動物って、いやされますよね。
後、ゆっくりも一応癒し系の側面をあわせ持っています。
・・・ゆっくりと動物、会わせたら最強に癒されるんじゃね?
・・・そう思っているあなた。
美味しいものと美味しい物を会わせたら最強に美味しいモノができるんじゃね?
と、言う発想と同レベルだ、とだけ言わせて貰います。
さて、ここでいつもの前口上。
この小説は銀魂のパロディです。
出てくるゆっくりにロクなゆっくりは居ませんし、
ゆっくりがひどい目に遭う描写もあります。
そんな物はみたくないと言う方は席をお立ちに
それでもかまわないと言う方はそのまま席に座ってお楽しみください。
てゐ魂 第37話「かわいいの定義って奴時々分からなくなる。」
すーやすやしない町、ゆぶき町
ゆっくりの国有数の歓楽街であるここは
昼より夜の方が遙かに騒がしい。
だからといって昼は静かという訳ではない。
「貴様!今日という今日はいい加減にしろ!!」
こんな風に朝っぱらから大声が響きわたることもある。
で、叫んでいるのはこんな奴。
_,,.. -‐ァ'"´ ̄`7ー 、.,_
,ト、_/|___>-‐ァ7"´  ̄`ヽ、 `メ、
く \/|>-‐──- 、., /| \_ノ\
/>''"´:::::´ ̄ ̄`"':::、:::\| \_,ノ 、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::':, ∧ ,ハ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨ハ ./ |ハ ',
,'::::::::::/:::::__/:::/|:::::::::i:::::::::::ヽ;::::::|:::::! \.| .|_/|
|::::::::;ハ/トゝ / '、::::/_::::i::::::::';::::::::::'、/| | |-―v、
|:::::/:::::| (ヒ_] ヒ_ン )_;ハ:::::::|::::::::::::::ヽ/ |_/| ヾ、,: `ヽ
../∨::::::7,, ,___, "" |/!:::/::::::::::::::::::ハ| |ヽ、_ ,,.ソ
..!:::::::|::::ト、 ヽ _ン '/レ'::|::::|:::::::::::::::| |_/| ~ヽ
..∨´|\|::へ、 /:::::::/:::/:::::::::::::ノ / / ヽ.
|/| レへ::`>r-‐,∠::__;:イ/|::::::::;:イ/_,/ ヽ.
\_ \ /´ カナこン´ ` /レ'´ /_,/ i
\_ \__________/_/ i
\/_/_/_/_/_/_/___/ ,; ノ ヽ
| ー 、 ,r',.:'" '/~~`ヽ、 :|
| ;:|`ヽ、__ヾ , /;;;;;;;:::"/! ヽ |
i ;:| ヽ ,| ヾ、 `) \ !、
! ;| | | ヽ :/ ヾ :i!
| ;:| ! ,:,i / .:| | :|
| :| | ,/,i ,.-'",;、 ,/ ! ;|
_ノ :| / ,! `ーー'" ノ i;
/rrrn ノ / / LLL,,,ノ 【横綱犬 八坂号】
(,rrn_,,,ノ
それは昭和に巷で噂になった人面犬か。
はたまた凶器の科学が生み出した新生命体か。
土佐犬の体にゆっくりの顔というその姿は端から見たら
不気味としか言い様がない。
「何だい!あんた朝からそんな大声あげんじゃないよ!」
,ヘ
,l::::::\
l>:::::::::::\
l__::::::△:::::::\ィ==ヘ
,ィ,==、l \::::::::::::::::::\ `ヾ〉
〈〈 l l::::<l:::::::;r──k}
ト_>イ'"´ ̄ ̄>ィ ̄`ヽ `ゝ
く >'"/:::::∧/´ヽ!`r-,、ィ
>く ._>'"/::/:::;/""`ヽ:i:::i::::|:::l
|:::::|:::l::::i::/_, 、_|_::|:::l:::l
. |:::::|:::i:::i (ヒ_] ヒ_ン:|:::|::|
.|::::::!:::l::::!'" ,___, "i::::|::|
|:::::::!:::!::λ /ヽ _ン ハ|/
.|:::::i:ゝハ/::>,、 _____, ,.イ::::::|.
そんな珍獣と相対するは
三角帽子に緑色の髪が特徴のゆっくりみま。
ちょいと小じわが多めなその口を大きく開けて
すごい絶叫で返す。
「大声も上げたくなる!また貴様の所から分別されてないゴミが出てきたんだからな!
プラスチックゴミは水曜になったと、先週の町内会議で決まったばかりだぞ!」
「だからって朝っぱらからうちの店の前で大声上げて良い理由にはならないよ!」
「それだけじゃないよ!あろう事かそのゴミには紙製の蓋が付いたままだった!
紙とプラスチックはちゃんと分けて出さなくてはいけないのは基本中の基本だろ!」
「細かいねあんた!っていうかもしかしてそんなこと言うために
わざわざウチのゴミを念入りに調べたのかい!?
なんかあんたの姿見てると、ごみ箱漁る野良犬みたいな光景が思い浮かぶんだけど!」
「誰が野良犬だ!おまえにも土佐犬の恐ろしさを
教えてやろうか!」
道のど真ん中にも関わらず、すごい剣幕で口喧嘩を始める二人のゆっくり。
そんな二人を眺める二人と一匹のゆっくりがいた。
「・・・おいぃ?散歩から帰ってきたらNNMが二人も沸いていた不具合、おかげで家に帰れない帰りにくい。」
独特の口調で喋る青髪の銅付きゆっくりはてんこ。
スナック封魔禄の二階にある万事屋てゐで働くゆっくりである。
「みまさん何だか変な犬と言い争っているけどいったい何があったんだど・・・。」
そうつぶやくピンクの帽子に小さなコウモリの羽が付いた胴無しゆっくりはれみりゃ。
色々と残念な所がありますが
今日も万事屋の一員としてがんばってます。
「・・・何だかれみりゃの自己紹介だんだん酷くなってない?」
気のせいです、気のせい。
「っとと、こんな事はおいといて、美馬さんと喧嘩しているあの変な犬?は何なんだど?」
「・・・れみりゃ、何で犬の後にクエスチョンmジャーくが付くのか理解不能状態。」
「いや、だってあんな犬見たことないし。」
「あれは犬じゃないですよ。」
と、そこでいきなり口を挟んできたのは
四足歩行の獣の体に目鼻の配置が微妙におかしい顔が付いた
謎の生き物。
名はきめら丸、一応分類学的には「犬」である。
「何だ急に話に割り込んできた「きめら丸」
お前あいつについて何か知ってるんですかねぇ?」
「あのみまさんと言い争っている犬のような生き物は
八坂号、ゆぶき町四天王の一人です。」
「えぇ!?あの珍獣がゆぶき町四天王!?」
きめら丸の説明を聞いてれみりゃは驚きの声を上げた。
前述したとおり、ゆぶき町はゆっくりの国でも有数の歓楽街だ、
そしてこの町には何処から流れてきたのか来たのか解らないゆっくりや
かなり訳ありのゆっくりも住んでいて、
その詳細は中央でも把握し切れていないのが現状だ。
そんな無法地帯をまとめあげているのが四人のゆっくり。
ゆぶき町内で圧倒的な権力を持つその四人のゆっくりは
いつしかゆぶき町四天王と呼ばれていた。
「ぷっ、四天王とか今時そう言うネタは無いから。」
「てんこちゃん!聞こえたらアウト何だど!」
四天王と聞いて思わず吹き出したてんこをれみりゃが諫めた。
そして、れみりゃは改めて八坂号を見る。
さっきまでは間抜けな犬にしか見えなかったが、四天王の称号が付くと妙な威圧間を感じるから不思議なものだ。
「それにしても、あの犬がゆぶき町四天王の一人なのかど・・・。」
「あの犬だけじゃないですよ。」
「え?」
「みまさんも一応四天王の一人です。」
「・・・。」
れみりゃ、しばし硬直。
「えぇええええええええええええ!?」
そしてさっき以上に驚愕。
「・・・さっきより、すごいリアクションですね。」
きめら丸はれみりゃのリアクションを見てそうつぶやいた。
「あ、あのきめら丸さん?エイプリルフールはもう過ぎてますよ?」
何故か敬語できめら丸にそう話しかけるれみりゃ。
「嘘は言ってないですからエイプリルフールは関係ありませんよ。」
対するきめら丸は何を言っているのやらという表情でそう言った。
「だ、だってただの飲み屋のバーさんゆっくりに過ぎないみまさんがゆぶき町四天王の一人なんて・・・。」
「あなたが信じられなくても、世間的にはそう言うことになってるんですよ。」
「そ、そうなんだどが・・・。」
どう考えてもやっぱり納得いかないれみりゃであった。
「大体ちゃんとゴミの分別もできないゆっくりが
何でゆぶき町四天王を名乗ってるのか理解できん!」
「あたしが名乗ってる訳じゃないだろ!周りが勝手にそう呼んでるんだ!」
そしてゆぶき町四天王の二人の口喧嘩は
ますます持ってヒートアップしていた。
喧嘩に巻き込まれないと、周りの道行くゆっくり達も
この二人に関わらないよう、なるべく離れて歩いていく。
「・・・何してるのさババァ、こんな道の往来で。」
そんな中、この二人に話しかける恐れ知らずのゆっくりが一人。
M
≡
/ \
/ ウワァァン ヽ
, - 、|ヽ(`Д´)ノ| -‐- 、
,r' , ヽ( >>1)ノ i \
i i\ ̄ ̄ ̄ ┤ハ ゙i
| !、,r'::::::::::::::::::ソ ゙i ',
!、____、ゝ:::::::::::::::;:::::::::::::::;:\ i
〉::ハ:::i:::i:ハ::ハ::ィ:::ハ::゙i:\ `--〈
Y:|::ハV__, レ レ、__ヽハ:::::ヘ::::::::i
ハ::Virr=-, r=;ァ i::ヘJ::::::ハ
(,::|:::::l" ̄  ̄ "".|:l:::(::::::::|
):::i::::!、 'ー=-' ノ'ハ::::::::::::ヘ
!、ハ:::ト`"i=r- ,<,r'ト:::゙i、::::゙i:::ト
毎度おなじみ主人公てゐである。
頭にはこれからゴミ出しに行くのか、黒いゴミ袋がのっかっている。
「っておい、こんなややこしい時に何話しかけて来てるんだい!」
みまはてゐの顔を見るなりそう怒鳴りかけてくる。
「どんな事情があるか知らないけどさ、朝っぱらからそんな怒鳴り声をあげちゃ血圧が上がるよ?」
「よけいなお世話だよ!」
みまがてゐを相手にますます血圧を上げる一方、
八坂号はしげしげとてゐを見つめている。
いや、正確にはてゐが頭の上に載せているゴミ袋を見つめていた。
「ちょっとあんた。」
八坂号に話しかけられててゐは初めて八坂号の姿を見る。
「うわ、何このきめら丸二号。」
八坂号を初めて見たてゐの第一声はこれだった。
「初対面のゆっくりに対する第一声がそれかい・・・。
いや、そんなことは銅でも言い、私はあんたが頭の上に載せているゴミ袋について質問がある。」
「・・・は?そりゃどういう事さ?」
八坂号の言葉にてゐは首を傾げる。
「率直に聞くよ、そのゴミ袋の中身は何だい?」
「空のどん兵衛のカップ。」
率直な問いかけに率直にてゐは答えた。
「いやぁ、久しぶりに纏まった収入が入ってねえ、
しかも近所のスーパーでどん兵衛の安売りと来たもんだ、
思わず買いだめしちゃってお陰で毎日三食どん兵衛三昧でさ、
お陰で台所の流し台はどん兵衛の器でいっぱいでねぇ。
ほっとくとGが沸くからこうして毎日捨てに行ってるわけさ。」
そう言ってカラカラと笑うてゐ。
_,,.. -‐ァ'"´ ̄`7ー 、.,_
,ト、_/|___>-‐ァ7"´  ̄`ヽ、 `メ、
く \/|>-‐──- 、., /| \_ノ\
/>''"´:::::´ ̄ ̄`"':::、:::\| \_,ノ 、
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::':, ∧ ,ハ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∨ハ ./ |ハ ',
,'::::::::::/:::::__/:::/|:::::::::i:::::::::::ヽ;::::::|:::::! \.| .|_/|
|::::::::;ハ/トゝ / '、::::/_::::i::::::::';::::::::::'、/| | |-―v、
|:::::/:::::| (◯)::::::′(◯)_;ハ:::::::|::::::::::::::ヽ/ |_/| ヾ、,: `ヽ
../∨::::::7,, ,___, "" |/!:::/::::::::::::::::::ハ| |ヽ、_ ,,.ソ
..!:::::::|::::ト、 ヽ _ン '/レ'::|::::|:::::::::::::::| |_/| ~ヽ
..∨´|\|::へ、 /:::::::/:::/:::::::::::::ノ / / ヽ.
|/| レへ::`>r-‐,∠::__;:イ/|::::::::;:イ/_,/ ヽ.
\_ \ /´ カナこン´ ` /レ'´ /_,/ i
\_ \__________/_/ i
\/_/_/_/_/_/_/___/ ,; ノ ヽ
| ー 、 ,r',.:'" '/~~`ヽ、 :|
| ;:|`ヽ、__ヾ , /;;;;;;;:::"/! ヽ |
i ;:| ヽ ,| ヾ、 `) \ !、
! ;| | | ヽ :/ ヾ :i!
| ;:| ! ,:,i / .:| | :|
| :| | ,/,i ,.-'",;、 ,/ ! ;|
_ノ :| / ,! `ーー'" ノ i;
/rrrn ノ / / LLL,,,ノ
それに対して八坂号は段々と険しい顔つきになっている。
「・・・あんた、プラスチックゴミの日がいつなのか知ってるかい?」
「え?何のこと?」
突然の八坂号の言葉に首を傾げるてゐ。
と、次の瞬間。
ドゴァアアアアアアン!
八坂号はてゐにものすごい勢いで"お手"をぶちかました。
いや、てゐの脳天にぶちかましたしお手じゃないかもしれないが。
,. -‐-、 ,.- 、
/ i /, ヽ.
/ ハ├──-//i i
,' / ソ::::::::::::::::::ヽ、! |
i /:;:::::::::::::::;:::::::::::::::ゝ、____ノ
_〉--' /:/、__;:ィ::ハ::、_;:!:::i:::ハ::〈
__i::::::::/::::::ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ::::|:Y/ ̄/
ハ::::::::レヘ::i' ( ), 、( )ハソ:::ハ へ,ノ
__>-|:::::::::ノ:::l:|〃 ̄,rェェェ、 ̄"l:::::|::ノノ :.\_
ノ:::::::::::::ハヽ、 |,r-r-| ノ::::i:::( __
_::ノ :ノ`⌒Y⌒´:: \
.::┘ :│ ゚
とにかくその凄まじいお手によって
てゐの体は半分地面に埋まってしまった。
いきなりの出来事に、れみりゃも、てんこも、きめら丸も、
もちろん、遠巻きに成り行きを見ていた道行くゆっくり達も
何も言えずに固まってしまう。
「・・・やれやれ、みま、あんたには呆れたね、
同居ゆっくりのしつけも出来ないのかい。」
八坂号は呆れた顔でみまの方を無為手相つぶやく。
「同居したつもりはないよあたしゃ、
住処を貸してやってるだけさね。」
その言葉に対し、みまはそう反論する。
「そうかい・・・ま、どうでも良いさ。」
八坂号はそう言うと、埋まったてゐの耳を甘噛みする。
ズボッ
そして、そのままてゐを引っこ抜くと、自分の背中に乗せる。
「みま、こいつは借りていくぞ。
うちの動物園でしつけ直す。」
「そうかい、好きにしな。」
八坂号の問いかけにみまが二つ返事でそう答えると、
そのまま八坂号はてゐを背中に乗せてどこかに行ってしまった。
それを遠巻きに見守るれみりゃ達。
「てゐさん、連れて行かれちゃったど・・・。」
「まぁてゐはしぶといからあの位ではどうって事が無いという事実。」
「・・・って言うか動物園?ゆぶき町にそんなモノがあったっけ?」
れみりゃが首を傾げていると、きめら丸がこう言った。
「ありますよ?動物園。」
「えぇ!?そうなの!?って言うかきめら丸以外とゆぶき町に詳しいど!」
「毎日の散歩のたまものって奴です。」
「毎日の散歩コースを変えている私に隙は無かった。」
てんこときめら丸は同時に胸をはる。
自慢げなつもりだろうがてんこの方は虚勢にしか見えないな、とれみりゃは思ってしまう。
「・・・とりあえず話を戻すけど、動物園なんてゆぶき町にあったのかど?」
「ええ、ありますよ。
多分あなたが考えている動物園とはだいぶ違いますけど。」
きめら丸はそう言ってニヤリと笑う。
その笑顔を見て、れみりゃは何だか解らない不安に襲われてしまうのであった。
~☆~
ゆぶき町動物園。
ゆぶき町の中でもかなり目立つ所にあるので
てゐも中に入ったことはないがこの店と、店前で並ぶゆっくり達を見かけることは幾度とあった。
てゐはこの店を見かける度に「ゆぶき町で動物園なんて世話が大変だろうな、」とか。
「わざわざこんな所まで動物を見に行かなくても良いだろうに暇なゆっくり達だな。」とか思っていた。
__,,,...,,,__
___,∧"´:ト-、∧‐ァ::7`>ゝ
>,ゝ/ヽ、ノ::V:::_」∠::::7ァ_>ァ、
.,:'ィiヽ':::_>''"´  ̄ `ヽ!,
;;'''''''"""'''=''''/ キア'" ', 、`フ
,,;'''" ,イ / / ,ハ! / ! _!_ i ! Y
,.,.,-'" '、!,イ ,' /´___!_ i ハ _ノ_`ハ/ ノ
( ヾ ミ ;; ミ;ノ ', レ、 !ァ´ノ_」_ノレ' レ' ソ`Y i、(
ヾ ミ ;, ( ソ'´ Vi rr=-, r=;ァ ハヘノ' _,,....,,_
) 彡 y'´ ! !. ''" ̄ ,▼、  ̄"'ノノハ .-"::::::::::::`::..、
( ミ; ,' ! , ヽ、_,ゝノ''"´ .人 `゙゙`ヽ、ハ ! ヽ:::::::::::::::::::::::::::`'::.、
彡 ;.; '、 ゝ、ノ )ハ彡ノ'"゙´ ̄`゙`ヾ,ゝノ ソ |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
ヾ,, ミ; `ヽ(ゝ/)ヽ,彡川川ノノヾヾヾ´ンノ |::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__
"''''ヾ,,,,ノ彡;,;, ミ ミ "'';, _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
""'''''彡, ミ ;; ;. '''''''--;;;;_ 彡 "ヽ _..,,-".:::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7
ヽ,, ""-、 ;:; ) "-..,,_r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ
"'""''''-;;,.,.,.,.,. ;: ;: )-''" ________.!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ
"'''"ヾ;;_,.ノ-'''" / ノ ヽ ( ノ .`! !/レi' rr=-, r=;ァ レ'i ノ
,ヽ./{ }ヽノヽ /|ヽ (_ノ ._ ̄ , ' ノ !' /// ///i .レ'
ノ ノ ヽ / ) } , / |ノ .) (_) ( ,ハ 'ー=-' 人!
'ヽi ')ヽ oOoノ /{ V } ∋ノ | /――、__ .,.ヘ,)、 )>,、_____, .イ ハ
) ''V 'o. '''' .oノ ノ ノ / /| ヽ__ノ | / ./
,>-' '-/ヽ__ノ.-:''::ヽ'ヽ | ( | ( ’’’ | ( /
/..-''':r ';' { . ' 'ヽ. |__ヽ.L_ヽ Lヽ_ヽ
_/.::'' r '{::{ \::ヽ ':. ヽ ヽ {ヽ
-{./ /:: 人::::ヽ ヽ::ヽヽヽ:} } (::':ノ
ノ( (:(::( ノ )ノ '')/ ''\:、ノ: ノ: 入 ∧ /i, /|
ノノ>)::i ( >//////< )ノ.:) < ヽ Y ∧ ,. | ,'//
ノノi:|' | | ,___, | |"'|:ノ入 ) 'i | i ! / | ,.へ' /
)/'人.| | 'ー⌒ー' | | イノV i i ∧/ / / i く___( ) ̄7
>.、____ ,. イヽ : . 'i ',ヽ ' / 〈 i く_/ヽ、|
彡´ / | ' j | ヽ. V /
彡 // ヽ、 i ! 〉 ./
,r ´  ̄ = ー イ // ヽ,,; |ヽ、// /
イ / l { ハ i:〉 ´''''''''゙( >
//{ レ ! !l } . i´Vハ!,_レ'_i l ヘ
.ノ t ヘ l j l j (!: : 、(◯) 从ヽ
>、 ゝ、、_ tヘ / ノ ハ /: : ,',. `  ̄" : : ゝヽ
{ k 〈  ̄{ V-<.ハ ('ー=-': : : : : ,.;;; : : : : `‐ .,
l 「 ㌧こ、 y } ㌧ j ヽ,_ : :_, 1:;:;'' : : : : : : : :ヽ.、
ノーl \ヽ } l ヽ‘、 i': : : : : : : : : : : : : ;`‐- .,
ゝー'’ ヽ\ ノン v`、 . |: : : : : : : : : : : : : : ,',',:',:',:ヽ、
辷イ/ yヘ、 . | : : : : : : : : : : : ,;',;',;',;',;': :, '::.ヽ
し' 辷 コ i: : : : : : : : : : ,; ; : ; : ;: ; : : : ; :
しかしその実体はてゐの予想を遙かに上回るモノだった。
動物に扮したゆっくり達がお客様を接待したりショーを開いたりする。
確かにゆぶき町らしい動物園と言えば動物園らしいが
人面犬ってレベルじゃ無い人面獣が所狭しと動き回る様には
少々気持ち悪くなおかつ恐ろしいモノが感じられた。
,. -‐-、 ,.- 、
/ i /, ヽ.
/ ハ├──-//i i
,' / ソ::::::::::::::::::ヽ、! |
i /:;:::::::::::::::;:::::::::::::::ゝ、____ノ
〉--' /:/、__;:ィ::ハ::、_;:!:::i:::ハ::〈
i::::::::/::::::ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ::::|:Y
ハ:::::::レヘ::i' rr=-,´ r=;ァハソ:::ハ
|::::::::ノ:::l:|〃 ̄  ̄"l:::::|::ノ
癶 ノ:::::::::::::ハヽ、 U ー ノ::::i:::(
{ ゝ イ:::/::::::/:::イヽ>, -r=i':´イ:::ハノ
ゞ ゝ 〈rヘ:::::!::レ´ ` ヽレ':::〈
ゞ≠ゝ /ミミェ |
ゞ≠ゝ /ミミ |
ゞ≠'´ゝ /ミミミミ 、 |
ゞ≠≠゙/ミミ = 1 ! !. |
ゞ ≠;{三ミェェ ! .i ! |
ゞキ≡ミェ ! {γ`1 !
ゞ、エ y'´⌒`、! v」__i. ヘ
ーLJ,__)ノ弋 孑 ゝ.,_)__)ク
゙'亠亠'
「う、腕って思ったより動かすの難しい・・・。」
まぁ、その辺に関しては今のてゐに言える義理はないのだが。
「ちょっと新入り!なによその顔の洗い方は!」
猫の体を擬ごちなく動かして顔を洗っていたてゐは
その仕草をいきなり指摘される。
「もっと自然に!スムーズに!心の底から猫になりきるのよ!
お客さんは私たちに動物的癒しを求めてるんだから!」
「・・・んな事急に言われても困るんですけど。
こちとらあんたらと違って素人だよ?」
「素人であろうが心の底から動物になりきれば自然な動作が出来るはずよ!
,へ, ‐- ‐、,へ
〉′ , 、 `〈
ノ _, イ __ト-、 ',
| 冫´Y `′ l
l '、_ '^'_,ノ l
ヽ`=三ニ-' |
│ =二ニ- | __ , 、 - 、 _
l -三ニ- ├ー¬ ' ´ ̄ `ヽ,
「 _ニ二- 、 丶
l -三ニ - 丶 `、
〈 -ニ二ー _ ' 冫
〈 -三ニ- 、 ,' /
ヽ ニ二ー - 、 、 /,′ ,′
`、 三ニ - 丶 、 _,彡′ ,'
ヽ-二= - _ ヽ_≧==≦三=- ノ
ヾ三=三= - ノ ̄〈ミ≦|ニ二ー 〈
|`ミ彳= | 'ミ三lニ‐ニ- l
l、ミ|ー ! ',二ミ_-_- |
「、ミ|二 ; lーミ|- ノ
ミ,=人三_ _,' ├ ミ|‐ ,′
| 三|ミ、 `´| | ミ| !
| ニ| ミ、 │ l =| 冫
l ‐」 ミ、 | j、_/| /
ヽ=ノ ミ_彡′ `´ `"′
そう!この私のように!」
アルパカに扮したゆっくり?はそうてゐに指摘した。
「・・・いや、あんたはなりきってる所かその物になってるじゃん、ゆっくり辞めちゃってるじゃん。」
もはやゆっくりの要素が一つもないそのアルパカに対して
てゐはかなり気の抜けたツッコミを入れた。
「キーッ!訳のわからない事言ってるんじゃないわよ!
とにかく、ちゃんと猫になりきりなさい!
でないと八坂号園長に"お手"されるわよ!」
そう言われて思い返すのは今朝の出来事、
自分の体が半分地面にめり込む程の凄まじい"お手"、
思い返すだけで背筋がゾクってなる。
あれは二度と食らいたくない、てゐは心底そう思った。
「わかったよ、努力はする。」
「努力だけじゃだめよ!成果も出さなくちゃ!」
アルパカはそう言うと店の奥の方に消えていった。
アルパカが居なくなった事を確認すると、てゐはふぅ、と深いため息を付いた。
「やれやれ、何でこうなったんだか、とにかく今は素直に従うしかない、か。」
てゐはとりあえず猫が顔を洗う動作の練習をしてみる。
しかし、その手の動きは自分でも分かるくらいぎこちない。
「う~ん、やっぱり動物型の義体なんて使ったことがないから動きがよく分からないなぁ。」
義体とは、今てゐや店のゆっくり達が身につけている、
胴無しゆっくりが使う機械仕掛けのボディのことである。
大抵の場合、人間で言う義足や義手と同じ役割で使うので
人型の場合が殆ど、
動物型の義体は珍しい。
そして動物型の義体は人型の義体と比べて
扱いがかなり難しいのだ。
「こう言うのはてるよの方が得意なんだよねぇ、
あいつ普段から義体を使いなれてるから。」
そう言っててゐが思い出すのは面倒ごとばかり持ち込んでくる長髪のゆっくり。
「・・・ま、今あいつの事を考えてもしょうがないか。」
知り合いの事より今は自分の事。
顔を洗う仕草の練習を再会しようとしたその時。
「そこ!音が小さいわよ!」
いきなり後ろから聞こえてきた怒号にてゐはビクリとなる。
自分の仕草を指摘されたのかと思ったが、どうやら、そう言う事じゃなさそうだ。
_,,........,,_ __ _____ ______ _,,........,,_
-''":::::::::::::::`''\ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 -''":::::::::::::::`''\
ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::\ 'r ´ ヽ、ン、 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::\
|::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ ,'==─- -─==', i |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
|::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ∩_ __ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | __ |::::ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ∩_
_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 〈 ヽ (__.`ーレリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| ,::-'",...) _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 〈 ヽ
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/` } ,..::ア -!Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |イ::: `┬-っ ::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/` }
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ ミ (,.::'",::' / ,..L.',. L」 ノ| .|:::,<` `ニつ r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ ミ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' , ミ `-(_λ_/: :| ||ヽ、 ,イ| ||イ| / : ;,.,`::`つ !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' , ミ
,r''"´⌒ヽ (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ ミ ` レ ル` ー--─ ´ルレ レ´,;,;,;,;/ `'" ,r''"´⌒ヽ (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ ミ
/ \ ,___, "' i .レ' ミ \:.:.:.:/ `i , :く. / \ ,___, "' i .レ' ミ
ミ `}. 人! ミ `i: :i : : !": : : ) ミ `}. 人! ミ
ミ l_____, ,.イ ハ ミ r: :i DK:!-┬" ミ l_____, ,.イ ハ ミ
ミ } 、、___,j'' ヽ ミ r--`:、 /000 ミ } 、、___,j'' ヽ ミ
ミ ノ ノ ミ 000O" ミ ノ ノ ミ
「もっと力強く、やりすぎてせき込む位強く胸を叩きなさい!
ドラミングはゴリラの主要動作!手抜きは許されないわよ!」
そう言われて、シュンとなっているのはゴリラに扮したゆっくり達だった。
「い、いったい何だったの?今の。」
「ああ、あれはコーチの指導だよ。」。」
そんな事を呟くてゐに同じく猫に扮している同胞のゆっくりれいむが話しかけて来た。
「コーチ?」
「あんたより一週間前に入った新人さんだよ。
義体に妙に詳しくて動かし方のコツとか的確なアドバイスをくれるからみんなコーチって呼んでるの。
今やゆっくり動物園になくてはならない存在だよ!」
猫れいむはそう説明する。
それを聞いたてゐはほぉ、と呟いた。
「そりゃおもしろい、私もちょっと顔を洗う動作について教えてもらおうかね。」
てゐはそう言ってゴリラゆっくり達の方へと近づいた。
かなり大きいゴリラゆっくりの中に割と小さなゴリラゆっくりの姿が見える。
恐らく、あれが通称「コーチ」だろう。
「すいませーん、ちょっとこっちにも色々教えてほしい事があるんですけど~。」
てゐはそう言いながら小さなゴリラゆっくりに近づいた。
「ちょっと、こっちは今取り込み中・・・。」
小さなゴリラゆっくりがてゐの方へと振り向いた。
最終更新:2012年08月14日 20:37