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てゐ魂44話3





てゐの言葉と同時に三人は一斉に駆け出した!
転んでもがいているサブリアンを横目に包囲網を強引に突破!
そのまま庭に出たてゐ達は直ぐ様サブリアン達から離れようとする!

「…あれ?」

そこでてゐは気づく。
そばに居るのはれみりゃだけ。
レティの姿は何処にも見えない。


「え?レティさんはどこに行ったんだど?」


レティの姿が見えないことに、れみりゃもすぐに気づいた。
キョロキョロと辺りを見回して、レティの姿を探す。


「ちょっと!何してんのよバカ!」


レティの声が聞こえてきたのはその直後だった。
聞こえてきたのは、サブリアン達がいる方向。
てゐはまさかと思いながら、サブリアン達のいる方向を向いてみる。
サブリアン達の群れの隙間から、その光景は確かに見えた。



          __       .
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 `ヽヘ  ,ノレ' (○)   (○) ir /! ノ .
  (   ノ ! ///,rェェェ、///  ! ヘ(  
   ノ)  ,.ハ ''" |-r-r,|' " ' ! ',ヽ. 
   ,_)__'! ト.、 `ニニ´  ,.イ  i .ノ ハ、_,,..-‐、_   _
  r'"ヽ   t、 `>r--‐´レヘ ノ       i `ヽ 
   ( ノ .ヘ,ィヽ、ハ、 `'ーr''´ ノヘ. 〈   ァ   /つ'´ 
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 o  _,./!,    !::::::::::::::::Y:::::ノ__ `ヽ.  ○
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「足が…凍って!」


レティの足というか下半身は氷付けになっていた。
そのせいで、レティは完全に身動きが取れない状態になっている。

「な、何なんだど!?一体レティさんの身に何が起きてるんだど!?」

「…氷付けって時点で犯人はまる解りだけど。」

れみりゃは驚愕の表情で、てゐは呆れ顔でレティの姿を見つめた。
レティの足元の氷を良く見てみると、氷と接している床から水が染み出している。
この水は氷が溶けた事で出来た水ではない。
何故ならその水は放射状に広がって居るのではなく、
まるで何か力を伝えるかのように一本の道を形成しているのだ。
そしてその水の道の先に居たのは一人のゆっくり。



                   /^\      ,.へ___
                  /   >''´ ̄ ̄`'''ヽ7
                  |  /´ _       _'ヽ、
                  〉 / /´  /  ,  、  、 ヽ〉
              r⌒ヽ/  i イ  レ\ ハノ! /i  i 
        / ̄ ̄ ̄/ \└rイ レイ (ヒ_]   ヒ_ン)ハヘ|
       /     _/ /   く_ノ  〉 i""  ,___,  " iハ
     /   / 〈__/_/ハハ. i ハ、   ヽ _ン   人|
⊂二二__∠_/     /i レヘハレへ〉'=i⌒\ '´Vヽ


「へへ…お前も一緒に地獄に堕ちようぜ…。」


そこにはサブリアンに襲われてなんか良く解らない粘液まみれになったちるのの姿があった。
彼女が床を伝う汗などの液体を媒介に冷気を送り、レティの足を凍らせたのだ。
何と言う執念、何と言う⑨。

「このバカ!何で味方を巻き添えにするような真似をするのよ!」

「一人じゃ寂しいからに決まってるだろバカ!」

サブリアンのど真ん中で低レベルな喧嘩を始めるバカ二人。
これでも百人近い隊を纏める組織のトップです。


「ラーメェェェエン………。」


と、そこで周りから聞こえてくる唸り声。
周りを見渡せばサブリアン。
その歩みは止まらず、どんどんレティ達に近づいてくる。


「あ、これもうダメかも。」


流石のレティも何かを悟った顔でそう呟く。
その時だった。


ミシッ ミシミシッ。


レティの頭上から、何かが軋む音が聞こえてくる。

「え?」

音に驚いてレティは上を見上げる。
天井が軋み、埃がパラパラと落ちてくる。

一体なんだ。レティがそう思った次の瞬間。



バキバキバキイッ!



凄い音とともに天井をぶち破り、何者かが部屋へと落下してくる!

「な…。」

そいつの姿を見て、レティは言葉を失った。
てゐもれみりゃもちるのも驚愕の表情を浮かべている。
それどころか、レティ達に襲い掛かろうとしたサブリアン達もその足を止めていた。


絶体絶命の窮地に舞い降りたそいつの名は。


         ,.-'''`. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'''-,,
        ( ,              )
        .| ゙-..;;_       _,,...-'゙|
         l,     ̄ ̄ ̄ ̄    .|
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          \          /
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            ゙'-、..,,,,,,,,,,,..、-'゙'       ゙l'-´..``````..,´-'l゙
            ./ ヽ―/ ̄´        /          \
           /    ,'          'l,             ,ヘ
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          |      ',         .|              '゙|
          |      .l         (              )
          |      /l、         `-''',..,        ,.,,:、
          |  ー''"__/ ̄"''‐< ̄ ̄`ヽ-rイ`,´-------::´..
          ヽ /´  ヽ、    ヽ    ,' l‐--、   /  ./`''7‐..,,_
           ヽ      `''-..,,_      .,'   ヽ_ヽ/ _ ノ  ./    ̄`ヽ、
            ヽ.、              /      ̄ ̄     l   、    .',
            . `"''-..,,         l             ヽ  ',    ヽ
                 `"''―-イ   /                   ヽ /      /\
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「てんちょぉおおおおおお!?」


ラーメン三郎、ゆっくりの国支店の店長であった。
何故か全身傷だらけになっていて。
今だ頭のドンブリを外さない。
そんな男が天高く掲げたその手には。
トレイに載せた一膳のドンブリがあった。

「店長、まさかそのドンブリは…!」

レティはそのドンブリを見て、店長にそう問い掛ける。
店長は何も言わず、その天に掲げたドンブリをゆっくりと下に下げた。
その瞬間、ドンブリは眩しい光を放った。


「うっ。」


その瞬間、てゐとれみりゃは脂ぎったニオイを嗅ぎ取り、思わずえづいてしまった。
ニオイの元はあのドンブリから漂ってきたものだ。
てゐもれみりゃもあのドンブリからかなり離れているのに、
それでも思わず吐き気を覚えるくらいのきつい油の匂いが漂ってきているのだ。

「ああ…。」

しかし、レティはてゐ達よりも遥かに近い位置に居るのに平然な顔をしている。
って言うか。



                -''"´     `'
             ,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、 `ヽ
            ゝ//         `ヽ`フ
            / .,'  /! /!   ! ハ  ! ',ゝ
           (    ! x==ミ   ==ミ  ,.ゝ
           ヘ  ,ノレ'    ,___,   ir /! ノ
           (  ノ ! ///ヽ _ン /// ! ヘ(
             ) ,.ハ ''"    ||  "  !',ヽ(   )
            )__'__'!トト.、   ||  ,.イ  i.ノ、
            r'"ヽ  Y`⌒ヽ--‐´レ(    ) .
           / 、、i /゙\,ィ\ヽ (   ) ヽ
           /  /   ゙i=ョ=ョ=ョ=(^ヽ、)
           {      ノ \ ____ /,) i.|
           ゝ-,,,_/  `└‐─‐‐ と" ノイ



完全にヘブン状態だった。

その豊沸とした視線の先に有るのは、店長が掲げる一杯のドンブリ。


何か油ぎっとぎとの豚骨がドンと乗っかっていて。

周りには野菜がもっさり乗っかっていて。

スープの表面は大量の油でテカテカに光っていて。


もう、遠目に見ても健康に良くないことが一目で解るラーメンだった。





          /^\      ,.へ___
         /   >''´ ̄ ̄`'''ヽ7
         |  /´ _       _'ヽ、
         〉 / /´  /  ,  、  、 ヽ〉
        /  i イ  レ\ ハノ! /i  i
       __ノ::::::::::r ( ヒ_]      人::::::)  ○
     /:::::::::::::::     ,___, ヒ_ン ) :::::::::::)-‐、,,
  ,,r-─(_)       ヽ _ン  "".ノ !.; ヽ ヽ `,
  (                        ,r‐″
    ̄つ                 ,r─‐‐''
   (´              ,r──'
    ̄ ゙̄'───--------‐'


その香りをマトモに嗅いでしまったちるのは、いろいろな意味で溶けてしまっている。

しかし、そんなちるのとは正反対にレティはそんなラーメンを神を見るかのような目で見つめている。


「店長、ついに完成させたんですね!究極のラーメンを!」


レティは目を輝かせながら店長に向かってそう言った。
店長から、直接答えは返って来ない、
ラーメンの香りがその答えだった。


「…レティの奴、完全に今の状況を忘れてるよ…。」


そんなレティの姿を見て、てゐは完全に呆れ返っていた。
サブリアンに囲まれている状況で、ラーメンに見惚れているなんて自殺行為以外の何者でも無い。

「でもてゐさん、それはサブリアン達もおなじみたいだど。」

「え?」

れみりゃの言葉にてゐは目を丸くする。
れみりゃが呟いたその言葉の意味。
その意味をてゐはサブリアン達の様子を見る事で理解した。



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「オオ………。」

「ラーメン……………ラーメン……………!」


さっきまで虚ろな目をしていたサブリアン達も、店長が持ってきたラーメンを見て目を輝かせていたのだ。
ラーメンに対する飢えのあまりに怪物化したサブリアン達。
彼女達にとって、三郎店長が直々に持ってきたこのラーメンはどんな財宝よりも輝いて見えたのだ。


「………。」


そしてここに来て店長の更なる追い撃ち。
店長はラーメンを持ってないもう一方の手で一枚の袋を取り出した。


「あ、あれって…!」


れみりゃはその袋を見て驚きの声をあげる。
それは、れみりゃのような低所得者だからこそ、一目でその正体を理解できる代物だった。


「ま、まさかそれは、三郎ゆっくりの国支店でのみ使われる幻の隠し味!」


レティもサブリアンもその袋を見て興奮状態に陥っている。
三郎を愛するもの達は、その袋を見るだけで血沸き上がり胸舞い踊る。
その袋の表面には、こんな文字がプリントされていた。


「チャルメラ、スープの元。」


「って、インスタントラーメンのスープの元かよ!」

てゐは思わずそんなツッコミをいれてしまった。
とにかく店長は、そのスープの元を三郎ラーメンの中にサラサラと注ぎ入れた。


ムワアッ。


さらに濃厚になる三郎ラーメンの香り。
てゐやれみりゃにとっては、さらに胸やけを頻発しそうな香りになっただけ。
しかしサブリアンのにとってはこの香りは重要な意味を持つ。


「あ、ああ……。」


レティは白目を向いて喜びの笑みを浮かべている。
「お、おいレティ、何か本当に酷い顔してるけど大丈夫か?」
その様子を見てちるのは思わずそんな問い掛けをしてしまう。
そしてそんな顔をしているのはレティだけではない。



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周りにいるサブリアン達も白目を向いてトリップ状態に陥っていた。
サブリアン達は覚束ない足取りで、店長の元へと向かって行く。
何をするつもりなのか、まさか店長からラーメンを奪うつもりなのか。
ちるのは最初、そう考えていた。

しかし、サブリアン達のとった行動はちるのの予想を上回る!


~五体倒置AA~


「な、何だあれ?」

ちるのはサブリアンの行動の意味を知るよしも無い。
彼等が店長に対してとった行動は、最高の敬意を表すと言われる五体倒置。
サブリアンとレティは店長に対し、これ以上無いほどの感謝の意を示していた。
彼が持つ最高のラーメンに。
そしてそのラーメンを生み出した店長に。
店長を中心にレティ&サブリアン達が円陣を組んで五体倒置する姿は、
何かもう神々しささえ感じられる光景であった。


~☆~


「…てゐさん、あれは一体何なんだど?」

「…私にもわかんねーよ。」


レティとサブリアンの奇行を遠巻きに見ていたてゐ達。
完全に置いてけぼり、付いて行けないとは正にこの事。
そりゃあ白い目を向くというものである。


「おいぃ!てゐ、れみりゃ!無事ですかねぇ!?」


と、二人に呼ぶ聞き覚えの有る声。
振り向くと、庭の向こうからてんこがこっちに向かって駆けてくる姿が見えた。
その後ろには所長であるゆーぎを始めとした、公安⑨課の連中の姿も見える。


「てんこちゃん、こっちは見ての通りだど!」


れみりゃはピョンピョン跳びはねて、自分の無事をアピールする。

「ほむ、大量のほたてに追い掛けられた時は、流石の万事屋も終わりかと思ったが、
 やはり格が違ったな。」

てんこも二人が無事なのを見て、ホッと一息を付く。

「おい、レティとちるのは大丈夫なのか?」

今度はゆーぎ所長がそう問い掛けてくる。
それに対して、てゐはこう答える。

「あれを見てアンタが無事だと思ったら、無事ってことで良いんじゃないの?」

そういっててゐは店長達のいる方を耳差した。
ゆーぎ所長が店長を中心に五体倒置しているレティとサブリアン、
及び液体まみれで放置プレイされているちるのを見て一言。

「…何だあれ。」

「取り合えずまぁ、サブリアンはもう襲って来ないと思けど?」

てゐはゆーぎ所長に向かって、そう言った。
あのサブリアン達は三郎ラーメンのニオイに釣られて、詰所に侵入して来たのだ。
三郎ラーメンが手に入れば、襲ってくる事も無いはずだ。
サブリアンの驚異は消えたと言って良いだろう。


「所長、先輩のみなさーん~!」


と、また誰かがこちらに呼び掛けてくる。



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やって来たのは一人の胴付きゆっくりはたてである。

「あ、あれって新入りの。」

「無事に戻ってきてたのかアイツ…。」

⑨課のゆっくり達ははたての姿を見て驚きを隠せない。
ドンブリを取りに行くために、サブリアンの群れの中に消えていったのが、
彼女達の覚えている最後の姿なんだから、当然の反応ではあるのだが。


「皆さん!今すぐ報告したい事が…ハッ!」


その時、三郎の香りが新入りはたての鼻孔を刺激する!


バッ!


次の瞬間、新入りはたては即座に五体倒置をしてしまっていた。

「…いきなり何してるんだ?」

直ぐ様ゆーぎ所長が問い掛けてくる。
その瞬間、新入りはたてはハッと正気に戻ったような表情になる。

「す、スミマセン所長!この辺りに漂うニオイを嗅いでいたら、思わず五体倒置したくなってしまいまして…!」

「何それ怖い。」

三郎ラーメンにはある特定のゆっくりを狂わせる何かが混入されているのだろうか。
サブリアンの暴走ぶりを見ているとあながち間違いじゃなさそうで怖い。


「そ、それよりあのお化け達について報告したいことがあるんです!」

「え?」


はたての言葉の意味をゆーぎ所長はすぐに理解出来なかった。
「お化け達って…。」
てゐはその言葉に思い当たりがある。
そして、その言葉に思い当たりがあるゆっくりがもう一人。

「…もしかしてサブリアンにぶちのめされたあいつらの事?」

いつの間にかゆーぎ所長のそばにレティの姿があった。
その手には、液体まみれのちるのが回収されている。
正気に戻った彼女は、ちるのを回収してサブリアンの群れから抜け出したのだ。

「おいレティ、一体どういう事だ?」

ゆーぎ所長はレティに問い掛ける。

「実はサブリアンに襲われる前に件のお化けに遭遇してるんです。
 しかも、複数に。」

「件のお化け…あ。」

そこまで言われてゆーぎ所長も思い出す。


「ああ、もしかしてあの赤い服のお化けの事か!
 サブリアンのせいですっかり忘れてたな!」


まぁ、正直お化けよりサブリアンの方がよっぽど印象に残るからそれは仕方ない。

「正直、私もラーメンで理性が飛びかけてすっかり頭から抜け落ちてました。」

レティも頭を掻きながら恥ずかしい、といった表情になっていた。
とにかく、レティは新入りはたてに向かって改めてこう問い掛けた。

「それで、あのお化けに対してどんな報告があるの?」

レティのその言葉を受けて、新入りはたては懐からあるものを取り出した。


「取り合えず、これを見てくれませんか?」


その言葉を受けて、レティは新入りはたてから手帳を受け取った。

「…何だこれは?」

そんな疑問を口にしながらゆーぎ所長は手帳を開いてみる。


「……え?」

「これって、」

「どういう事なんですかねぇ。」


その内容を見て、ゆーぎ所長も、ちゃっかり後ろから覗き込んでいた
てゐ達万事屋三人組も目を丸くする。
そして、ゆーぎ所長を始めとしたゆっくり達の視線が全て新入りはたてに集中する。


「まぁ、取り合えず一つだけ確かなのは…あれは幽霊じゃないってことですよ。」


新入りはたては半笑いの表情でそう言った。


~うー☆~


公安⑨課詰所の、長い長い夜が開けようとしていた。
朝の日差しを浴びる公安⑨課のゆっくり達の顔は、どこか浮かない顔である。
その理由の半分は、全く寝て居ないこと。


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          /        /      l ̄`丶    '´ ̄/    _  \      \
 rC                                               ,L_ノ.! 八、 || |=========i´ ̄`〈    〉,リ
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残りの半分は、庭中に漂う三郎ラーメンのニオイが原因だったりする。
庭の片隅でラーメンを配る店長と、そのラーメンを貪るサブリアン達を見て、げんなりとした顔になる。

「なんで朝っぱらから、あんな脂っこいものが食べられるんだぜ…。」

「れいむは既に戻しそうだよ…。」

三郎独特の濃ゆい香りは、ゆっくり達の食欲を減退させて行く。
寝不足の疲れも相成って、ゆっくり達は完全に意気消沈していた。


「全く、一晩寝てない位で何不景気な面をしてるのよ、うちの連中は。」

「んめぇ!ラーメンんめぇ!今まで食べた三郎の中で一番うめぇ!」


そしてそんな中でも、平然とラーメンを食っているレティ。
新入りはたてに至っては、ラーメンを食って泣いて喜んでいる。
普通一晩徹夜すれば胃も弱るだろうに、サブリアンは内臓の構造からして普通と違うというのか。

「まぁ、今はサブリアンの事はどうでもいいだろう。」

それよりも、とゆーぎ所長は自分の目の前に広がる光景を見やる。
そこに居るのは横に一列になって縛られ、正座しているお化け達であった。
そして、そのお化け達の顔付きは昨夜れみりゃ達が遭遇した時とは様子が変わっている。
具体的には、醜く腫れ上がっていた顔の腫れが引いて、幾らか見れる顔になっていることだ。
って言うか、中にはこれ美人じゃね?と思えるものさえいる。


「虫刺されが効いて来ているな、顔の腫れが引いている。」

「まぁ、全員の顔に塗るのは大変でしたから、効いてくれないと私泣くところでしたけど。」


そう言うのは、虫刺されの薬のチューブを手に持つ大妖精である。
空になったチューブと薬まみれの右手が、彼女の悪戦苦闘を物語る。


「しかし、お化けだなんだとあれだけ騒いでおいて、蓋を開けて見れば実に下らない事実だったねぇ。」

「あの。」


やれやれといった顔になるてゐに向かって、お化けの一人が話し掛けてくる。


「ん?」

「スミマセン、私たち暴れたりしませんからこの縄ほどいてくれませんか?」


そう懇願するお化けの声は、決してあの世からの使者を連想させる声ではない。
その声は確かに、生きた者の声である。

「だってさ、あんたらどうする?」

彼女達の安否を決める権利は部外者のてゐには無い。
てゐに問い掛けられて、ゆーぎ所長は渋い顔になる。

「いや、無理だ。」

そんな無慈悲な返事を聞いて、お化け達は顔面蒼白になる。

「そ、そんな酷い!私たちは何もしませんよ!」

「そうは言ってもねぇ。」

涙目で訴えてくるお化け達に対し、大ちゃんは書類の束を突き付けた。

「これだけの事をやってる連中、おいそれと自由にするのは大問題でしょ?
 ユックリンピースのみなさん。」

「う、うう…。」

大ちゃんのその言葉に、彼女達は何の言葉も返せなかった。


「ユックリンピース。」


それは人間の国で生まれた、ゆっくり好きな人間達が設立した団体の名である。
ありとあらゆる悪意の手から、ゆっくりを守り、
ゆっくりと人間の完全な共存を目指すために活動しているという謡い文句の団体である。
しかし、そんな理想とは裏腹に保護対象のゆっくり達からの彼等に対する視線は冷たい。
その理由はシンプルである。


「確か、ゆっくりの保護観察という名目で、
 ゆっくり達にストーカー行為を繰り広げてるんでしたよね、こいつら。」

「ああ、人間の国ではゆっくりの住む家への不法侵入、盗撮行為など、
 度重なる迷惑行為を繰り返し、ついには逮捕者まで出る始末。
 ゆっくりの国でも彼等の入国禁止が決定されるまでそう時間はかからなかったそうだ。」

「要するに、こいつらは迷惑行為を繰り返すロクでも無いストーカー集団と言うことですか。」

てんこが呆れ顔でユックリンピースの顔を見る。
すると、それを聞いたユックリンピースの一人が反論してくる。

「そ、それは貴方達ゆっくりがそう思い込んでいるだけです!
 私たちの活動を見ていれば、その認識が間違ってると理解できる筈です!」

「そうだそうだ!」

「我々はゆっくりが大好きな真っ当な集団だ!」

顔が凄いことになっている人達が一斉に反論してくる様子は⑨課のゆっくり達をドン引きさせる。
妙に迫力のある絵面をものともせず、ちるのが一言。

「真っ当な集団が不法入国をして、人ん家の庭に不法侵入する訳無いじゃん。」

『!』

誰も言い返せない。そりゃそうだ正論だもん。

「し、仕方ないじゃないですか!真っ当な方法じゃゆっくりの国に行くことが出来ないんですよ!
 全員分の擬装パスポートを作るのがどれだけ大変だったと思うんですか!」

「いや、入国出来無くなったのは完全にあんたらの自業自得だど。」

「そもそもこの擬装パスポート、作りが適当過ぎですよ!」

大ちゃんはそう言って、ユックリンピースから取り上げたパスポートを見せ付けた。
彼等の正体を知るきっかけになったこのパスポート。
ぶっちゃけ100均で売って居たであろう手帳に偽の履歴と顔写真を貼付けただけの代物だったりする。


「…なんでこんなモノで入国を許可しちゃったのかしら、うちの国の入国管理局は。」

「きっと我々の熱意が伝わったんですよ!」

「熱意で入国を許可してくれる国なんて何処にも無いと思うど。」

「で、入国したのは良いとしてさ、なんで⑨課の詰め所なんかに潜んで居たのさ。」


「我々は自分達の行為がストーカー行為などではないと、ゆっくり達に訴える為に
 ゆっくりの国にやって来たのです。
 ………ですが何分始めてきたものですから、何処に向かえば良いかわから無くて。
 密航して来た身ですから、ホテルなどに泊まる訳にもいきませんし。」

「だからウチの庭に身を隠していた訳か。」

「ええ、とにかく身を隠せる場所なら何処でも良いと思いまして。
 …でも失敗でしたね、どこもヤブ蚊が大量に発生しているし、変な草が生えてるし。」

「…あー、私たち庭の手入れやヤブ蚊退治なんてしませんもんねぇ。」

「私らゆっくりって、基本的に蚊にも襲われないし。」

血を吸うために人間を始めとした生き物に襲い掛かる蚊も、ゆっくりだけは襲うことが無い。
何故ならモチモチ肌は蚊の吸血攻撃をものともしないし、そもそもゆっくりに流れているのは
液体的な血ではなく、それより粘度の高いアンコ。
吸おうとすれば口の管が詰まってしまう。
だから蚊がゆっくりを襲うことは無く、ゆっくり達にとって蚊というものは歯音がうるさい虫程度の認識しかないのである。
そんな訳でゆっくりの国の蚊は人間の国と比べて遥かに多いといわれている。
ゆっくりの国に来るときは虫よけスプレーを忘れずに。さもないと…。

「駆除も何もされずに放置された結果、大量発生したヤブ蚊に襲われて
 そんな顔になった訳か…。」

「うう…。」

蚊に食われまくってひどく腫れ上がった顔で、ユックリンピースの連中は泣き濡れる。
⑨課の隊員達がお化けと間違える位酷い顔で泣くので、
周りのゆっくり達はドン引きしてしまう。

「て言うかさ、何でそのまま庭に隠れっぱなしだったのさ。
 隠れてる暇があるなら、国の事を調べれば良かったのに。」

今度はてゐがそう問い掛ける。
すると、ユックリンピース達はモジモジし始める。

「え、それは、そのここに住んでるゆっくり達が思いの外キュートだから…。」

「……………。」

ゆっくりであるてゐの感性では、レティを始めとした⑨課の面々の何処がキュートなのか理解できない。
と、言うか彼女の言葉に同意できるのは、同じユックリンピースくらいしか居ないだろう。

「えーっと、つまり最初はここに身を隠していたんだけど。
 我々があまりに可愛いから、次第にストーカー行為を続けるようになった、と。」

ゆーぎ所長の問いにユックリンピースはコクりと頷いた。

「ろ、廊下を歩く仕種とか、欠伸をしている所とか。
 そういった仕種を惜し気もなく観察させて貰いました!」

「うっわぁ…。」

彼女達の告白に、⑨課の面々は全員ドン引きである。
夜、何気なく廊下を歩いていたら、ふと感じる誰かの視線。
その視線の元を辿ってみると、庭のしげみの方で何かが光っている。(正体はデジカメのフラッシュ。)
何かと思って目をこらしてみると、そこに居たのはヤブ蚊に刺されて顔が腫れ上がり、
興奮で顔色が赤くなったユックリンピースの姿が!
…これが、⑨課のゆっくり達が目撃したお化けの正体である。

…全ての真相が判明した後、取り合えずてゐは彼女達に言いたいことがあった。

「あんたら、自分達はストーカーじゃないって言うためにこの国に来たのに、
 その矢先にストーカー行為をしてどうするの?」

この矛盾、ユックリンピースにも自覚はあるようで、俯いたまま誰も何も答えない。
しかし、それでも。
ありったけの勇気を振り絞り、彼女達は目の前のゆっくりに言い放った。


勺儲靄靄醴醴醴蠶體酌羽紜益㎎益山∴          ベヨ迢鋸醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
∃儲霾誧露繍蠶髏騾臥猶鬱㍗  ご笵此∴        ∃㌶謳廱躔騾蔑薺薺體髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶
ヨ儲諸隴躇醴蠶歎勺尓俎赴        レ      ∴㌶醴蠶鬪にに     躇躇醴蠶蠶蠶蠶蠶
ヨ鐘諸薩讒蠢欟厂  ベ状抃   【●】 厂      ヨ繍蠶蠶臥に        躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶
㌶罐諸醴蠶蠶歎      マシ‥…ヲ冖ヘ      .∴瀦醴蠶襲㌦         躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶
加罐讒蠶蠶欟厂      ㌶ ヘ㌶㌶ヘ       ∴㌶醴醴蠶甑        【●】に  蠶蠶蠶蠶蠶蠶
溷霾醴蠶蠶勸      ㌶  ヘヘ  ㌶       ∴ヨ繍醴蠶蠶鬮に に  庇蠶蠶∴蠶蠶蠶蠶蠶蠶
醴蠶蠶蠶蠶髟      ㌶       ㌶       ベ湖醴醴蠶蠶蠶庇 にに庇蠶蠶蠶.∴蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶欟      ㌶        ㌶         ㌶繍蠶蠶蠶蠶蠶曲㌶㌶㌶㌶㌶㌶に㌶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶歉     ㌶      ヲ 澁畄_迢艪蠶蠶蠶蠶蠶蠶甜川㌶㌶∴ ∴∴㌶㌶髏蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶髟      ㌶     ヲ  コ醴蠶奴繍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶齡辷㌶    ∴㌶㌶醴蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶鬮か                .ベ苛ザベ繍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶醯己に⊇三介㌶㌶醴蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶髏鬮シ      ㌶                 尽慵蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶自辷㌶躇㌶鐘㌶躇蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶醴勸      ㌶                    氾隅髏蠶蠶蠶蠶蠶靦㌶㌶雄躍躇㌶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶醴訃      ㌶              ∴∴∴沿滋溷醴髏蠶髏髏韲譴㌶醴蠶蠶㌶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶髟      ㌶      _山辷ム㌶蠡舐鑓躍醯罎體體體驩讎櫑㌶蠶蠶蠶㌶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶㌢      ㌶    ㌶躍蠶蠶鸙蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶醯註珀雄醴醴㌶蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶廴      ヲ  ㌶醴蠶欟閇憊體醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶靦錐讒醴蠶曲蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶欟シ       ヲ  禰蠶蠶蠢螽螽㌶醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躍蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶監シ          ∵ヴ門夢曠髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶㌢     ヲ         ∴シ∃愬嚶髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶㌶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶診      ヲ     ベ沿益旦以迢益讒醴髏曠醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶㌶蠶蠶蠶躇髏蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶甑シ    ヲ       .げ隅艪蠶蠶蠶蠶蠶蠢鸙蠶髏蠶蠶蠶蠶蠶㌶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶鬮ヒ               ベ状隅髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠢鈊∴              ベ川捍軆髏蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶曲蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶鋻シ              ∴∃氾据醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶蠢此            ∴⊇以㌶繙醴蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶蠶鋻∠∴  .∴∴∠ヨ旦滋躍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶
蠶蠶蠶蠶蠶蠶醢山ム沿当益錙躍蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶躇蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶蠶

「だって仕方無いじゃないですか!貴方達ゆっくりが可愛いのがいけないんです!」


『私らのせいにするな!』

その場に居るゆっくり達の心が一つになって放たれたツッコミ。
ユックリンピースは全員、衝撃で仰向けに倒れ込んだ。

「それでも、私たちの愛がゆっくり達に伝わる日が来ることを信じています…。」

その為には先ず自重という言葉を覚えた方が良いと思う。
泣きながらそんな言葉を散らす彼女達の姿を見て、ゆっくり達はそう思うのだった。



「…にしても、ホントに下らない事件だったわね…。」


三郎ラーメンに満足したレティは、非常に疲れ切った顔でガックリとうなだれる。

「そうですね、お化けだ何だと騒いでおいて、結局は変態共に振り回されただけというか。」

そう呟く大ちゃんは、非常に疲れた顔をしていた。
ユックリンピースにサブリアン。
お化けだなんだと騒いでいたが、蓋を開けて見れば出てきたのは二大変態である。

「まぁ、幽霊の正体なんて、そんなもんってことじゃない?」

てゐは笑いながらそんな事を呟く。

「そうね、こんな下らない奴らに大騒ぎして、ホントに馬鹿みたい。」

レティも笑いながら、そんな事をつぶやいていた。
そんな二人のゆっくりに対し、れみりゃがこんな事を呟いた。

「…でも、一番お化けだなんだと騒いで居たのはてゐさんとレティさんだった気がするど。」

その言葉に二人は一瞬動きをフリーズ。
そして直ぐ様、れみりゃに向かってこう言ってきた。

「先に行っておくけどね、あたしは別にお化けにビビった訳じゃないよ?
 コイツがいきなり凄い叫び声をあげるから、その声にビビったんだよ。」

「いいえ、先に叫んだのはアンタの方でしょ?それに真っ先に逃げ出したのもアンタの方だったはずよ。」

「違うね、私はアンタが先に逃げ出したから、釣られて逃げ出したんだよ。」

「はぁ!?あんなぶざまな姿を晒しておいて、良くそんな事が言えるわね!」

二人の言い訳はいつの間にか言い争いに発展している。
周りのゆっくり達は、そんな二人を呆れ顔で見つめている。


トントン


と、そんな二人を背後から叩くものが。


「何!?」

「こっちは今取り込み中…!」


そう言って二人は叩かれた方へと向いた。



     !丶                              /l
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   }       `ヽ、                   /     |
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   ヽ     /                ゝ'  `ヽ     ソ /
  l\ヽ  /   , --- 、 λ       ._ -- __   ヽ、     /
  `l ヾ /  /´     ./ |        ,    `ヽ、  ヽ、  /
   |  ./      /ヽ /  i       /ヽ  八      i  ∠,
   ヽ /    /ヽ ./ ヽ/  ヽ     /  }_ノ  ヽ  ./|  ヽ /
   /V    / ヽi __   \   /      .ヽ/ .|    /ヽ
  /  |  l / / r--、`ヽ   \/  /´´二 -、   |/l  /  ヽ
 /|  |  | l (  {  )  }        l、.(  .) ヽ   l /  | .i
./ l  /  i | ヽ _ ̄_ノ         ヽ_ ̄   ) / \  .|  |
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 V  /.|          _______        |  .ゝ  //
  \ | .|          l           l        |  ヽ//
   |` |          \       /        |   ソ
   |  l            `ー── ´          /    /
   ヽ  ヽ、                         /    |
    i   ヽ、                       /     i
    ヽ   ヽ、                    / ,イ    i
     ヽ    ヽ、                 ´ / |   /
      ヽ、   >、               ./    .l  /
        ヽ、 /  `ー─- ___ -─  ̄       ゾ


そこにあったのはどアップの希望の面。
明け方とはいえまだ辺りは暗く、下から懐中電灯で照らされたその絵面は十分ホラーであった。
そして次の瞬間、二人の姿がシュッ、とまるで忍者か何かのように消えうせてしまう。

「え?」

「ど、何処に消えた?」


姿を消したてゐとレティを探して、辺りを見回すゆっくり達。
そんな中、希望の面を被ったゆっくりが一人、詰め所の中へと上がって行く。
そして、部屋の中に鎮座している物の前に立つと、おもむろに仮面を外す。


「二人とも、そんな所で何をしてるのさ。」


希望の面を外したちるのは、目の前に居る二人にそう問い掛けた。
その顔には、悪戯っ子じみた笑みが浮かび上がっている。



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        /     i      /,   ヽ.
       /      ハ├──-//i    i          -''"´     `'
      ,'      / ソ::::::::::::::::::ヽ、!    |       ,'´ ,. -‐ァ'" ̄`ヽー 、 `ヽ
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       〉--' /:/、__;:ィ::ハ::、_;:!:::i:::ハ::〈        / .,'  /! /!   ! ハ  ! ',ゝ
      i::::::::/::::::ハ_ニ;、,レ レ、_;、ゝ::::|:Y       (    ! ノ-!‐ノ ! ノ|/ー!、!ノ  ,.ゝ
      ハ:::::::レヘ::i' (◎)   (◎)ハソ:::ハ       ヘ  ,ノレ' rr=-,   r=;ァ ir /! ノ
      |::::::::ノ:::l:|"   ,___,   l:::::|::ノ       (  ノ !///    ///  ! ヘ(
       |゙-..;;_ハヽ、  ヽ _ン _,,...-'゙|       .| ゙-..;;_ ''"  'ー=-' _,,...-'゙|
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「…新たなる三郎を求めて。」


なんでそこに置いてあったのか、三郎のドンブリにミッチリ詰まったまま
二人はそんな言い訳を返すのであった。


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最終更新:2014年04月29日 11:47