真夏の夜の霊夢

※アリスがゆっくりまりさを飼っている設定です。
※18禁じゃないから小さい子も安心して読んでいってね!!!




――
「ん」
ここは……? 私、飛んでる? 何で飛んでるんだろう……頭が痛い……あ、鳥居が……博麗神社……? ぶ、ぶつかる!
「あうっ!」
い……いい音したあ……。ん、誰か来る……?
「おいゴルァ!」
この声は……霊夢。博麗神社だから当然か……。
「スペルカード持ってんのか! スペルカード出せゴルァ!」
え? そ、そんな……変なところ弄らないでよ……あ、スペルカードが……
「お前らハクルルェイについてこい」
え、あ……? 他にも誰かいるの……? あ、意、識、が……


「う」
いたた……ここは、神社の中?
「スンマセンでした!」
この声は……魔理沙。あ、パチュリーもいる……なんで正座してるんだろう。
「何お前人形遣いのくせに服着てんだよ」
え。
「おい、こいつを脱がせろ!」
れ、霊夢? 嘘よね。魔理沙、パチュリー、何でこっちに来るの? やめて、お腹を触らないで……い、いや……。ああ、そんなところ……やめて……たまらん……くやしい……でも……


「か、感じないわ!!!」
「ゆっ!?」
「あれ……?」
右を見る。窓から朝日が差し込んでいる。
左を見る。「ゆっくり起きてね!!!」ゆっくりまりさがいる。
少女は小さな溜息をついた。
「とんだ真夏の夜の夢ね……」
そう言えば、昨日は暑かった。



黒い服をなびかせ目一杯のスピードで飛ぶ。霧雨魔理沙は今日も全速前進だ。さして急いでいないときも興が乗るとかっ飛ばすものだから、目的地についてもたまに止まり切らずに激突する。今日もそそれは変わらなかった。
「うぉーーーーーーーぉぉおおおあいてっ!」
「おいこらぁ!」
「痛ぅ~、す、すまん」
そしてそれを大抵は掃除中の博麗霊夢に目撃され、叱責を受けては謝罪する。
「まったく……どうしてそんなに無駄に急ぐかな」
「もっとゆっくり飛んでね!」
最近は叱責(?)する人物(?)が一人増えたのだが、瑣末なことだ。
「なんだ。またそいつか」
「ゆっくりしていってね!!!」
魔理沙は霊夢の顔を平べったくした生物に近寄り、両手で持ち上げる。
「うるさくて仕方ないんだけどね」
霊夢が小さく溜息をついた。
「だったらゆっくりだけが入ってこれない結界を張って神社に入ってこれなくすればどうだ?」
魔理沙はれいむの顔をしたゆっくり、通称ゆっくりれいむを片腕に持ち直した。
「もう飽きるほど試したわ。無理なの。どんな結界を張っても無視して侵入してくる」
「そいつはすげえな。まあ、存在からしてデタラメだし、そんぐらいやってのけても」
魔理沙は片手を大きく振りかぶり――
「おかしくはないっ!」
ゆっくりれいむを地面に投げ付けた。
大きく三度バウンドして、ゆっくりれいむは魔理沙と霊夢がいる方向に向きなおり、
「かわいくてごめんね!!!」
傷一つない顔を向けてそう言った。
物理攻撃が無駄なのも魔理沙は知っていた。一時期霊夢が渾身の力を込めて殴るのを涼しげに受け流す実にシュールな場面を目撃したことがあるからだ。
その時のことを思い出したのか、霊夢は浮かない顔をした。
「はあ」
「駆除したら?」
「やめとくわ。適当に餌をあげておけば邪魔にはならないし」
「騒動の芽は早めに積んでおくべきだぜ」
「それなら、たまに面倒を持ち込む一部の妖怪や、そのときに毎回しゃしゃり出てくる人間も今駆除しておかなくちゃねえ」
霊夢が魔理沙を軽く睨む。
「共存は大事だよな! 無駄な殺生はよくない!」
「調子いいんだから」
「褒め言葉として受け取っておくぜ」
博麗神社は今日も平和である。



「ん」
ここは……? 博霊神社の……トイレ? 確か"厠"って言うんだっけ。温かい……人の温もり……誰かいるの?
「いいのかい、ホイホイついて来ちまって」
れ……霊夢?
「私は魔法使いでも構わず喰っちまう巫女なんだぜ」
え…………?
「うれしいこと言ってくれるじゃないの。それじゃあ、とことん喜ばせてやるからな」
ちょ、私何も言ってない。
「ところで私の陰陽玉を見てくれ。こいつをどう思う?」
すごく……大きいです。
「このままじゃおさまりがつかないんだよなあ」
え? 霊夢さん、何ですかこの手は。あ、ん、腋を撫でまわさないで……? 腋? 霊夢じゃあるまいし、そんな服は。
……
…………
………………私……………………何も着てない。
「きっといい気持ちだぜ」



「犯されるーっ! おかぁーさーん、神綺様ーーっ!!」
「ゆっ!?」
「………………」
右を見る。窓から朝日。
左を見る。「いつものアリスおねえさんじゃない……」ゆっくりまりさ。
少女は大きな溜息をついた。
「欲求不満なのかしら。……ずいぶん歪んだ欲求だけど」



「ふぅ」
額に滲む汗を拭い息を吐く。鳥居の向こうには紅く染まった雲が夕陽の周りを漂っている。一日の終わりである。
「今日もよく働いたわ」
実際は掃除ぐらいしかしておらず、汗も夏の暑さによるものでしかないのだが、霊夢にとっては異変のときを除けばよく働いた方である。
「ゅっゅっゅっゆっゆっゆっゆつゆつゆつ」
「あら」
境内からゆっくりれいむが跳ねてきた。霊夢に近寄ってくる。
「ゆつゆつゆつゆっゆっゆっゅっゅっゅっ」
ゆっくりれいむはそのまま霊夢の横を通りすぎていった。
(いっつも日が沈む前に出ていって朝まで帰らないけど、何してるんだろ? ……どうでもいいか)



「ん」
ここは……? やけに寒い………なんか身なりを確認しなきゃいけない気がする……服は……着てる。銃? 何で銃なんて持ってるんだろう。
「待っていたぞアリス」
この声は……ちょっとハスキーだけど……霊夢?
「私はグレイムフォックス。勝負装束で神社から戻ってきた」
……何かこの霊夢は危険な香りがする。軽く薬漬けになって蘇生したような感じの。この銃使えるかな。撃っても死なないと思う。霊夢だし。
「戦闘の基本は弾幕だ、武器や装備に頼ってはいけない!」
うそっ! 御幣で弾いた!? ……あ、あ。いつの間に目の前に……
「さあ、私を感じさせてくれ!」
ぎゃーーっ!! やっぱりーーっ!!
「もっと、もっとだ! 思い出さないか、この肉のぶつかり合い!」


「クッソウ、キチガイだ!」
「ゆっ!?」
右。朝日。
左。「もっとゆっくりしようよ……」
少女は巨大な溜息をついた。
「………………霊夢。私に何の恨みが…………ふ、ふふふっ」



魔法の森上空、青天を切り裂くように魔法使いが飛ぶ。晴れた日は全速前進だ。もっとも雨の日も同じことであるが。それが霧雨魔理沙である。
「おっ、アリスじゃん」
魔理沙は前方をゆっくりと空中を泳ぐ同業者を見た。すかさず横に並んで話しかける。
「アリスーっ、何所行くんだ?」
「………………」
「?」
魔理沙は少し前に出て、返事をしないアリスの顔を伺う。
「おい、大丈夫か? 顔色よくないぞ。特に目の辺りがヤバい」
アリスの目下は隈で覆われており、瞳は前方を朧げに見詰めていた。
「…………霊夢…………」
「霊夢? 博麗神社に行くのか?」
「のがさん…………霊夢だけは…………」
「……?」



「こんないい天気の日はやっぱり掃除に限るわねー」
霊夢は今日も外を飽きずに掃いている。というよりも、これに飽きるとやることがない。
「ゆっくりしてきたよ!」
「ん。あーおかえりなさい。掃除の邪魔になるからあっち行って」
いつの間にか霊夢の傍にゆっくりれいむがいる。いつものことだ。ゆっくりれいむは霊夢の言うことを理解したのか、神社の中に跳ねていった。
「うぉーーーーーーーぉぉおおおおっと! ふう」
「今日はぶつからなかったわね。おめでとう」
「ありがとう。今日はついてるぜ」
いつものようにやってきた魔法使いに、いつものように対応する。
「ところで霊夢、今すぐ弾幕ごっこの準備をした方がいいぜ」
「何? やる気?」
「いやいや私じゃない」
「じゃあ誰が――いや、わかった」
霊夢は魔理沙の後ろの空を見た。数多の人形と、その中心に禍々しい気を放った人形遣いが視えた。
「何か精神的にヤバいみたいだし……まあお手柔らかにしといてやれよ」
「善処するわ。……さて、アリス。やる前に言いたいことがあれば聞くけど?」
アリスはすでに霊夢の射程範囲内にいた。霊夢が攻撃を仕掛ければすぐに戦闘は始まる。
「夢」
「夢?」
「あんたが夢に出てくるのよ……いっつもいっつもいっつもいっつも!」
「愛の告白でもしに来たの?」
「あんたさえ消えれば……この夢もひと夏の夢で終わる……」
アリスの身体の中心で魔力が蠢く。堂々たる膨大な魔力は、魔法を使わない霊夢にも感じられた。
「あっそう。言いたいことはそれだけ? じゃあいくわよ」
霊夢とアリスの身体からほぼ同時にまばゆい光が放たれた。


「派手にやったなあ」
「アリスが手加減しないからよ」
戦いを終えた霊夢が地に着いた。先ほどまで茂っていた霊夢を中心としてほぼ丸裸となっている。霊夢は鳥居に目をやる。アリスがもたれかかり失神していた。霊夢の完全勝利である。
「睡眠もまともに取ってない状態で勝てると思ってたのかしら」
「そんなこと考えられないほど切羽詰まってたんじゃないのか。事情は知らんが」
霊夢は動かないアリスをちらと見て、そうかもね、と呟いた。
「で、どうするんだこいつ?」
「掃除の邪魔だし、とりあえず中に運ぶわ。魔理沙、手伝って」
「おう」


縁側に座って二人の人間がお茶を飲んでいる。
「ふう。ひと汗かいた後のお茶はうまいな」
「あんた私が背負ってくのを横で応援してただけじゃない」
「堅いこと言うな」
「ゆっ!」
「うわっ!」「きゃっ!」
魔理沙と霊夢が足もとを見るとゆっくりまりさがいた。
「こいつらはどうしてこう神出鬼没なんだ……」
「アリスおねえさん知らない?」
「アリス? ああ、あなたアリスの飼いゆっくりね。アリスなら奥で寝てるわよ」
実際は霊夢がボコボコにして強制的に眠らせたのだが。
「ありがとう!」
そう言うとゆっくりまりさは縁側に飛び乗り、奥の部屋に向かっていった。
「勝手に入ってくるんならともかく、わざわざ飼うなんてアリスも物好きだなあ」
「愛されてるんじゃない? 魔理沙」
霊夢がにやりとする。
「もてる女はつらいぜ。でもアリスは浮気性だな。なんたって霊夢にいきなり襲いかかるんだし」
魔理沙もにやけ顔で返した。
「歪んだ愛情表現ねえ。親からまともな愛情を受けられなかったのかしら」

「れ、霊夢ぅ。も、もう堪忍して……らめぇ」
「……」
「……奥の部屋からお誘いだぜ、霊夢」


アリスの寝ている部屋に行ってみると、予想の遙かに斜め上の混沌世界が広がっていた。
「や、やめて霊夢……私はそんな趣味は」
「ゆっくり淫夢みてね!」
「アリスおねえさんをいじめないで!」
ゆっくりれいむがアリスの布団に乗って激しく頬を摺り寄せている。本人の証言によると、淫夢を見せているそうだ。アリスも程よく悶えているし、おそらく間違いない。
「満更でもないようにも見えるな。よかったな、霊夢」
「そりゃどうも」
ゆっくりまりさは苦しむアリスを見てゆっくりれいむを必死に窘めている。
「ゆっくりやめてね! ゆっくりやめてね!」
言っても聞かないので、ゆっくりまりさはゆっくりれいむを力づくで阻止しようとアリスの顔の上に乗っかった。
「ま、魔理沙!? 助けに来て……何よその格好。そ、そんな! 駄目よ、いくら言葉遣いは男っぽくても貴女は女の子なのよ!」
「ゆっくり淫夢みてね!」
「ゆっくりやめてね!」
「……表情がだいぶ緩んでるわよ? やっぱり魔理沙の方がお気に入りみたいね」
「うーん、こいつガチか……でもまだ自分の性癖に気が付いていない、未開花の状態ってところかな」
「何冷静に分析してるのよ……あ」
「むきゅー!」
立ち尽くす魔理沙と霊夢の間をゆっくりパチュリーがすり抜けていった。
「なんか、展開読めるわね」
「予想通りだと読者は離れるが、期待通りだとそうでもないんだぜ」
「むきゅー! むきゅー!」
ゆっくりパチュリーがゆっくりれいむとゆっくりまりさを押しのけアリスの顔にまとわりつく。
「ぱ、パチュリー!? 何よその怪しさ満点の薬は!? い、いや、アホになる~」
「傍から見るにすでに十分なぐらいアホなんだが」
「そろそろ助けた方がいいかしら」
「なあ、思うにアリスの寝床は毎晩こんな感じだったんじゃないか? こいつら結界張っても無視して入ってくるんだし」
霊夢は夜前に神社を去っていくゆっくりれいむを思い出した。
「そうだとしても……何でアリスに懐くのかな」

「うー! うー!」
「なんでもすいこむ~」
「やくもゆかり17歳です!」
「めい・りんとの淫行はこれ以上許されん」
「都会派ゆっくり参上!」

「うわ」
魔理沙と霊夢が後ろを見ると、そこには幻想郷中から集まってきたかと思われるほどの大量のゆっくりがいた。ゆっくりアリスまでいた。
ずぞぞぞぞ。
ゆっくりの這い、跳ねる音が何重にも重なり轟音を鳴らす。アリスの寝ていた布団はたちまちゆっくりで埋め尽くされ、最早そこにアリスがいたことすらわからない。

「どうするよ、これ」
魔理沙は霊夢の目を見た。
「……そのうち飽きるでしょ。放っておきましょう」
……霊夢は全てを諦めた目をしている。魔理沙は自分も同じ目をしているだろうと思った。
「アリス、お前が絶倫であることを祈る……達者でな」





「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」」」」」」
「アリスおねえさんをいじめないでぇぇぇ」
「た…………助けて……魔理沙………霊夢……………」

アリス・マーガトロイド:ゆっくりを惹き付ける程度の能力。


これは夢なのか、幻想なのか……。暑い真夏の夜、過熱した弾幕は、遂に博麗の神社へと突入する。




「霊夢 御幣」でググるとエロいSSが出てくるね。どうでもいいけど。
ついで

  • 吹いた。ゆっくりが出てくるおもしろいコメディがなかったから、これはいい。 -- 名無しさん (2008-07-28 19:45:48)
  • このゆっくりってウザイのに可愛いなぁ。貴重だわ。 -- 名無しさん (2008-07-29 00:09:39)
  • うわぁ…これはゆっくりですね。
    なんなんだこれは…たまげたなぁ -- 名無しさん (2008-07-29 19:39:53)
  • のがさん・・・に盛大に吹きましたw -- 名無しさん (2008-07-31 21:12:23)
  • MGSネタ吹いたwなんでグレイフォックスがww -- 名無しさん (2008-09-08 16:36:11)
  • 真面目に書いたものより受けがいい現実に、少し複雑になりましたw -- Jiyu (2008-10-05 23:39:39)
  • 境内を通り過ぎるれいむがかわいすぎますっ!!「ゅっゅっゆっゆっゆつゆつ」ドップラー・・あーーうーーかわよいーー!! -- ゆっけの人 (2008-10-26 01:38:46)
  • 何故そんな能力がががwwWwW これはうめぇw -- 名無しさん (2008-12-07 15:57:21)
  • 汚いパロディだなあ -- 名無しさん (2009-04-17 01:32:07)
  • あーもうめちゃくちゃだよ -- 名無しさん (2013-09-05 22:13:07)
  • ゆっくり萌えするW -- 名無しさん (2013-09-24 23:42:50)
  • ファッ?! -- 名無しさん (2014-02-08 15:39:47)
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最終更新:2014年02月08日 15:39