『きもんげジュニアのショーバイ☆しょーばい!』 
「わいはおとん見たいな立派な商売人になる!!!」 
きもんげJrは偉大な父を持って産まれた。 
親きもんげは人間社会においてパソコンを駆使し、情報を統べ 
自らがゆっくりであることを隠し続けながらも、見事に裏社会の上位に上り詰めたのだ。 
そんな偉大な父の影を追う、きもんげJrの戦いが始まる・・・。 
「今回の商品はこれや!」 
竹林の中、二階建ての小さな小屋が一つ。ここがきもんげJrの事務所だった。 
その中で大きく響く彼女?の声。なにやら新しいものを造った様で、それをお披露目するようだ。 
「皆、これをよくみい!!」 
会議室に置いてある箱を開いて中を見せる。そこにあったのは四つの車輪の付いた四角の箱だった。 
「人間には自転車、バイク、車とか色々便利な乗りもんがある。 
そこでわいら身体付きはもちろん、頭だけの奴等にも簡単に乗れる乗りもんを創ったわけや!!!」 
そこにいた社員であるゆっくり達数名が、興味深げに質問を浴びせる。 
「それがあったらゆっくりできる!?」「らくそうでいいみょん」「ゆゆ~♪こぼね?」 
「まあ、それはとかいはね!!」「わかる?わか「ちぇえええええええええええん」 
様々なゆっくりたちが騒ぐ中、参謀のきめえ丸が冷静に問う。 
「おお、わからんわからん」 
「これはやな、まずこの箱に乗ってな、この一番前の三角になっとる出っ張りに乗るとモーターで進む。 
んで、この後ろの三角の出っ張りに乗ると後輪についとるストッパーが働いて減速するわけや。」 
「おお、むずいむずい」 
「まあ、とにかく習うより慣れろ、や。マニュアルはあんま頭ようないゆっくりがおっても解る様にするさかい。」 
そういって商品を持ち、きめえ丸以下ゆっくり数名を連れて外に出た。 
「んじゃまずはれいむ。いってみよっか!」「ゆっ!!」 
一番興味津々で、そわそわしていたれいむが四角い箱に飛び乗る。 
きもんげJrが解りやすいように説明すると「ゆっくりわかったよ!!」と言う。 
どうやら理解したらしく、早速走り出した。 
「すごいよ!!ゆっくりしながらはやくうごくよ!!!」 
「どや!!うまいこといっとるやろ!!!乗っとるゆっくりが軽くてずっと前の出っ張りに乗っとったら、 
人間のチャリを全力でこぐ位でるで!!!」 
皆が歓声を上げる中、テンションが上がってきたきめえ丸の頭の振りが音速に近づく。 
「おお、すごいすごい」 
事務所を一周して戻ってきて減速したれいむと商品に、のりたいのりたいと皆が押し寄せ大騒ぎ。 
そのなか、頭の振りが早過ぎて止まって見えるきめえ丸が一言。 
「おお、なまえなまえ」 
きもんげJrは腕を組みうーむと唸る。 
「そうやなこう、すぃーっと走るから・・・“スィー”でどうや!?」 
「おお、あんちょくあんちょく」 
その後、スィーはゆっくり達の間で大ヒット。その内、竹林の外にも知れ渡ることとなった。 
きもんげJrは一歩だけ、父の面影に迫ることが出来たのである。 
「ふん・・・ばかなの?しぬの?」「ゲラゲラゲラ」・・・だが、きもんげJrは近くでほくそえむ影を、まだ知らない・・・。 
                                                                  続く 
※おまけ:きもんげJrは竹林内の珍しい薬草等と商品を交換、 
そういうのを欲しがる人間や妖怪にオークションとかで高値で売って利益にしてます。     即興の人 
最終更新:2023年10月31日 16:50