てゐ魂 第三九話-1

この小説は銀魂のパロディです。
でてくるゆっくりにロクなゆっくりは居ません。
そしてゆっくりがひどい目に遭う描写もあります。
それでもかまわないという方だけこの小説をお読み下さい。









てゐ魂 第三九話「先輩の偉大さは胸に刻み込んでおけ。」


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「ちょっとあなた達、このアリスのとかいはな庭で何しているのよ。」

額から謎の触覚を生やした胴つきアリスがてゐとかぐやにそう問いかける。
そして自分に話しかけてくる触覚アリスを見ててゐは思った。

(うわぁ、面倒なときに面倒な奴に会っちゃったぞ…。)

てゐは軽く頭痛を感じ、頭を押さえる。
そんなてゐに向かってかぐやがこっそり問いかける。

「…てゐ、もしかしてこいつ知り合い?」

「…認めたくないけどその通りです。」


「どういう奴?」

「とにかく嫌な奴。
 わがままでヒステリック、しかも胴なしを見下してる。」

「…なるほど、私ら反逆ゆっくりの敵ってわけね。」

「私らって何ナチュラルにあんたの仲間に入れてるの。」

納得するかぐやに向かっててゐはそうツッコミを入れた。

「ちょっと、とかいはな私を無視して何をひそひそ話してるのよ!
 しかもそんな変な格好をして!
 最近の田舎物はよくわからないセンスをしているわね!」

触覚アリスはその触覚をぶんぶん振り回しながら怒りを振りまいている。


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「…変な格好しているのは認めるけど、
 それをこいつが言うとなんかムカッとするわね。
 何で?額でブラブラしている触覚のせい?
 それともあの言動のせいかしら?」

「両方だよ、たぶん。」


「だから!ありすの目の前でひそひそ話はやめなさい!
 いなかものごときが生意気よ!」

触覚アリスは機嫌が悪そうに騒ぎ立てている。

「何か怒ってるわよ、どうする?」

「とっとと逃げるよ、
 関われば関わるだけ面倒なことになるから。」

「解ったわ。」

てゐとかぐやの行動は早かった。

脱兎の如き勢いで触覚ありすの目の前から逃げ出し、
かぐやも後をついていく。


「あ、こら逃げるつもりね!
 そう簡単に逃がしてたまるか!」


触覚アリスは大声で号令をあげた。


「行きなさい!メディスン部隊!」

「了解いたしました!」


その号令と同時にどこからともなく声が響きわたり、
3匹の胴なしゆっくりがてゐ達の目の前に現れる。



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「な!?」

突然現れた三人のメディスン
思わず足を止めるてゐとかぐや。

「食らえ!我らメディスン3姉妹のしびれガス!」

ボォワァアアアアアア!

「!?」

「きゃっ!」

三人のメディスンは口から紫色のガスを吐き出した!
てゐとかぐやはそれをマトモに浴びてしまう。


「…!?か、体が痺れる…!」


ガスを浴びたてゐとかぐやの体が痺れ始める。


「ほっほっほ!流石ね、メディスン!
 前に雇っていたいなかもののゆっくりらんとは大違い!」


痺れているてゐとかぐやの前に触覚アリスがドヤ顔で現れた。


「全く、どこから紛れ込んだか、知らないけど…。
 いなかもののゆっくりがとかいはのアリスから逃げようだなんて
 身の程知らずにも程があるわよ!」


「……相変わらずいなかものだのとかいはだのうるさいよ、あんた。」


触覚ありすの高圧的な態度にイラッとしたてゐ、
正直額の触覚を引きちぎりたかったが
体が動かないので言葉で罵ってみる。


「…え?アナタ、ありすと前に何処かであったかしら?」


「え?」


帰ってきた返事にてゐは驚きの表情になる。
まさか、一度会ってるのにそんな事を言われるとは思わなかった。
前にあったのは大分前だから、自分のことを忘れてしまったのか。


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  ゞ≠ゝ     /ミミェ          |
    ゞ≠ゝ    /ミミ               |
    ゞ≠'´ゝ  /ミミミミ      、    |
     ゞ≠≠゙/ミミ =  1    !  !.   |
      ゞ ≠;{三ミェェ  !    .i  !   |
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          ゞ、エ y'´⌒`、!  v」__i.  ヘ
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それとも今、こんな格好をしているせいなのか。


「…ごめん、こっちの勘違いだった。」


どっちにしても、自分のことを忘れているなら
忘れていたほうが面倒なことにならなくて良い。
そう思ったてゐは、適当に誤魔化すことにした。

「勘違いね、まぁその変については気にしない方が良いかも知れないわね。
 それよりも大事なことは…!」

触覚アリスは改めて、てゐとかぐやに向かってこう言った。

「あなた達、何の目的があってありすのとかいはな庭に
 忍び込んだのかしら?」

この質問に答えたのはかぐやの方だった。

「私達は化け物の噂を確かめるためにここにやってきただけよ、
 まさか、こんな草だらけの荒れた場所にゆっくりが住んでるなんて思わなかったけど。」

それを聞いた触覚アリスはムッ、という表情になった。

「荒れ地ですって!?失礼なことを言わないで欲しいわいなかもの!
 ここは上海が住むのに最適な環境を再現した
 とかいはな庭なのよ!」

怒りの表情を露わにしながら触覚アリスがそう説明する。
激しく揺れる触覚が、表情以上に怒りを表現していた。

「…上海が住むのに最適な環境?」


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          `<ヽ,  「:l   /^\       ,.へ、_ニン     ,ィつry
       vィ   `、` :-': '-..,「i   _ゝ、-‐──'- 、 Lノ      //フ_
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      c\ \\\    く_γ         ;  ',   ヽ,   / / / / ラ
       rヾヽヽヽヽヽ  h'´く,'    /  /! ハ  ハ ! ',  ', / / / / /∠
       ン、ヾヽヽヽヽ {,}'ヽ.,ll  ノ レィ --!、イ レ -、i   i/ ,'))入,,/r
         ァ\,,入(  .。レi ヽ、 i (ヒ_]   ヒ_ン lハノV ,))))) }ニ,ン´
        `ヾ,ニ{ (((′ヽ、'  i l ハ '" ,___, "' ! |/i′爻彡"=ニフ
           ○'゛ミ_ .ノ  ,' iヽ iヽ、. ヽ _ン  ノイ| l.爻彡ヘ>`   __ノハへr、
     、rへハ!、__  `<ヘ爻r/  ハ_イレ^r  - -- イヽViノ入_,,,.. --ー'''"::::::`\  >
   <  /`::::::゛'''ー-- 、、、..!    ノ::::.:::::..:.:::::::ミi ゝ、  `ヽ、  ヾ::::::::`ヽ,、:::::::<
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   ッ∧ィ":::::::::_ソ::::ノ:::::::::_ノ=´レV`,iヽ!川!三=ミミ,ハ'i  ム厶ス /`vヽ\巛《从ヾ
     ノノッ从>>  / /´^ /  ノ ヽー------一ノ 《   i " `i  ! 〉
             ``'ー-‐^ー'´_(========) ト、_人_ノ、ノ、ノ'
                  /Y (        )巛 」
                 r"彡ノノ_,,`tー----一't 丶丿\
                /','i'''ノ,, __ノ ヽ     〈ヾt‐''~ ト、
             _ノ^ ノ:、,,, `>    ヽ     ヽ '<','i'''ヽヽ、
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脳裏によぎるのはあの化け物。
てゐは何だかイヤな予感を覚えていた。


「そうよ、ここには沢山ののとかいはな上海が住んでるの。
 それも、私がもてる限りの技術を尽くして作り上げたトップクラスの上海がね。
 解る?ここは上海好きにとっては最高にとかいはな楽園なのよ!」


半ば自分の世界に入り込んで説明を続ける触覚アリス。
その様は周りがどん引きするくらい気持ち悪い。
…てゐはそんな触覚アリスの話を聞いて
イヤな予感を覚えていた。

「あの、触覚さん、チョット聞きたいことがあるんだけど答えてくれるかな?。」

「その呼び方には色々ツッコミたい所があるけど…。
 別に良いわ、何かしら?」

「…この草ボウボウの荒れ地がアンタと上海がゆっくりする為の庭って事はさ、
 要するにここには沢山の上海が彷徨いてるって事?」

「その通り、いなかものの割には理解力があるじゃない。」

触覚アリスのその答えを聞いたてゐはその不安を確信に変えた。
この庭に侵入したのはてゐとかぐやだけではない。


               ,-――ー―/ O`-、,',ニ、ヽ
            ,ノー'       i ̄ ̄\``-ソ
         , -′  ' ; 丶     ヽ  _ゝノ\
        /      ; ,  (ヽ    ヽ  ヽ、   `,
      , '     /  / ,i  ';;;\       i   ;;; ',
      ノ      i  i;;;i i;;', ';;;;;;:\__    ト  ;;;;;;, i
       i      ',   i;;;; i;;;;-´ ̄ ̄:::::::`    |ヽ ';;;;;;;;; ',
     ノ  ; i  i ,ーゝ、j::::丶::::::>t===≦   ノ;;::;;;;;;;;;;;; 丶
     /   ', `iヘ i,,=‐、::::::::::' i弋 ノイ‐' ̄~`i;;;;;;;;;;;:::;;; ',
    ノ    ;;', i;;;`(弋ノi ,     ̄~ |    |;;;;;;;;;;;;;;;; \
   /    ;;;ソ;;;;,、;;ゞ ~′'       人  __ノ;;;;;;;;::::;;;; i
  ~      ;;;;;;;'  ) ;;ヽ、   __   / ゝ ̄`j;;;;;;':::i );; |\
         ;;;;'  ;;;;;;;;;;ヽ     , ´i / __ i ;;;;'::ノ i;; ノ
         ;;;'  ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`..,- ´ ニ二ー‐-`'';;;:::/-―:

「まずい…もしかしたらさなえが上海に襲われるかもしれない。」

「は?サナエって誰よ?」

てゐの呟きに触覚アリスは首を傾げる。

「私たちの前にこの庭に入り込んだ子供の事だけど。」

「何ですって!?あなたの他にも忍び込んだ田舎者がいるっていうの!?」

「あんたのいうとおり、この庭に上海が彷徨いているなら
 さなえが上海に襲われてる危険があるかも…。
 最悪の事態になる前に探し出さないと…。」

てゐがそう言うと触覚アリスは怒りを露わにする。

「何よ、まさか私の上海がそのさなえって子を襲うかもしれないって事?
 失礼ね!私の育てた上海はとてもゆっくりできる最高級のとかいはよ!
 迷い込んだ人を襲いかかるなんて野蛮人のような真似するはずが…!」

 触覚アリスがそう言った次の瞬間だった。


ガササッ!



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「ルガールゥ~!」

いきなり茂みから独特の叫び声をあげながら上海が飛び出してきた!

「え!?」

突然現れた上海に、痺れガスで動きが鈍っていたてゐとかぐやはもちろん、
てゐ達の会話に入れずウトウトしていたメディスン三人集も反応できない!
そして、上海のドングリ眼の視線が捕らえていた獲物は…。

ガシッ!


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                          7^ー'^7ー「   モ`^iヘi´
                          /     |   モ  | ',    ___
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「え!?」

いきなり上海に拘束されて触覚アリスはきょとんとした顔になる。


「るぅがぁあああああああああああああああるぅううう!」


そのまま上海は触覚アリスをその場から運び出す!


「うほぉおおおおおおおおおおおおお!?」


何ともいえない叫び声をあげて触覚アリスは運搬されてしまった…。


「…え、何?」


あまりの出来事に、てゐを初めとした残されたゆっくり達も事態の整理が追いついていない。
固まっていた思考回路が最初に動き出したのはメディスン三人集だった。


「え、あれ?何が起きたの?」

「何か良く解らないけど私たちの主人がさらわれたっぽい?」

「え?それマズくね、給料下げられね。」

「下手したらクビだと思う。」


そこまで話し合って三人集は顔を見合わせ。


「うわぁあああああ!マズい!マズい!」

「クビはマズい!給料もらえなくなる!」

「金を稼いで一等地にスズラン畑を作る野望が費えてしまう!」


そう言って騒ぎだした。
そんな様子を呆然とした顔で見守るてゐ。


「えーと、一体何なのこれ…。」


問いかけた所でだれも答えてくれないであろう問いかけを呟くてゐ、
その頭に誰かがポンと手を乗っけてきた。


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                   ∨=-‐' ヽ     ー{  }`} Y 、
                ∠  Y⌒Y_}        `¨ ー^ー '
             r‐ ´{  } >‐'
             ゝ- ´ ̄´  


振り向くと、そこにはかぐやの姿があった。

「かぐや…ゆっくりの頭に無断でゴリラの手を乗せるのはどうかと思うよ?。」

てゐはあからさまな位嫌な顔でかぐやにそう訴えた。

「その件については後で話し合いましょ、それより今がここから逃げ出す絶好のチャンスじゃない。」

「あ、そう言えば。」

触覚アリスは謎の上海にどこかに運敗され、
メディスン三人集はパニックでこっちをみていない。

逃げ出すのなら、これ以上無い絶好の機会だ。

「さ、行くわよ、早くあの子を見つけないと、
 取り返しのつかないことになるわよ。」

「解ってるよ、この庭が物騒なのはさっきの光景で解ったし。」

てゐはそう言ってその場から離れようとする。
…が、全身が痺れて旨く身体が動かない。
メディスンから貰ってしまったしびれガスの効き目がまだ残っているのだ。

「あう、何か体が上手く動かない…。」

「ちょっと、急がなくちゃいけない時に何やってんのよ!」

「いや、いくら急かしたところで今は身体が痺れて…あれ。」


と、そこまで言っててゐは気づいた。
痺れガスで痺れているのはかぐやも同じはず。
なのにこいつは普通に身体を動かしててゐの頭の上に手を載せる真似までしているのだ。


「…かぐや、あんた身体の痺れはどうしたの?」


てゐはかぐやにそう問いかけてみる。


「あー身体の痺れね、確かに身体はマトモに動かないわね、ゆっくりの身体は。」


ゆっくりの身体、
それを聞いたてゐはある事に気づく。


「…もしかして痺れていても義体は問題なく動かせるの?」

「正解。」


つまり痺れているのは首から上のゆっくり部分だけ。
首から下はゆっくりの脳波で動くただの機械なので
思考に問題がなければ問題なく動かせるのだ。


「解ったら早くここを離れてあの子を探しに行くわよ!」


かぐやはそう言っててゐを急かす。


「わ、わかったよ。」


てゐは猫の義体を動かして移動を試みようとする。


      ,. -‐-、        ,.- 、
     /     i      /,   ヽ.
    /      ハ├──-//i    i
   ,'      / ソ::::::::::::::::::ヽ、!    |
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   i::::::::/::::::ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ::::|:Y
   ハ:::::::レヘ::i' (ヒ_]    ヒ_ンハソ:::ハ
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   ノ:::::::::::::ハヽ、  ヽ _ン  ノ|⌒ヽ
  イ:::/::::::/:::イヽ>, -r=i':´ |、从ノ
       |──(福)─;;'  :;;|
       ( ( ))))     /
      /ヽ'/ ̄\ ,, ヘ
      |;;;;: ├: 千 :┤  ::;;|
      |::: ├: 両 :┤   :::|
      \( ,\_/(、、、/



「にゃぁぉ~ん。」

「…何招き猫のポーズなんかやってんのよ。」

なぜか妙なポーズを取ったてゐに対しかぐやが冷淡にツッコミを入れる。

「い、いや、歩こうとしてるんだよ一応。」

てゐは顔を赤くしてそう返す。
かぐやはやれやれと呆れ返りながらこう問いかける。

「てゐ、もしかして普通に二足歩行で歩こうとしたのかしら?」

「そりゃまぁ、それが一番簡単そうだし。」

「猫の骨格で二足歩行なんて無理に決まってるでしょ。
 四足歩行で行かなくちゃ。」

「ふ~ん。」

てゐはかぐやのアドバイスに従い、四つの足で地面に立つ。
後は足を交互に動かして前に進むだけ。
しかし、言うは安行うは難しとは正にこの事。


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      〉::ハ:::i:::i:ハ::ハ::ィ:::ハ::゙i:\ `--〈
      Y:|::ハV__, レ レ、__ヽハ:::::ヘ::::::::i
      ハ::Virr=-,   r=;ァ  i::ヘJ::::::ハ
      (,::|:::::l" ̄    ̄ "".|:l:::(::::::::|
      ):::i::::!、  'ー=-'   ノ'ハ::::::::::::ヘ
      !、ハ:::ト`"∩=r-∩,<,r'ト:::゙i、::::゙i:::ト トウッ
           `ヽ  У
            「`  |
            し⌒ヽ|
              ∪
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                 /
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            人   // ))
           (( //  /
          ((     ′ ズ
            /⌒⌒ンフ ザ
           /   レ/  ザ
           /   、ノ  ザ
          (   )   |
          ノレ レ /   :
          ヘつ⊂/


「…凄いわね、ジャンピング土下座で前に進む猫なんて
 何コレ珍百景にでてきそうじゃない。」

「好きでやる訳無いでしょこんなの!
 足が旨く動かせないんだよ!」

「まぁそんな移動方法になってしまう原因はあれね、想像力不足。
 てゐ、あなた猫が四つ足で歩いている様子を旨くイメージできないんでしょ?
 もっとイメージするのよ!四つの足で軽やかにステップを踏む猫の姿を!」

「腕も足もないゆっくりにそんなの想像できる訳ないでしょうが。」

「そんなの、身も心も猫になりきれば簡単にイメージできる!
 現に私も、身も心もゴリラになりきることでゴリラの身体を完全にコントロールできるのよ、

 こんな感じで…。」

かぐやはそういうと、ゆっくりとその瞳を閉じる。
瞳を閉じ、ゆっくりしているその姿は正に瞑想その物だ。

「? かぐや、一体何をしてるのさ?」

かぐやの突然の行動が気になったてゐはかぐやの元に近づこうとする。
その次の瞬間!

「ウホォーーーー!ウホウホ!」

かぐやはいきなりそう叫んで激しく胸を叩き始めた。

「うお!?」

てゐはびっくりして後方空中三回転ジャンプ!
普段はぜんぜん発揮できてない猫の義体の性能を限界まで引き出しちゃったのであった。
まぁ、それは置いといていきなりウホとか叫びだしたかぐやの方はと言うと。

「ウッホ、ウホウホ。」

まだ、ウホウホ言っていた。
「か、かぐや?」
てゐは謎の動作を繰り返すかぐやにはなしかけてみる。

「ウホホホホホホホー!」

…が、かぐやの耳にはてゐの言葉は届いていないようだ。
彼女はいきなり雄叫びを上げたかと思うとそのまま垂直に飛び上がり。
太い枝に捕まってそのまま枝から枝に飛び移って
アクロバテイックな速度で移動していく。
あっと言う間に遙か彼方に消えていったかぐやを見つめ続けること約一分

「…あ~なるほど、身も心もゴリラになりきった訳ね。」


てゐは納得したようなしてないようなそんな微妙な顔でそう呟くのであった。

「って、納得してる場合じゃないか。」

このままでは捜し物がまた増えてしまう。
てゐは猫の体をぎこちなく動かしながら
身も心もゴリラになりきったアホを追いかけ始めた。

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最終更新:2013年04月03日 17:46