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「空でも星でも月でもない。『外』の世界。本当に興味深いわね」

物柔らかそうな雰囲気を醸し出しながら、その内面に宿る狂気があった。
現代におけるサイコパス、に近しいものだろうか。
英雄と呼ばれる人種でもなく、戦士と呼ばれる人種でもなく。
その目の奥底に燻る色は、何かへの恨みと怒りであるのか。
はたまた自分と同じく未知享楽への好奇心か。

「まさか。ボクが『聞かせる』側になるだなんて。人生とはてんでわからないものだよ。自分で言うのも何だけど、化け物が人生を語るなんてナンセンスだと思わないかい?」
「私はちょっとクスッとなったから、ナンセンスだとかは気にしないわ」

グリムという化け物が見たこの女性、グレイスと名乗ったそれへの評価はまさに「興味深さ」の塊。
まずこの殺し合いのヒントともなりうる『空の世界』のあれこれを聞き出すことが出来た上に、月の民の末裔たる彼女、彼女ら『敵』と呼ばれる組織の在り方を知れたのは僥倖。
お礼とばかりに自分が知りうる知識、人間と吸血鬼による戦争や、吸血鬼の不死性を手に入れようとしたこちらの世界の人間の狂気など。
言葉を交わせば交わす程に盛り上がり、まるで同年代の友人のように話が弾んだ。

「キミは人間の中でも特段変わった感性をしているようだ。今まで沢山の人間を食べて、色んな事を学んできたつもりだけど、キミみたいな人間は初めてだ」
「私はただのしがない世界平和が大好きな人間なのよ? そんな化け物みたいな扱いだなんて」
「失敬失敬、でも化け物に化け物扱いされるというのは場合によっては勲章だと思うけど?」

人の身でありながら化け物に恐れられた英雄を知っている。
人の執念、人の思念、人の心。それが大きな原動力となりうることをグリムは知っている。

「それにキミだって、ボクが憧れる英雄たちみたいに、突き動かす思いだってあるんでしょ。さっきのキミの発言『世界平和』みたくね」
「私のそれは小さい願いです。子供たちがうっすらと描く幼稚な願いのようなものですわ」
「願いなんて最初は小さくてもいいんだよ。ボクだってそうだったんだから」

グレイスは己の願いを「小さな願い」と自嘲したが、グリムはそうは思わない。
最初は「知りたい」という知的好奇心から。人を知り、吸血鬼を知り、世界を知り、歴史を知り。
ーー己の本質を自覚して、グリムという英雄狂(バケモノ)は産声を上げた。

「知りたいことが沢山あった、当事者になりたかった出来事が沢山あった。でも過去はやり直せない。ーーただの人間なら」
「過去をやり直せる力でもあるのかしら?」
「ボクが出来るのは埋まった過去を掘り返すだけだよ。この場所じゃあ出来るかどうかはわからない」



歴史の底に埋まった過去を掘り起こし、骨を喰らい英雄を蘇らせる。
施設も何もかもが足りないこの場所でそれが出来るかどうかはわからないけれど。
過去を蘇らせるといっても、やはり準備というものが必要だから。

「急拵えぐらいはこれでやれそうだけどね」

グリムに支給された『死者行軍・八房』。条件こそ厳しいものの死者を蘇らせるという点は魅力的。
最低限『残る』場合もあるらしいけれど、所詮は骸人形を使ったただの死体遊び。グリムの理想には程遠い。
ただしグリムの補助があって、何か有効な代物が生まれると多少は期待はしていた。

「ではあなたは私をここで死体にする?」
「蘇った死者は勿論いいけれど、真っ当に面白い人間を殺すなんて勿体ないことはしないさ! 敵じゃない限りはボクだって下手な手出しはしないよ」
「⋯⋯そういうことに、しておきましょう」

グリムの言っていることにほとんど嘘はないだろう、とグレイスは見抜く。
そして自分への好感も思ったより高い方だと。その上で「弄くられる」可能性もなくはない、と

「それに、キミだってボクを利用出来たほうが都合がいいんじゃない?」
「⋯⋯⋯」

流石に見抜かれているか、と内心辟易。
人間を、歴史を学ぶために捕食を繰り返す化け物だけあって、人の心を知らない化け物にしては気付きが鋭い。
でも、そのリスクを負ってでも彼とともに行動することは悪くはないかも知れない
私の■■の為にも悪くはない、とグレイスは腹を括る。

「⋯⋯そうですね。不気味ですけど、面白い方」
「そう言ってもらえると嬉しいな」

まあ、こういう相手と組むことも悪くはないし、暇はしなさそうかも。
そんな事を考え込んて、手を差し出した。


「ーー握手は右手でするものだよ、グレイスちゃん?」


そう指摘するグリムの笑顔に、グレイスは微かに薄ら寒い恐怖を感じた。
そして、お互い右手で握手をした。


【グレイス@グランブルーファンタジー】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:もし叶うなら『世界平和』
1:グリム、あなたは面白いバケモノだけど同じぐらいに恐ろしいバケモノ
2:上手に動きましょう、いつも通りに。死なない程度に
[備考]
※参戦時期は『真紅と冥闇』のフェイトエピソード終了後
※グリムから『銀狼ブラッドボーン』の世界の出来事をおおよそ聞かされました

【グリム@銀狼ブラッドボーン】
[状態]:健康
[装備]:死者行軍・八房@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~2
[思考]:こういう寄り道も悪くはない
1:グレイスは面白い人間だよ。いや正確には月の民の末裔だったから? この催しの間だけでも仲良くしたいね
2:八房は便利だけどボクの好きな感じじゃないんだよな⋯⋯。ボクの力で死体の方を弄れないかな?
3:ハンス・ヴァーミット、もしキミもいるなら楽しいだろうなぁ
[備考]
※参戦時期は6巻以降
※クラッカーの召喚に制限が科せられています。制限内容は後続の書き手にお任せします
※グレイスから空の世界や『組織』、『敵』、月の他諸々も『グランブルーファンタジー』世界の出来事を聞かされました。


『支給品紹介』
【死者行軍・八房@アカメが斬る!】
グリムに支給。
イェーガーズの一員であるクロメの所持する帝具。斬り殺した相手を骸人形として操ることが出来き、骸人形は生前と変わらない能力を持つ
※死者行軍八房の制限は以下の通り
『操れる死者は2人まで』
『呪いを解いて地下に戻し、損壊を全修復させることができない』
『死者は帝具の主から300m離れると一時活動不能になる』
最終更新:2026年02月23日 20:10