- 微エロです。
- 東方キャラが多めに出演しています。苦手な方は、注意してください。
いつもの様に、巨大な館の渡り廊下を掃除していく。
歩けど歩けど廊下は続いていって、果たして前に進んでいるのだろうかといった錯覚に捕われるが、壁に掛けてある壁画が変わっている事からちゃんと進んでいるのだな、と安心する。
普段だったら既に終わっているはずの作業なのだろうが、今日は何故かはかどらない。
…一人の、少女が頭から離れない。
加えて、例え掃除が終わったとしても、洗濯やら料理やらと次の仕事の事が頭にかすめ、おっくうに感じるのだ。
そのおっくうに感じる理由も『次の休みはいつなのだろう』といった煩悩から来るもので、―所詮言い訳だが、今の私は使い物にならないだろう。そう判断して仮眠部屋にへと向かう。
仮眠部屋に設置された簡易コーヒーメイカーを起動させ、トレイに逆になって何個か置かれているカップを一つとり、コーヒーを入れていく。
カップからコポコポと小気味良い音が聞こえる。コーヒーメイカーが停止し、私はコーヒーの入ったカップを持って近くのテーブルの椅子に座りこみ、ほうっと溜め息をつく。
…今日で、何回目だろうか。しかし、本音を言うと溜め息をつく度に私の脳裏に緑色の髪の少女の存在が浮かんでくるから、満更でも無いのかも知れない。
私は、最近引っ越してきた山の神社の巫女が好きだ。しかし、私には勇気がなく、きっかけが掴めないままでいる。
接点も、何もない。たまたま町にふらと立ち寄った時、恐らくそうだろうと思われる白と青の巫女服を纏い緑色の髪をした、凛とした表情の、なおかつどこかあどけないような…。
その少女を見掛けたのだ。失礼な話だが、全く場に合っていなかった。
どこかなく、神秘というか、何か庶民とは違う様な雰囲気が出ていたのだ。
「…ほう」
思わず、溜め息が漏れてしまう。
…一目惚れだった。
ずっと、彼女を見ていた。そうしたら、彼女は私に振り向いて、ニコリと笑いかけてくれた。
その時の私には、それだけで十分だった。しかし、所詮それも一時しのぎというか、また欲求が生まれてくる。
彼女と、話したい。…せめて、一目だけでも! 名前だけでも知りたい!
私は新しく天狗の山に神社が引っ越してきたということ位しか知らなく、そこにいる神の名前すら知らないのだ!
…そもそも、彼女は山の神社に住む巫女ですら無いのかも知れないけれど。
ふと、カップに入ったコーヒーが目に入る。
先程まで湯気をあげていたコーヒーはすっかり冷めてしまった様で、一口舌に転がす様に含むと、妙に生温い感触が口内を伝わった。
駄目だな、もう一度滝れ直そうか。いや、それすらもおっくうだな。
時間を止める事のできる私が、時間を忘れるくらいに考え込むなんて。
これが、恋なのだろうか。
「恋は下心、愛はまごころ…、っと」
呟きながら、壁に掛った時計を見るとすでに30分も経過していた。
流石に、休みすぎか。しかし、気持ちの切り替えに踏ん切りがつかないままでいる。
…休もう。休むために仮眠部屋に入ったのに、思考を巡らせてばかりで休んでいないではないか。
テーブルから少し離れた所にある、真っ白のシーツに包まれたベッドの上にどすんと横になる。
どうやら私は自分の把握している体調以上に疲れていたらしく、すぐにうとうとと眠気が襲ってきた。
まどろんでいく視界の中、私は考える。
彼女は、何をしているのだろうか。
☆
身勝手な話だが、私は彼女と話したいと思う同時に、話したく無いと考えている。
話すということは、相手を知る。
私が思い憧れている彼女が、私の想像するような清楚な性格じゃなくて、下衆な性格をしていたら幻滅してしまうからだ。
自分から勝手に一目惚れして置いて、本当になんと身勝手なのだろう!
しかし、自在に時を操れる私が何故能力を使わずに彼女を探しに行かないのか、そもそも何故周りから噂を聞かないかはといった理由の根本は、ここにある。
つまるところ、私には勇気が無いのだ。
勇気が無いから、このままでいいやと妥協してしまう。
妥協すると、今度は忘れる。
忘れると、彼女を思い出せないのだ。
…怖い。
彼女を、忘れたくない。
忘れたくないなら、行動しなければならない。しかし、それも怖い!
…無いものねだりの結末は、何も無い。
私は、何がしたいのだろう。
『だったら、ゆっくりしていけばいいですよっ!』
「!?」
「ゆっくりしていってください!!!」
どこかから大音量の声が聞こえ、思わずベッドからむくりと起き上がってしまった。
すると、自信ありげな体たらくでシーツ越しに私の体に乗りながら、緑色の長髪をしていて頭にはカエルのブローチをつけた、
――まるで、彼女を連想するこの子がそこにいた。
「おねーさん、今日から私がついていますよ! 元気だして!」
「…夢か」
もしくは寝惚けているのだろう。もう一度、枕にバフリと頭を埋める。
「ゆうっ! おねーさん、二度寝しないでください! せめて自己紹介してからにしましょうよっ!」
この子は大変慌てた様子で私のお腹から顔の近くへとぽふぽふベッドの上を跳ねながら向かってくる。
しかし、ベッドは慣れていないのか途中あらぬ方向に飛んでしまったり、ベッドからコロコロ落ちてしまいまた登ってきたりなどとても可愛らしい様子が伺えた。
これが、巷で噂になっているゆっくりとやらか。確かにとても愛らしい体たらくだが、ゆっくりを飼うとなると食費がかなりかさむという。
この子に対して私のカワイイものセンサーがビンビンに反応しているから是非とも一緒に暮らしたい所だが、いかんせんこの前まりもっこり買ったばかりでお小遣い無いんだよなあ…。
ああ、嗚呼、後生な…!
「ゆう~、おねーさん、無言ですりすりしないください、あ。…やっぱして」
気が付いたら私はこの子を頬にまで抱えてすりすりしていたらしく、この子は嫌がりつつも嬉しそうに顔を綻ばせている。案の定手を止めたら淋しそうな表情をして、もっとやってと懇願してきた。寝起き早々、鼻の奥から何か鉄の味が口内に広がった。
初々しいやつめ、この、この!
「あ、らめ、ほっぺを指でつつかないで…!」
この子があまりにも可愛らしい反応をしてくるから忘れていたが、そもそも今は勤務中だった。
時計で時間を確認してみると、仮眠室に入ってから既に6時間も経過していた。
事実を確認するためベッドの壁に付いている小さな窓から見える外の景色を覗きこむと、暗く太陽は沈みかえっていた。
「…あっちゃ~、やっちゃった」
本来なら仮眠などする時間は無いが、夕飯までに間に合えばいいかと2時間くらい寝ているつもりだったが、残念ながらゆうに食事の時間は過ぎてしまっている。
これはお嬢様たちがおかんむりだぞとうろたえている時に、不意にこの子がベッドに横になりつつ座っている私の膝に乗ってきて、胸に顔を埋めてすりすりしてきた。
私はそれを受け入れて頬を撫でてあげると気持ちよさそうに手に体を預けてきて目を細めるも、すぐにキッと目を開き私の目を見てきた。
ふむ、この子を撫でた感想だがもっちりとして手が弾むような感触を軸にさらさらとした髪がまた私の母性本能をくすぐって…!
「ゆうっ! 折角目を合わせた事に気が付いたのですから、聞いてくださいっ! おねーさん、ゆっくりしていないですよ! そんな働きずくめの生活じゃあいつか倒れちゃいます!
私と一緒に、ゆっくりしようではありませんか!」
この子がやや頬を膨らませながらキリッとした眉と目付きをして私にいってきた。
頬を人指し指でぷにりと押してみると、案の定小さな口を丸にして空気を吐き出した。可愛い。
「うーん。ゆっくりしたいのは山々だけど、私は勤めている身分だからね。十分ゆっくり出来たわ、ありがとう。あなたの名前、良かったら教えて貰える?」
「ゆっ! さなえはさなえですよ! ゆっくりしていってください!!!」
「さなえ、かあ」
あの子もそんな名前なのかな、と考えつつ無意識にさなえを抱き締めようとするも、今まさに業務を寝過ごした事を思い出す。
そうだった、今は急いでお嬢様に弁解しなければ!
「ゆうっ! おねーさん、またゆっくりしてないですよ! それに、おねーさんはしばらく働く必要が無いのですよ?」
さなえがぷりぷりと怒った様子で私に言いかけてくる。頬を膨らませているもやはりどこかなく可愛げがあり、思わず抱き締めてしまいそうに…、いかんいかん。
それにしても、働かなくても良いとはどういったことだろう? しかし、考えていても時間が過ぎてゆくだけなのでとりあえず部屋を出るためにドア前へと向かう。
すると、さなえがドア前までゆっくりとの名前が付いているとは思えないスピードで先回りをされ、通せんぼをしてきた。
頬の筋肉が柔らかくなる感触を抱いたが、このままでも仕方ないのでさなえを胸にだっこしてお嬢様の所へ向かう事にした。
当のさなえは『あ、あうう…』と不本意そうに、なおかつ恥ずかし嬉しそうに頬を赤らめて照れている。可愛い。
…が、現実逃避もここまで。私は半ばさなえの頬を弄んでいた手を止め、お嬢様への言い訳を考える。
どう言い訳しようか。いや、寝過ごした私が悪いのだから言い訳などせず素直に謝るということが筋というもの! いや、でも、怒られるのは恐いし…。
下手な考えを巡らせている内に、とうとうお嬢様の部屋前まで来てしまった。言い訳は何も考えていない。ああ、チクショウ!
恐らくお嬢様は夕食の時間になっても姿を現さない私を探したのだろう。
しかし、途中で叩き起こされる事無くぐっすりと眠っていたということは、見付けられなかったかもしくは仮眠室で寝ている私を見付けたもののかたくなに眠っていたという事だろう。
後者だとしたら、さっぱり記憶に無いだけに尚恐ろしい。どちらにしろお嬢様はすねられて不手寝されていることだろう。気まずいなあ!
しかし、躊躇していても仕方ない。緊張した手付きで豪勢な造りのドアを開けて部屋に入る。
そこには、『う゛ー゛!゛ 待゛ち゛く゛た゛ひ゛れ゛た゛と゛お゛お゛お゛!゛』と地べたに座り込み泣き叫んでいる可愛らしいお嬢ちゃんの姿が…、あれ?
「さ゛く゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛ れ゛み゛ぃ゛、゛さ゛み゛し゛か゛っ゛た゛ん゛た゛と゛お゛お゛お゛!゛!゛!゛」
お嬢ちゃんが床に手を付きながら立ち上がり、そのまま私の方へおぼつかない足取りで向かって来て愛らしい顔を私のお腹にぽふりと埋めて抱きついて来た。
このお嬢ちゃん、あーと、お嬢様? お嬢様ではない、いやいやお嬢様である事は確かなんだけれど!
目の前にいるお嬢様に似たお嬢ちゃんは、お嬢様と比べて引き締まっているお顔が丸っこく、手足も赤ちゃんのようにぷにぷにしていてどこかなく肉まんの良い匂いが漂うお方になっていた。
「…うー? さくや、どうしたんだどぉ?」
さっぱり動かない私に疑問を持ったのか、お嬢ちゃんがお腹に埋めていた顔をあげて私の顔を覗き込んできた。
『うー?』と、汚いものを知らない様な無垢で純真な瞳で覗いてくる。
鼻の奥がふたたびチリチリと熱くなる感触を感じた。
「うー、しゃくや! いくられみぃが絶世の美女だからって、いきなりすりすりするのは良く無いんだどお!」
どうやら私はまた無意識の内に頬と頬をすりすりしていたらしく、お嬢ちゃんに怒られてしまった。さなえからはジト目の目線が飛んでいる。
しかし、お嬢ちゃんは自身で『れみぃ』と名前を言っている。この館のお嬢様は『レミリアお嬢様』だから、そこそこ被っていると言えば被っている。
ここは聞いてみるべきか。このまますりすりしだきたい気持ちを抑えつつ、お嬢ちゃんに聞いてみた。
「えっと、お嬢ちゃんはこの館の主人なの?」
「うー、そうだどぉ♪ れみぃはこーまかんのおぜうさまなんだどぉ!」
うわあああああああやっぱりそうだったよおおおおおおお嬢様変わってるんだよチクショウうわあああああ
…可愛らしいしいっか。お嬢ちゃん、おほん。お嬢様は手を頭の上に挙げ、腰を軽く振りながら笑顔で何やら
ダンスを踊っている。
しかし、そのダンスはとりわけ上手なものではなく、所々もたついていてそのつど顔を曇らせている。
可愛い。
「…ふんっ!」
「あいた!」
不意に、床にいたさなえが私の足に向かっていきなり跳ねてきた。
当たってもぷにんと気に障らない程度の感触しかしないけれど、さなえの表情を見てみると何やら怒っている様に見える。
はて、何か忘れている事でも…、あ!
「ありがとうさなえ、忘れてたわ!
…ごほん。お嬢様、遅れましたが只今夕食の準備を致しますので、何かご希望があられればなんなりと申し付けください」
「うー? …れみぃ、難しい言葉、…わ゛か゛ん゛な゛い゛ど゛ぉ゛ー゛!゛!゛」
「あ、あれ?」
お嬢様は言葉が理解できないご自身に腹が立って癇癪を起こしたのか、今にも泣き出してしまった。
ほーら、大丈夫ですよーと柄にも無い高い声を出しながらそっと抱き締めてお嬢様をあやすと、どうやらすぐに機嫌を直してくれたみたいで泣き止んでくれた。一安心。
背中には何やら張りの良い感触がボヨンボヨンと止まず受けているが、まあ些細なことだ。
「お嬢様。今日のご飯は何にしますか?」
「うー? れみぃ、ご飯は食べたんだどっ!」
「ゆっ、ほらあ! まーた、おねーさんはゆっくりしていないでは無いですか! 駄目ですよ、そんな事では! おねーさんは働く必要が無いんですっ!」
背中からさなえが顔を現して、私にお前はニートでいいと関白宣言をしてきた。
確かにありがたい申し出だが、働かなければいけないし…。
これが会社の同僚にプロポーズを受けた女性の方の心情なのだろうか。
「もうっ! 行きますよ、おねーさん! もっと手っ取り早くおねーさんが働かなくていい証拠を見せてあげます!」
「え? あ、ちょっと! さなえっ!?」
私はさなえに引っ張られ連れて行かれるがまま、いや、厳密にはさなえはゆっくりなので手足が付いていないので私が付いて行っているだけだけど。
無言の圧力というか、ゆっくりにあるまじき威圧感というか、その他もろもろの恐怖を感じてここで付いて行かなければやられる! と脳裏に焼き付いたので、素直に付いて行かざるを得なかった。
お嬢様への挨拶も十分ではないのに、さなえはそんなに一体何を怒っているのだろう。
お嬢様に軽い会釈を送ろうと、ドアを出る直前に後ろを振り向くと、お嬢様は『あら、お年頃ねぇ~ん』と言わんばかりに体をもじらせて手を頬と目に、しかし視界は見える様にかバッチリ人指し指と中指の間を開けて当てている。
お嬢様に失礼しますと一言残し、私は連れられるがままにお嬢様の部屋を後にした。パタン、と廊下にドアが閉まる音が響く。
「…さなえ。どうして無理に私を外に出したの?」
「…ぷんっ! おねーさんも、そんなニブチンな様ではまだまだ瀟洒とは言えませんね!」
さなえはツンと顔を上げ、ぴょんぴょん跳ねながらすぐに先に行ってしまった。慌てて追い掛けると、そこは調理場だった。
「ゆうっ、ここです! 覗いてみてください!」
異様に大きいさなえの声に圧されて思わずはいっと返事をしながらそっと調理場を覗いてみる。
そこには、せっせと材料を用意しているたくさんのゆっくりの姿があるではないか!
「…え、ええ? あり? 可愛い」
思わず混乱してしまい変な言葉と本音を出してしまったが、些細な事だ。問題は、何故紅魔館の調理をゆっくりが担当しているかだ!
「誰がこんな仕事の押し付けを…、はっ、まさか美鈴!? あの子ったら、自分がサボりたいがためにこんなに酷い事を…!」
「もうっ! おねーさんはどれだけ勘違いをすれば済むのですか! 付いて来てください!」
さなえはプリプリと怒りながら次なる場所へ向かっていったらしく、少々唖然としていた私は気が付いたらさなえがそこそこ先へ行っていて小走りで追い掛けなければならなかった。
さなえが向かった場所は、玄関前のロビーだった。異様に広いため普段は雇っている妖精のメイド達がせっせと掃除に励んでいるはずだが、目に映った光景は妖精メイドではなくゆっくり達の姿だった。
「…ウチの館って、こんなにゆっくりいたんだっけ?」
「…ゆう。おねーさん、本当は気が付いているのでしょう? 私が言ってあげますよ。
私たちがおねーさんの仕事を全部引き受けたから、おねーさんは働かなくていいんですっ!」
☆
「ゆぅ~、ちゅりちゅりぃ…♪」
先程、ゆっくりたちが皆で私の仕事をしているといった事実を目の当たりにしたため、またと無い機会だしゆっくりする事を決め、仮眠室へと戻ってきたのだ。
仮眠室とは言え、ほとんど名目上でお嬢様が私に与えてくださった様なもので事実上私の部屋にあたる。
殺風景な事は否めないが、紅魔館で唯一ほっと一息つける空間なのだ。
それにしても、先程からさなえが異様なまでに甘えて来る。とても嬉しいのだが、何やらさなえから焦りというか、対抗心の様なものが見える様な…。
「ゆっ、おねーさん! さなえ、お腹が減って来ちゃった…」
さなえが私のお腹ですりすりをしていた顔を上げ、上目遣いで私に投げ掛けてくる。うおお、そんな目で見られては何か用意しない訳には行かないではないか!
私ももう半日は何も食べていない事に気が付き、意識すると急にお腹が減ってきた。
「そうね、私もお腹がペコペコだわ。あなたたちが私の仕事を引き受けているということは、夕食が出来るまで待っていてということだもんね。軽い、おやつにしよっか」
私はお腹にいるさなえを座っているベッドに降ろして立ち上がり、部屋の隅に置いてある冷蔵庫を開け、…恥ずかしい話、日々生き甲斐にしているプリンを二つほど取り出してテーブルの上に置く。
さなえは『たまらん!』と言わんばかりに目を光らせて今にも食べたそうに私の足元へ近付いて来て体を左右に動かしている。
わかってるじゃない、さなえ! 女の子たるもの甘いものには目が無いものよね!
「じゃあ、さなえは向こうの椅子に座って。スプーンを用意するから、待っていてね」
「…ゆう。さなえ、おねーさんに食べさせて貰いたい、かな」
気が付いたら時が飛んでいた。今わかる事は、口内が鉄の味でいっぱいな事と、さなえをベッドに押し倒していてキュートなほっぺにキスをしていたという事だ。
「ゆっ、ゆっ、おねーさん、そんな、いきなりなんて…」
さなえは頬を真っ赤に染め上げ、息を上げてベッドにうつ伏せになっている私の頬にキスを返して来る。
この上無い幸せを感じたが、今はプリン。女の子たるもの、犠牲を出してでも甘いものを前には進まなければならないのだ!
「…ふう。さあ、おいでさなえ。プリンを食べさせてあげる」
体を起こし、ベッドに座りこみ膝を軽く叩いてさなえが膝に来る様に誘導する。さなえはボーっとしていたのか枕付近からしばらく動かなかったが、ハッと我に戻ったのかすぐに膝の上に乗ってくれた。
私の手には既にプリンとスプーンが握られている。甘いもの好きな私に隙は無い、さあ! どこからでもかかって来なさい!
「ゆぅーん…」
さなえは目を閉じて可愛らしい小さなお口を少し開けて今か今かと待ち構えている。
予想はしていたが、あまりの破壊力に大分動揺を喰らったッ! しかし、これしきの事でくじける私ではない!
スプーンでプリンを掬い、さなえの口に近付けたその時だった!
(さなえにいたずらすれば可愛らしい反応をしてくれるんじゃ無いかな…)
悪魔が私の脳裏に囁いてくる。や、やめろ! そんな事をして万が一さなえに愛想をつかれたらどうする!
私は冒険しない、今の幸せを噛み締めているだけでいいんだ!
(本当にぃ? これっぽっちも、さなえの反応が見たいと思って無いの?)
…、くっ!
(やっちゃいなよ、ほら。あまりに遅いからさなえが薄目を開けて私の事を見てるわよ?)
…私はお前に自分を売った訳でも、誘惑された訳ではない。これは自分自身が考えて決めた行動だ!
(あら、そう? まあ私はどっちでもいいわ。頑張ってねぇ~)
悪魔は去った。私は様子を伺っているさなえの髪を撫でながらはい、あーんと告げる。
さなえは私を信用していのだろう、無防備に目を閉じて可愛らしいお口を開けている。
私は先程プリンを救ったスプーンを持つ! スプーンをゆっくりとさなえの口元に近付けていって…、さなえの唇とプリンが当たった瞬間!
私は急いでプリンをさなえの口元から引き離し、私の口に持っていった!
さなえはパクリと軽く体を動かして噛みつくも、感触がしなく空を切った事に疑問を感じたのかキョロキョロと辺りを見回す。
さなえが私をみたのは背後から私のおいしいと言った声が部屋に響き渡ってからだった。
「…あ。ああ、あ、…さ゛な゛え゛の゛プ゛リ゛ン゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛!゛」
さなえが体を震わせて玉の様な涙を流す。私がしまった、と後悔したのはその直後だった。
「ご、ごめんね! てっきり怒りはするものの、まさかそこまで無くとは思って無かったんだ!」
「ひ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!゛!゛!゛」
「ほら、まだまだプリンは残ってるし、はい! あーん!」
「ん゛っ゛…゛、あ゛ー゛ん゛!゛」
私はもう一回スプーンでプリンを掬い、さなえの口元にまで持っていく。さなえは用心しているのか今度は目を瞑らず、じっとプリンに注目している。
プリンと唇が触れるかどうかと言った瞬間、私は急いで腕を私の口にまで引き付け、そのままもう一度私の口に入れた。
案の定膝元から『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!゛!゛!゛ プ゛リ゛ン゛!゛!゛!゛』と悲痛な叫びが聞こえる。
ぞくぞくしてきたが、流石にやりすぎたか。私はさなえにきちんと謝る事にした。
「ごめんね、さなえ。今、新しいスプーン持って来るから待っててね」
「ゆ゛ー゛…、さなえ、そのスプーンがいいですっ」
さなえはジト目で私を警戒しつつ、そう言ってきた。
「はて、なんでですか?」
「だ、だって…! 不本意ながらも、お、お、おねーさんと間接キスじゃあ、ないですかっ!」
もじもじしながら頬を赤らめるさなえ。私は薄れゆく視界の中、至福とは何かを見い出せた気がした。
「…なんて、ごめんなさい。調子乗りました…、ゆっ? おねーさん、おねーさん!? あわわ、おねーさーん!!!」
☆
「うーん、…ハッ!」
「ゆっ! おはよう、おねーさん!」
気が付くとベッドの上に横になっていた。頭には氷嚢とタオルが敷かれていて、意識した途端に額が冷たくなる。
一体、どういう事か?
「ゆっ! おねーさんがいきなり倒れちゃうからびっくりしましたよ! おねーさんをベッドに運んでいたら他のゆっくりにプリンとられちゃったし、ゆっくり出来ませんでした…」
横になる私に、さなえが喋りかけてくる。話を聞く限り、どうやら私は急に倒れ込んだそうだ。自分ではちゃんと意識があるつもりだけれど、今も尚あたふたしているさなえの様子からして確かなものらしい。
それにしても、私の看病をしてくれている時にプリンを捕られてしまうなんて…。必死だったがために、気が付かなかったのだろう。なんだか、嬉しいかな。
「もうっ、日頃から無茶ばっかするから急に倒れたりするんですっ! おねーさんの体はおねーさんだけのものでは無いんですから、もっと気を付けてくださいね」
さなえが私に忠告しながらテキパキと代えのタオルと氷嚢を頭に乗せてくれた。入れたてと思える氷嚢の冷たさが少々ほてった体に気持ちいい。
手伝おうと起き上がろうとする私に『大丈夫ですよ』と一言言われ、何もする事が無い私は黙ってさなえの様子を観察する事にした。
あらかじめ用意されていたのだろう、テーブルの上にあるスープの乗ったおぼんをどういう原理か器用に頭の上に乗せ、ベッドまで運んでくれた。
運ぶ時にさなえの口から『ゆーしょ、ゆーしょ』と掛け声が出ていて、なんとも可愛らしい。
「ありがとう、さなえ。いただきます」
「ゆうっ、おねーさんは上半身だけ起こしてくれればいいですよ! さなえがあーんしてあげます!」
さなえがそう言うのでとりあえず上半身だけ起こして待ってみるが、果たしてどうやって食べさせてくれるのだろう。
まさかスプーンが浮くのだろうか?
「はい、ゆぅ…ん」
さなえは口で器用にスプーンをくわえてスープを掬うと、そのままスプーンを私の口へ入れてくれた。
ゆっくりには中々重く辛い作業なのだろう、さなえは鼻の上を赤くして息切れをしている。同時に私の中で何か大切な理性が消し飛んだような感触もしたが、まあ些細な事だろう。
「ゆうっ! おねーさん、胸をっ、そんなに押し付けないで!」
またもや無意識の内におもむろにさなえを抱き締めてバインバインしていたみたいだ。今日は、無意識が多いなあ。
「…んもう、おねーさんったらっ! 今は食事の時間ですよ!」
さなえはもの惜しそうな表情を浮かべつつ抱き締める私の腕から逃れ、もう一度スプーンの端を口にくわえる。
なんだ、さなえだって満更では無かったんじゃないか。可愛らしいやつめ。
さなえがスプーンでスープを掬い、もう一口私の口内にスープの味が広がる。正直に言うと、朝から何も食べていない私のお腹は悲鳴をあげていて、さなえの掬ってくれるペースのままだととてもでは無いがお腹が満たされる事はないだろう。
しかし、これでいいのだ。一口食べさせてくれるだけであごを痛そうにさせるさなえ。目は潤んでいて、高さの問題からしてどうしても上目遣いになってしまうため、私の母性本能が縦横無尽に刺激される。
…何より、さなえが初対面のはずの私にここまでしてくれる事がたまらなく嬉しいからだ!
何か裏があるのかもしれない。それでも、とても嬉しい。出来ることならいつまでもこうして居たいくらいだが、さなえのあごが限界を迎えたらしく八口から先は自分の手でスプーンを掬う事になった。
「ありがとうね、さなえ」
「ゆうっ、おねーさんがゆっくり出来ればそれでいいんですっ!」
さなえが笑顔を浮かべながら言ってくれる。
…――その時の表情が、町で見掛けたあの彼女のものと被った様に見えた。
あの少女も、こんな風に尽してくれるのだろうか。
あの少女は、私と話してくれるだろうか。
「…さなえ。あなたにとっては面白く無いだろう、相談なんだけど」
「ゆっ? どうしたの、おねーさん。改まらなくても、別に構わないですよ」
「…ふふ。あなたはどうしてそこまで私に尽してくれるのか少しばかり疑問に思うけど…、まあ、それはいいか。
私ね、好きな人が居るんだ」
「…」
「一目惚れでね、町に行った時にたまたま見掛けたんだ。認識すら無いわ、ただ噂は聞いていた。
山に新しく神社が引っ越してきて、そこの巫女の髪の毛の色は緑色だって」
さなえが私のお腹にゆっくりと飛び乗り体を預けて来たので、それを受け入れてさなえの綺麗な長髪を撫でてあげる。
さなえは複雑な表情を浮かべながらも、『ゆぅ…』と気持ち良さそうに目を細めた。
「私、彼女と仲良くなりたい。話だけでもいい! 一言、声を聞きたいだけ。
でも、それが出来ないの。拒否された時や、私の想像している性格の人だったら、幻滅してしまうだろうから。
幻滅してしまうことが、たまらなく、恐いの」
「…でも、そのままじゃあ進展もしないよ?」
「もちろん。それも伴って、恐いんだ。
どうしたらいいのか、このまま逃げていていいのか、素直に諦めるか、いろんな考えがよぎっちゃって、もう…」
「…ゆっ!」
うとうとと甘えていたさなえがカッと目を開き、ポヨンと私の膝から大きく飛びベッドの枕付近に乗ると、私の目を見て喋り始めた。
「おねーさん、見ず知らずの人に好きだって言われたら、どう思う?」
「えっ? そ、そりゃあ戸惑うけど…」
「うーん、それでも嬉しいとか、嫌な気分かで言ったらどっち?」
「…ええと。嬉しい、かな」
「なら、そういう事だよっ!」
さなえが笑顔でぽよんぽよん跳ねながらそう言った。
同時に、さなえは私の肩に飛び乗って『頑張れ』と唇に軽くキスをしてくれた。
唇にキスをした後のさなえの淋しそうな表情が、妙に頭の片隅に引っ掛かった。
☆
私は今、町の甘味屋前にいる。
茶葉が足りなくなったので町に買い物へ出かけに行った…、というのは口実で、本当の理由はまさに今甘味屋で絶賛味わい中の『彼女』に話し掛けるためだ。
別に、無理に探し当てた訳ではない。元々自分から山の神社に出向いて挨拶しようと考えていた。それで、手ぶらで挨拶に行くのも淋しいし、何か甘いものが恋しく感じたのでふらと甘味屋に立ち寄ったらたまたま彼女が甘味を楽しんでいたというわけだ。
…しかし、いざとなると中々勇気が湧かないもので、館の中で何回も練習した話の掴み方もどんどんとおぼろげに霞んでゆく。
ええい、何を躊躇している私! どうせ幻滅したとしても、それは私の都合ではないか!
だったら、私は話し掛ける!
甘味屋ののれんをくぐり、一目散に彼女の座る席へと向かい、彼女に話し掛けた!
「あ、あのっ、あのッ!」
言えた、言えた、言えた、言えた、言えた!
「…、? はい、何でしょう」
緑髪の彼女はきょとんとしながら返事をしてくれた。団子の串を持っている両手が固まっているものの、肝心の甘味を味わう口はもごもごと動いていて可愛らしい。
「え、えっと! その、ううん、うぅ!」
あああ、頭の中が、真っ白というか、ああ!
頑張れ、私!
「す、す、す、好きですっ!」
私は薄れ行く視界の中、ああ、終わったなと考えました。
いくらテンパっているからって、いきなり好きですは、ねえ…。
もし彼女が私の思っているような、それこそさなえの様な性格の持ち主だとしてもこれはフォロー不可能で距離を置かれる事だろう。
ああ、ああ、なんて無情な! まあ、話し掛けられずに眺めるだけで満足していた臆病な私にとっては十分頑張ったか。
お疲れ、私!
「…はい。私も、好きですよ」
「…へっ?」
瞬間、元々世界に色は付いていたが、それらが色鮮やかに彩られる様な感触に包まれた。
「さ、さ、さ、さ、さなえ~! やったよ、話し掛ける事が出来た! それに、仲良くなっちゃったんだ! 来週、一緒に峠に行く予定! えへへ、いいでしょ!
…さなえ? さなえ、どこ~?」
『おねーさんへ
きちんとしたあいさつもせず、つくえのうえにてがみだけをのこしてさるわたしをおゆるしください。
わたしは、ゆっくりできないひとのまえにあらわれてゆっくりさせるためにつくられたそしきのいちいんです。
こんかいわたしにあたえられたぎょうむは、こーまかんのおえらいさんからいらいされたにんむで、おねーさんをゆっくりさせるというものでした。
このてがみをかいているときはまだはなしかけられたかはわかりませんが、おねーさんならきっとはなしかけられたのだとしんじて、おねーさんがかえってくるまえにてがみをのこしました。
おねーさんがかえってくるころにはこーまかんのみんなはゆっくりからふつうのめいどさんにかわっているはずです。
おめでとう、おねーさん。また、あいたいです。』
『ps.かんじがかけなくてすみません。わたしのふぁーすときすをうけとったのだから、せきにんとってくださいね』
☆
「どうも、お邪魔します~」
「あ、いらっしゃい。今は諏訪子様も神奈子様もいないから、のびのび出来ますよ」
「…それは助かるわ。早苗ちゃんには悪いけど、あの二人がいるとぎこちないのですもの」
「あはは、そう言わないでください。お二人方はお二人方なりに私たちを応援してくれているんですよ」
「うーん、そうかなあ…」
「ゆっくりしていってね!!!」
「お、出たな。私と早苗ちゃんが玄関で会った時にはいなかったのに、どっから沸いて来たんだお前。さあこい、ふにふにしてやるぞっ!」
「ゆうぅ~ん、おねーさんのお腹はおねーさんと違ってぶにぶにじゃなくて、ちょうど良いねぇ~♪」
「咲夜さん、ちょっと貸して貰えませんか…。ほらァ!」
「ゆぶッ!!!」
「ちょ、ちょっと早苗ちゃん! この子地面にのぺーって垂れて広がってるわよ!?」
「いいんです、れーむにはこの位がちょうどいいんです! …さなえちゃん、まだ戻らないのですか?」
「…ええ、戻らないわね。まあ、手紙にも書いてあったし。ひらがなばっかりだったから、もう一度別の紙に漢字で直さないと読みにくくて、手間がかかったわ。
その手間すらも、なんだかいとおしく感じたんだけどね」
「甘味屋で、私たちが会って、その時にはもう居なかったのでしょうか」
「わからないけど、多分そうなんじゃあ無いかしら。ただ、残念かな。せめて、報告だけでも聞いて欲しかった。
初めて話し掛けた時、早苗ちゃんに言った通り私が今早苗ちゃんと仲良く出来るのはさなえのお陰だからね。
『あなたが好きだって言われたら嬉しいでしょう? なら、そういう事ですっ!』って。この一言で何もかも吹っ切れて、早苗ちゃんに話し掛けようと考えたんだ」
「うーん、別にそのまま話し掛けてくれれば良かったのに。咲夜さん、かわいいじゃあ無いですか。それも、綺麗だとか、上品な意味で」
「まあ、謙遜はしないわ。でも、早苗ちゃんの好みに合わないかどうかや、そもそも彼氏とかいたらどうしようって考えるとおっくうになってきて…」
「…咲夜さんは、チキンですね」
「うっ! …否定は、しないけど」
「否定『しない』んじゃなくて、『出来ない』のではないですか?
…その
ゆーピットの名前と私の名前、同じなんですよね。ちょっと、妬いちゃうなあ」
「…早苗ちゃん?」
「その子とは一日限りの出会いだったのでしょうが、私と咲夜さんは会ってからそこそこ時間が経っています。それに、私と咲夜さんは何回も会って遊んだ仲じゃないですか!
…なれるかどうかわかりませんが、私が咲夜さんにとってのその子に、その子以上の存在に立候補、いや! なってみせます! 時間がかかっても、必ず!
だから、…一緒に、いてくださいっ!」
「…、! …―早苗ちゃ」
「ゆぅ~、何でれーむが下駄箱に隠れて無いといけないのー? やだ、もうやや! おうちかえゆもん!!!」
「ば、ばかっ! おばかやろうれーむ! 今一番いい所じゃねえか! ああああ、お前って奴は!」
「…二人とも、下駄箱から出て来なさい」
「ぷはっ、やっと下駄箱から出れたよ! れーむをこんな所に閉じ込めるなんて、何様なの!?」
「ち、違うんだぜおねーさん! まりさたちは決しておねーさんの話を盗み聞きしていた訳じゃなくて、あれだ! …そう、見守ってあげてたんだ! むしろ感謝して欲しいくらいだぜ!」
「…問答無用ッ!!!」
「「ゆべええええッッッ!!!」」
おねーさんへ
きちんとした挨拶もせず、机の上に手紙だけを残して去る私をお許しください。
私は、ゆっくり出来ない人の前に現れてゆっくりさせるために創られた組織の一員です。
今回私に与えられた業務は、紅魔館のお偉いさんから依頼された任務で、おねーさんをゆっくりさせるというものでした。
この手紙を書いているときはまだ話し掛けられたかはわかりませんが、おねーさんならきっと話しかけられたのだと信じて、おねーさんが帰ってくる前に手紙を残しました。
おねーさんが帰って来る頃には紅魔館の皆はゆっくりから普通のメイドさんに替わっているはずです。
おめでとう、おねーさん。また、会いたいです。
咲夜さんの微熱っ!
- 珍しい組み合わせが見れた上にキュンときた、これが恋…。 -- 名無しさん (2009-03-12 21:57:33)
- 咲夜さんと早苗さんとは本当に珍しい スゴク良かったッス! しかしこの咲夜さんなんかアネゴ肌(←うにゅ?)を微妙に感じるんだが・・・気のせい? -- 偽ゆっくりれいむ (2009-04-10 03:10:31)
- さなえ…いいこやなあ… -- 名無しさん (2010-11-20 21:30:57)
- さくさなとか新鮮すぎる -- 名無しさん (2010-11-25 12:06:27)
最終更新:2010年11月25日 12:06