意味で恐かった。
ていうか、こいつは何故にビキニなんだ。
確かにこの中は暖かいが…。
そこまで脱ぐなよ。
「むっきゅっきゅ…」
ぱちゅりー…いや、マッチョリーと呼ばせてもらおう。
こいつをぱちゅりーと呼ぶには、ぱちゅりー種に失礼な気がする。
「そこのれみぃには筋肉があるわ!私と一緒にゆっくりボディビルダーを目指しましょう!」
「うぁ?れみぃのこと?」
な、何だと?
確かにれみりゃはブレイクダンスが出来るほどに運動能力が高い。
本当にゆっくりか?と聞きたいほどに。
しかし、それでもその腕はふかふかの肉まんだ。
れみりゃに筋肉があるとは思えないのだが…。
「むっきゅっきゅ…その顔は信じられないという顔をしているわね…」
「えっ…?」
考えを読まれた!?
「顔に書いてあるわよ…むっきゅっきゅ…」
そういうのは姉貴だけで十分だ。
これ以上、俺の顔から考えていることを読みとらないで欲しい。
「善処するわ…むっきゅっきゅ…」
とか言いながら、すでに読んでるじゃねえか。
「う~?ぼでぃびるだ~ってなんだぞぉ?」
まあ、そうだよな。
俺がそんな言葉教える訳ないし、さすがに姉貴もそんな言葉は教えなかっただろう。
れみりゃに理解できるわけがなかった。
「ボディビルダーってのはね…」
_,,,, --──-- ,,,__
, '´ __ `ヽ、,ヘ
___,,, ll.llヽ_r'_ヽ 、 ,、_) ヽ ,______r'´イ´
//7/ ['、イ_,-イ、ゝ,_, ,イ_,-,_ゝヽ、__〉
~ // ,! 、!-|ーi、λ_L!」/_-i、|〉',ヽイ
~ i_ノL.イ (ヒ_] ヒ_ン ).!_イ | |´
lj.lj//. ヽ! |.i"" ,___, "" | ! | |
// ..| ! ',. ヽ_ン .,! ! .| |
・ | |ヽ、 イノi .| .|
・ ,,,|| .| ` ー--─ ´/ /入、 |
・ / _,-/,,_::|::i ''  ̄ /\ し
/ i l /ヾ,,_ /,,___ノ/___ >ヽVヽ
/`ヽ y/ .... ,/:::' '⌒ ~ ヽ,
/ / .| /:: _,, ' r : : i
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/:| / l:入 |/ | ::::~` 、 :: ::: |
/ :!'ヽ, V `T⌒\ | i:::: i |ヽ,:::ヾ.:::.|
| ヽ ヽ \,...:::.ヽ,,_____i.,,,_ `ヽ| ヾ, |
\~`:i `キ | メ:::: ;;_ " ̄人 |
\ヽ \i:: メ:: ヽ- " r'了 _>⊥, |
r=-,_ヽ ~ - ~ヽ---" ̄ ̄ _,,, l
,⊆三ミ` - r'勺 川.| --__,, ,,,,__ ____ /
 ̄,二) __, ' ~' ~~  ̄ ̄``~~""T ̄
 ̄ ̄ | / / ,, |
Y'/ , ' _, |
r' , ' _, " |
iレ' - - - |
/ /
/ /
| / |
「このように美しい肉体をした者だけが手に入れることが出来る栄光の称号よ」
やめろ。
ポージング取るな。
れみりゃを怪しい世界に勧誘するな。
「ぼでぃびるだ~ってかりしゅまなのぉ?」
「むっきゅっきゅ…そうね…一般大衆を魅了させるカリスマ性を兼ね備えた者に相応しい称号かもしれないわね…」
「あぅあぅ♪まんまぁならぁ♪かりしゅまぼでぃびるだ~になれるどぉ♪」
うわ、これはヤバイ展開。
れみりゃをそんな世界に引きずり込まれては困る。
俺自身も嫌だし、姉貴も嫌がるだろう。
何とか止めなければ。
「れみりゃ、ちびりゃ、そろそろ甘いものでも食べに行かないか?」
「うぁ?」
「あぅ?」
一刻も早くれみりゃ達をこいつから引き離すことが必要だ。
れみりゃ達の頭の中を甘い物で埋め尽くしてやればボディビルダーやマッチョリーのことなど忘れてしまうだろう。
「という訳で帰るぞ!!」
「うぁぁぁぁぁぁ!?」
「あぅぅぅぅぅぅ!?」
俺はれみりゃとちびりゃの腕を掴み、その場から早歩きで離れる。
このジムはもう使えないな。
良さそうだったのに残念だが仕方ない。
「むっきゅっきゅ…私は諦めないわよ…」
不吉な呟きが俺の耳へと届いてしまった。
届かなくて良いのに。
俺達はレストランに着き、席に座る。
やれやれ、変なゆっくりもいたもんだ。
れみりゃとちびりゃは満面の笑みを浮かべながらメニューを見ている。
「うっう~♪あまあまぁ♪」
「あぅあぅ♪れみぃはぱふぇがたべたいどぉ♪」
「ちびりゃはあまり食べ過ぎるなよ?食べ過ぎるとカリスマがなくなるぞ?」
「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
とりあえずちびりゃに釘を刺しておく。
食いすぎるとまた太ってしまうからな。
「お待たせしました~」
「あぅあぅ♪ぱっふぇぱっふぇ♪」
注文しておいたパフェが運ばれてくる。
一週間前よりも小さめのパフェだ。
「むっきゅっきゅ…」
なっ…!?
生温かい息が首筋に…?
横を見るとマッチョリーが座っていた。
い、いつの間に…。
「あらあら、奇遇ね」
「お前…俺達の後を付けてきただろ?」
「あらあら、何の事かしら」
…迂闊だった。
まさかそこまでするとは。
「あぅあぅ♪ぱっちぇぱっちぇ♪」
「うぁうぁ♪ぱっちぇもいっしょにゆっくりするぞぉ♪」
「むっきゅっきゅ…れみぃ達に良い物をプレゼントしてあげるわ…」
マッチョリーが懐から何かを取り出す。
…何だ?
袋の中から出てくる白い粉末状の物体をれみりゃとちびりゃのパフェにかけている…。
まさか!?
「そうね、プロテインね」
「おい馬鹿やめろ」
「もう掛けてしまったわ」
…プロテインがパフェの中にまで入り込んでしまった。
これではプロテインだけを取り出せそうもない。
余分にパフェを注文できるほど金を持ってきている訳でもない…。
自分達のパフェに掛けられた粉を見て怪訝そうな顔をするれみりゃとちびりゃ。
「あぅ?これなんだどぉ?」
「これはね…食べたらカリスマになれる魔法の粉よ」
「うぁ♪それはすごいぞぉ♪」
「あぅあぅ♪れみぃはさらにかりしゅまになるどぉ♪」
「まんまぁもだぞぉ♪」
マッチョリーの嘘をすっかり信じてしまった2人。
カリスマという言葉に弱すぎるんだよ、れみりゃ達は。
…俺もその言葉を散々使ってきたので自業自得か。
「「いっただっきまぁぁぁぁぁぁす!!!!!」」
「むっきゅっきゅ…召し上がれ」
厄介な奴に眼を付けられたもんだ。
俺は思わず頭を抱えた。
,.-─- 、
∧_,,∧\肉/
/\ ( e'ω'a)∩‐
| 筋 ⊂ /
ヽ/ r‐' /
`""ヽ_ノ
構想自体は一カ月以上前…冬企画の前からあったものの、なかなか書けずにおりました。
お兄さん達とマッチョリーはこの話が初対面です。
マッチョリーのキャラが冬企画と異なるのは、冬企画の時はマッチョリーが酔っぱらっていた為です。
お兄さんシリーズも本当に久々ですね。
最近三人称形式ばかり書いていたので、最初は違和感がありました。
皆さんから見て違和感がなければ良いのですが。
それにしても私が創作発表wikiに投稿し始めて約2カ月。
早いものです。
- れみりゃとおちびちゃんが相変わらず可愛いです(*^_^*)マッチョリー参入でどうなっていくかwktk -- 通りすがり (2011-02-26 01:03:06)
- ゆっくりはふっくらしてた方がかわいいよ -- 名無しさん (2011-02-26 16:59:55)
最終更新:2011年02月26日 16:59