突発小ネタ
めっきり寒くなってきたのでコタツをひいてみた。これで冬の準備は完璧になったと言ってもいい。
「いやぁ、今日の夜が楽しみだなぁ!」
今日の夜、と言った理由はこれから仕事なのだ。
コタツは名残惜しいが行かねば日々の糧は手に入らない。
そして夜に家に帰ってきてふと電気メーターを見ると少し回っている。
「ま、まさか泥棒か!?」
慌てて、家に入ってみると何も盗られていない。
「ハテ………もしかしたら何か電化製品を付けっぱにしてしまってるのだろうか?」
そう思いながらコタツに足を入れてみてその原因がわかった。
もにゅり、もさもさっ
「どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
足元になんか極めて名状しがたい感触がある。
慌ててコタツ布団を開けてみると
「ゆぅ……ゆぅ……」
「てんこぉ……」
「わかるよぉ……わかるよぉ………」
ゆっくりゆかりん・らん・ちぇんがコタツの中で寝ていた。
「出たな、八雲家三ゆっくり!!」と思わず俺がわざとらしい説明口調をしてしまうほどに仲むつまじい光景だった。
恐らく、ゆかりんのスキマを使って部屋に侵入したのだろう。
さっきの感触を考えるとゆっくりらんの尻尾辺りに触れたのだろうか。
コタツは弱で調節されており、この暖まりぐあいから考えると来たのは1,2時間ほど前だろうか。
「とりあえず、君達起きなさいな」
と揺すって起こす。
「に、にんげんさん……」
「ちぇ、ちぇぇぇぇん……」
「ら、らんしゃまぁぁぁぁ……」
「いやいやそこまで怯えなくて良いから、別に獲って食うわけじゃなし、ほれまずは味調べをお食べ」
とりあえず落ち着いてもらうことにする。
「「「ありがとう!!」」」
甘いものを食べたら落ち着いてくれたようだ。
「で、なんでこの部屋に入ったんだ?」
「ゆぅ………」
話を聞くと、住んでいた穴(恐らく防空壕跡)が三人で遊びに行ってる間に埋められてしまったらしい。
「そりゃぁ、落ちたり、変なガスが出たりして危ないときがあるからなぁ……」
これからどうしようか、と皆で考えていたらやたらコタツぅ~♪と浮かれている自分がが歩いてきた。
後は私の臭いを逆に辿って、家にたどり着き、あとはここにはスキマではいって今に至る、ということだ。
「ここであったまれたし、ゆかりんたちはおそとにおうちをさがしにいくわ……、にんげんさんめいわくかけたわね」
「いや待て、何私が追い出すって前提で話してるんだよお前は」
「ゆ?」
「今はもう冬でかつ夜だ、今君らが出てったら朝に凍ってましたなんてなったら自分の後味が悪い
まぁそのなんだ、冬の間ここにいても問題はないぞ?ただしコタツ使わないときは電源切ってくれ」
「ゆかりんたち、ここにいてもいいの?」
「いい加減、顔見える話し相手が欲しくてなぁ……」
「「「ありがとう!」」」
冬限定で同居人が増えた。
「じゃあ、コタツに入るか」
「「「ゆっ!!」」」
尻尾が足に当たって実に気持ちよかったりしたのは別の話だ。
「……あ、そうそう。少女臭は出すなよ?」
「ゆかりんのにおいはふろーらるよ!」
もわん!
「……こ、これは紫蘇もしくはラベンダーの香り!」
明日は紫蘇昆布を買おうと思った。
書いた人・猫が飼えない人。
ナマハゲは伝承読み直してるところです……。
最終更新:2009年01月16日 16:19