アリスと普通のゆっくり魔理沙
撫でる。
「……」
はたく。
「いてっ」
抓る。
「おい、止めろよ」
「……まりさ、もっと心に響く反応できないの?」
「そんなこと言ってもだ、アリス。例えばどういう風にやればいいんだ」
「『ゆ、ゆゆっ! おねえさんいたいよ!』 ……とか?」
「……」
「……黙んないでよ。私が変な人みたいじゃない」
ゆっくり永琳(アミバ様Ver)と鈴仙
「おれは天才だ!!」
「そうですね」
「うどんげよ、木饅頭(デク)を用意しろ!」
「またですかあ?」
「おれには強いゆっくりだ必要だ! あらゆる実験にたえうる木饅頭がな!」
「はいはい、わかりましたよ」
そう言って鈴仙は部屋を出、すぐに戻ってきた。手にはてゐの顔をしたゆっくりが握られている。ゆっくり永琳は目の前に置かれたそれをまじまじと眺める。
「うむ……気に入った」
「なるほど、いい締まりをしている」
「フム……活もいい」
(本当にわかって言ってるのかな)
「どうやらきさまは最高の木饅頭のようだ!」
どずっ。ゆっくりてゐの顔面に注射が打ち込まれる。
「成功したら、おまえの餅つきのスピードは倍になる!!」
バンッ!
……爆発した。二本のウサ耳が宙を舞い、うち一つが鈴仙の頭の上に落ちる。
「……」
「…………おれの求める蓬莱の薬はまだ遠い!!」
(ああ、このお饅頭高いのに……ていうか、もう蓬莱の薬は飲んでるじゃんあんた)
ゆっくりパチュリーとパチュリー
「やっほー、パチュリーいるかー……ってうおわっ!」
「あらあら、魔理沙じゃない。どうしたの」
「お前、本重ね持ちし過ぎだろ! 身長の五倍はあるぞ!」
「図書館の整理をしようと思ってねー」
パチュリーは本を持って走り、本棚の前で飛びあがり次々に本を収納していく。手が空いたらテーブルに向い、積んである本の山に魔法をかけて持ち上げ、一気に数十冊を腕に乗せる。
「お、お前いつの間にそんなに元気に? 喘息は……」
「ああ、あれは」
「むきゅーん!」
魔理沙の足に何かがすり寄る。
「ん、ゆっくりパチュリー」
「それの中身を毎日飲んでたら治ったわ」
「そうなのー!?」
「むきゅーん」
「今の私なら512kgでも支えられる!」
「なんだその中途半端な数字は」
咲夜さんとアリスさんと
「
おさんぽ、おさんぽ」
「お嬢様、走っては危ないですよ」
「さくやー、きょうはてんきがよくないね」
「そうですね(晴れている日になんて、外に出せるわけないじゃない!)」
「あっ!」
「? どうかされました?」
「わーーーーいっ!」
「あ、お嬢様! どちらに行かれるのですか、お嬢様、お嬢様ーっ!!」
茂みに入ったゆっくりレミリアを追っていくと、聞きなれない声がした。
「ちょ、ちょっとなによあなた!」
「ありす、ありすだー♪」
レミリアは羽をばたつかせ、アリスに頬ずりしている。
「まりさのおねえさんにべたべたしないでよ!」
「……」
「あっ、あなたがこの子の飼い主? いきなり私に飛びかかってきたわよ。ちゃんと躾けておきなさいよ」
「お嬢様を誑かしたなあ!」
ガン!
「……な」
アリスの背後の木を見ると、ナイフが深々と突き刺さっていた。
「あーりす、ありす」
ゆっくりレミリアは気にも留めずに固まってしまったアリスに頬ずりを続ける。
「お嬢様、いけませんわ、そのような下賤の輩に! ……そうだ、これを!」
取り出したるは容器入りプリン! 香霖堂で三個で百円のお買い得品だ!
「お嬢様、プリンですよ~」
「ぷ、プリン!」
ゆっくりレミリアはふらふらとプリンの元へ飛んでいく。
(ふふふ、勝ったっ! アリスよ、お前はこの咲夜との知恵比べに負けたのだ!)
「ゆっ!」
「あら?」
横からプリンをゆっくり魔理沙に掠めとられた。
「あれ? プリンないよ? ……まあいいや。ありす~」
再びゆっくりレミリアはアリスの元へ向かう。
「お嬢様、いけません、いけま「上から来るぞ! 気をつけろ!」
「ぐげ」
横から来たゆっくり霊夢に咲夜が派手に吹き飛ばされる。勢いが殺されたゆっくり霊夢はそのままアリスの腕の中にぽん、と落ちた。
「ゆっくりさせてね!!!」
「ありす、ありす~」
「おねえさんはまりさのものだよ!」
「ああもう、何なのよあなたたちは!」
大きな赤いリボンが風に靡かせ、巫女は飛ぶ。
「ゆっくりー。ゆっくりー。返事しなさーい。……神社を抜け出してどこに行ったのかしら。……あら」
「お、お嬢様、いけません……」
「こんなところで行き倒れ……メイドを首になったのかしら。不憫ね。まあどうでもいいわ。それよりゆっくりを探さなきゃ」
「ゆっくりー。ゆっくりー。どこにいるのー」
最終更新:2008年09月26日 16:58