ふえちゃうぞ!

沢山の人々に囲まれる中壇上に仮面を被った男が小型のナイフを振り上げている。
男の仮面は石製で鼻に当たる部位が無く太々しい表情をしているように見えた。
『餡は生命なり!』
そしてその男は台の上にある饅頭にそれを深く突き刺していく!
すると饅頭の餡が男の仮面にある無数の細かいヒビに吸い込まれていく!
仮面はあんこを吸って動き出した!
そして仮面からどういう訳か数本の骨針が生えていき男の頭を突き刺していった!
『おぉお~ん』
実にッ!実に奇怪だった!男は死なない!どのような仕掛けになっているのか
この仮面から飛び出た数本の骨針に頭を指されているのに!
『わたしついにてにいれたぞ!えいえんのゆっくりを!』
するとなんと言うことであろうか!男の顔は急に肥大化し
それと同時に首と頭が自然と外れてしまったではないか!
しかもそれより奇怪なことは男は生首だけになったにもかかわらず息をしている!
それどころか首だけで動き、喋り出すではないか!
壇下にいる人々はそれを見て驚きとは違った狂気の叫びを上げている!
『なんじ!わたしをいのちとするか!』
『は!喜んで!』
『ならば……さぁおたべなさい!たべないと……ふえちゃうぞ!』
なんと言うことであろうか、男の仮面が外れるとそこには仮面と同じ表情があった!
そしていきなり二つに分かれたと思うとすぐに再生し二つになったのだ!
『それでは!いただきます!』
壇下にいた一人の男は言われるまま出来たばかりの生首を囓っていく。
肉で構成されているはずの生首の中には立派な漉し餡が詰まっているのだ!
『そして!このゆっくり仮面からしんのしはいしゃのちからをてにいれたぞ!』
『族長!』『族長!』『族長!』『族長!』『族長!』

「というのがゆっくりのれきしなんだよ!」
と俺の家のゆっくりれいむは食後にそう宣っていた。
「…………そうなんか」
「このゆっくりかめん、じつはたいこにいた働カーズというテルヨフがつくったもので
 動かないで生きているほうほうを考えたけっか、じぶんから食べられるような
 まんじゅうを作ることを考えたんだよ!ぎゃくてんのはっそうだね!」
「で、ゆっくりの歴史を語って一体何がしたいんだ?」
「だから……さあ!おたべなさい!たべないと……ふえちゃうぞ!」
そう言ってれいむの身体は一瞬にして分裂する。
「デザートとしては大盛り過ぎだろ……」
「ふえちゃうぞ!」



  • 石仮面ネタで笑った。まんじゅうはデザートにはちょっと重いね。 -- 名無しさん (2010-04-21 14:17:14)
  • ふえちゃうぞ


    かわいい… -- 名無しさん (2010-11-02 02:23:27)
  • あれ?確かお食べなさいってゆっくりの自殺行為だったはず -- 名無しさん (2012-07-28 17:34:30)
  • 増えろ!私を和ませろ! -- 名無しさん (2012-08-09 18:01:07)
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最終更新:2012年08月09日 18:01