ゆっくりあやと文

※ゆっくりあやが出てきますが、(中略)ただのお饅頭です。(゜∀゜)キモクナーイ!!ですよ。

 烏天狗には烏を使役する能力があるが、誰もが自由に使役できるという訳でもない。
 烏を思い通りに動かすためには、それなりの訓練と日頃からのコミュニケーションが必要なのである。
 餌やりもコミュニケーションの1つだ。

 射命丸文はいつもの場所に立ち、指笛を吹いた。
 すると、どこからともなく10羽ほどの烏が現れ、文の周りに集まった。
 「よ~しよ~し」
 文は烏達に餌をやりつつ様子を見ると、烏以外の何かが来ていたのを見つけた。
 よく見ると、顔のついた饅頭に烏のような羽がついている。そしてその顔は文に似ていた…ゆっくりあやだったのだ。
 「あやややや」
 ゆっくりあやは他の烏と同じように餌に飛びついていたが、自分で食べているのではなく、頬に貯めているようだった。頬を目一杯まで膨らますと、あやは飛び去っていった。
 他の烏は餌を食べ終わっていたので、文は烏達を解散させ、あやの後をつけることにした。
 気づかれないように、観察しながら、あやの少し後ろを飛ぶ。ゆっくりの中で飛行できるタイプというとれみりゃが有名だが、文の目の前にいるあやは、れみりゃよりも立派な羽を持ち、餌を頬に蓄えながらも、れみりゃより高く速く、安定した飛行をしていた。もっとも、速いとは言っても、餌を含まなくてもおそらく雀や烏ほどは速くなさそうだ。
 しばらく飛んでいると、あやが降下を始めた。降下した先の木の、割と高い位置に巣があり、1匹のあやと4匹の小さなあやがいた。
 (なるほど、家族のために餌を貯めていたんですね。それにあの高さなられみりゃ種に襲われる心配もなさそうですね)
 文はメモを取った。ここまで来ると完全に取材モードになっていた。ゆっくりなら多少は話が聞けるかもしれない、と思った文は巣に近寄った。
 「あのー、すいません」
 「ゆゆっ!?おねーさんだれ?」
 先ほど餌を持ち帰った方でないあやが答えた。
 「ああ、すいません。私、烏天狗の射命丸文といいます。こんにちは」
 「ゆっ!おねーさんはゆっくりできるひと?」
 「はい、ゆっくりできますよ」
 すると、餌を持ち帰った方のあやが気づいたようだ。
 「ゆゆっ!おねーさん、さっきえさをくれたひとだね!さっきはありがとー!」
 「いえいえ、どういたしまして」
 「おねーさんにおれいしたいんだけど、うちにはもうたまごがないの!ごめんね!」
 (…卵?お礼に卵ねぇ…。あ)
 文はひらめいた。
 「それなら、貴方達のこと少し取材させてもらってもいいですか?私、新聞記者やってるんです」
 お礼に卵、というのは引っかかったようだが、記者としては物品をもらうより取材する方がいいらしい。
 「いいよ!このへんはともだちもいるから、あんないするね!」
 文が周りを見ると、同じような巣がいくつかあった。事情を説明するためにも、その方がよさそうね、と文は思った。
 「それじゃあ、お願いしますね」

 熱心に取材をしていたら、だいぶ時間が過ぎてしまったようだ。空が赤く染まっている。
 「それじゃあこれで失礼しますね」
 「またえさをもらいにいってもいい?」
 「いいですよ」
 そう言って文が帰ろうとした時、遠くから「うー」という声が聞こえた。だんだん近づいてくるようだ。
 文と一家が音の方を見ると、何やら黒い影が近づいてきた。
 文はまさかと思ったが、そのまさかだった。れみりゃザウルスだ。体つきのれみりゃが突然変異を起こし、怪獣の被り物を被ったような姿になったものだ。体がついた時点でれみりゃは飛行能力を大幅に下げるが、ザウルスにまでなると羽を失い完全に飛べなくなる。おまけに歩行も非常に遅い。しかし、その変わりに強い力を得るのだ。
 すでにれみりゃザウルスは、あや一家の巣のある木の下まで来ていた。
 れみりゃザウルスが上を見た。巣に気づいたようだ。
 「ぎゃおー!!!たーべちゃうぞー!!!」
 れみりゃザウルスが木にパンチを与えた。木が揺れ、巣がぐらつく。あやの両親は必死に子供を守ろうとしている。子供はどこか楽しそうだ。
 1回で巣が落ちなかったのを見て、れみりゃがまたパンチを与える。今度は連続で何回も。木の揺れが絶え間なく続く。やがて巣が大きく傾き、滑り落ちてしまった。
 「危ないっ!」
 文は素速く落ちる巣を追いかけ、両手で巣を捕まえると左腕で抱きかかえる様にし、右手でモミジをかたどった団扇を取り出すと、れみりゃザウルスに向かってあおいだ。突風が起こり、れみりゃザウルスはその鈍重さが嘘のように軽々と遠くに飛ばされていった。
 「あやややや~…やりすぎちゃったかな…」
 「「「「おねーしゃんしゅごい!!!」」」」
 文の胸元で声がした。雛が今の様子を見ていたようだった。親のあやが続けて言う。
 「「おねーさん!たすけてくれてありがとう!」」
 「いえいえ」
 「おれいしなきゃ!」
 「また今度で…あ」
 またひらめいたようだ。
 「それならうちにきませんか?」
 「ゆゆっ!それじゃおれいにならないよ!」
 「そんなことないですよ。それに仕事を手伝ってほしいんです。ちょうど相方がいなくなって1部屋空いてますし」
 文はそれが寂しかったのかもしれない。あるいは、あや一家に対して親心のようなものがわいたのか、はたまた、もっと調べたいという記者根性か。
 「おねーさんのおしごとをてつだえばいいの?」
 「ええ。お礼はそれで構いませんよ」
 「ゆっ!ありがとーおねーさん!」
 文は一家に向けてにっこり笑い、巣を大事そうに抱えて帰路についた。

おまけ:文の取材メモ(という名の俺設定)

ゆっくりあやについて
  • 卵生。"本物"の頭の飾りの白いボンボンにあたる部分が卵になる。
  • 雄にはそのボンボンがついていない。ボンボンがついてるのは雌。
  • 1匹の雌につき卵は最大で6個しか産まない(産むでいいのか?)。
  • その中には無精卵が1個か2個必ず含まれる。
  • 無精卵は、自分たちの食料や、何かされたときのお礼として利用している。
  • 産卵が近くなると、雌は巣から出なくなるため、餌集めは雄が行う。
  • 幼い内は羽が未成熟なので飛べない。羽がしっかりしてくる頃には、頭の飾りの部分も伸びているのて、雄雌の区別がわかりやすくなる。


以下作者の言い訳など
  • どこ行ってもきめぇ丸とかきめら丸ばっかなんで普通のゆっくりあやを書きたかった。
  • ちなみに無精卵はかもめの玉子、あや本体はひよ子の味がするそうです。
  • 耳無しれーせんと同じ流れになってしまった…orz
  • 相方がいない理由は…おっと、誰か来たようだ。
  • れみりゃザウルスのその後
  • 感想、質問、誤字報告等あれば下のコメント欄へ。閲覧ありがとうございました。
尻尾の人

  • 確かにゆっくりあやは見ていないんだよな、俺も興味津々だから書いてる途中なんだ -- 名無しさん (2008-11-26 08:25:25)
  • 微修正しました。 -- 作者 (2008-11-26 15:20:34)
  • 吹っ飛ばされたれみりゃザウルスがどうなったか知りたい -- 名無しさん (2008-12-16 21:32:51)
  • >>れみりゃザウルスのその後
    え〜っと…特にないですごめんなさいorz
    少し考えてみようかしら。 -- 作者 (2008-12-17 23:38:01)
  • れみりゃザウルスに関する表現を少し変えました。 -- 作者 (2008-12-27 09:43:15)
  • れみぃが無事だといいが・・・ -- 名無しさん (2010-12-02 05:09:52)
  • 次からは、れみりゃドラゴン出して欲しい。 -- 上白沢慧音 (2012-10-07 18:50:01)
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最終更新:2012年10月07日 18:50