『だれもしらない。』

私の家にゆっくりれみりゃがやってきた。母が連れて来たそうだ。
うっうー☆と喚いているのが欝陶しい。

私にすり寄って来るな。私の服はハンカチじゃない。

そこに座るな!!そこはお前が座っていい場所じゃない。

泣いたって駄目だ。さくやなんて来ない。

それに触るな!!

……なんだ、その顔。何見てる。

早くそれを放せ。それは大切なものなんだから。

お前のものじゃない。お前の帽子じゃない。

うるさい!!!お前なんかにわかるか。
ただの肉まんのくせに。

あんまんのあの子とは違う、肉まんのくせに。


泣き腫れた目で夕暮れを見ると、あのころを思い出す。あの子がいたころを。
あの子はわがままで、本当に困った子だった。

泣きじゃくる私の周りでおろおろしていたれみりゃは、疲れ果てたのか寝ていた。

お前も本当、困った子だ。
その場所は、あの子が永遠にゆっくりしていった場所なのに。
お前まで、逝ってしまいそうで、怖いじゃないか。

「うー…、ゆっくりしていくんだどー…。」

本当マヌケな顔だ。

でも今、あの子がいたころをまじまじと思い出せる。

膝の上に暖かさを感じながら、私はゆっくりしていった。


……涎垂らしてやがった。

  • れみりゃがウザさが良かった -- 名無しさん (2012-12-12 23:47:10)
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最終更新:2012年12月12日 23:47