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 花京院典明は様々な困惑に見舞われていた。
 DIOのスタンドの情報をジョセフに託して死んだはず。
 だというのに生きている。スタンドもちゃんと出せる状態だ。
 ベリアルの言う殺し合いに巻き込まれたことは決して幸運とは呼べないだろうし、
 アヴドゥルやイギーのことを考えると、自分だけ生き返るのは少し申し訳ないところもある。
 それに、前述の通り殺し合いだ。此処を生き残らなければそれらを考えても栓のなきことでもあった。

 この程度ならばまだいい。
 花京院は早々にして二人の参加者に出会った。
 どちらも赤をメインとした服や髪をしていたのもあり、
 どこかアヴドゥルを思い出すかのようなことを思いながら会合に至る。
 全員殺し合いについては懐疑的、あるいは今すぐ乗るつもりもないといった話をした。
 幸先はよかった。敵の強大さはともかくとして、早々に完全な信用とまではいかずとも二人の仲間だ。
 花京院のスタンドは遠隔操作がメイン。どうしても一人で前衛もなしに戦うのは難しい場面も多かった。

 問題は此処からだ。
 会話の最中赤い服の青年、ロイド・アーヴィングと名乗った青年が隣の少女の首を撥ねた。
 斬首にしては多少の出血程度で済まされる形で落ち着いたことを疑問に思う暇などない。
 問題はロイドがいきなりこのような行為をするような行動をするとは思えなかったからだ。
 ロイドの性格は、ありていに言えばポルナレフのような陽気な男だ。しかし悪人では決してない。
 短い時間でもそれだけは把握できた。だというのにこの状況。すぐにスタンドか何かの攻撃だと悟った。
 正義(ジャスティス)のような死体か、恋人(ラバーズ)のような人質を出会う前にとられたのか。
 なんにせよ洗脳や操るに対しては心得があるし、花京院自身もDIOに洗脳された苦い過去を持ち合わせている。
 というより、花京院もその気になれば人を操ることができる能力ではあるので察しが妙に良い。
 だから早期に察した。これはロイドの意志によって選んだ行動ではないのだと。

(だがどこだ!? 法皇の緑を張り巡らせる暇がない!)

 この手のタイプの能力は洗脳してる奴は遠くにはいられないはずだ。
 というより、遠くにい過ぎたら殺し合いとして成り立たなくなってしまう。
 だから能力の制限。それらを想定して周囲を散策すれば元凶はいるはずである。
 しかし法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)を張り巡らせれば、スタンドで防御ができない。
 スタンド使いは超能力者だが、いくら頑張ってもDIOのような例外とかでもないのならば人間と同じ。
 首を撥ねられれば確実に死んでしまう以上、応戦も散策もとてもできる状況ではなかった。
 最初から周囲を警戒すればいいのではと思われるが、ロイドたちが信用できるかが分からない状況で、
 スタンドを防御に回さず索敵に専念させる、なんてことをする方が愚行というものだろう。

「ロイド、僕を騙すとはな! 今は無理だが覚悟をしてもらうぞ!」

 敵の目的はロイドとの仲違い。
 これにより信頼を失墜させるのが目的だろう。
 ならばそれに乗った振りをしておくのが一番自分にとって都合がいい。
 とはいえロイドには本当に言ってるように聞こえることに罪悪感はあるが。
 あらかじめ確認済みだった赤いバイクに乗って、高速でその場から立ち去っていく。
 バイクの初動、スタンドで防御しながら逃げに徹するつもりではあったのだが、
 それはDホイールと呼ばれるある競技用のバイク。初動の速度も段違いなものであり、
 ロイドの奇襲を受けることなく、そのまま即座に花京院は逃げおおせることができた。











「ありがとね、ロイド♡ そっちの信用はどこまで落ちたかわからないけど、もう参加者を一人狩れるなんて。」

 後方の高所から降りてくるのは、赤と緋色の髪のツインテールが目立つ少女だ。
 美少女と言っても差し支えのない、人形のような可愛いらしさが伺えるだろう。
 しかし侮るなかれ。彼女、ブーケガルニことビシソワーズ一家という存在は、
 伝説のバンカーである二人を人数差があるとはいえ圧倒するほどの強さを持っている。
 彼女の持つ能力ともいえるパペット×マスターも、本人の意志とは無関係に動かせてしまう。

(クソッ、あいつの言うことを聞くってのかよ!?)

 人の命を何だと思っていない、
 人間牧場と同じかそれ以上に軽く見ている相手に、
 ロイドとて怒りがわかないはずがなかった。
 けれど近くにいたブーケガルニに目をつけられたのが運の尽きだ。
 怒りがあったとはいえBB7の二名すら気づくことができなかった糸を、
 警戒心をロイドやもう一人に合わせていた花京院に気づけ、という方が無理だ。
 結果、彼女の力によって、人知れず文字通りの操り人形とされてしまったのだから。

「何、その目? ベリアルのことを気にしてるの?
 だって、やってることは私達のするグランドパーティとも変わらないもの。」

 クスクスと笑いながらブーケガルニは呟く。
 グランドパーティとは、簡単に言えばビシソワーズ一家VS挑戦者のようなもの。
 いつもビシソワーズ一家が予選で勝利して、身内で戦い合うのがお約束になってるらしく、
 この殺し合いも言ってしまえばそれとそこまで変わるようなものでもなかった。

「ブラック金貨を探すのよりは労力はかかるだろうけど、
 帰るついででいつもどおりのようにすればいいだけだもの……フフッ、楽勝ね。」

 大したこともなせず死んでいった少女を憐れみながらも、
 有効活用しようと支給品を手に取ろうとそれへと手を伸ばす。
 早くも優勝への第一歩が用意できる。気分は極めて高揚に近しいものだった。










「まったく、黙って聞いていればせこい奴だな。私も言えないが。」

 背中から冷や水をかけられたような感覚がした。
 ありえない。あってたまるか。そんなはずがない。
 他に人気はない。つまりここにあるのはしたいと自分たちだけ。
 だというのに、今の声色とした方向は、刎ねた首から発せられた。

「は?」

 間抜けな声しか出てこなかった。
 いや、しかし。少し考えれば理解できる。
 首を撥ねたのだ。ならばもっと出血多量のはずだ。
 しかし出たのはちょっとした軽い血飛沫と言えるかどうか程度。
 今姿を見せてるブーケガルニは彼女を精巧にもした人形であり、これも彼女が操って自身だと思わせてる。
 首輪がないので首元はそこらで調達したチョーカーみたいなのでごまかして隠してはいるが、それは置いといて。
 人形を使ってるということは、相手が人形みたいに出血をさほどしない、特殊な存在だと気付けるということだ。

「何で……!? 首を切り落としたはずでしょ!?」

「首って斬り落としても動くだろ? その数秒の悪あがき。」

 そんなもの数秒しかもたないはずでしょ、
 なんて突っ込みたくもあるが少女の顔が上がり目が輝く。
 眩い光は兄、ユバの消去プロミネンスを彷彿とさせるもので、
 いくら人形とはいえ早々に消費するわけにはいかない代物なのは変わらない。
 相手は首を刎ねられても生きている。その化け物っぷりはビシソワーズ家でもいない。

「退くわよロイド! 何をするかわかったものじゃないわ!!」

 何がくるかわかったものではないのでブーケガルニはロイドと共に撤退。
 想像通り、というわけではないものの、少女の目からは赤い光線が放たれ、
 近くの建物の壁を貫通するほどの攻撃力を発揮するも、ブーケガルニとロイドはいなかった。

「人間は本当に騙されてくれる。いや、あれはもう人間ではないと思うけど。」

 パッパッと汚れを払いながら首なしの少女は身体を起こし、
 同じように顔についた土汚れを払い落しながら、フィギュアのパーツのように顔を置いた。
 これが彼女、赤蛮奇の『首を飛ばす程度の能力』の一端である。デュラハンのように顔を分離可能な能力だ。

「いや、実際危なかった。たまたま剣が抜くのが見えたのが幸いだった。」

 そのおかげで咄嗟に首から下の姿勢を低くして、首を刎ねられるふりをした。
 反応や位置が悪ければ首輪にあたって爆発してお陀仏だった可能性もあり、
 クールに対応こそしているものの、大分状況はぎりぎりだったものであった。
 刎ねられたふりをして花京院がどういう行動をとるのかを観察したかったのもある。
 敵になるような性格ならばと考えたが、正義感は強いらしいので大丈夫そうだ。
 一方で、ロイドのことは騙されたままと見てよさそうなのが悲しいところだが。

「あの堕天使(誤字というか字を知らない)さん、
 私が簡単に頭外せるって分かっててやってるんだろうな。」

 普通の人間は首輪を外す場合、自分の首を外すなどできない。
 だが赤蛮奇にとってそんなもの日常茶飯事で容易なことだ。
 一方で、そんな簡単に外せるなら最初から参加者に選ばないはずだ。
 したということは、このまま首輪を取ろうとしたら何かあるのだろう。
 何となくではあるが察しているので、赤蛮奇はその行動はとらなかった。

「しかし、どうしたものかな。」

 赤蛮奇は大人しい妖怪の方だ。
 人里に隠れ住んでる程度には人と馴染みがある。
 ……まあプライドは高いので斜に構えて実際は馴染めてないが、
 少なくとも人間のいる場所に溶け込んで生活はできる程度には嫌ってない。
 一方で、特別好きでもない。草の根妖怪ネットワークのメンバーとか、
 博麗の巫女とか死なれたらまずいメンバーがいない限りは好きにするつもりだ。
 無論、戦況を鑑みてのことだ。プライドは高いが自分の強さの限界も理解している。
 幻想郷には巫女に限らず強大な妖怪が多い。勿論他の世界からも合わせると余計にいるはず。
 だからすぐには考えない。殺し合いに乗るか乗らないかは、もう少し人を見てからにしておく。

「頭を悩ませるなぁ、本当に。」

 その言葉と共に、少年がサッカーボールを指で回すように、
 人差し指の上でグルングルンと赤蛮奇は頭を物理的に回していた。
 操られたやつ、騙されたやつ、操るやつ。そしてそれを把握してる奴。
 バラバラなスタートを決めることとなった四人の運命やいかに。

【ブーケガルニ@コロッケ!】
[状態]:健康
[装備]:ブーケガルニの人形(首にチョーカーでごまかしてる)@コロッケ!
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:優勝してマッシュ星を救う
1:ロイドを使ってしばらく暗躍する。
2:あれ(赤蛮奇)は何よ!?

[備考]
※参戦時期は少なくともグランドパーティ決勝で真実を知る前。
※能力の制限で操作可能な人間は一人、影武者が破壊されても二人操作は不可能。

【ロイド・アーヴィング@テイルズオブシンフォニア】
[状態]:ブーケガルニに操られてる。
[装備]:剣×2@出典不明。
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~1
[思考]:殺し合いはしたくない
1:なんとか操られる状態から解放されねえと……!

[備考]
※参戦時期は採用された場合書いた人にお任せします。
※現在ブーケガルニにより肉体が操られてます。

【赤蛮奇@東方Project】
[状態]:ダメージ(小)(妖怪なのでそのうち再生するかも)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:生存優先。最悪優勝だけど知り合いとか巫女がいたら別。
1:影狼とか博麗の巫女がいたら何とかしたいところ。
2:ロイドには少しは悪いとは思うけど、まあいいかえるとそれだけ。
3:花京院の方を追う?

[備考]
※参戦時期は少なくとも輝針城終了後以降。
※見えづらいだけでちゃんと首はあるそうなので首輪はついてますが、
 そのまま外せば普通に爆発して死亡します。またそれを察してます。
 簡単に言えば普通の人より下の位置に首輪がついてると思えばいい感じです。

【花京院典明@ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース】
[状態]:健康、遊星号に乗ってる
[装備]:遊星号@遊戯王5D's
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:ベリアルを倒す。また死ぬことになっても後悔はない。
1:ジョースターさんやDIOがいるのかも知っておきたい。
2:ロイド、おそらく君は操られている。それが何かを知らなければ!
3:彼女(赤蛮奇)にはすまないと思っている。

[備考]
※参戦時期は死亡後。因みにグラサンはないです。

【遊星号@遊戯王5D's】
花京院に支給。不動遊星のDホイール。
性能は遊星が作ってるのでお墨付き。
ライディングデュエルもできるが、デッキはないためただの高性能バイク

【ブーケガルニの人形@コロッケ!】
ブーケガルニに支給。彼女に極めてそっくりの人形。
彼女はこれを影武者として戦っていた。今もそれをしている。
最終更新:2026年02月23日 20:14