――私は気が付いたら殺し合いに巻き込まれていた。
殺し合い――だなんて言っても、艦娘の私は深海棲艦と戦ったり、訓練に励む日々。ある意味では毎日が死と隣り合わせだ。
だからいつでも轟沈する覚悟は出来ている。出来ているさ。
なにせ気を抜けば一寸先は死だ。そんな世界だからこそ轟沈を恐れるようなら、戦うことは出来ない。
大破した経験はあるさ。その度に死ぬかと思ったけど、私は生き残っている。
……どうして、かな。自分でも不思議なくらいに悪運が強いようだよ。
でも。
生き残ったのは。
生き残ってしまったのは――私一人なんだ。
私だけが、生き残った。
私たちの大切な部隊――第六駆逐隊は私独りを残して……みんなこの世を去ってしまったよ……。
それは私にとってすごく悲しいことだ。
暁とも、電とも、雷とも――もう二度と会えない。笑い合えない。苦しみを分かち合うことも出来ない。
彼女達は仲間であり、友達であり、姉妹だった。……そんなみんなが轟沈して悲しくないわけがないさ。
――轟沈。
それは艦娘なら避けられない運命だとわかってる。わかっているさ――。
でも。
私たち艦娘は、いつになったら……この使命から解放されるんだい?
私は疲れた。疲れてしまったよ……。
大切な第六駆逐隊を失って……それでも戦い続けなければならない。
そんな毎日に何も思わないと言えば、嘘になる。
それでも戦い続けるしかないんだ。――私は艦娘だから。
そんな使命感がベリアルの願いを叶えるという甘言も跳ね除けた。
……いや、これは使命感だけじゃないな。轟沈していったみんなも、きっとベリアルの甘言には乗らない。少なくとも第六駆逐隊はそういう艦娘達じゃないって私は信じてる。
だから私はベリアルの甘言を跳ね除けられたんだ。みんなの想いを背負っているから――!
……きっとそれでいいんだよね?暁、雷、電……。
私はみんなを心から信頼している。だから……みんなの想いを無駄にしないために戦うんだ。
たとえどれだけの苦行が待ち構えていても。
私が第六駆逐隊の一員で、艦娘であることには変わりないから。
だから私は上を向いて――ああ、その空はあまりにも暗かった。
その昏さを。静けさを嫌いだと言うつもりはないけれど。
いつかこんな閉ざされた闇も、青空が広がればいいな、なんて――そんなことを思うよ。
それが第六駆逐隊の。艦娘の戦ってきた理由だから。
そのために私はこの殺し合いに叛逆するんだ。
結果的に轟沈することになっても、それでも構わないさ。最終的にこの闇に光刺して青空になるなら――。
いや。もしも轟沈してみんなの元に逝けるなら、それもそれで悪くは――。
――ダメだ。
そんなことは考えたらダメなのに。
ふと、そんなことが脳裏を過ぎる。
私が轟沈したら、きっと司令官が悲しむ。……第六駆逐隊のみんなが轟沈した時も、司令官は悲しんだ。
そんな彼をこれ以上悲しませないためにも――私が弱気になるのは良くない。……そう、私は不死鳥なんだ。
司令官は、第六駆逐隊の最期の生き残りである私に気遣ってくれてるいい人だ。そんな司令官を取り残すわけにはいかない。
……司令官は第六駆逐隊のみんなを愛してくれていた。彼もまた精神的に病んでいることは、間違いないから。
だから私は――不死鳥なんだ。
不死鳥じゃなければ、ならないんだ。
第六駆逐隊のみんなが死んで、独り生き残ってしまったけど――司令官には私が居て、私には司令官がいる。
『響は轟沈しないよね……?響は、僕を独りに――』
『当然さ。私は不死鳥だよ、轟沈なんてするわけないじゃないか。だから司令官――私を信じてくれないかい?』
『ありがとう、響……っ!ありがとう……っ!』
――ふと、司令官としたやり取りを思い出す。
あの時の司令官は泣きじゃくりながら私に抱き着いてきたから……彼を慰めるために微笑みながら、抱き返して、ゆっくりと頭を撫でてあげたんだ。ただでさえ童顔の司令官が、更に幼く見えたことをよく覚えてる。
だから――ああ。私は司令官を独りにしない。約束さ。
それに姉妹のみんなの想いだって裏切らない。
そのために。みんな――私に力を貸してくれないかい?
あんな
化け物を――ベリアルを相手にどこまで戦えるか。殺し合いに抗えるか、わからないけど。
それでも私は司令官と第六駆逐隊の想いを背負って――響、出撃するよ!
【響@艦隊これくしょん -艦これ-】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:ベリアルを倒すさ。……それでいいんだろう?みんな
1:みんなの元に逝くのも悪くはない──なんて考えるは、司令官のためにやめるよ。私は不死鳥さ
[備考]
※少なくとも第六駆逐隊が解体された後の時期or世界の響です
最終更新:2026年02月28日 19:23