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火薬の炸裂する重々しい音が、連続して響いていた。
 判る人間ならば、炸裂音の正体がなんであるかは容易に判別できるだろう。
 眩い閃光と共に生じ、光を曳く物体を間断無く吐き出し続けているもの。
 つまりは、銃である。
 “AK–47”と呼ばれる自動小銃だった。

 「どうなってやがるッッ!!!これだけ撃ち込んでもびくともしねぇッ!!」

 絶叫する男の名は、鬼神群平“おにかみ ぐんぺい)。187センチ・120キロの鍛え上げられた体躯を有し、銃器や爆薬の扱いに長け、空手をベースとする戦場格闘技を用いる歴戦の傭兵である。
 敵に捕まり、凄惨な拷問を受けてなお、僅かな隙を見出して拘束を外し、満身創痍でありながら、徒手空拳で敵兵を皆殺しにしてのけた、屈強の猛者。それが鬼神群平である。
 人間相手の殺し合いならば、規格外の怪物でも無い限り、身体能力と技術とを以って必ず屠るだろう。
 その鬼神群平が、一方的に追い立てられ、成す術が無いなどとは、鬼神を知る誰もが想像も出来ない事だろう。
 だが、それは事実であり。つまりは鬼神を襲っているのは、理外の怪物という事だった。

 「虎だってこれだけ食らえば死ぬぞ」

 撃ち尽くした弾倉を排出。巨影から距離を取る為に走りながら、新たな弾倉を手慣れた仕草で再装填し、向かって来る巨影へと再度射撃。
 頭部lから胸部へかけて銃弾が命中するも、巨影は僅かな痛痒も感じた風も無く迫り来る。

 「化け物がッ!」

 鬼神の罵倒も至極真っ当なものと言えるだろう。巨躯を誇る鬼神が、常人に見える3mの体長を有する巨影は、巨(おお)きささえ除けば、身体の輪郭そのものは、只の人間と変わらない。
 だが、耳と鼻が存在せず、口周りから下顎にかけて唇どころか皮膚が無く、歯と赤黒い肉が剥き出しとなってれば話は別だ。
 既に百を超える数の7・62mm弾を撃ち込んで、全く効いた素振りを見せない現実離れした頑強さもあって、鬼神の恐怖を煽り立てる。
 巨影が着込んでいるコートが、銃弾を防いでいるにしても、何故頭部への攻撃が全く効果を発揮しないのか。
 迫る巨影に対し、通用しないAK–47を投げ捨て、渾身のローキックを撃ち込む。
 例え7・62mm弾が通じない怪物でも、岩を砕き、コンクリートを割る鬼神のローキックならば、有効だとなる筈だった。
 鬼神のローキックが、まともに巨影の膝を捉え、鬼神の足に重く硬い手応えが伝わってくるが、巨影は意に介した様子も無く、鬼神へと拳を振るう。

 「チイィッ!」

 素早く後ろに飛んで、拳を避ける。傍目から見れば、巨影拳が生んだ風に押し出された様に見えたdsろう。
 更に後ろへ飛んで距離を開けると、第二の支給品を取り出した。

 「くたばりやがれ!!」

 取り出したM203グレネードランチャーで、巨影の腹を狙って撃つ。
 見事に命中した40mm榴弾が爆発し、蹲った巨影を見て、鬼神は短く息を吐いた。
 流石にくたばっただろう。40mm榴弾を受けて身体が原型を保っている事など有り得ないが、そもそもが得体の知れない化け物だ。
 条理を逸していても、おかしくは無かった。

 「ヘッ、ビビらせやがって……」

 毒吐いた鬼神は、不意に立ち上がった巨影を見た。
 巨影が立ち上がる姿は、ランプから出現する魔王を思わせた。
 巨影が迫る。巨躯に相応しい、巨大な拳が振り上げられた。
 拳が押し出した空気だけで、鬼神の髪が逆立った。
 直撃すれば、鬼神の頭部は地面に叩きつけられた水風船の様に破裂してしまうだろう。
 だが、幼い頃から鍛錬に励み、無数の試合と実戦を経て、身体に刻み込んできた空手が。
 傭兵稼業の中で習得し、戦場を往来する中で試し、使い、錬磨した殺人の技術が。
 窮地にあって鬼神の身体を、意識に依らず動かした。
 巨影の振り下ろす拳をダッキングで回避して、巨影の膝に猛烈な前蹴りを入れる。
 岩を蹴った様な感触が、靴底越しに足へと伝わってくが、巨影の動きを止める事には成功した。
 得た好機を逃さず、大きく飛び退って距離を取る。
 通常の相手ならば組みついて間接を極めるなり、締め落とすなりするのだが、巨影の耐久力と膂力は常軌を逸する。
 下手に組みに行けば、単純な力で鬼神の身体が破壊されかねない。
 距離を取った鬼神は、最後の支給品を取り出した。

 「死ねや!化け物!」

 勝機とばかりに、投げつけたのは焼夷手榴弾。
 巨影を中心とした半径2mが、四千度の熱で焼き尽くされる。
 如何に理外の耐久力を持つ怪物といえど、この攻撃には耐えきれまい。
 燃え盛る炎に全身を覆われ、咆哮し悶絶する怪物の姿に、鬼神は満足げに笑った。
 一塊の炎と化して燃え上がる怪物を、勝利の余韻に浸りながら見つめる。
 炎塊が動いた。鬼神の笑顔が凍り付く。
 全身が業火に包まれたまま、巨影の右手が鬼神へと伸ばされる。
 咄嗟に地面に転がって回避すると、咆哮しながら拾い上げたAKを乱射。巨影の全身へと銃弾を浴びせるものの今までと同じく微動だにしない。
 AK–47の弾丸が尽きた。鬼神は鬼気迫る形相で、AKの銃床を用いて巨影を乱打する。

 「死ね!死ね!死ねええええええええ!!!」

 狂乱して叫ぶ鬼神の口を、巨影から伸びた触手が貫き、後頭部から赤く染まった先端が飛び出した。

 「………ッ!…ガッ…」

 白目を剥き、激しく痙攣する鬼神の身体を、触手を振るって放り出す。120kgの身体が軽々と宙を舞う様は、現実味を酷く欠いていた。

【鬼神群平@漫画 ゆうえんち‐バキ外伝‐ 死亡】





S.T.A.R.S. ……

 巨影の口から、死者の怨嗟の声の如き、悍ましい声が漏れた。
 巨影の名はネメシス-T型。通称ネメシス。
 アンブレラ社の狂気の産物であるタイラントに、寄生生物NE-αを植え付け、知能を向上させた生物兵器。
 本来の戦場であるラクーンシティから連れ去られ、ベリアルによりこの蒼穹に浮かぶ島へと放たれたとはいえ、ネメシスの行動原理は変わらない。
 S.T.A.R.S. の殲滅。只それのみ。
 ベリアルに植え付けられた、この島に居る全ての生物の殲滅という使命すら上回る、ネメシスの存在意義。
 この島にS.T.A.R.S. が居れば、ネメシスは全てに優先して殺害に向かうだろう。


【ネメシス-T型 @BIOHAZARD3 LAST ESCAPE】
[状態]:健康
[装備]:対爆コート@ BIOHAZARD3 LAST ESCAPE フォースアーマー@FINAL FANTASYⅥ
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~2
[思考]:皆殺し。S.T.A.R.S. は最優先で殺す
 1:S.T.A.R.S. …


支給品解説

フォースアーマー@ FINAL FANTASYⅥ
防御力69、魔法防御力68 魔法回避率30の鎧
炎氷雷地風の5属性被ダメージ半減

対爆コート@ BIOHAZARD3 LAST ESCAPE
ネメシスが元から着ている黒いコート
対弾・対爆仕様であるが、ネメシスの暴走を抑える役割も持っている
最終更新:2026年03月08日 23:30