俺ガ 護ル
蒼空が広がる会場内にて、二者が戦闘を繰り広げていた。
片方は仮面のような物を被りし人型の異形、もう片方は栗色の髪をした青年。
一見するとバケモノの猛攻にどうにか対処する人間という構図。だが実際は逆であった。
「…………」
「…お前は…!」
無言のまま日本刀を以て斬りかかる異形は人間(と言っていいかは怪しいが元の世界ではその扱いなので準ずる)であり、躱し出現させた槍のような剣で打ち止め凌ごうとする青年はケイ素生命体が元の肉体を取り込み再現した人外である。
西洋寄りの剣により日本刀をふっ飛ばさせる青年であったが、宙に浮いたそれは見えぬ何かに絡め取られるかのように動き青年目掛けて振り下ろされた。
一方青年の方も驚きこそ表情に浮かべるが対応には成功。
異形の背後に転移し刀が追いきれない隙に黒い球体を放つ……が空間断裂したそこに標的の姿は無い。
「…私は私によって理解した。埒が明かないとは、こういうことか」
背後に更に転移していた異形により放たれた赤黒い閃光をギリギリのタイミングで回避しながら、畏怖を滲ませた様子で青年は呟いた。
会敵…と言うより出会い頭に一方的に異形が仕掛けてきて以降、ひたすら凌ぎつつ空間断裂により返り討ちにしようと試みていたがその度に転移や高速移動で躱されてしまう状態。
周辺は彼らの流れ弾により削られ消し飛び穴凹まみれの惨状となっていた。
(…口を聞かず叫び声ばかり、理性も無いように見えて…的確にこちらを殺しにかかっている)
分析こそ冷静ではあるものの、青年が感じていたのは恐怖。機動兵器も無しでこれだけ自らを追い込む異形の存在と、その異形にすら枷……首輪を付けて生殺与奪の権を握っている主催者・ベリアル。
2つに怯えながらも、理解した/理解してしまった喪失への恐怖故彼は目前の怪物に抗うことをやめない。
(……あまり使うべきではないだろう…しかし…やるしかない)
封じていた己の読心能力を行使。暴力的だが知性や理性があると判断したが為思考を読めれば…と彼は考えたのである。
(『助ケル 俺ガ 助ケル』)
(っ……!?…だが…!)
「…そこまでして何を助けようと……!」
読心したのは助けるという強い想い。それ故に剣を振るい閃光を放ち、殺し合いに乗っているのだという殺意。
思わず青年は圧倒されそうになるも……動きを読むことにはどうにか成功。
赤黒の光を避けワープで日本刀の追撃を振り切りながら、矢継ぎ早に手を変形させた触手による一撃を異形へとぶち当てる。
「…私はお前によりお前の硬さを理解した」
直撃させるも大したダメージにはならず、空間断裂を当てるか取り込みにかからないとどうしようもないと判断。
ケーブルにより取り込もうとした頃には既に相手は転移ではなく超高速での移動により追いついており……
「─────!」
「…お前の火力もだ。…当たるわけには行かない……私はもう、あの恐怖を理解している!!」
喪失を、痛みを理解しているが為に青年は死に物狂いでそれを避ける。
「無に還る恐怖が…お前にわかるか!?」
出現させたレーザーと黒い球体を同時に斉射。
追尾してくるレーザーの雨霰を異形は転移や高速移動を駆使し避ける中……迫る球体にも対処せざるを得なくなる。
選択したのは…日本刀にエネルギーを纏わせ強烈な斬撃波を放って迎え撃つこと。
そして球体と斬撃波がぶつかり合った果て……異形の前に青年の姿は無かった。
逃げられたことに思うことは何も無く、異形は無言のまま新たな標的を求めて進む。
その肉体は、死神代行黒崎一護の物。されど彼の意識は沈み込み今軀を動かすは内なる虚、ホワイト。
護りたいもの(一護)のため、彼は斬魄刀・天鎖斬月を振るう。
殺し合いに呼ばれる前、自分にとっての天敵たる滅却師(クインシー)とはいえ一護の友(最も当人達は面と向かっては認めないだろうが)である石田にすら、静止という名の邪魔をしたと天鎖斬月を刺すのが彼である。たとえ相手がこうなる前の…あるいはこうなったものの脱却した後の一護その人だろうと、方針などは何も代わりはしないだろう。
黒崎一護にとっての護りたいものと、彼にとっての護りたいものは異なるのだから。
【黒崎一護(完全虚化)@BLEACH】
[状態]:完全虚化中、健康
[装備]:天鎖斬月@BLEACH
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~2
[思考]:俺ガ (一護を)助ケル
0:皆殺し
[備考]
※参戦時期は41巻の第352話「The Last 6」にて石田雨竜を刺してからです。
※参戦時期の都合一護は意識喪失状態にあります。左の角を折れば完全虚化が解除され意識が表出しますが、この場合記憶は無く
ルール等は全く理解できていません。
※響転による転移は長距離移動には使えません。
【支給品説明】
…黒崎一護に当人支給。一護の斬魄刀「斬月」が卍解を果たした姿。
完全虚化中なので手から離れても見えない鎖で引っ張るかのように引き寄せる芸当も可能。
戻せ……我々を、『無』へ…戻せえええ!!!
「……我々…否、私よりも余程
化け物ではないか。
……奴に枷を付けるとは……私は奴によりベリアルと名乗る存在の強大さを理解した」
一方、どうにか撤退を果たした青年はひとりごちる。
(……ベリアル…私はここに居る。……あのような恐怖を、無に帰す恐怖を痛みを……2度も味わうなど!!それに比べれば……!!)
胸の内に同化により学習したものの強大すぎる相手のせいで行き場をなくしている憎しみを秘めながら、自らの名すら知らぬまま…消えたくないと生きることを決めた青年の正体は、宇宙から飛来したフェストゥムのマスター型の1体である。
【イドゥン@蒼穹のファフナー Dead Aggressor】
[状態]:学習してしまった痛みと恐怖へのトラウマ(極大)、精神的疲労(大)、主催者及び異形(完全虚化一護)への憎しみ
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~2
[思考]:消えたくない
0:私は ここに居る。
1:私はお前達(ベリアル、完全虚化一護)により主催者の強大さを知った。
[備考]
※参戦時期は死亡後(同化された後)からです。
※転移は長距離移動には使えません。またワームスフィアーに制限がかけられているかは採用された場合後続にお任せします。
※同化していたマークニヒトの武装は等身大サイズに縮小されますが使用可能です。ただしその分支給品が2つに減らされています。装甲などは展開不能となっています。
※名簿にはイドゥンという名前で載りますが彼は元々個で在ることを望んでいなかったのもあり自分の名前を知りません。自分の名を知るかどうかは当選した場合後続にお任せします。
最終更新:2026年03月22日 11:03