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天を覆うは、使い手なき剣。
十数本の浮遊する刃が、見えない糸に操られるが如く飛び交い、地上へと降り注いだ。
その切っ先が狙う中心で、赤いコートを羽織った白髪の男は、口笛を鳴らしながら余裕を崩さずにいる。
一秒後には自らの体がズタズタに引き裂かれ、肉塊へと変じゆくのを予感していながら、なお。

「フッ」

だが、浮かべた笑みはより獰猛に口端を吊り上げ、二対の腕がバツの字に交差する。

「こいつの試し撃ちにはもってこいだな」

大地すら震わせ、大気を裂炸裂音。
地獄の魔犬の名を持つ二丁拳銃が咆哮を轟かせる。
特別自治都市ビリオンを支配する巨大マフィア組織ミレニオンが開発した、死者を復活させ不死身の兵士とする、ネクロライズ計画。
人道に背き、命を弄ばれたのを代償に手にした不死の戦士、その尋常ならざる膂力ですら、操ることは不可能とされた巨大銃を、男は軽々と片手で振り回す。
トリガーに掛けた指先は、旋律を奏でるが如く鮮やか。男は、死の舞踏を踊るかのように、自身を取り囲む刃のすべてを撃ち落としてみせた。

「なるほど、人類は魔法も使わずに、これほどまでの武器を作るに至ったのね」

空を舞う魔族は、頷きながら感心した声を漏らす。
弾丸に打ち砕かれ、鉄の破片になってアスファルトに落ちて、魔力で形成された剣は消失していく。
額に二つの角を生やした頭を揺らしながら、無名の大魔族ソリテールは知的好奇心を刺激され、半人半魔のデビルハンター、ダンテの握る銃に吸い込まれるように視線を向けた。

「人間は殺傷を得意とする生き物だとされているようだけど、納得ね」

魔族という人類の上位種に位置するソリテールにとって、実感は薄いものの、人類の技術を発展させる速度は凄まじい。
人を殺す魔法(ゾルトラーク)を一般攻撃魔法として普及させ、誰もが使えるように改良したように、あの銃という代物はソリテールの知らない世界で、人を殺すものとして畏怖を集めているに違いない。
誰もが指先に少し力を籠めるだけで、火薬が弾けて鉛弾が肉を穿って骨を砕き、臓器を破壊する。
こんなにも、コスパのよい武器はない。

「君のそれは、またその銃の中でも特別例外なんだろうけど」

とはいえ、人間を殺すのに特化しただけの武器が魔族に通じることはない。
肉体の損傷による致命傷の度合いが、人間と魔族とでは異なるからだ。
何より、ダンテの握る二丁の銃は、そこいらの怪力自慢の魔族ですら手を焼く代物だ。
一発一発の威力の高さに比例した反動と、体に走る衝撃は到底人類では耐えきれない。
それこそ、墓場を超えてやってきた最強の死人か、

「うん。やっぱり、ただの人間じゃない。時々、勇者のような強い人間も現れるけど、君は違う」

あるいは、伝説の魔剣士の血を引くデビルハンターでもなければ。

「信じられないけど、君は人と魔族のハーフ」

両手の指の腹を合わせて、物思いに耽るソリテール。

「人とも魔族とも区別のつかない混じった魔力、まさかとは思ったけれど……。
 ねえ、お父さんとお母さん。どちらが人でどちらが魔族なの?
 どうやって、二人は出会ったの?
 兄弟は? お兄さんがいる? それともお姉さん? いるのは弟か妹か、全部かな?」

「親の馴れ初めを、喜んで語る奴がいると思うか?」

獰猛な笑みは鳴りを潜め、ダンテは呆れたように溜息を吐く。
話にならねえよ。そういうニュアンスを込めたアクションを見て、ソリテールは笑みを浮かべたまま、悩ましそうに目を細める。

「そっか、やっぱり君の価値観は人間的だ」

それは観測だった。人間が未知のものを未知のまま対処するように、ソリテールも倣って、同じように未知の存在を観測していた。
魔族は家族を形成しない。だから、親についてあんな返しをできるダンテは、人外の血を引きながら人間とほぼ同じ感性を持っている。
そう、ソリテールは目にした情報から、推測する。

「なんで魔族が人と交わったのか、とても興味深いけど、これ以上は教えてくれそうにないわね」

「俺を見て、はしゃいでいるところ悪いが、ご期待には添えないだろうよ。
 俺の専門は悪魔だ。魔族ってのは、知らねえな」

「そう……魔族ではないのね。でも、君の存在は迷惑なの」

冷たく言い放つと同時に、ソリテールの剣がダンテの胸を貫いた。

「ッ!!?」

「傍から見れば、人類と魔族の共存……君はその理想の体現者とも言える」

ぐらりと赤い体躯が揺らぐ。だがソリテールは容赦しない。
腕を、足を、次々に剣が突き刺さり、ダンテの四肢から鮮血が噴き出した。

「君という前例を見て、余計な期待を抱く魔族が現れるかもしれない」

言葉を重ねるたびに、新たな剣が肉を裂く。

「それは、困るの」

だって、私たちに人間は決して理解できないのだから。
言葉には出さず、心の中でそう切り捨てると、ソリテールは背中から血溜まりに沈んだダンテを、追い打ちをかけるように無数の剣で縫い止めた。
物言わぬ亡骸と化した相手へ淡々と語りかけながらも、彼女は剣を操る魔力操作の手を緩めない。

「だから、できればここで死んでほしかったんだけど」

ソリテールはやはり笑っていた。地上で串刺しになり、地面に縫い付けられた血だらけのダンテが、指を折り曲げたのを見て、予想通りとでも言わんばかりに。

「うん、駄目か」

ソリテールの背後、地上数十メートルの上空を漂う彼女を強襲したのは、天から舞い降りたダンテだった。
剣と呼ぶにはあまりにも分厚い黒鉄の塊、それは人間が振るうのを考慮されていない作りをした、竜を斬るために鍛え上げた代物。
そして、幾たびの夜を超え、魔を払う剣として昇華された、黒の剣士が駆るドラゴン殺しが、今、魔剣士スパーダの末裔の手で降り下ろされる。

「っ……!!」

膨大な質量を孕んだ剣の一振りを、ソリテールは自らの剣を召喚して迎え撃つ。
五重に重ねた剣の防御が軽々切り裂かれ、ソリテールは自身の前に防御魔法を展開した。
しかし、それをもダンテの剣は容易く突き破り、ドラゴン殺しはソリテールの体を引き裂く。
上空からホームランを打たれたかのように勢いをつけて墜落する様は、まさに隕石のようで、軽やかに華麗に着地するダンテとは対照的だった。
大の男が数人がかりでも持ち上げるのに苦労する大剣を、ダンテは少年がバッドを担ぐような気だるげな仕草で、肩に負う。
ダンテは、身の丈以上はある大剣を背負ったまま、平気でソリテールの落下地点へと歩みだす。
体の節々から血を流した明らかに重傷な肉体であるにも関わらず、その足取りは力強い。

「起きろよ。おねんねのつもりなら、叩き起こすぜ。ここからが本番だろ?」

「……そう。さっきの君の真似をしてみたんだけど」

額から血を流し、服を赤く染めたソリテールは笑みを崩さないまま上体を起こした。
突きつけられたダンテの銃口をまじまじと眺めながら、ソリテールは座ったまま口を開く。

「君は、魔族(わたしたち)を狩り慣れている」

人間を殺すことに慣れた暗殺者は、魔族と人の種族差に慣れる前に殺されやすい。
だが、ダンテは魔族の肉体の頑強さを理解している。
ソリテールの胴体を袈裟懸けに刻まれた裂傷とその多量の血を見て、一切の油断をしていない。
人間の常識では、助からない致命傷であるというのに。
ソリテールが人間を研究し、その理(ことわり)に造詣を深めたように、ダンテもまた数多の人外を狩り、その構造の差異を冷徹に観察し続けてきたのだろう。

この経験則からして、屠ってきた魔族は少なく見積もっても三桁を下らない。
到底、消耗なしで倒せる相手じゃない。

「……やっぱり、私は魔族だわ」

ソリテールは両手を挙げて、降参のポーズを取る。
逃れられない魔族の性質を実感して、ソリテールは用意した逃走経路を迷わず使う事にした。

「命を懸けてまで、種を存続させようなんて無理みたい」

ダンテが剣を降り下ろし、鏃となって飛来したソリテールの剣が甲高い音を立てて弾き飛ばされた。


「よく我慢できるね。あの娘、近くにいるだけで理性が吹き飛ぶほど美味しそうなのに」


衝撃の如く立ちはだかるドラゴン殺しの向こう側には、一人の少女が佇んでいた。

肌に密着した黒いインナーの上から服を纏い、顎のラインで切りそろえられたウェーブの掛かった茶髪。
その隙間からのぞく瞳には、生気が宿っていなかった。
ソリテールは、その瞳を見つめるだけで、溢れ出しそうになる涎を懸命に抑え込んでいた。
魔族を人を食らい糧とするが、特別この少女は魔族の持つ食欲という本能、そのブレーキを焼き切ってくる。

「生憎、ピザとストロベリーサンデーで間に合ってるんでね」

魔族の本能を激しく揺さぶる少女の隣で、あくびでもしそうなほど平然としているダンテ。ソリテールはその姿を、心底興味深そうに観察する。

「そこの君は、どうしてそんな風になったの? お姉さんに教えてほしいな」

ソリテールに話し掛けられた八百歳比名子は答えに窮し、ただ立ち尽くした。

「あなた……妖怪……?」

ぽつりと零れた比名子の声を、ソリテールは聞き逃さない。

「へえ。ヨウカイ……魔族や悪魔の次は、ヨウカイなんてものもいるのね」

比名子が妖怪が実在するのを知ったのは、ここ最近の事だった。
ベリアルと名乗る、恐らくは近江汐莉と同じく妖怪の青年に殺し合いを命じられてから、当てもなくさまよっていた時、ダンテと名乗る男と出会い、悪魔を呼び寄せやすいと言われた。
その直後に、魔族と名乗るあの女性にも、並々ならぬ視線を向けられている。
漂う死臭。
比名子は、戦いなど知らない。その点については、戦闘にまるで明るくないごく普通の少女だ。
それでも生物としての勘、人間が自然を捨て衰えた危険を予知する本能的な直感が呼び起され、理屈を省いてあれは危険な存在であると訴えてくる。

「ねえ、君は何故……期待に満ちた目で私を見てるの?」

汐莉に初めて助けられたあの時、海に引きずり込まれて、訳も分からず深淵で意識が遠のいていく感覚と似ていた。
ずっとずっと遠くにいる、家族の姿を幻視して、心臓が高鳴り……

「たまに見かけるけれど、君は生きるのが嫌になった人間?」

あ、と比名子は声を震わせ、高まる心拍数は最高潮にまで達した。

「おい」

ケルベロスの銃声が轟き、ソリテールの声をかき消した。

「連れねえな。俺を口説きにきたのに、すぐに目移りか?」

「……」

荒々しく暴力的ではあるけれども、それは気遣いである。
あの男なりの優しさなのだろうと、ソリテールは数百年の研究から、そう考える。
出会って一時間も経たない他人の生死を、本気で憂いることができる。それが人間だ。
魔族であるソリテールにとっては想像もできない感情であり、魔族と類を同じくする悪魔という種族の血が流れているダンテが人の感情を理解できてしまうのが、ソリテールにとっての悩みの種となっていた。

(彼を、もしもマハトや魔王様が見たら)

人類との共存という夢物語を、永遠に諦めずに信じ込んでしまうに違いない。

フリーレンに殺され意識が暗転した直後、ソリテールはベリアルに招かれた。
死んだという実感のあったソリテールは、ベリアルが死者を蘇らせる力を持つと仮定する。
二度目の生を授かったのは嬉しいが、それ故に憂慮しなければならないのが、魔王の復活だった。
マハトも魔王も人類との共存を志し、不毛な戦いを引き起こしていた。
マハトはあれだけ戦闘を嫌いながら、結局自ら撒いた種で戦いに巻き込まれ、魔王は人類との戦争を引き起こし、魔族は絶滅寸前にまで減少する羽目になったにも関わらずだ。

共存は危険だ。

マハトや、もしかしたら復活した魔王だけではなく、魔族という種そのものが今度は滅ぼされるかもしれない。
人間か魔族か、そのどちらの種が根絶するまで続く戦争が始まる。
ソリテールの言うお話ではなく、不毛で意味のない無駄な戦争が。
だから、ソリテールはできることなら、ここでマハトと魔王と出会う前に、ダンテという危険因子を殺しておきたかった。

「実はね」

それも叶わなかったが。

「ベリアルはNPCと言っていたかな? 君を襲う前に、近くの魔物をおびき寄せておいたの」

予め、仕込んでおいた保険がそろそろ到着する頃合いだろう。
長々と話し込んで、知的好奇心を満たしながら、時間を稼いだ甲斐があってか、ベリアルが会場に放っていた魔物たちの群れが、ソリテール達を取り囲んでいる。

「わかるよね? 君が私を追いかけてきたら、その娘を守れる人がいなくなる。
 君にはそれができない」

「ちっ……」

空に浮きながら離れていくソリテールを、ダンテは撃つ気配がない。
自分の仮説が当たっているのを、ソリテールはその時に確信した。

やはり、あれは魔族や魔物、悪魔と妖怪にとって至高の贄なのだろう。
魔物たちはソリテールやダンテなど眼中にない。ダンテが守っている比名子へと群がっていた。


「せっかくだ。狂っちまいそうな、ド派手なパーティにしてやるかッ!!」


響き渡る銃声。ダンテの前に、既に十数体の風穴だらけの魔物の死体が積み重なっていたが、魔物たちは臆する様子もなく、比名子だけを見つめ執着していた。
低い知能でも近寄れば死ぬのが分かっているだろうに、彼らは自らの生に無頓着のまま猛進する。


「ああ……そういうことか」


死屍累々と横たわる魔物たちの無惨な死に様を見て、ソリテールは確信した。
かねてより自問していたのだ。かつてフリーレン一行とまみえる前、自分は黄金郷のマハトを始末するつもりだった。
考えを改めさせるよりも、殺す方が手っ取り早い。
そうしなかったのは、単に命が惜しかったからだ。マハトに勝てる見込みがないと悟ったからこそ、より勝算のあるフリーレン一行の殲滅へと計画を切り替えたに過ぎない。
勝ち目のあるフリーレン一行の殲滅に。

だから、同じように、一目見てダンテの実力を見抜いていたソリテールが、ここで魔族の将来を憂いて命を懸けてまで戦う理由はない。

実際に会敵から、ソリテールは一度も名乗らなかった。それは、自身の敗走を想定して名を広められないようにだ。
そこまで強さを測れながら、何故ソリテールはダンテに挑んだのか、自分でも良く分かっていなかった。
魔族の性質に抗うエラー的な行動に、どんな理由があったのか。

「私、あの娘を食べたかったんだ」

だが、ようやく分かった
腑に落ちたソリテールは、自分自身に呆れ果て渇いた笑いを零す。
結局のところ、理性より魔族の本能が勝っただけの事だ。
あの少女の匂いは、そういう化け物の本能を呼び覚ます効力があるのかもしれない。

「ねえ、どうあっても……」

どれだけ思考を巡らせ、どれだけ異端で異常であっても。


「私達は魔族なのよ」


それは、遠い友へ語り掛けるような、静かで穏やかな声だった。



【ソリテール@葬送のフリーレン】
[状態]:胸に裂傷(小)、比名子への関心
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]
基本方針:今は静観。
1:マハトと魔王様がいるなら、人類との共存は諦めさせたい。
2:人と魔族のハーフ(ダンテ)を危険視。
3:あの子(比名子)は食べてみたい。
4:悪魔に妖怪か……。
※死亡後からの参戦です。



パティが母親と再会して、事務所から去りようやく静かになったと思った途端にこれだ。

何処かの島で悪魔が大量発生、珍しく報酬はたんまりと貰えるという話で、情報屋のモリソンと共に仕事に出かけたことまでは、ダンテも覚えている。
しかし、レディとトリッシュを交えた、報酬の争奪戦が始まろうとした矢先、こんな形で一抜けする羽目になるとは、帰ったらモリソンに嫌味をたっぷり聞かされる羽目になるのだろう。

ダンテは剣にこびり付いた血を払って、背中に担ぎ、重い溜息を吐いた。

(妙なもんに巻き込まれた挙句、難儀なことになっちまったしな)

出会った女も訳アリのようで、話を聞こうと思えばベリアルが放ったと思わしき魔物や悪魔に、さっきの魔族を名乗る女まで現れた。

(美味そう、か……)

ダンテに食人本能はないが、一目で、悪魔の血が疼く何かがあった。
この比名子という少女は、化け物を引き寄せやすい。
ダンテが狩り続けた悪魔どもなら、比名子を見て、すぐさま食らいついていたに違いない。
ベリアルが何体化け物を集めているかは知らないが、彼女を放っておけば瞬く間に、連中の美味なおやつへと早変わりだろう。


──────おい、何やってる?


殺し合いに巻き込まれ、一番最初に出会ったこの少女は、空に浮く島の縁から下を見下ろしていた。
殺し合いの恐怖ゆえの自決だろうと、ダンテは高を括り、とりあえず一旦落ち着かせようと声を掛け、


──────スカイダイビングって面じゃねえな。


その少女は怯えてなどいなかった。
安寧を求めるが如く、比名子は静かに空の下を眺めていたのだった。
泣き腫らした目は、今この場で流した涙によるものではない。
体もずぶ濡れで、海水のような匂いが立ち上っている。こんな、海とはほど遠い場所で。


八百歳比名子は、バトルロワイアルが始まる前から、死へと踏み出そうとしていたのだ。



比名子だけは生きて。


誰か悪いわけでもない。
強いて言うならば、運命に嫌われたのだろう。
何かに恨みをぶつけることもできない交通事故で、家族が乗る燃え盛る車が海の底に沈んで、車外に投げ出された比名子にできたのは、ただそれを見つめることだけだった。
鉄の棺桶ごと燃えていく家族たちを、深淵に見送ることしか、できなかった。

その時、家族が残した最後の声、それが比名子が守ろうとした家族の願いだったのに。
何もかも、全てが偽りで。
食べてくれると約束したのも本当はそんな気なんか更々なくて。
生きてと願ったのも、全部、汐莉(ひとでなし)の嘘だった。

信じていたのに。
優しく沈めてくれる海が干上がっていく。気が付けば、こんな空の上にまで遠ざけられて。
ソリテールの死臭すら、蜜のように香る。
今の比名子には、死の象徴である無名の大魔族すら、楽園の誘い手のように思えてならなかった。

だが、それさえも阻まれた。

ダンテという人は、とても強くて、家族の待つ場所から、ますます比名子は離れていく。



「あの……ダンテさんは」


ソリテールが言っていたように、この人が半分が人間でないのなら、汐莉のように人の皮を被った怪物なら。
それなら、いっそ……そんな希望を込めた問いかける。

「私を……食べたく、ならないんですか……?」

あの目に宿る虚ろな光を、ダンテは知っている。
全てを喪ったと悟った人間の目を。
それはダンテ自身も例外ではなかった。
母を殺され恩人と大勢の仲間達を死なせ、実の兄にすら結果として手をかけたダンテに、その気持ちが分からない筈がない。


だが。


「俺を誘うには、百年早いな。お嬢ちゃん」


ダンテはあえて、それを一笑に伏した。




【ダンテ@Devil May Cry(2007年版アニメ)】
[状態]:ダメージ(小)
[装備]:ドラゴン殺し@ベルセルク、ケルベロス(ライトヘッド、レフトヘッド)@GUNGRAVE
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを潰し、ベリアルを狩る。
1:比名子から目を離さない。
2:あの女(ソリテール)を警戒。
3:エボニー&アイボリーとリベリオンを探す。
※最終話直後(シリーズの時系列だと1と4の間)から参戦です。
※制限により、デビルトリガーは長時間維持できず、一度使用するとインターバルが必要です。


【八百歳比名子@私を喰べたい、ひとでなし】
[状態]:健康、全身ずぶ濡れ
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]
基本方針:……。
1:……。
※入水自殺後、汐莉との再契約以前からの参戦です。



『支給品紹介』

【ドラゴン殺し@ベルセルク】
ダンテに支給。
分厚く、身の丈を超える長さの大剣。
人以外のものを斬るように作られており、非常に頑丈。
元の使い手であるガッツが超常的な物を斬り続けた事で、霊的な者にも通用する魔剣へと変質しているらしい。

【ケルベロス(ライトヘッド、レフトヘッド)@GUNGRAVE】
ダンテに支給。
ネクロライズを受けて蘇生した、ビヨンド・ザ・グレイヴの愛用する大型二丁拳銃。
装填弾数は10億発。
最終更新:2026年03月09日 18:36