えろほんがあったよ!さとりさまよんで!第4章

※ 元ネタ、ゆっくりしていってね ガ板AA霊烏路 空 【うつほと読書の秋】など
※ キャラ崩壊注意。私の他の作品とはパラレルです。
※ ゆっくり、東方キャラ共に俺設定あり。
※ 今回パロネタ多め。




前回までのあらすじ

体内にマーラ様を吸収したゆっくりうつほのうにゅほ。
うにゅほとお空はお燐の制止を振り切り地上でえろ本を手に入れることによって、
マーラ様のエネルギーを得てネチョの力で地上侵略をしようとしていたが、
一行を食事に誘いに来た、地霊殿の主であるさとりにその計画を看破される。
さとりはうにゅほの体内にマーラ様が吸収される様子をその心を読む程度の能力によって目の当たりにしてしまい、グロテスクな光景にショックのあまり昏倒。
その後駆けつけたさとりの妹、こいしによって一行は罰として晩御飯抜きにの上に地霊殿を追い出されることとなった。
博麗神社での一件を経て、一行のえろ本探しの旅は続く。







Ⅳ.理由





「えろほんがないよ! おりんたすけて!」

ゆっくりうにゅほは口をへの字に開いて、滝のように涙を流しながら大声で泣いている。
お燐の胸元目掛けて飛び跳ねると、お燐は苦笑いしながらキャッチする。

「君達が突然来てびっくりしたけど、ご生憎様だったね。春画ならあいにく今は品切れだよ。君達と入れ違いになるくらいのタイミングで帰ったお客さんに大量に買っていかれたからね」

魔法の森の近くにある、雑貨と骨董品がごちゃごちゃと立ち並ぶ店、香霖堂。
店主である森近霖之助がえろ本を探しに来た一行に対し、ここには目的のものがないことを伝える。

「外の世界の春画は貴重だからね。競争率が激しいんだよ」
「どれぐらい激しいのさ?」
「告知したらあっという間。どこで嗅ぎつけたのか、今回は告知する前にやられたよ」
「本当~?」
「本当だって。直前で売り切れたことを認めたくない気持ちはわかるけど。辛いよね、あれ」

香霖堂には珍しいものがあるとの情報を以前得たので尋ねることになった。
しかしあいにく間が悪く、骨折り損に終わろうとしている。一行が不満を漏らすのも無理がない。

「そのえろ本を買いに来た人って誰? 教えて」
「いや、顔と体つきを黒いローブで隠していたからよくわからない。
ただ、小柄で細身だったからたぶん女の子だよ。僕の知り合いの誰かに雰囲気が似ていた気がする」

エロ本を大量に仕入れる女の子って何者だよ。お燐は自分達の事を棚に上げて突っ込んだ。

「せっかくだし店の中の物を好きに見ていくといい。その代わり絶対にお金は払うように」

それならばと、一行は店内を物色することにした。何か役に立つ道具があるかもしれない。





「おくう! おくう! これ見て! これ見て!」
「ビー玉じゃん! ぴかぴかしてる~!!」
「これ! これも!」
「おはじきだ~♪」

お空とうにゅほは店の中のガラクタをうっとりと見ていた。鴉は光物やガラクタが好きなためだ。
お空は無邪気に笑いながら羽をパタパタと羽ばたかせている。
微笑ましい光景だった。





「おっちゃん! これナニ?」
「これはビデオ。物事を記録するのに使う」
「店主、この縄は何に使うの?」
「それは文字通り縄だよ。説明するまでもなく人を縛るための道具だ」
「店主~、このウ゛ィ゛ィ゛ィ゛ンって鳴っている棒って何さ?」
「それはマッサージ機という、女の子の体を気持ちよくするために使う道具だよ」





「ん~、結局えっちぃことに役に立つ道具はないようだね」
「しょうがないさ、そんなに都合のいいものなんてありゃしないよ」

結局目的の道具は見つからなかった。しょうがない。
次の場所に探しに行くだけだ。
けれどもお空とうにゅほは本来の目的であるえろ本とは別に、
先ほどのビー玉がどうしても欲しくなった。
これほど綺麗なものをプレゼントしたら主人のさとりが喜んでくれると思っていたからだ。
ひょっとしたらおやつ一週間抜きの罰もなしにしてくれるかもしれないとお空は思う。

「おくうど~するの?」
「どうしよっかな~。私達さっきお昼食べたからおこづかい持ってないし、
かといって今買わなかったら誰かに取られそう…………そうだ!」

お空はぽんっと、手をついた。いいことを思いついたようだ。

「うにゅほ、よく見ておきなさい。私にいい考えがある」
「コンボイ?」

そう、この方法ならおこづかいがなくても欲しいものを手に入れることができる。
お空は自分の頭脳の鋭さに恐怖すら抱いた。

「店主~、これツケといて~。それじゃ~ね~」

おこづかいがないときはこうすれば好きなものが手に入ると白黒の魔女が言っていた。これで完璧だ。
そっと立ち去ろうとしたそのとき

「この店にこれよりツケという概念はない。フンッ!!!」
「ひぐっ!!」

店主は右手をぐっと握り締めると、親指をピンと跳ねた。
お空の頭がばしっと弾かれる。弾丸を撃たれたかのように吹き飛んだ。

「ここでは妖怪らしい自分勝手な理屈は通用しない」
「あ……頭痛い………何!? 何が起こったの!?」
「お空!」「おくう!」

頭を抱えて涙目のお空を庇うようにうにゅほとお燐が近寄る。

【指弾】

極限まで肉体を鍛えた者が指を弾く際に生じる衝撃波。
【超高速】の【見えない弾】。
お空の極大弾なぞ問題にもならない、弾幕ごっこにおける弾の最強種。

店主は上着を脱いでいた。そこに現れるは分厚い鎧の様な筋肉。
質量保存の法則を無視して、服を着ていたとき比べて明らかに身体が膨らんでいる。
店主の形相はまさに悪鬼羅刹。
さっきまでの店主に対する無愛想な一般人という印象が一変する。
一行に怖気が走った。

「ツケの踏み倒しをする魔理沙を仕留めるために、最近紅魔館内に出来たジムに通って体を鍛えたんだ。フフッ、見てよ、腕を曲げたときに出来る山のような力瘤、これを上腕二頭筋って言ってね………」
「あわ……………あわわわわ…………………………」

一行が妖怪となる前、動物であったときの本能が危険を知らせている。
こいつにはこれ以上関わるな。すぐに逃げろ。食い殺されるぞ。
けれども絶対的な恐怖のあまり身がすくむ。

「そうだ、君達こういう話を知ってるかい? 入るたびに地形が変わる不思議なダンジョンがある。その中にはお店があってね。もし魔が差して泥棒をしようものなら、脱出口である階段に着く前に店主の頭突きで命を落とす」

店主が両手を床に下ろし、両膝を曲げる。
それは例えるなら、肉食獣が獲物を見据えたような構え。

「また、ある剣士は高額の弓矢を店主がそっぽを向いているうちに盗み、次に店に入ったときに店主の放つレーザーに焼き尽くされたという。一命は取り留めたが、それ以来彼の名前は『どろぼー』だ。悲しいものだよ。ヒロインから告白を受ける際にどろぼーと呼ばれるのは」

くっくっと、店主はばねを確かめるように両脚の屈伸運動を繰り返す

「つまりこういうことだ。この世で最も逆らっていけない相手は店主だ。決して店主に喧嘩を売ってはいけない」

店主が一行を鋭い眼光で睨む。

「そして、店のものを買いもせずに勝手に持っていく奴は殺されても仕方がないのさ」

それは、捕食者と被捕食者が対峙したときの冷たい雰囲気。

「わかったら………」

ダッと店主が床を蹴り―

「死ね!!!」

突進する!!!



お空達は逃げ出した。

しかし回り込まれてしまった!




「知らなかったのかい。店主からは逃げられない」
店主は不適に言い放った。




お空達は逃げ出した。

しかし回り込まれてしまった!


お空達は逃げ出した。

しかし回り込まれてしまった!


お空達は逃げ出した。

しかし回り込まれてしまった!


お空達は逃げ出した。

しかし回り込まれてしまった!


お空達は逃げ出した。

しかし回り込まれてしまった!


お空達は逃げ出した。

しかし回り込まれてしまった!


お空達は逃げ出した。

しかし回り込まれてしまった!







うにゅほの攻撃、会心の一撃 

しかし店主には効かなかった。



お空の攻撃、会心の一撃 

しかし店主には効かなかった。



お燐の攻撃、急所に当たった。

効果はバツグンだ。





店主をやっつけた。



うにゅほはレベルが上がった。

お肌のつやが4上がった、もちもちが2上がった、B感覚が4になった、淫乱の素質を習得した。










「や……やっちゃった…………」

店主からようやく逃げ出すことが出来た。
うずくまって泡を吹きながらぴくぴく痙攣していた店主を気の毒だと思う心の余裕はない。
激闘を終え、安全圏まで遠ざかってほっとしたためか、お燐は腰が抜けてしまった。
全身が汗だくになりながら肩で息をしている。しばらく立てそうもない。

「怖かった! お燐怖かったよ!!」
「ゆっぐりぃぃぃぃ!!」

お燐の腰元には恐怖に震えたお空とうにゅほがすがりつく。
お空の豊満な胸がその柔らかさのあまり形を変えてしまうほど押し付けられ、
うにゅほのもっちりと柔らかい頬もお燐の小ぶりで形のいい胸に擦り付けられる。







スタッ


「ネチョの空気を読んでやってきました、空気の読める女こと永江衣玖です。さぁ皆さん、めくるめくフルネッチョの世界へ共に旅立ちましょう。おや3Pですかなかなか進んでますね。お姉さんドキドキしちゃいます」

「空気読め!」
「居たのなら助けてよ!」










一行は気を取り直してえろ本探しを続けた。

「えろ本―!」
「えろほんー!」
「あんたらそれやめなって……」








「エロ本? あなた何言ってるの? 何? アルティメットサディストクリーチャーと名高い風見幽香ならネチョに関して何か持っているのではないかと思ったですって? 
「し………知らないわよ。ネチョがどうとか。そんな低俗なことは…。
「そっそうよ! 私ぐらいになったら高嶺の花すぎて手が出せないのよ! 昔はすごかったんだから! ほ…本当よ。本当なんだから…。たぶん…。
「ところで! それで! そのアルティメット何とかってやめて。その二つ名苦手なのよ。四季のフラワーマスターっていう優雅で可愛い二つ名があるじゃない。
「話題をいきなり変えるなですって? あら、何か言いたそうね?



殺されるかと思った……。








「紫様は今留守だ。生憎だったな。それに春画などというものはここにはない。
「私はどうなのかって? 私にはそのような道具は必要ない。それにそういったやんちゃな行為はもう卒業した。
「そうだな、せっかくだし土産話にどうだ? さぁさぁ、三国を荒らしまわった九尾のお話の始まりだ。
「あ、橙。ちょっとお外で遊んできなさい。私達は大事な話をするところだから。晩御飯までには帰るんだぞ。は~い、いってらっしゃい。
「失礼。では話を始めるぞ



なんか色々すごいこと聞けた……。







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お邪魔しました。








まるで進展がない。一行は途方に暮れてしまう。それでもうにゅほはえろ本を求めて東奔西走。
諦めるということを知らないような様子をしている。
お燐はどうしてそこまでうにゅほがえろ本を欲しがるのか疑問に思った。
うにゅほ本人に聞いても「さとりさまに地上あげるの!」としか言わない。

河原にて休憩をしている際にお燐はお空に目配せをして、
うにゅほがえろ本を欲しがる理由について相談しようとする。
なんであんなに頑張っているんだろう。

「うにゅほ、あたい達少しお花摘みに行って来るから、そこの河原で遊んできな」
「うん! ゆっくりするね!」

うにゅほは河原でゆっくりとすることにした。
お燐とお空は空を飛んで、うにゅほの目に見えない場所に遠ざかった。
本人がいる前では何故か話題にしにくい内容だったからだ。

「お空、ちょっと聞きたいんだけど、なんでうにゅほはあんなにえろ本が欲しいの? 何でそんなに地上侵略したいの?」

何故あれほどまでに地上侵略にこだわるんだろう。お燐にはわからない。
うにゅほは細かい説明することが苦手だ。
だからお空に聞く。うにゅほはお空のゆっくり。行動パターンもお空に近いためである。

「う~ん、私もたぶん、での想像でしかいえないけどいい?」
「あぁ、頼むよ」
「じゃあ言うよ。たぶん、うにゅほは私達と同じ何だと思う。昔の私達と」
「どういうことだい?」
「うにゅほはね、さとり様のことが大好きなんだよ。さとり様の役に立ちたい。そう思っているんだ」

お空は遠い昔を思い出しながらお燐に語りかける。







一方その頃


               お嬢ちゃん               ウ(
         , \, -─-- 、.,_エロ本のありか         フ  ヽ         r--ウ
        ,.i (ヒ_]    ,___, `ヽ,. / 教えてあげようか? フ   \...--.../  ̄ ̄  フ
       ./        ヽ _ン   ヒ_ン )           ___フ.............ヽOノ........    フ
     _,./__,,. -‐ ''"´ ̄ ̄`"'' .、`ヽ,ー:'           \/::::::::::::::::::::::::::::::::\   フ
  ,. ''"´ /´ / ;'     !     ;`ヽ,ヽ、            /==─:::::::人::::::─==ヽ<>
  '.、  .;'   ', i ´ハ_ _ハ  ノ メ !,!ヽ,.ヽ.         ノ::::::::::::::::ノ  ヽ:::::::::::::::::::::ヽ<
    `Y    i Vレ'7;__,.!/ V !__ハ ハノ., ',ノ';        クノ_ノ_ノ/ゝ、  /ヽ:::_ヽレレ人>>
   _ノ     i=ハ ' (ヒ_]    ヒ_ンハ.ノi   i          (::::::人 ●     ● 人::::::::::ヽ
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「お燐、うにゅほのことを話す前に、さとり様がどういう人かについてちょっと確認していいかな」
「うん。別にいいけど」

さとりは地霊殿の主だ。
地霊殿は怨霊の管理を司る禍々しい地であると共に、地下の動物達がのほほんと暮らす楽園でもある。動物同士で多少の小競り合いはあるが、さとりの保護下にあるためか、
基本的に皆のんびりと過ごすことができる。

「あたい達はさとり様がいなかったら野垂れ死にしてたかもね」
「さとり様は「ペットは放し飼いにするものです」って言ってるから、
私達はご飯と寝床をもらいに行ってただけなんだけど、そのおかげでずいぶん助かったんだよね」

動物好きのさとりは地下で身寄りのない、動物たちを率先して受け入れた。
受け入れられた動物達、それがさとりが言うペットという言葉の意味。

「でもそんなさとり様も最初から地霊殿の主だったわけじゃない。そうするための理由があった。お燐はさとり様が地霊殿の主になった理由って知ってるよね?」
「怨霊の管理をする妖怪が必要だったからだろ」

地上にて能力、もしくは人格に問題がある妖怪たちが地下に押しやられて地獄から切り離されたとき、
鬼達が統治することによって地底都市を作り、妖怪同士の無用な争いを防いだ。
そこまではよかったのだが、未だ地獄の施設があった場所には多くの浮かばれない霊達が残っており、それらを管理する者を必要とした。

「そのとき丁度よく、さとり様が名乗りを上げた「私が怨霊を管理します。」」
「そしてこう付け加えた。「ですので私のペット達もそこに住ませて下さい」」

さとりの心を読む程度の能力は怨霊の管理をするのに都合がいい。誰もが快諾した。
こうして灼熱地獄跡の上には地霊殿が建てられ、そこにさとりが住む事となった。
さとりは増えすぎたペット達が安心して暮らせる家が、帰ってこれる場所が必要だったためだ。
こうしてさとりは地霊殿に住むようになり、怨霊の管理をするようになった。
全ては丸く収まった。そのはずだった。

しかし彼女には大きな問題があった。
心を読む程度の能力があるのに、ネチョい妄想が苦手なのだ。
そして更に、妖怪とはいえ可憐な少女の姿をしたさとりに対して邪な考えを抱く怨霊も数多くいた。

『さとりんに園児帽かぶせてぇ!!!!!』
『小五なのか幼稚園児なのかそれが問題だ……。個人的には小五だとストライクゾーンぎりぎりだな』
『かわいいかわいいさとりちゃん…うふふふ……うふふふ……さとりちゃんのちっちゃいおてて……さとりちゃんのプニプニのほっぺた……うふふふ~~~~』

さとりは相手の考えていることをそのまま口に出して言い当てることで圧力をかけるが、
相手が淫らな妄想をしているときには直接口に出すことはない。
卑猥な言葉を口に出すことが恥ずかしいのだ。
そのような相手には
「あら、何か不潔な妄想をしているようですね、このろりこん共めっ!!」
などとサディストのように振舞うことで誤魔化している。
最も、「さとりんもっと罵って!」などと喜ぶ者も数多く存在するために泥沼化しているが。

「さとり様ってずっと怨霊にセクハラ受けているようなものじゃん。なんか悔しかったよ」
「あたい達がさとり様のお手伝いをするようになったのもそういう理由からだったね」

怨霊達からの思姦に耐える日々をさとりは続けていた。
そんな中、さとりにずっと仕えていたお空とお燐は力を得て、怨霊の管理を自ら買って出た。
お燐は死体や怨霊を管理する事で、お空は灼熱地獄跡地の管理をする事で、
それぞれさとりの負担を和らげ、妄想による陵辱から守った。




一方その頃


                , \, -─-- 、.,_          .  )フ
               ,.i (ヒ_]    , ウ--,,          ノ フ
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          _ノ     i=ハ ' rr=-,   クノ_ノノ_ノ __,ノ u 、__ヽ:::_ヽ_ヽ
          `.>'    iX|⊂⊃ ,____ノ::::::::::ハ=≡ //// =≡人::::::)
情報料は    ∠._   ノ |=ヽ、    ∠:::::::::::::::::|///    u ///|:::/  う うにゅぅ……!! キモチいい……なにこれぇ……
 体で払ってね…  ,.ヘ,) | |>,、 _____ノノ >:::::::人. u  ○ u ,'::::ヽ
               ' | !>;`ヽ、「、, /:::::::::::::::>,、 _____, ,.イ::::::::::\
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「私はすごく誇らしかった。私が辛い思いをしていたときに助けてくれた、さとり様の役に立てることが。私が寂しかったときに抱きしめてもらえた、さとり様に恩返しが出来ることが」

さとりは地底のペット達にとって母親のようなものだった。
今まで注いでもらった愛情に対する恩返しができることは本当に嬉しい。
事実、お空は神から核の力を授かったときもさとりを倒して下克上しようなどという考えは無かった。
鳥頭のお空。彼女が人から受けた恩を忘れなくなるには、どれだけの愛情を受けたのだろうか

「うにゅほは今、さとり様の愛情を一杯に受けてる。昔の私達のように」
「そうか、うにゅほは昔のあたい達と同じなんだ。あたい達がまだ妖怪ではないただの動物だった頃、
さとり様の力になりたい。さとり様の役に立ちたい。でも役に立つようなことは出来ない。
歯がゆい想いをしていた頃のあたい達」

ゆっくりはモデルとなった人物の影響を強く受ける。
能力であったり、性格であったり、想いであったりとまちまちである。
そのなかでもお空の中からうにゅほが特に強く受け継いだもの。
それはお空がさとりから注いでもらった愛情から表れた、母への想いのような感情。



一方その頃




                                   ウ--,,        )フ
                                   フ  ̄\.--./ ̄ ̄ フ
         , \, -─-- 、.,_                   フ    lC/フ    フ
        ,.i (ヒ_]  ∪,___, `ヽ,. /            /:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽフ
       ./    ∪  ヽ _ン   ヒ_ン )          /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ
     _,./__,,. -‐ ''"´ ̄ ̄`"'' .、`ヽ,ー:'          /::::::::::;:ィ::::::::';:::::::::::`ヽ::::::::::\
  ,. ''"´ /´ / ;'     !     ;`ヽ,ヽ、        丿::::::;':::/ l:::i::::::ヽ:::\:::::::';:::::::::::ゝ
  '.、  .;'   ', i ´ハ_ _ハ  ノ メ !,!ヽ,.ヽ.      7:::l::::i:ノ ∪:';:::::::',\::ヽ::::::::ゝ:::::丶
    `Y    i Vレ'7;__,.!/ V !__ハ ハノ., ',ノ';      丿::l::;イ__, ヽ、ト、:(⌒ヽ\:',ヽ:ゝ::::::::ゞ
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        ' | !>;`ヽ、「、,ハ.| |               // `∪-r‐ァ' ´  /ー、  ';::::
このことは内緒だからね                  うにゅぅぅ…… べとべとして気持ち悪い…
そこに川があるから、キチンと洗い流して、
お姉さん達には川で遊んでいたっていうんだよ
                 _,,...,,...,,...._
         ,----、   / _,,...,,......_ ヽ
         | | ̄\\/ /    \|
         \\  ),/ ./
       /::::::ヽヽ:://:::::::::::::::\
      ,':::::::::「\:::// ̄7::::::::::::::::ヽ
      / ̄ ̄ヽ r-{   / ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
   _..,,-"-----'--'--'--'-----------::-::
   "-..,,/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;::|::!''"
     ./::::::;ハ/トゝ人'、:::人/:::i:ヽ::::ヽ;::::'、
     |:::::/:::::| rr=-   r=;ァ |;:::::::::::::::\
    /∨:VV|/// ,___, /// |::::i::::::|::::::::::ヽ
    !:::::::|::::ト',   ヽ _ン    |::::|::::::|:::::::::::::|
    !:::::::|::::::へ、        ノ::人:::/::::::::::::ノ
    ∨´\:へ:`>r-‐--イ ノ::/」- |:人人ノ
        ,--/´ {>(永)<} |::ノ」  \




お空、うにゅほと、二代にわたってさとりに世話になったうにゅほはどれほど恩を感じているだろう?
今のうにゅほは受け取った愛情のみが強く残り、お空のように恩が返せない状態だ。
だからうにゅほは力を欲しがる。さとりに恩返しできる力が。
そして大きな夢を抱く。
もっとさとり様にいい思いをさせてあげたい。もっとさとり様を楽しくさせてあげたい。
そんな、自らの力とはかけ離れた分不相応な、途方も無い夢を。
それが、うにゅほにとっての地上侵略。

「あたい、うにゅほを無責任に元気付けちゃったのかもしんない……」

地霊殿から追い出されるとき、お燐はうにゅほが地上侵略したがる理由を詳しく聞かなかった。
さっきもそうだ。じっくりと、相手の事を理解した上で、その理由を聞くことはなかった。
お燐が無邪気なうにゅほに気を使ったということもあるが、
どこかで地上侵略は無理だと諦観し、
付き合ってあげればいずれうにゅほの気が済むだろうと思っていた。それはあまりにも残酷な考え。
うにゅほのさとりへの想いを否定し、更にかつての自分達も否定していたからだ。

「しかしまぁ、お空がよくうにゅほに協力してあげようって気になったね」

今でこそそれなりに仲がいいが、うにゅほが来た当時、お空はかなりうにゅほのことを嫌っていた。

「いや~、私もやっぱりさとり様のペットの先輩として、妹分の力になってやろうかなって思って」

けらけらと笑うお空。

「ふ~ん。で、実際は?」
「上手くいったらうにゅほのこと半分囓らせてくれるって言ってた」
「めっちゃ買収されてんじゃん!」
「しょうがないじゃない! うにゅほって中身は温泉卵なんだよ! 文字通り身を売ったんだよ!」
「この温泉卵ジャンキーめ!」

温泉卵=うにゅほ

「しかもお空ってばさっきさとり様にうにゅほを売ったよね。「地上侵略を考えていたのはあいつです」って。」

お燐はお空がおやつ一週間抜きされそうだったときのことを思い出す。

「だってしょうがないじゃん。私とお燐が頑張ればいいんだし。
それに温泉卵一週間抜きなんだよ! 地獄よりも辛い目にあうんだよ!」

温泉卵一週間分>越えられない壁>うにゅほ

「あんた一度冗談抜きで地獄に落ちろ」

しかしある意味、温泉卵のほうがうにゅほよりも大事だというのも、お空らしいといえばお空らしい。
だけど、なんだかんだいってこうやってうにゅほに本気で付き合ってあげるのもお空らしい。
お燐はお空のまっすぐなところを羨ましく思った。
うにゅほに付き合ってあげているうちにお空も子供の頃を思い出したのだろうか?

「もうそろそろうにゅほのところに行こうか?」
「うん。そうしよう」











「ん? うにゅほってばどうしたの? なんか濡れてるけど」
「川で遊んでたよ!」
「あんた流されなくってよかったね」
「あのね! 神さまがえろほんのあるとこ教えてくれたよ!」

うにゅほはうきうきとした顔でお燐とお空に報告する。
自分にされた行為の意味がわからなかったので、その点は二人に伝わってない。

「へぇ、例の神様かい。でもどこにもいないじゃないか? どうしたんだい?」
「もうおうち帰るっていってた!」
「せっかくだし少しぐらいあたい達と顔を会わせてくれたってよかったのに。
もっとゆっくりしていけばいいのに……。」
「なんでわざわざ私達がいないときに来るんだろうね。タイミングが悪い」

知らぬが仏である。













ついに有力な情報を得て、今回の騒動の終点が見えた。
目的の品物のありかを掴んだうにゅほ。その顔は本当に嬉しそう。

「えろほんあるよ! やったね!」
「よかったね、うにゅほ」
「やったじゃん。じゃあ行くとしようか」
「うにゅ!」

うにゅほはお空に憧れていた。自分のモデルになったお空。強くてカッコいい。
うにゅほはお燐に憧れていた。お空の一番の親友。優しくて可愛い。
うにゅほは羨ましかった。大好きなさとり様の役に立てる二人が、褒めてもらえる二人が。
だからうにゅほは神様が力をくれるっていってくれたとき嬉しかった。神様が言ってた。
えろ本を集めれば二人のように強くなれるって。
これなら地上をプレゼントできる。さとり様の役に立てる。
でもさとり様はうにゅほの、自分のせいで倒れてしまった。だからその分頑張らなきゃいけない。
そう思っていた。

それが自分達の事を心配するさとりに、知らず知らずのうちに迷惑をかけるとも知らずに。











「やったわ……。外の世界の貴重な同人誌がついに私の手に……」

アリスは用事を終えてほっと一息ついた。
香霖堂から外の世界の同人誌を大量に仕入れてきて、家へと持ち帰るのに一苦労したためだ。
アリスは幻想郷に来てから、人形作りを行なうようになった。
人形を作るにあたってその造形はとても大事なものだ。
そのために、外の世界にある同人誌といわれる本は人形のデザインを考えるのにとても重宝していた。
更にその凝ったシチュエーションから、インスピレーションが沸くこともある。
それに、同人誌に出てくる少女は幻想郷の少女に似たものがなぜか多い。
あまり出会うことのない少女の人形を作る際に都合がよかった。
何よりも普通に読んでいても楽しい。これが大きい。
いつしかアリスの家は自作の人形達と資料という名の同人誌で埋め尽くされた。

さて、これから紅茶片手に読書タイムだ。
アリスはウキウキしていた。鼻歌さえ口ずさむ。

そのときピンポンと、玄関から呼び鈴が鳴った。
お楽しみの時間を邪魔されて少し気分が悪くもなったが、
読書は午後ではなく夜の楽しみにまわそうと前向きに考える。

「は~い、お待ち下さいね~」









5秒でわかるアリス邸でのイベントダイジェスト



アリス「ねんがんのどうじんしをてにいれたぞ」

お空・うにゅほ「ころしてでもうばいとる」

アリス「なにをするきさまらー」






次回、第5章  ベルセルク                        お楽しみに


  • 投下乙、こーりんやケロちゃんがうけたぜ -- 名無しさん (2009-02-08 17:35:18)
  • なるほど・・これは素敵な話  ってちょwwwアリスwww -- 名無しさん (2009-02-08 20:19:59)
  • シレン・ゼルダ・ドラクエ・ポケモン・・・
    わぁい!地獄極楽パロ天国、はっじまったのぅww

    何より最後の三行ダイジェストが最高すぐるwwwアリスww

    しかし次回予告が気になりぐる。ベルセルク…だと…? -- 名無しさん (2009-02-13 03:38:23)
  • シレンで店主にやられたのはいい思いでだぜ -- 名無しさん (2009-02-24 09:35:12)
  • ねんがんの~ネタはロマサガ1のアイスソードだな
    しかしお空wwケロちゃんになにされてんだwww -- 名無しさん (2009-05-16 05:08:37)
  • このシリーズはギャグが最高すぎるwww
    -- 名無しさん (2010-01-23 01:32:55)
  • 流石の店主も急所をやられたらひとたまりもない……か。 -- 名無しさん (2010-01-25 17:55:15)
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最終更新:2010年01月25日 17:55