永遠な二人 ~雛夜~

~事前の注意~

※東方キャラ出ます
※かぐもこです
※永琳+慧音がちょっと変態です


「という訳でもうすぐ雛祭りなのです!あうあう!!」
「どうした、口調がおかしいよ、輝夜」
「私のことはどーでもいー!!」

そーですか。

「さて妹紅!雛祭りといえば!?」
「甘酒?」
「違う!」
「ひなあられ」
「ちゃう!!」

 なんか今日の輝夜はテンションがおかしい。
 悪いきのこでも食ったのかもしれない。

「かしわもちー」
「食べ物から離れる!」

 だって今腹減ってんだもん。

「じゃー‥、雛人形?」
「正-解でーす!!ぱふぱふ!!」

 輝夜が嬉しそうに両手をばたばたさせる。
 これはウザい。一歩譲ってウザ可愛い。

「で?」
「つまり雛人形を飾る日でしょ、雛祭りは」
「知ってるよ。私はやったことないけど」

 私が生まれた時代には存在しなかった行事だしね。

「それでね、私思いついちゃったんだけどね!!」
「どうせろくな考えじゃないんでしょ、いつも通り」
「いやいやいや、今回のは凄いのよ。今までとは一味違うのよ、妹紅」
「んーでー? 何よ」

 むふふ、と輝夜を手を口に当てながらもったいぶる。
 早く言え、ウザ可愛い。

「という訳で、私たちのゆっくり、私のもこたんと、貴女のかぐやをね、お内裏様、お雛様に見立ててさ、雛壇に乗せて飾って見ない? 
 きっと凄く可愛い雛人形になってくれると思うわ!」
「ゆっくりを?雛人形に?」

 つまり、ゆっくり雛人形?
成るほどね。見たことはないが、永遠亭になら立派な雛壇の一つや二つ平気でありそうな気はする。ゆっくりくらいの大きさなら乗せることは容易いだろう。
 それで、ゆっくりかぐやには十二単、ゆっくりもこうには烏帽子つけたりしてコスプレさせて、
 それで、2匹可愛く雛壇にちょこんと乗って、「ゆっくりしていってね」って元気良く喋りかけてきて‥、
 それを輝夜と一緒に甘酒でも飲みながら眺める、と。
『ゆぅゆ、もこたん。かぐやの格好似合ってる?変じゃなぁい?可愛くできてるかしら?』
『とらうみゃぁ、何だかすっごく高いよ。あ、このお菓子食べてもいい?』


 うわぁああああ、かあいいょお。


「輝夜‥、お前天才じゃね?」
「貴方なら分かってくれると思っていたわ」

 まだ妄想の段階なのに鼻血流血ものだ。
 私は鼻を押さえながら輝夜に対して親指を立てて見せた、GJと。

「OK、輝夜。雛祭りまであと1週間。無駄に使える時間ない。私は何をしたらいい?」
「了承が得られて良かったわ。流石に一人で全ての準備をこなすのは難しいもの」

 こうして、私たちの「ゆっくり雛祭り大作戦」は幕を上げたのであった。

  ― そして、雛祭り当日―

永遠亭。

「‥‥‥、ねぇ輝夜」
「‥‥‥、うん、私も同じ気持ちだから何も言わないで」

「とらうま~とらうま~♪」
「ゆっゆゆぅ~、もこたんも姫もお似合いだわ!!」

「姫ぇ、写真取りますよー。ほら、こっち向いて下さい。笑って笑って!!」
「妹紅、表情が硬いぞ。折角のイベントなんだからもっとにこやかにだな。いや、憂いの表情もそれはそれで‥じゅるり」

 そう、今日は3月3日、楽しい雛祭りだ。
 それでまぁ、私たちは昨日まで色々準備してきた訳だ。雛祭りゆっくり用の着物とか小道具作ったり、雛あられ買ってきたり。
 それで今日の決行が楽しみだぜ、と昨日は二人ではしゃいでいたのに‥。

「何で私たちが雛人形の格好をして雛壇の上に座らされて、挙句に撮影会開かれてるの?あのアホ二人組はカメラをどっから持ってきたの?
 ていうか何でこんなにでかい雛壇が存在してるの?」

 アホ二人組=永琳+慧音。念のため。
 ちなみに私がお雛様で、輝夜がお内裏様だ。
 ていうかこれって普通逆じゃない?私に十二単って?いや、男装したかった訳じゃないけどさ。
 でもこれやけに重いし暑いし、おまけに恥ずかしいんだけど。
 あー、こういう和風美人な格好は輝夜の方が似合うのにぃ。

「ゆゆ!!それはね」
「かぐやたちが考えたの!!」

 2匹に聞いたわけでもないのに、勝手に答えてきてくれた。
 雛壇が無駄にでかいため下方から大きな声で2匹は話す。

「雛祭りっていうのは雛人形を飾る日だからね!!」
「姫やもこたんを綺麗に着飾って雛人形の代わりに飾ってみれば、きっと凄く美しくなると思ったのよ!宇宙的にね!!」

 ああ、なにこのデジャヴュ。ていうかシンクロニティ。

「うまくいったね!かぐや!」
「そーね!もこう!!」

 ぶにゅ、と2匹は互いの頬を寄せ合って喜び合う。
 ゆゆーゆゆー、って。嗚呼、可愛いなぁ。

「そして私たちがまた全面的にサポートした訳です!!ちなみに雛壇はここのうさぎ総動員させて造らせました」
「今回も物の見事に大成功だった訳だが。ちなみにカメラは文屋から借りてきたものだ。持ち出す代わりによくできた写真を一枚くれてやると約束した」

 はい、アホ二人組。またお前らか。
 ていうか私たちの肖像権とか考える余地なしか、おい。

「更にちなみに、どちらがお内裏様でお雛様か決める時軽く揉めて、弾幕バトルまで発展したが、そこはまぁどうでもいいか」
「嗚呼、満月じゃなかったら私が勝っていたのに‥。それで姫様の十二単が堪能できたのに‥。口惜しいわ」

 何だか凄く、くだらなくなってきたぞ。

「お前らいい加減にしろ!!私らはあんたらの玩具じゃないってのよ!!もうやだ、降りる」

 私はでかい雛壇の上から立ち上がる。
 これ以上こんな茶番に付き合うのはごめんだ。そして早く私たちの方の計画「ゆっくり雛祭り大作戦」を実行せねば。
 愚図愚図してたら雛祭りが終わる。

「ま、待って、妹紅」

 だが、何故か立ち上がった私の手を輝夜が掴んで引き止めた。

「何よ、輝夜。あんたまだこんな茶番に付き合う気?」
「いや、そうじゃないけどさぁ。折角ゆっくりたちが私たちの為に用意してくれた訳だし‥」
「だとしても、もう限界。この格好も暑いし恥ずかしいしさ。私に似合ってもないし」

 こういういかにも「おとしやか~」な格好は私向きじゃないってのに。

「そ、そんなことないわよ!!その、なんていうか、凄く似合ってて、可愛いから‥」

 ‥‥、え。

「だからさ、できればもうちょっと‥このまま、二人でさ。一緒に座ってても‥いいかなって」

 俯きがちに、頬を赤らめ輝夜はか細い声でそう言った。

「ぶぁ、馬鹿!!そういうのは責めて二人きりの時に言えよ!!」

 さっきとは違う理由で身体中が火照ってきたのを感じる。
ああもう、ここでそんなこと言ったら‥!!

「かぐもこktkr!!!やった、やったわ!これで勝つる!!!」(永琳)
「私のジャスティスキタァァァァァァ(゜∀゜)ァァ( ゜∀)ァァ(  ゜)ァァ(  )ァァ(`  )ハァ(Д`)ハァ(;´Д`)ハァハァ!!!」(慧音)

 あいつらがフィーバータイムに突入しちゃうだろ!


つ 新難題「金閣寺の一枚天井」

ピチューン×2。


 ごめん、やっぱ問題なかったわ。
 ていうか初っ端からそのスペルはずるくね?

「妹紅は‥その格好は嫌?」

 輝夜はまた俯きながら、躊躇いがちにそう聞いた。
 さっき知り合いを2人も葬り去っておいてこの態度、我がライバルながら末恐ろしい女です。

「いやまぁ、輝夜が似合うって言ってくれるなら‥悪くは無いかな」
「そ、良かった」

 ふと、雛壇の下でニヤニヤしていたゆっくりたちと目が合った。

「ほら、おいでもこたん」
「こっち来なよ、かぐや」
「ゆゆ、また空気だと思ってたよ」
「ゆぅん、かぐやたちに構わずにいちゃついてればいいのに!」

 何だかんだ言いながら2匹は嬉しそうに私たちの膝元まで跳ね上がってきた。見事な跳躍力である。

「私たちだけがこんな滑降してるのもずるいからね。あなた達にも雛人形になってもらうわよ」
「そうね。せっかく作ったんだからな、使わないのは勿体無い」

 私と輝夜はニヤリと笑い合った。





「妹紅、もっと手を下げてくれ。ゆっくりが写らないから」
「じゃ、姫ぇ、撮りますよー」

「ゆゆゅ、緊張してきたね!!トラウマになりそうだよぉ」
「ほら、もこたん。あまり動くと烏帽子が取れちゃうわよ」
「かぐやはお雛様だから、ゆっくり堂々と構えるわ」
「お前は似合ってていいな。その格好」

 その私の発言を聞いて輝夜軽く溜息をつく。

「だから、妹紅にも似合ってるって言ってるじゃない、綺麗よ」
「ああ、そうね。あんたも中々似合ってるし、格好良いわよ」
「それはちょっとむかつくわね」

 そして二人でまた悪戯っぽく笑い合う。


 今日も今日とていつも通り。

うん、ゆっくりの出番が少ないのもいつも通りなんだ、済まない。

かぐもこジャスティスの人でした。

  • ヤバイ萌える…これは勝つる! -- 名無しさん (2009-03-10 03:49:11)
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最終更新:2009年03月10日 03:49