いやはや、皆さん久しぶりでございます。
ここ半年以上、音沙汰なしですみません。
実は今度、大がかりな演目を講演する予定なのですが。
その準備に思いのほか手間取ってしまいまして、いやはや何とも…。
しかしまぁ、あまり長い間何の公演もなしではどうかとも思いまして。
こうして久しぶりに舞台を開けてみようということになりました。
…あ、勿論、大がかりな方もやっているのでそちらもお楽しみに。
さて、今回のお話の主人公は公安⑨課の一員、大ちゃん。
割と地味な方なのでそんなの居たっけ?って方は居るかもしれませんが
ちゃんと出てるんですよ?一応。
そんな彼女の仕事ぶり、ちょっと覗いてみましょうか。
さて、前口上も久しぶりですね。
この小説は銀魂のパロディです。
出てくるゆっくりにロクな奴は出てきませんし、
ゆっくりが酷い目に合う描写もあります。
それらを受け入れられない方は席をお立ちになってください。
それでもかまわない方はそのまま物語をお楽しみください
ゆっくりの国の外れにある山の奥、
巨大な木の根元に出来た大きな空洞。
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', ', i !>,.、 _____, ,.イ l ハ リ ム|ハ!`ー- -‐'"ノ!!
そこには一組の胴なしゆっくりみすちーの親子が住んでいた。
「ん、ん~今日もいい天気!」
「いい天気だね!お母さん!」
今日も日が昇り、それを合図にみすちー親子は外に出る。
みすちー親子は朝日を浴びて背伸びをする、
秋真っ盛りに突入し、赤く染まった森は彼女たち親子を祝福するようだ。
「お母さん!落ち葉がいっぱいだね!」
「ええそうね、じゃあ頑張って集めなくちゃ。」
この日、最初にみすちーが始めるのは地面に落ちた落ち葉集め。
これから冬を迎えるにあたって、断熱材の役割を果たす落ち葉は重要アイテムだ。
ゆっくりの国とは違ってこの山奥では電気という恩恵が受け入れられないのだから。
できる限りたくさん集めて、冬に備えなければいけない。
「おはようございます、みすちーさん。」
そんなみすちーに誰かが話しかけてくる。
みすちーが振り向くと、そこには胴つきのゆっくり大妖精が立っていた。
「あなたは、確か最近山に来たばかりの…。」
みすちーは彼女のことを知っていた。
この木の向かい側に、同じ位の大きさの木が生えている。
その木の根元に越してきたのが、この大妖精なのだ。
ちなみに自分のことは大ちゃんと呼んでください、だそうだ。
「大ちゃんおはよう!ゆっくりしていってね!!!」
ちびみすちーが大ちゃんに向かってピョンピョン飛び跳ねながら挨拶する。
大ちゃんもそれに対して「ゆっくりしていってね!!!」と返事した。
「落ち葉集め、大変そうですね。手伝いましょうか?」
大ちゃんは落ち葉を集めているみすちーを見てそう問いかける。
「あ、いいえ、自分のことは自分でやらなくちゃいけないのが野生の掟ですから。」
それに対してみすちーはそうお断りする。
「それよりあなたは落ち葉を集めないんですか?これから寒くなりますし、
今から冬に備えた方が…。」
「あ、いいえ、私もこう見えてちゃんと対策していますので。」
「へぇ、そうなんですかなら良いんですけど…。」
「…あの、なんで親子そろってこっちをしげしげ見ているんですか?」
「…あの、少し質問があるのですが…。」
「?」
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「…あなた、ベジタリアンですか?」
「違います。」
第34話「野生の生物っていろいろな意味で逞しい。」
公安⑨課 諜報部
それが、大妖精が持つ肩書きであった。
様々な場所に潜入し、情報を手に入れる。
重要な役割を持つが、それに伴うリスクもでかい。
ゆえに、諜報部には⑨課のゆっくりの中でも選りすぐりの精鋭が選ばれる。
そしてその精鋭の中でももっとも優れているのが大妖精こと大ちゃんというわけである。
運動神経、判断力、影の薄さ。
それらを併せ持ったゆっくり大ちゃんは、組織のためにゆっくりの国中を飛び回る。
…そして、そんな大ちゃんは今、国の外れにある山で暮らしていた。
都会の暮らしに疲れたゆっくりの中には山に籠り、野生の暮らしをする者もいる。
だからと言って別に大ちゃんが世間に疲れて山に籠ったわけではない。
任務の為に、あえて山に籠り、野生の暮らしを始めたのだ。
「…う~ん、今日も相変わらずねぇ…。」
その任務とはみすちー親子の監視。
運よく、彼女の住処の近くの木を住処に出来たのは幸運としか言いようがない。
大ちゃんはみすちーの住処がよく見える場所に座り込み、
片手に双眼鏡、もう片方の手で草を食べながらみすちーたちを見張っていた。
「どう?何か変化があったかしら?」
と、大ちゃんの後ろから誰かが話しかけてくる。
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そこに立っていたのは薄紫のふわふわヘアーに不敵な表情の胴つきゆっくり、
それは自分の上司であるれてぃであった。
この住処はちょうどトンネルのようになっており、反対側は藁でふさいであるだけ。
だから藁をどかして裏から入れば簡単に後ろを取れるのであった。
「…かれこれ一週間は見張っていますけど、一向に奴は現れませんよ。」
大ちゃんはれてぃに向かってため息交じりにそう答える。
そもそも何で大ちゃんがこんな所でみすちー親子を見張っているのかというと、
一週間前、反逆ゆっくり達の間で起きた事件が関係していた。
ある反逆ゆっくりの一派で、一人の反逆ゆっくりが活動資金を持ち逃げしたのだ。
勿論、反逆ゆっくり達も探して回ったが持ち逃げしたゆっくりの行方は未だにわからずじまい、
…そこで、反逆ゆっくり達はその裏切り者であるゆっくりではなく、
その身内に目を付けた。
…それが裏切り者の姉にあたるゆっくりみすちーというわけだ。
「…それにしても信じられませんね、あんなに良いゆっくりが、
組織の金を持ち逃げするようなひどいゆっくりのお姉さんだなんて。」
そう言って大妖精は双眼鏡越しにみすちーを覗いていた。
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みすちーは自分の子供を頭の上に載せてたかいたか~いして遊んでいた。
その様子は大ちゃんをほのぼのとした気分にさせていく。
「まぁ、あれね、片方がロクでもないともう片方がしっかりするっていう兄弟の法則ね。」
横でれてぃがみすちー親子を眺めながらそう呟いた。
「そういうもんですかねぇ?」
「そういうものよ、ちるのがいい例ね。」
「…ああ、そう言えばあれにも姉は居たんでしたね。」
それを聞いた大ちゃんは納得した表情になる。
「…それでかわいそうなのは、そんな理由でいろいろ悪いゆっくりに付け狙われている
あの親子ですよね、悪いのは妹さんの方なのに…。」
大妖精のそんなつぶやきを聞いて、れてぃはこう警告する。
「…大妖精、あんまあの親子に深入りするんじゃないわよ、あなたの仕事はあくまで監視であることを
忘れないことね。」
「解ってますよ、そこまで親密になるつもりはありませんから。」
大ちゃんはそう言いながら手に持った草を自分の口に放り込んだ。
「ところで、あなたがさっきから齧っているそれは何なの?」
と、れてぃが大ちゃんにそう問いかける。
「これですか?なおり草って薬草です、結構腹にたまりますよ。」
大ちゃんは草を飲み込みながらそう答えた。
「何かこの家、草の根っことか葉っぱが散らかってるけど…。」
「食料は自分で集める、がここのルールですからね、
私の場合、四六時中監視しなくてはいけませんから、遠くまで食料を探しに行けなくて…。」
野生のゆっくりは掟に厳しい。
生半可な覚悟では厳しい自然を生きていけないからだ。
その厳しい掟の代表格は「食料は自給自足」である。
食料は自分の足で見つけろ、施しは受けてはならない。
そして大ちゃんも野生のゆっくりの世界に潜入する以上、この掟に従わなくてはならないが…。
その任務が監視である以上、対象から離れて食料を探しに行くのは難しい。
…だが、大ちゃんは運が良かった。
住処の近くで、なおり草の群生地を見つけたからだ。
このなおり草という草、本来は怪我を治す薬草として使われるが、
生でもいけるので野生ゆっくりの食卓ではメインに対するおかずとしてよく食される。
おまけに生命力が強い草で一度積んでも画面を切り替えてる間に元通りに生えなおる凄い草なのだ。
そんな訳で大ちゃんは監視している一週間なおり草ライフを送っているわけである。
「…だからって一週間草だけで生活なんて飽きるでしょうが、
たまには違うものを食べなさい、まじで。」
そう言ってれてぃは、どこからともなくカップ容器を取りだした。
それは、インスタントのとんこつラーメンだ。
既に湯は入れられていて、いつでも食べられる状態だ。
「ちょ、れてぃさん!今の私は誰かから施しを受ける訳には!」
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「え?何?」
「…自分で食べるんですか、そうですか。」
ラーメンを啜るれてぃを見て、大ちゃんはガックリと項垂れた。
「…ま、郷にはいれば郷に従えというつもりなら別にかまわないわ、
体にだけは十分気をつけなさいね。」
そう言うとれてぃはラーメンを食べながら大ちゃんの住処を出て行った。
「…れてぃさんこそ、ラーメンを食べながら歩くのはやめた方がいいですよ。」
万が一誰かにぶつかったら汁がこぼれて大惨事になりそうだ。
…そんなれてぃを見送った後、大ちゃんは改めて双眼鏡を構えなおす。
親子の戯れを見ながら大ちゃんが思い出すのはれてぃが残していった警告。
「…確かにずっと草はないよなぁ…。」
明日からは、なおり草以外の食糧を調達しよう。
草を口に含みながら、大ちゃんはそう考えた。
~☆~
野性生活 八日目
と、いうわけで大ちゃんが来たのは川、河、KAWAである。
山で採れる動物性蛋白質といえばお魚だ。
川辺までやってくると、パチャパチャと水の音が聞こえてくる。
見ると、胴なしゆっくりが川辺でパチャパチャやっていた。
「…魚を捕まえようとしているんですかね?」
大ちゃんは、一見遊んでいるようにしか見えないその胴なしゆっくりを見てそう呟いた。
大ちゃんの推測は当たっていた。
このゆっくりは、魚を捕まえようとしている。
…が、胴つきゆっくりが道具もなしに魚を捕まえるのは難しい。
手も足もないうえに10センチくらいの深さでも呼吸ができなくなるから深い所には行けない、
これで魚を捕まえようだなんて無謀もいいところだ。
現にこのゆっくりも浅い所で小魚を口の中に入れようとしているのだが
小魚の動きが素早いのでうまくいって居ないようだ。
「…まぁ、お互いに大変でしょうけど頑張っていきましょう。」
大ちゃんは魚を捕まえようとしているゆっくりにそう言って別れを告げると、さらに川の上流に向かった。
彼女が魚捕りの舞台に選んだのは深さ30センチくらいの渓流だ。
大ちゃんは裸足になって川の中に入り込む。
川の水の冷たさに大ちゃんは思わず身震いする。
「…さて、と。」
大ちゃんは魚を捕まえるために身構える。
方法は手掴み、できれば釣竿がほしいが贅沢は言ってられない。
素早く動く魚はやみくもに手を突っ込んでも川下のゆっくりみたいに捕まえることができない。
心を研ぎ澄ませ、川の流れと一体化する。
大ちゃんは深呼吸をしてピタリと動きを止めた。
「川の流れと一体化…。」
川の流れと…。
川の流れ…。
川の…。
「…あれ?なんか川の流れが速くなったような…。」
それは、大ちゃんの気のせいじゃなかった。
川の流れが、目に見えてわかるほどに早くなっているのだ。
その勢いたるや、流れに足を取られてこけそうになる位。
「ちょ、いくらなんでもこれはおかしい…うわっっ!?」
ついに大ちゃんは流れに足を取られて転倒してしまった。
そのまま、流れに飲み込まれ、流されていく大ちゃん!
「な、何が起こっているの!?」
大ちゃんはパニック状態になりそうになりながらも何とか水面から顔を出す。
足がつくほど浅い川なのに、今は立つことすら難しい。
必死で水面に顔を出す大ちゃんが見たものとは!
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入入入入入入入入入==(ヒ_] ヒ_ン ).==', i
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入入入入入入入入入/ル` ー--─ ´ルレ レ´
ズォオオオオオオオオオ!
でかい口を開けてすごい勢いで水を吸い込むゆっくりの姿だった。
大ちゃんはそれを見て直感した。
このままだと自分もあの口の中にもこたんインしたおになってしまうと。
「うわぁああああああああああ!」
大ちゃんは必死になって流れに逆らって水を掻いた!
足掻いて、足掻いて足掻き続けて何とか川岸にたどり着く。
そのまま上陸して仰向けでゼェゼェ呼吸をつづけていた。
ふとドスンドスンと音が聞こえていたので顔を横に向けてみると、
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_'r ´ ヽ、ン、
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i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
レリイi (ヒ_] ヒ_ン).| .|、i .|.| チャポチャポ
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レ ル` ー---─ ´─レ レ
まるでリスのように頬を思いっきり膨らませたゆっくりが大ちゃんの横を通り過ぎるところだった。
飛び跳ねる度にたぷんたぷんと音がすることと、膨らんでいる頬っぺたがモゾモゾ動いている事から
その中にはたっぷりの水と魚が入っている事が容易に想像できる。
「…あんな魚の取り方、ありかよ…。」
大量の獲物を手に入れて意気揚々と住処に帰っていくそのゆっくりを見て、大ちゃんはそう呟いた。
その後、大ちゃんは住処に戻ってなおり草を食べて就寝。
野性生活 九日目
今日も大ちゃんのみすちー親子の監視は続く。
冬籠りに備えたり、親子で遊んだりで実に平凡な野生ゆっくりの暮らしを眺めながら大ちゃんは思う。
こんな平和に暮らしている親子に反逆ゆっくりの魔の手は確実に迫ってきている。
その魔の手からあの親子を守れるのは自分だけなのだ。
大ちゃんはそう思い、決意を固めるがやはりなおり草ばかりの生活では色々限界だ。
今日こそちゃんとした食事をとらなければ。
そんな訳でやってきたのは雑木林の中、
行くときにすれ違ったゆっくりが「あ、サモさんだ。」「サモさんこんにちは!ゆっくりしていってね!!!」と挨拶してきた。
…なおり草ばっかり食ってる所為で変なあだ名をつけられている。
しかし、そんなあだ名も今日までだ。
この雑木林には木の実がいっぱいなっている。
今日はフルーツ盛り合わせのご馳走だぜおらぁ~!
…などと意気込んではみたものの、木の実は地面に落ちていない。
落ちているものは早起きなゆっくりが早々に回収していってしまうからだ。
ここは木のぼりかな?と考えていると、歩きの根元に胴なしゆっくりが集まっているのが目に入った。
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i从イ、 ノ ゙"|::; ノ´\::::\_,. -‐ァ
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ノ |イ ノ ヒソ_, ヒンY.i ! /ヒン_, ヒン)| i、|
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「早く落ちてこ~い!」
「ゆっくり落ちて行ってね!」
胴なしゆっくり達はピョンピョン小刻みにはねながら木の実が落ちてくるのを待っているのだ。
「…そんなことやってたら時間がかかりすぎでしょうに…。」
大ちゃんは呆れながらその木に近寄ると、その木にしがみついた。
驚くゆっくりをよそに大ちゃんは木を登り始め、やがて上の方でたわわに実る果実を目撃した。
「上に登ったら木の実を落としてあげますから、少し待っていてください。」
勿論、これは本当だ、サルかに合戦のサルじゃあるまいしそんな意地悪をするつもりはない。
そう下のゆっくりに言ってから木の実に手を伸ばそうとしたその時。
「ばかやろぉおおおお!」
下に居たゆっくりの一人が回転しながら木に体当たりをぶちかました!
「う、うわわ!」
激しく揺さぶられた大ちゃんはそのまま地面に落下する。
尻餅をついた大ちゃんをいつの間にか木の実が落ちるのを待っていたゆっくりが囲んでいる。
「なっている実を捕ろうとするな!マナー違反だぜ!」
「そうだよ!木になっている木の実がほしいのなら下で落ちるのを待つもんだよ!」
「え?え?」
何故、木の実を取ろうとしただけで説教されなくちゃいけないのか?
最初は理解できなかった大ちゃんだが説教を聞いているうちに
どうやら木になっている木の実は直接取ってはいけないというのが野生のゆっくりのルールだということが分かった。
…怒られるのはもう嫌なのでそのあとは大ちゃんも木の実が落ちてくるのを待つことにしたんだが。
草々都合よく木の実が落ちてくる訳もなく、時、すでに時間切れ。
大ちゃんは何の成果もなく、とぼとぼと住処に帰ることになった。
その日も大ちゃんはなおり草を食べた、でも少し残した。
野性生活十四日目
もう二週間もなおり草の生活だ。
さっき水を飲んだ時、妙に薬臭い味がした。
水に何か混じってるんじゃないかと思ったが、薬草の食いすぎで口の中に薬の成分が残ってるせいだと気付いた。
二週間たってもみすちー親子は相変わらず飽きもせず同じような毎日を送っている。
よく毎日飽きもせずそんな生活遅れるな、何か変わったことでも起きればいいのにとか思ったことないのか?
たとえばロクでもない妹が金をせびりに来るとか、
それはそうと今日こそなおり草地獄から脱出しなければ。
そんな訳でやってきたのはゆっくり達が集うゆっくり広場。
ここで野生のゆっくりのコミュニティーは築かれていくのだ。
そして大ちゃんがここに来た理由。
「自力で食糧調達は不可能!ここは他のゆっくりと協力して食料を手に入れる!」
ここ四日間の食糧調達に失敗しての結論だった。
さて、そうは決めたものの、具体的にどうすればいいのかは大ちゃんには解らない。
ある程度まで集まっているグループに混ざってついていくしか選択肢はないのだ。
大ちゃんが周りを見回すと、2、3人位できょろきょろ見回しているゆっくりの群れが。
あれはもう一人仲間がほしいけど、なかなか見つからなくて困っているというところだろうか。
「…これは何とも都合が良い。」
大ちゃんはそのゆっくりの群れに近寄って
「ゆっくりしていってね!!!」
と、定番の挨拶をした。
「ゆっくりしていってね!!!…って、れいむ達に何か用?」
「ああ言え、もしかしてみなさんこれから食料を調達氏に向かうんじゃないですか?」
「ゆ?なんでわかるのぜ?」
「何かあと一人仲間がほしいけど、それがなかなか見つからないって雰囲気でしたから。」
「ああ、なるほど…実はれいむ達、これから虫を狩りに行こうと思っていたんだよ。」
「…え?虫…?」
それを聞いて硬直する大妖精。
虫、それは一般的なゆっくりにとっては、おそらく一生食べることはないであろう代物。
しかし、野生のゆっくりはこれを日常的に食べているとか。
…しかし、虫なんて食いなれていない者にとっては敬遠したい食材であるのは確か。
大ちゃんも意図的に虫を食料から外していたが、これ以上贅沢は言って居られない。
「…わ、私も混ぜてほしいな~虫の捕獲。」
「え?お前も手伝ってくれるの?」
「うん、虫が好きなのよ、私。」
「それはうれしいよ!実はもう一人仲間がほしいと思ってたんだけど、なかなかいい逸材が見つからなくて…。」
「よし!仲間がそろったし、さっそく虫を捕まえに行くぜ!」
『おー!』
全員で声を上げて意気揚々と虫の捕獲に向かう大ちゃんを含むゆっくり達。
しかし、大ちゃんは気づいてない。
何故、虫の捕獲に数がいるのか。
そしてゆっくりが言った言葉
「ああ、なるほど…実はれいむ達、これから虫を狩りに行こうと思っていたんだよ。」
何故「捕まえる」ではなく、「狩りに行く」という言葉なのか。
その言葉の意味を、大ちゃんはこれから向かう草原で知ることになる。
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上==イ / ::「 / ::: :::::.
=-二ア=-'---、_ ::::i、___l ::: :::::::/
ー-,,/// //7――――--,=- 、_ ::,-くヽ、
l { l l l l l l / l 下 ヽ
「見つけたぜ!あれこそが伝説のバッタだ!」
「おのれデストロン!貴様らの思い通りにはさせない!」
「れいむ達はデストロンじゃないよ!でもゆっくり狩られていってね!」
「って、ぶいすりゃああああかよぉおおおおお!」
大ちゃんは全力でおなじみのポーズをとるぶいすりゃあを指さしながら叫んだ。
「ちょっと!叫んでいる暇があったら一緒に戦ってよ!」
「あれは虫じゃない!改造人間よ!」
「何言ってるのさ、あれはれっきとしたバッタだよ!25の秘密と4の弱点を持つ最強のバッタだよ!」
「仮にバッタだとしても食えないよ!足に小型原子炉搭載してるんだよ!放射線が心配だよ!」
「今はご時世がご時世だから搭載してないから安心して!」
「それでいいのか~!」
…結局、大ちゃん達はぶいすりゃああああをある程度まで追い詰めることには成功したが
最終的に逆ダブルタイフーンで逆転されてしまった。
ゆっくり達は逃げる際に「覚えていろよぶいすりゃあああ!次こそは必ず勝利する!」とゆっくりの一人が捨て台詞を残していった。
まだ捕まえる気なのか。
その後、家に帰った大ちゃんはなおり草を食べた。
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<Y `ヽ
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;' ;''` <(つO:・.ヽ;・.; :ヽ. :
く/_/__l :・: 。・; ;゚・ゲェログェゥグェァオェ
~し'ノ =二三三三二
げろった。
野性生活21日目
「…おいもうなおり草は飽きたんだよ早く来てくれよみすちー妹…。」
住処の中で大ちゃんは仰向けになりながら呪いのようにそう呟いた。
その内ゲップが出たけどその匂いがさわやかな香りだった、泣きたい。
それでも腹は満たさなくちゃいけない。
大ちゃんはなおり草を調達してくると。
,へィ'´ /\
_,,.. -──'- く_/ >
,. '"´ `ヽ ̄ ,ヘ
/ `ヽ ハ
,' / / ハ ハ ヽ 、 ', |
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| イ rr=-,::::::::r=;ァ レ ! /
| レイ |ノヽ ,, iヘ/レ' |
| .| |⌒ 'ー=ョ ハ | Yヽ!
ト、 .| i .ハヽ、 ,イ|`ヽ! /|
', \| ハ | | トi`=r─'i´レヘ|ハ〉´ |||
ヽ、 レ' ヽ,アヽ!、:、ハ二/ヽ ̄`lー――一 ̄ヽ||
\ / i::ヽ,ヘ/:::::ヽ ノ―――‐ し-'ノノ WWWW
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天空に向けてスパーキング!
野性生活22日目
「あ、サモさん…。」
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| レイ |ノヽ ,, iヘ/レ' | __ _____ ______
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ト、 .| i .ハヽ、 ,イ|`ヽ! /| 'r ´ ヽ、ン、
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ヽ、 レ' ヽ,アヽ!、:、ハ二/ヽ ̄`lー――一 ̄ヽ|| i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
\ / i::ヽ,ヘ/:::::ヽ ノ―――‐ し-'ノノ wwwwww] ◎ .| .|、i .||
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レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
サモさん呼んだ奴にもスパーキング!
野性生活23日目
「大ちゃん、あんたここんとこ連絡よこさないけど何かあった…。」
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_// ゝ// `ヽ`フ 廴匸}_ノ
,へィ'´ /\ /V〉) / .,' /! /! ! ハ ! ',ゝ |:::|
_,,.. -──'- く_/ > _/こ }/ ( ! ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!ノ ,.ゝ _「¨|
,. '"´ `ヽ ̄ ,ヘ / --yJ wwwwwwwwww-, r=;ァ ir /! ノ { ノ⌒\
/ `ヽ ハ f ‐-、_} } ( ノ !/// /// ! ヘ( V^ ̄ ヘ
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.i / /ゝ! _,゙' レ 、_,!ィ|ノ | | i .// / リ ) ' '!トト.、 ,.イ i.ノ 〈 ̄ |
| イ rr=-,::::::::r=;ァ レ ! / (_0/ ノ'| ノヽ,! i `>r--‐ i´レヘ ノ ハて. j
| レイ |ノヽ ,, iヘ/レ' | { | /`ゞ、マ¨7 `><´ 7T7 \ {└┘ 〉
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ト、 .| i .ハヽ、 ,イ|`ヽ! /| .l. | ,/ {/ |ヘ ∨ //ハ/ /| |.} \ j |
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ヽ、 レ' ヽ,アヽ!、:、ハ二/ヽ ̄`lー――一 ̄ヽ|| l ', ∨ ,ノ 人O厂 ̄ ̄ ̄ ̄ `{O人 ゝ ∨ |
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れてぃさんの顔にもスパーキング!
野性生活25日目
何か知らないけど、ここ数日の記憶がない。
体中痛いが、我慢して監視を再開する。
今日もなおり草は小なおり草とともに
冬なおり草の準備の為になおり草を住処に集めている。
なおり草はなおり草でなおり草であり、なおり草もまたなおり草でも
なおり草であってなおり草…。
最終更新:2011年11月07日 17:52