この小説は銀魂のパロディです。
ろくでもないゆっくりがでてきますし、
ゆっくりが酷い目に遭う描写もあります。
それでも構わないと言う方だけどうぞ。
第43話「幽霊とゴキブリに共通点は多い。」
⑨課詰所のある一室。
レティ、ちるの、大ちゃん、てゐ、れみりゃ、てんこの6人のゆっくりは輪になって座っていた。
部屋の空気は重く、誰も何も言い出さない。
「…あの。」
そんな空気の中、最初に喋ったのは⑨課の密偵、大ちゃんであった。
他のゆっくりの視線が一斉に大ちゃんに集中する。
戸惑う大ちゃん、だがそれでも聞かなくては行けないこともある。
「私、ずーっと宝塔のお片づけをしていたから
何があったか今一理解できないんですけど…。」
そんな大ちゃんの視線が輪の中央に移動する。
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「一体、所長に何があったんですか?」
未だかつて無い状態になっている所長を見ながら、
大ちゃんは冷や汗混じりでそう問いかけた。
「正直、こっちが聞きたいわ。」
その問いかけに対し、レティはこう答えるしかなかった。
「悲鳴がしてふすまを開けたら、こんな事になっていたもんねぇ。」
てゐは何処からかもって来た棒を口にくわえ、
それでゆーぎ所長をツンツンしながらそう言った。
「…でもさ、問題はそこじゃないよね。」
ちるのはゆーぎ所長を見ながらそう呟いた。
そう、ゆーぎ所長が何でこんな事になったのかは今は問題じゃない。
今、最大の問題は。
「ゆーぎ所長をこんなにした犯人は誰なの?」
そう、いくら何でもゆーぎが自分からこんな状態になるわけがない。
ゆーぎ所長は何者かに襲われ、こんな状態になったのだ。
「…まさか、本当にお化けの仕業なのかど…?」
そう言ってふるえるれみりゃを見ててゐはプッと笑い出す。
「馬鹿じゃないのれみりゃ、良い年してお化けが居ると思ってるわけ?」
「む、じゃあてゐさんはお化けなんて居ないと思ってるのかど?」
「居るわけ無いじゃん、いい年した大人がお化けだの何だの騒ぐわけ…。」
そう言って笑っているてゐだが、ふと、あることに気づいて笑い声を止める
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ちるのがジーッと自分の方を見つめているのだ。
「…何、どうしたのちるの?」
「あたい、言うべきかどうか迷ってるんだけど…。」
「?何をさ。」
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「あんたの後ろに、なんか変なのが見える。」
…バシュウッ!
ちるのがそう言った次の瞬間、てゐの姿が瞬時にして消えていた。
「え!?」
「てゐさん、どこに消えたんだど!?」
慌てててゐの姿を探す残りの面々。
幸いにして彼女はすぐに見つかった。
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彼女は掛け軸とか刀とか飾っておく所の下の方にある
小さな押入にみっちり詰まっていたのだ。
「何してるんだど、てゐさん。」
てゐの奇行を見て、れみりゃからツッコミが入る。
「ん、まぁその、何だ、希望の面がね。」
それに対するてゐの答えは、なんだか曖昧だ。
「おぃい、突然こんな事やられてもリアクションに困るだけなんですが…。」
てんこもてゐの行動が理解できず、困惑している。
「そうか!やっぱりそうだったんだ!」
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そんな中、ちるのだけが全てに納得した顔になっていた。
「ちょっと、何を理解したというのよ、その頭で。」
レティの質問に対し、ちるのは自信に満ちあふれた顔でこう答えた。
「あいつ、お化けが苦手なんだよ!
アタイのあの言葉でこんな行動にでるんだから間違いない!」
あいつ、が誰を指しているか言うまでもない。
全員の視線がまだみっちり詰まっているてゐに集中する。
「ちょ!あいつの戯言を信じる気!?」
「…てゐさん…お化けが苦手なのにお化けで商売しようとしていたんだ…。」
「意外な弱点に謙虚なゆっくりである私も少し驚きが止まらない。」
「違うっつーの!」
てゐは必死にお化けが苦手じゃないと主張している。
だが、せめてみっちり詰まっているそこから出て説明しないと説得力がない。
「…全く、良い歳してお化けが苦手なんて馬鹿じゃないの?
正直呆れてものが言えないわ。」
レティがここぞとばかりにてゐを責め立てていく。
「ぐうぅ…。」
何度も⑨課の面々を口先だけでやりこめてきたてゐも
今回ばかりは返す言葉がないようだ。
…と、そこで突然ちるのがレティに向かってこう言った。
「ところでレティ、さっきから気になることがあるんだけど。」
「え?」
「何でお爺さんを肩に背負ってるの?しかも半透明の。」
ヒュン!
次の瞬間、レティの姿が消えた。
「え?」
「こ、今度はレティ副長が!」
消えたレティ副長を探して辺りをきょろきょろ見回す一同。
彼女も、すぐに見つかった。
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てゐが隠れている引き出しの上に、頭かくして尻隠さずの姿勢で彼女は隠れていた。
…って言うか、突き刺さっていた。
「…何してるんですか、れてぃ副長。」
「…し、心机楼という神楽の特訓よ。」
「頭から地面にぶっささる神楽なんて聞いたこと無いです、
後心机楼じゃなくて心綺楼だと思います。」
実に冷静かつ無駄に的確なツッコミだった。
「…色々細かいわね、あんたも。」
そんな事を良いながらレティは突き刺さった頭を自ら引っこ抜いた。
「アタイの推理通り!レティもお化けが苦手だったんだ!」
そして、そんなレティを見てチルノはまた誇らしげにそう言った。
「ちょ、推理って何よ、どうせ只の当てずっぽうじゃないの!?」
レティは誰の目から見ても動揺しているようにしか見えない様子で
チルノに向かってそう言った。
対するチルノは自信満々、確信に満ちた様子でこう言い放つ。
「三郎ラーメン時に何時も以上にノリノリになってフザケていたよね?」
「!?」
「あれってお化けに対する怖さを誤魔化すためでもあったんでしょ。」
「な、何を根拠にそんな事…。」
「それにもう一つ、燃え上がったまっかちんがこいつらに襲いかかって来た時、
何でレティは被害を受けなかったの?
位置的にあいつ等の近くにいたんだから
一緒に襲われてもおかしくないのに。」
「うぐっ!」
「その理由はただ一つ!あんたは燃え上がる真っ赤賃を
鬼火と勘違いして全力でその場から逃げ出したからだ!
これがレティがお化けが苦手である決定的な証拠だ!どうだ!」
「うっ…ぐはあああああああっ!」
次の瞬間、レティは逆転裁判の犯人バリの派手なリアクションでその場に倒れ込んでいた。
倒れたままレティは悔しげにこう言い放つ。
「ふ、普段はアホみたいに鈍いくせに
どうしてこう言うときにだけ無駄に鋭いのよコイツは…。」
いつの間にか、レティの瞳には一筋の涙が流れていた。
そして二人がお化けが苦手なのを見抜いたチルノはどこか誇らしげな顔をしている。
「…まぁ、そんな事実が分かった所でだからどうしたなんですけどね。」
大ちゃんがボソリとそんな事呟く。
「…そうだ、今重要なのはそんな事実じゃない。」
そして、次の瞬間、大ちゃんの背後からそんな声が聞こえてきた。
「え?」驚いて振り向く大ちゃん。
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そこにいたのは形容詞がたい謎の生き物。
…もとい、意識を取り戻したゆーぎ所長であった。
「うひゃああ!?」
大ちゃんは変な悲鳴を上げて後ずさる。
その声で、他のゆっくり達も一斉にゆーぎ所長に注目する。
「所長!目を覚ましたんですか?」
「うむ、何だか心配をかけたようだな、済まない。」
「目、目を覚ましたなら覚ましたでソイツを外して下さいよ!
背後にそんなのが立ってたらビックリするってレベルじゃないですよ!」
実際、心臓が一瞬止まった大ちゃんは涙目でそう訴える。
「いや、外そうと思ったが思ったよりガッチリハマってな、
前が見えなくて不便だし、ホントにどうにかしたいのだが…。」
「じゃ、こうすれば良いじゃん。」
チルノはそう言うと、冷蔵庫の扉を開けた。
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中にあったのは、相変わらず何とも言えないくらいやる夫な表情。
「おぉ!これで視界は確保できた!でかしたぞチルノ!」
「…根本的解決にはなってない気もしますけどね。」
と、レティはツッコむが、所長は満足げなのでこれで良いのかもしれない。
そして、そんな所長に向かって大ちゃんがこう問いかけた。
「所で所長、さっき気になること言いましたよね、
今重要なのはそんな事実ではないって。」
それを聞いた所長はその表情をキリリと引き締めた。
…もっとも、冷蔵庫のせいで色々台無しだし、
冷蔵庫がなくてもやる夫顔じゃあ余り変わらない気がするが。
「うむ、正直苦手なんで誰でも持ってるモノだ、
そんなのはどうでも良い、軽く流してしまえ。」
「いや、こちらとしては軽く流してほしくない問題なんですけど。」
ゆーぎの発言に反論するてゐ。
だが、ゆーぎはてゐのこの言葉をも軽く流して話を続ける。
「問題は、私が襲われたシチュエーションだ。」
「シチュエーションって…。」
「あんたがそんなバカみたいな状態になるまでの経緯って事?」
「…まぁ、そうだな。」
実際、かなりバカみたいな状態なのでゆーぎはおろか、誰もその言葉に反論することは無かった。
とにかくゆーぎは話を続けていく。
「…あのとき私はTENGAが温くなってきたので
新しいモノに取り替えるためにあの部屋を訪れた。
…そこで、あいつに出会ったんだ。」
「あいつ?」
「…あいつは冷蔵庫の中を漁っていた。
部屋は暗かったから姿は見えなかったが…ソイツからは異質な何か、を感じ取った。」
「それで、どうしたんですか?」
「正体を確かめてやろうとソイツに近づいた。
すると、ソイツはこっちの気配に気づいてこっちの方を向いたんだ。」
「ほ、ほう、そうなのか…。」
ゆーぎの話を聞いてどんどん盛り上がっていくゆっくり達。
「そ、それでソイツの正体は何なのさ、
こっちを向いたって事は、顔を見たって事でしょ?」
てゐがいつになく真剣な表情でそう問いかけた。
…その瞬間、ゆーぎ所長はバツが悪い顔をした。
「…ごめん、解らん。」
「え?」
「ソイツがこっちを向いてから先の記憶は何かアヤフヤになっててな、
気がついたら冷蔵庫に頭から突き刺さっていた。」
……。
何だか、盛り上がってきた空気が一気に抜けていくのをその場にいた全員が感じ取っていた。
「…何で、所長ってこう、肝心な所で役に立たないんでしょうね…。」
「それはしょうがないんだよ大ちゃん、だって所長なんだから。」
そう言って大ちゃんとチルノは残念そうなため息をついた。
「おいこらちょっと待て!これだけ覚えていれば大金星だろ!」
思わず反論してしまうゆーぎ所長。
「まぁまぁ所長、落ち着いて下さい。
それに所長が言いたい重要なことも、私解りましたから。」
そこにレティ副長がフォローに回る。
「解ったって、何が解ったのさ?」
チルノがそう言うと、レティはこう問いかけてきた。
「…今まで、お化けと呼ばれる正体不明の存在は基本的に
「庭で」目撃されていた。でも、今回は?」
「…あ!」
レティの言葉でチルノは気づく。
彼女が気づけるという事は…もちろん他のゆっくりも気がついていた。
「…今回は「室内」で襲われていた。」
「そう、今まで活動範囲が庭の一部にすぎなかったはずのソイツは
急に室内にまで活動範囲を延ばした。
しかも二人目の犠牲者まででた。
…ソイツは明らかにこっちに敵意を持ち始めているのよ。
そして、私たちに攻撃を加え始めた。」
「な、何故!?今までは大人しくしていたのに?」
大ちゃんはかなり動揺している。
「そりゃあ、アタイ達が庭で本格的に除霊みたいな事始めたからじゃない?」
大ちゃんとは逆にチルノは冷静である。
「まぁそうだろうな、自分のみの危険に晒されれば、
防衛手段に出るのは当然だろう。」
「…と、言うことは…またお化けに襲われることもあるという事よね?」
「…!」
レティのその言葉はその場にいるゆっくり全員に緊張をもたらした。
「あ~何だか色々大変なことになってきたねぇ。」
そんな空気を間の抜けた声が台無しにした。
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その声の主はてゐであった。
さっきまで引き出しの中でみっちりしていたせいか妙に角っぽい外見になっている。
小指とかぶつけたら凄く痛そうだ。
「お取り込み中に迷惑かけたらいけないから私らはここでお暇しようかね…。」
「そ、そうだどね。」
「じゃ、私たちは闇系の仕事があるからこれで。」
てゐ達万事屋はそそくさとその場から消えようとする。
「おい!」
しかし、その瞬間レティが叫んだ。
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l ,.ノ <, </"'マーソヽマっ ゙>' .> ゙'、. l l ,.ノ <, </"'マーソヽマっ ゙>' .> ゙'、. l
その瞬間、部屋のふすまが開いて相撲取りのような格好をしたゆっくりれいむとまりさが入ってくる。
「え?」
「なんだど?」
いきなりの珍入者に戸惑うてゐ達。
「はいプッシュプッシュプッシュプッシュ!」
「プッシュプッシュプッシュプッシュ!」
相撲取りたちは隙ありとばかりに動きを止めてしまった
てゐ達ご一行を張り手で押し込んでいく!
「うひゃああああああああ~~~~~!?」
てゐ達はコロコロ転がされながら部屋に押し戻されてしまう。
目的を果たした相撲取りは実に満足げな顔で部屋を出ていくのであった。
「フフ、さすが私の部下、自らの役目をしっかり果たしてくれたわ。」
レティはその様をみて実に満足げにそう呟いた。
(…相撲取りの格好をしてゆっくり達を部屋に押し戻すなんて役目、
何を想定して与えたんだろう…。)
その隣で大ちゃんがそんな悩みを抱えていた。
最終更新:2014年04月30日 22:31