レミリアの気まぐれ パチュリー編

レミリアの気まぐれ パチュリー編

私の名前はパチュリー・ノーレッジ
この紅魔館の客人と言ったところかしら
私は今、永遠亭の薬師とは別にゆっくりの研究をしているわ
今気になっているのは門番メイドからの目撃情報にあった
ゆっくりさくやなる個体、個体数が少ないのか見た試しがない
せっかく目撃情報が入ったのだから小悪魔にゆっくりさくやの捕獲を依頼する
「小悪魔、いる?」
「はい、パチュリー様」
小悪魔、私が居着いている図書館の司書よ、基本的に無茶じゃない命令は聞いてくれる
「ゆっくりさくやを捕獲してきてくれないかしら」
「え?ゆっくりさくやですか?」
小悪魔も初めて聞くようだ
「ええ、門番メイドからの目撃情報も入っているわ」
「そうですか、一応一匹でよろしいでしょうか?」
「できれば家族付きが好ましいわね、その方がより情報を得られると思うわ」
「わかりました、今すぐ取ってきます!」
「後、面倒なら他人を頼っても良いわ、私だったらそうするし」

さて…小悪魔は部屋を去った、本でも読んで待っていようか……
私は適当な本棚を探し、一冊の本を手に取る
「ゆっくりの飼い方…ね……」
その時、私は隣の本が一冊落ちてくるのに気がつかなかった
「こいつでも読んでおきッ?!……」
足を痛みが襲う、何があったの?
よく見ると分厚い本が私の足に直撃している
「なるほどね……ッ!…」
事態を理解した瞬間に足の痛みが大きくなってくる
「パチュリー様、お嬢様が直々にって…保冷剤持ってきます!」
結局小悪魔が早々に冷蔵庫から保冷剤を持ってきてくれたので痛みはすぐに治まりそうだ
「それで小悪魔、レミィが気まぐれでも起こしたの?」
「はい、お嬢様が咲夜さんと一緒にゆっくりを捕まえに行きました」
「ゆっくりさくやは?」
「勿論伝えました」
これで労せずゆっくりさくやの生態観察が出来ると言うもの
私と小悪魔はあの何を思ったのかあのスキマ妖怪が持ってきた四角い箱で遊んでいた
これでレミィの反応が見たかったのだろう
けど残念だったわね、このオーバーテクノロジーな四角い箱は私が貰ったわ
「作戦を説明する、雇い主はいつものGA」

やがてレミィがゆっくりを咲夜に持たせて帰ってくる
私は小悪魔に迎えにいくように伝え、四角い箱に入っていた面白い何かの情報を保存し始める
「……どうせだしもうちょっと機体の調整をしてから……」
「パチュリー様、ゆっくりさくやは実在したようですよ、捕獲に成功したようです!」
小悪魔が帰ってくるなり嬉々とした表情で語りだす
「小悪魔、ちょっと機体の調整をしてから向かうわ、この部品も捨てがたい……」

機体の調整を終えた私はレミィがゆっくりを飼っているという二階の空き部屋に向かった
ドアを開けると中にはレミィと咲夜、それにゆっくり達がいた
「小悪魔から話は聞いたわ、ゆっくりさくや、本当にいたみたいじゃない」
「ええ、確かに見つけたわ、ゆっくりさくやの生態観察を頼めないかしら」
「もちろん、そのために来たような物だけどね」

どれどれ……部屋にいるゆっくりは……
ゆっくりれみりゃ モデル レミィ
比較的やんちゃな種類
体つきが確認されているがこの個体は頭だけのようね

ゆっくりぱちゅりー モデル 私
比較的物わかりの良い種類、実は小悪魔も飼っているみたいね……

ゆっくりさくや モデル 咲夜
あまりわかっていることはないわ
レミィから聞いた話によるとどこからともなくプリンを出すそうだけど……

ゆっくりふらん モデル 妹様
比較的凶暴な種類
でも育て方によれば心優しい性格にできるのも確認済み
まだ子供みたいだから矯正も可能ね
ちなみに子供はテニスボール程度の大きさ
大人はバスケットボール程度ね、この二つは何に使われるのかはいろいろ模索して見ているけど

ゆっくりめーりん モデル 美鈴
比較的心優しい種類
ゆっくりの中では体力の多い部類になるわね

とりあえず私はゆっくりぱちゅりーと接触することにした
群れの情報収集なら話の通じやすいぱちゅりーがやりやすい
「むきゅ…あなたもわたしのかいぬしのなかま?」
「そういうことよ、あなた達を育てる上で気をつけることはあるかしら?」
そうすると私はぱちゅりーから興味深い情報を入手することができた
「えさはさくやとめーりんにあげてくれればいいわ」
「それはどういうこと?」
「わたしとれみりゃ、ふらんはさくやからぷりんをいただくの」
「ぷりんのあじはさくやがどれくらいえいようをとっているかでかわってくるの」
どうやら餌はゆっくりさくやとゆっくりめーりんにあげた方がよさそうね
「なぜ…めーりんにはプリンをあげないの?」
「あくまでもめーりんはさくやについていってるだけなの」
「さくやはめーりんはそだてないの、さらにめーりんのひるねをじゃまするの」
これは面白い情報ね…ちょっとまとめてみるわ

ゆっくりさくやは共生関係にあるゆっくりにプリンを提供する(れみりゃ等)
ただしゆっくりめーりんは共生関係という訳ではない

ゆっくりさくやが食べたものの量、質にプリンの味が左右される
そのことからプリンはさくやの体内から出している可能性がある

ゆっくりさくやはゆっくりめーりんの昼寝を妨害する
ちなみに美鈴も昼寝を咲夜に邪魔されている(まあ本人に非があるけどね)

「面白い情報を教えてくれてありがとうね」
「むきゅ…おねえさん…たのむからわたしたちをゆっくりさせてね……」
「ええ、レミィもそのつもりみたいだし、心配はいらないと思うわ」

プリンがさくやの体内にあるとすると……
基本的にゆっくりの中身はれいむを例にすると餡子でできている
ゆっくりは内蔵などが確認されないのに他の生物みたいな生活をしているのは気になるけど……
さくやもその例にもれないはず、中身を確かめる必要があるわ
早速私は咲夜に協力を呼びかける
「咲夜、協力してほしいわ」
「はい…どうしたんですか?」
「注射器でゆっくりさくやの中身をこっそり採取してほしいの」
「わかりました、結果を楽しみにしていてくださいね!」
そういった瞬間には咲夜は黄色い液体が入った注射器を持っていた
安心して、ゆっくりの生命活動には支障のないレベルよ
「ありがと、早速中身を味見してみるわ」
味見してみた所…ええ、プリンね
あったかいからプリンまんと言った所かしら
恐らく指先あたりからこれを出してプリンを作ると言ったところね

ふと、面白いことを思いついた私は小悪魔を連れて館の外に向かう
菜園に向かってみると目標はすぐに見つかった、ゆっくりれいむの家族ね…
今まさに菜園に見つけたは良いけど運が良かったわね
私が来なくても一分ごとに見回りがやってくる
このようにゆっくりが侵入してもすぐに捕縛されてしまう
そのときは門番たちのストレス解消にまわされる訳
何をしているかは知らないけど……普通に愛でていることにしておくわ

私はゆっくりの家族に話しかける
ゆっくりれいむが二匹、ゆっくりまりさが二匹、そのうち一匹づつが赤ゆっくりね
多分家族と見て間違いないわ
「なにしているの?」
「ゆ?ここはまりさたちがみつけたんだぜ、おやさいはまりさたちのものなんだぜ!」
「お姉さんはもっとゆっくりできる所を知っているんだけどね……」
「ゆゆっ?もっとゆっくりできるばしょ?れいむたちをゆっくりつれていってね!!!」
こう言ってやればほとんどの生意気なゆっくりはあっという間に釣れるわ
まあ私の実験台になるんだけど……ひょっとしたらこの家族は生意気な割には幸せなほうかもね
最近のゆっくりは長年の生活でわかってきたのか相手の実力を見誤ることはなくなって来ている
そういう訳で最近ではゆっくりが制裁を受けるというケースはあまり聞かなくなっているわ
まあ見誤って生意気な口を聞いている家族がここにいるんだけどね
「小悪魔、一緒にゆっくりを運んで、二階のあの部屋に行くわ」
「はい、パチュリー様、これから何を?」
「ちょっと面白いことよ」
私は小悪魔にゆっくり達を持たせ、二階のあの部屋に向かった

ゆっくり達の部屋
私が小悪魔に別のゆっくり達を持たせてきたのを見て
レミィは興味深そうにしている
「レミィ、これから実験を始めるわ」
「パチェ、このゆっくり達に被害が出そうだったら咲夜に止めてもらうわ」
「ええ、そのつもりよ」
この後、私達は自らの目を疑うことになる

小悪魔がゆっくり達を降ろす
「ここがまりさたちのあたらしいゆっくりプレイスだね!!!」
「むきゅ…ここはわたしたちのすんでいるところよ、あなたたちのいえじゃないわ」
さっそくぱちゅりーがまりさ達に説得を試みる
ぱちゅりー種の特徴として、あらゆる争いを平和的に解決しようと試みる習性があるわ
でも…この子達に通用するかしら、通用されると困るのよね……
「ゆっ!…ここはまりさたちのいえだよ!よそものはゆっくりでていってね!!!」
「いつそうきまったの…これはしょうしょうおきゅうをすえるひつようがありそうね……」
ちょっとあきらめの速い子ね……まあいいわ、さくやの戦術が楽しみね
「れみりゃ…ゆっくりできないこがきたわ……むかえうつわよ……」
「う?……うー!!!」
れみりゃは迎撃の意思を見せるが何かがおかしい、れみりゃの目つきが鋭くなったような気がするわ
そう思っていると突然れみりゃが命令する
「いい?めーりん、ふらん、あいつらをかきまわしてね!!!」
「めーりん、とっかんします!!!」
「えぇんとりぃぃぃ!!!」
そう言いつつめーりんとふらんがまりさ達に突っ込む
とてもれみりゃとは思えない言動ね……あれが本来のゆっくりれみりゃと言う事なの!?
あれが先ほどまで頭悪そうに「うー」と喋っていたゆっくりれみりゃだと言うの!?
「ゆ゛っ!?」
「ゆっくりあたってよ!ゆっくりしてないよ!!!」
めーりんがまりさに勢い良くぶつかり、ふらんがれいむの攻撃をことごとくかわす
「わたしもでるわ、さくや、あいつらのこどもをさらってにげてね!!!」
「りょうかい、ゆっくりにげるね!!!」
そう言うとさくやはゆっくりとは思えないほどの速度で
ふらんに夢中なれいむの赤ゆっくりをかすめ取る
「ゆ?おかーちゃん!ゆっくちたちゅけてよー!」
「れいむのあかちゃんをゆっくりかえしてよぉ!」
途端にふらんを無視してさくやを追い始めるれいむ、見事に敵戦力の分断に成功したわね……
「めーりん、いまよ!!!」
「このぉぉぉぉ!!!」
めーりんが自慢の体力を駆使し、強引にまりさをひっくり返す
「きょうはたいりょうだね!!!」
その上にふらんが乗っかるとまりさは動けなくなってしまった

これは実証済み、ひっくり返ったゆっくりは足に当たる箇所に乗っかられると
動けなくなってしまう、まりさは暴れようとするもふらんは全く動じていない
これで残った敵戦力はさくやを追いかけてへとへとになっているれいむだけ
さくやもれいむがぎりぎり追いつけない速度で逃げている、見る限り体力を温存しているようね
追いついたれみりゃ達がれいむをひっくり返し足に当たる部分に乗っかる
赤ゆっくりもさくやの手中、れみりゃ達の完全勝利ね

でも……以前テストした際にはうーうー言いながら乱戦に持ち込んでも
少々手こずった覚えがあるけど今回のれみりゃは他のゆっくりに効果的な指示を与えていたわね……
その結果こちらにはほとんど被害が出ずに相手を無力化させることに成功した
このような状態になるにはさくやが群れの中にいることが条件の一つなの?
それに相手にも必要以上の怪我をさせなかった、というか相手を捕縛しただけ
面白い考え方を持っているじゃない……ゆっくり調べることにするわ
私が何故こうなったのかを考えているうちにもぱちゅりーが
まりさ達を説教している、何だか勝手にれみりゃが捕虜にするとも言っている
負担が増えるのはこっちなのよ?まあこの程度の負担なら痛くも痒くもないけど
そんなことは私には関係ない、私は早速図書室にこもり、今までのケースとの比較を始めた


  • 元ネタの明記 四角い箱は某360、中にはACfAが入っている めーりんとふらんが戦闘中に発した台詞はそれぞれ機動戦士ガンダムの0083とIGLOOから -- ありすアリスの人 (2008-10-13 16:21:55)
  • 追伸 ちなみにゆっくりさくやは別の職人が設定だけ考えた物を元に作らせてもらっている -- ありすアリスの人 (2008-10-13 16:26:43)
  • ゆっくりこあくまがいない・・・ -- 名無しさん (2010-11-30 16:30:32)
  • ゆっくりこあは? -- 名無しさん (2011-08-26 14:29:47)
  • アーマードコア@ -- いつものGA (2013-05-30 01:10:54)
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最終更新:2013年05月30日 01:10