「殺し合い……殺し合いなァ」
禿頭に死覇装の男――斑目一角は今の状況を独りごちた。
殺し合い。それ自体は一角としては嫌いじゃない。むしろ強者と斬り合うことには愉しさを感じるタイプである。
しかし、無関係の者を巻き込んだ殺し合いとなればまた事情は違ってくる。
一角は戦闘狂だが決してバカでも、エドラド戦など例外もあるし場合によるが一時の感情に身を任せ過ぎるタイプでもない。むしろ意外と真面目だ。
十一番隊の雑務だって彼がほとんどやっている。それほどまでに意外と生真面目で律儀な男である。
そして無差別な殺し合いなんていう現世と尸魂界のバランスをめちゃくちゃにして、倫理観の欠片もない催しを彼は良しとしない。
彼はなんだかんだお人好しだし、自分の筋をキッチリと通す漢だ。筋の通らないことを「はいそうですか」と二つ返事で承諾しない。
それにベリアルの言いなりになることもまた気に入らない。当然だがベリアルは直々に倒す。たしかに一角はベリアルが説明している間、何一つとして行動出来なかった。もしかしたらそういう鬼道を使われてたのかもしれないが、生憎と一角は鬼道に詳しくないので知らない。
兎にも角にも、一角はベリアルに生殺与奪の権を握られている。
今でも首輪のヒヤリとした感覚が、それを直に伝えてくる。
だが、それがどうした。
「残念だったなァ、ベリアル。俺をこんなモンで縛れると思ったら大間違いだぜ」
生殺与奪の権など知ったことじゃない。
いや、厳密には一角は自分の命が握られていることを理解している。自分が置かれている状況は拙い状況だ。
しかし、だからと言って怯む男ではない。そんな精神では十一番隊に所属なんてしていられない。
ゆえに一角はベリアルの強さを理解した上で、それでもなお彼に挑むことを選び――挑発した。
彼は腐っても死神だ。
その自覚や誇りはあるし、己が流儀は通す。
殺し合いだからといって無闇矢鱈に殺したりしない。
たしかに強者と斬り合うことは楽しいが、強者という意味ではベリアルという極上の標的が待っている。
それに戦う意志や力を持たぬ相手を殺しても退屈だし、そういう奴らを殺してまで叶えたい願いもない。
だから一角はベリアルに反逆することに決めたのだ。
「それにしてもベリアルをどうにかするには、情報や首輪の解除が必要だな。それにあいつがどこにいるのかわかりゃしねえ」
一角はあくまで冷静だ。無闇矢鱈に首輪がある状態でベリアルに挑むなんて無謀過ぎる。
それにベリアルの居場所についても不明だ。ゆえにこれらを考察する人材は必須だと考える。
「弓親でも参加してりゃあここら辺は丸投げ出来たんだけどなァ。まあもしかしたら俺が知らねぇだけで参加してるのかもしれねぇけど――」
綾瀬川弓親。
一角の親友のような男の姿を思い浮かべる。こういう際に真っ先に彼を思い描くのは信頼している証拠だろう。
ちなみに十一番隊の隊長である更木剣八については尊敬の念こそ抱いているが、こういうのが苦手だということは理解している。というか十一番隊は大半がそんな者で、一角や弓親が珍しいだけだ
「――ま、とりあえず居なけりゃ居ないでしょうがねぇ。その時は別の誰かを探すだけだ」
別に探す対象を弓親に限定する必要がない。おそらくだが、誰かしらそういうのに慣れた参加者が紛れ込んでるだろう。ならばそういう存在を見付ければいいだけの話。だから別に弓親がいなくとも悲観はしない。
そんなことを呑気に考えながら、NPCである虚の集団を斬ッ!と狩っていく。
「でも状況次第だが強ぇ奴がいたら、殺すまではしなくても多少の手合わせくらいはしても、バチはあたらねぇよなぁ」
一角は十一番隊の在り方を体現したような男だ。
もしも強い参加者が居たら、多少のつまみ食いはしたい。もちろん相手が殺人鬼じゃない限り命を奪うつもりはないし、卍解まで使う気はないが。
とりあえずそれだけ決めて、一角は行動を開始しようとして――。
「――で、お前はいつまでそこで覗き見してんだよ」
一角にそんなことを訊かれて草むらから出てきたのは、一人の青年だった。
拙い奴に見つかったという気持ちと彼ならば手を組めるかもしれないという打算的な考えが入り混じる。
「別に覗き見するつもりなかったんだぜ。ただあんな
化け物の集団を一人でどうにか出来る気はしなかったんだよ」
「なんだ、ただの雑魚か?その癖にお前、色々と修羅場を潜り抜けてきたって雰囲気をしてるぜ」
一角の鋭い指摘。
こういう嗅覚はやはり十一番隊に所属してるだけあり、優れている。
いわゆる第六感、というものだろうか。
「……まあ、色々と修羅場を潜り抜けてきてないって言えば嘘になる。これでも俺は元の世界じゃそれなりに有名人だったからな」
「あ?元の世界だァ?」
「ああ、あんたは気付いてなかったのか。ここ、たぶん異世界だぜ。ベリアルがそれっぽいこと言ってただろ。元の世界に帰すとかなんとか」
「そういや、そんなこと言ってたな。殺し合いの
ルールに集中してそこまでは気付かなかったわ」
「まあそういうこと。んで俺は異世界転生者だからベリアルの説明にはすぐ納得がいったってこと」
「異世界転生者?なんだそりゃ」
「この世界に来る前にも、一度異世界に転生したことがあるってことだよ」
「ンだそれ。尸魂界みたいなもんか?」
「あー……どうだろうな。その用語を俺は知らないからたぶん、違うと思うけど。とりあえず俺たちは異世界に連れて来られて殺し合いに巻き込まれたってこと」
「ってことはこの殺し合いにはベリアルみたいな未知の強者が他にもいるってことか。そいつは愉しそうだなァ、オイ!」
「……あんたやっぱり根っからの戦闘狂ってやつ?様子を見てた限り、倫理観はありそうだけど」
「おう。俺は強ぇ奴と戦うのが好きだ。きっと隊長が呼ばれていても喜ぶことだろうぜ」
「あんたも隊長もロクでもないな。まあ倫理観があるだけかなりマシな方なんだろうけどさ」
「そりゃあ俺は死神だからな。自分(テメェ)の筋くらい通すぜ。雑魚を襲ってもつまんねぇしな」
「そうかよ。……ま、でもあんたについて行けば身の安全は保証されそうだな」
「足手纏いならいらねぇ……って言いたいとこだけど、テメェみたいな奴を守るのも死神の仕事ではあるだろうからな。まあ仕方ねぇか」
「これでも俺はただの足手纏いじゃないぞ。便利なスキルなら沢山あるし、サポートも出来る。……と言ってもあんたみたいなタイプはサポートされるのを嫌がるだろうけどな」
「おう、よくわかってるじゃねぇか。強ぇ奴とはなるべく俺一人で戦いてぇ。まあお前が身の危険を感じたらさっさと逃げることだな」
「でもこれは殺し合いだぞ。俺のサポートで勝ち続けることでもっと強い奴に会えるかもしれないのに、それでいいのか?」
「上等だ。こちとら普段から命のやり取りしてるんだからな」
「じゃあ言い方を変える。俺なんかが一人で逃げてもどうせそこら辺で死ぬだけなのに、あんたはその意地を張って俺を見殺しにするのか」
「――ハッ」
一角は青年――カズマの言葉に少し笑った。
いつだったか射場さんに言われたことを思い出す。卍解を出し惜しみ、戦況を悪化させたあの時のことを。
「わかったよ。じゃあ特別にサポートするのを許してやる。でもメインで戦うのは俺だ、邪魔するんじゃねぇぞ」
「言われるまでもないって。そもそもあんたみたいな化け物と対等に並んで戦えるとは思ってないからな」
「そうかよ。……で、ガキ。お前はなんて名前だ?俺は斑目一角だ。十一番隊――って肩書きはお前にゃわからねぇだろうし、別に戦うつもりじゃねぇからいいや」
「カズマ。佐藤カズマだ。どうして俺がこんな物騒な殺し合いに巻き込まれたのかわからないけど、とりあえずそれが俺の名前」
「カズマか。じゃ、これからよろしく頼むぜ。足手纏いの一人でも居た方が餌も釣れるだろうしな」
「なんだよ、その扱い。カズマさんとしては色々と不満はあるけど、まあ一角みたいな化け物に言われたら何も言い返せないから困るんだよな。太陽が昇ったらさぞかし光り輝くんだろうな、お前は」
一角の禿頭を見ながら皮肉気味にそんなことをウダウダとカズマは口にした。
まあ変に緊張してないのは、これまでの経験ゆえだろう。彼の元居た世界もなんだかんだシビアな世界ではある。
「太陽が昇らなくたって俺は光り輝いてるぜ!なんせ俺は殺し合いに呼ばれたツイてる男だからな」
その場でツキツキの舞でも踊ってやろうとした一角だが、カズマの視線が自分の頭頂部に集中して「あーはいはい、そうかよ」って雑にあしらわれる。
「テメェ、なに俺の頭をチラチラ見てんだよ。何か文句あるかコラ」
「いや、別にないぞ。朝になったらすごい光り方をしそうだなって思っただけ」
「ほう、ただ守られるだけの存在の癖に大層な口を効くじゃねぇか。この状況でそれだけ余裕があるなら場数は色々と踏んできたんだろうな」
「ま、そーいうこと」
一角はカズマの態度から彼がやはりただの一般人じゃないことを悟り、ハゲ煽りはとりあえず水に流して彼の実力を認めてやるのだった。
【斑目一角@BLEACH】
[状態]:健康
[装備]:鬼灯丸@BLEACH
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:とりあえず強ェ奴と戦いてぇ。最終的にはベリアルだな
1:一応、死神として戦えないやつの保護くらいは考えてやる
2:俺がいるってことは弓親や隊長もきてる可能性は高そうだが……
3:とりあえずやりたいようにやる。カズマは仕方ねぇから守ってやるよ
[備考]
※ 龍紋鬼灯丸の性能は回復しています。これはスマホにも説明が載ってます
※具体的な参戦時期は決まっていませんが少なくとも破面編以降です
※卍解には何か制限があるかもしれません。採用された際に後続の書き手さんにお任せします
【佐藤カズマ@この素晴らしい世界に祝福を!】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3
[思考]:とりあえず生き残る。ベリアルを倒す方法も考えなきゃな
1:敵はとりあえず本人の意向通り一角任せ。でも場合によっては俺も協力する
2:あいつら(アクア、ダクネス、めぐみんなど)も来てるなら最優先に合流する
3:何か首輪を外す方法が見つかるといいんだけどな
4:ここはきっと異世界で、俺たちは異世界に連れて来られて殺し合いさせられてるんだろうな
[備考]
※ドレインタッチなど制限があれば採用後に書き手さんにお任せします
最終更新:2026年03月09日 18:42