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「いやぁ〜、虚は強力な敵でしたね!」

「いや、お前は何もしてねぇだろ」

 如何にも魔法使いといった服装の少女――めぐみんは死覇装の青年――黒崎一護が虚と呼ばれる化け物を殲滅したのを見届けて「ふぅ……」と安堵の一息をつくと清々しい表情でまるで「私が虚を倒してやりましたよ!」みたいなノリでそんな言葉を口にした。
 そんなめぐみんにすかさずツッコミを入れる一護。どちらかと言えばボケよりツッコミに回りやすい彼らしい反応だった。

 死神代行――なんて肩書きを持ちオレンジの地毛のせいで不良に間違えられやすい一護だが、実はこう見えてグレてないしノリも良い。気の良い兄ちゃんとか、そんな言葉が似合う存在だ。
 元々が普通の学生だし、死神達もなんだかんだノリが良かったり冗談が通じる連中が多く、そこまで生真面目というわけでもない。
 もちろん命のやり取りこそしてきたが、だからといって一護の基本スタンス自体は変わっていないのだ。もっともそのせいで一護は“甘さ(チョコラテ)”を完全に捨て切れていない感もあるが。

 さて。そんな一護だがこの殺し合いは当然、許せない。
 死神代行としての使命がどうこうじゃなくて、何かを護るために戦ってきた彼だからこそ、こんな殺し合いは許せないのだ。
 黒崎一護はスーパーマンじゃない。だから世界中の人を守る、だなんて言わないが。
 それでも山ほどの人を守りないのが一護という男の信念だ。
 そんな一護が大量の人々を巻き込んだ殺し合いを許せるか?
 ――否。断じて否である。

 黒崎一護という男が、こんな殺し合いを許容するなど有り得ないのだ。良くも悪くも一護はそういう性格なのだから。

 殺し合いを許せないという点ではめぐみんも同じ。
 彼女はお世辞にも性格が良いとは言えない。厳密には善寄りではあるのだが、爆裂魔法で傍迷惑なことをしたり、友達のゆんゆんに対してツンケンな態度を取ったり、過去にはゆんゆんからカツアゲ紛いのことをしている。

 めぐみんの名誉のために補足するとゆんゆんにツンケンした態度を取るのは素直になれないだけで実は彼女の心配をしていたり、ゆんゆんからカツアゲ紛いに弁当を奪ったのは家が貧乏でロクに飯が食えない妹のこめっこのためなのだが――まあだからといって許されることかといえば色々と微妙なラインのものが多い。

 というか爆裂魔法の使い方やカツアゲについては明らかにラインを超えてるパターンもある。カツアゲについては事情が事情なので、今はもうしていないが。

 しかしそんなめぐみんにも当然、倫理観というものは存在する。ゆえに人殺しをする気はないし、殺し合いには反対だ。もっとも城に毎日毎日、爆裂魔法を撃ち込んだことならあるのだが。
 それでも無闇矢鱈に人殺しを良しとしないのがめぐみんである。わけがわからないだろうが本当にそういう性格なのだ。ちなみに城に何度も爆裂魔法をぶっ放されたベルディアは一護の友人、茶渡泰虎――チャドと似たような声だったりする。

 さて。常識人寄りの一護と癖が強いめぐみんが最初にどういう邂逅を果たしたのか。振り返ってみよう。

 ◯

 ――殺し合い。
 そんな言葉をいきなり出されても実感はわかず、それでも名前も知らない少女がベリアルとかいう変態のせいで命を落としたのは事実で。
 必然的に私はこの状況を否が応でも嘘やドッキリじゃないと受け止めるしかありませんでした。
 快楽とか、前戯がどうとか。あの変態はとんでもなく下品なヤツですが少女を躊躇なく殺害した時点でその悪意は本物だと察しました。

 星晶獣だかコスモスの代行者だかなんだか知りませんが、あの少女の正義感はきっと本物だし、あんな無惨に死ぬべきじゃない人だということもあの短い生き様でしかと理解しました。

 だから私はベリアルをぶっ倒します!
 そもそもこの殺し合いにはカズマ達やゆんゆん――場合によってはこめっこが巻き込まれてる可能性もあるのです。ならば私に優勝なんて道はなく、そうでなくとも私は爆裂魔法を他人を虐殺するために使う気はありません!
 そう、爆裂魔法を使うならばやはりベリアルのような悪人に対してが相応しいでしょう!

 つまり私は爆裂魔法をベリアルに向けて撃ち、あの悪人を倒した末に英雄として語り継がれるのです!名付けるならば、紅伝説でしょうか!

 そうして殺し合いを打破する決意をした私は、少し歩くと一人の男に出会いました。

「よう。俺は黒崎一護。お前は……この殺し合いに乗ってるわけじゃなさそうだな」

「ほう、そちらから名乗ってくるとは良い心掛けです。ならば私も名乗りましょう!我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法〈爆裂魔法〉を操りし者!」

「……あー。お前が悪人じゃないのはなんとなくわかったし自己紹介してくれたとこわりぃんだけど、知らない単語だらけだな。そもそもお前は魔法を使えるのか?」

「は?当たり前じゃないですか。おかしなことを言いますねぇ。私は紅魔族ですよ!」

「その紅魔族ってのもわかんねぇんだけど……」

「は??正気ですか???」

「……これ、もしかしてアレか。ベリアルが“色んな世界”とか“元の世界”って言ってたけどそういうことなのか?」

 ――最低限のバランスの調整ってのが必要でね。君達には後で道具が支給される。
 ――ただの道具もあるかもしれないが、色んな世界から調達してきたものでね。

 ――元の世界へ返すことと、君の願いを叶えると言うおまけつきだ。どうだい? ギンギンになれたか?

 ふむ。たしかに思い返せば、ベリアルはそんなことを言ってましたね……。

「……それってつまり、私と一護は別の世界の住人の可能性があるということですか?」

「少なくとも俺はそう思ったな。俺の世界には魔法なんてねぇし……まあよくわかんねぇ能力を使うおっさんなら居るけどな」

「ほう、一護の世界には魔法がないのですか」

「死神とか滅却師(クインシー)ならいるけど、魔法使いはいないな。……そういえばめぐみん、ドン・観音寺って知ってるか?」

「いえ、知らないですね」

「やっぱりそうか。俺の世界では有名なおっさんなんだけどな」

「ふむ。そういえば一護は紅魔族を知りませんでしたね。私の世界ではかなり有名なのですが……」

「そっか。じゃあやっぱ俺たちは別の世界の人間って可能性が高そうだな。まあ俺の世界は尸魂界とかもあるからなんとも言えねぇけど、そんなもんがゴロゴロとあってもどうかと思うし」

「尸魂界?うーん……何やらお互いに色々と専門用語が多いですね。互いの世界の情報交換をしませんか?」

「ああ、いいぜ」

 一護がコクリと頷き、私と一護は情報交換しました。

 ◯

「めぐみん。お前、妹が居る姉貴だったんだな」

「はい、そうですよ。こめっこといって、なかなか可愛い妹です!」

「こめっこか。めぐみんと同じであだ名みてぇな名前だけど、ゆんゆんといい紅魔族はそういう名前が多いんだな」

 あだ名みたいな名前!?

「一護!紅魔族のいったいどこがあだ名みたいな名前なのか教えてもらおうか!」

「あー……わりぃ。これも文化の違いだな。めぐみんの世界ではあだ名みたいな名前じゃないのかもしれねえのに悪かったよ」

「そうですとも!紅魔族の名前はこれっぽっちもあだ名っぽくありませんよ!」

「わかったわかった。それにしてもめぐみんにも妹がいるなんてな」

 私に“も”?
 ということは――

「その言い方からして一護にも妹がいるんですか?」

「ああ、いるぜ。俺には夏梨と遊子っていう二人の妹がいるんだ」

「ほう、私より一人多いのですねぇ」

「だな。それにしてもまあ、めぐみんが姉貴ならカズマ達以外にも妹のそのこめっこって子も探さねぇとな」

 一護はさも当然のようにそんな言葉を口にしました。
 たしかにこめっこも探すべきです。それは当たり前なのですが、まさか無関係の一護が率先してそんなことを言うとは思いませんでした。

「おや。一護からそんな提案をしてくるとは、もしやお人好しなのですか?」

「別にそんなんじゃねぇよ。ただ俺は山ほどの人を守りたいし、兄貴だからこそ姉貴のめぐみんの気持ちもわかるってだけだ。まあそれをお人好しっていうなら、それでもいいけどよ」

 ――山ほどの人を守りたい。
 そんな子供が思い描く夢のような話を、一護は本気で語ってきました。
 けれども、私はそんな一護の夢を嘲笑う気はありません。

「そうですか、それはとんだお人好しですね。ですが――」

 グッと我ながら力強くサムズアップして。

「きっと一護なら山ほどの人を守れますよ。お人好しってなんだかんだそういうものですからね」

 脳裏に普段は屑なのにいざという時は頼りになるお人好しの変態――カズマを思い浮かべて。
 私は一護に返事をしました。
 それに私はすぐにこめっこの心配をしてくれたこのお人好しを貶す気はありません。……やはり妹の心配をされたら嬉しいのが、姉というものです。

「ありがとな。この殺し合いでも山ほどの人を守りてぇけど…まあとりあえず一緒にいるめぐみんを守らねぇとな」

「ほう、この紅魔族随一の天才である私を守るときましたか!なかなか大きく出ましたね、一護!」

「たしかにめぐみんの爆裂魔法はすげぇみたいだけど、デメリットがキツいんだろ?別にそれをロマンだけの技っていう気はねぇけど、そういうもんはいざという時のためにとっておくもんだぜ」

 ……!
 一護は私を馬鹿にするような様子も見せず、普通の態度で爆裂魔法をそう評価しました。
 ロマン技ではなく、いざという時のための技ですか。
 ……ふふっ、よくわかっていますね、一護!

「たしかにその通りです。我が爆裂魔法はいざという時こそ輝き、どんな敵をも倒すのですから!」

「おう。いざという時は信じてるぜ、めぐみん」

「はい!いざという時は私に任せてください、一護!」

 そんなことを話していると――謎の化け物が私達を襲ってきました!

「これは……!」

「虚だ。ちょっと離れてろ、めぐみん。コイツは俺が倒す」

 こ、これが虚ですか――!

「で、ですが一護1人でこんな化け物をどうにか出来るのですか!?」

「ああ。今まで何度も倒してきたからな」

 一護はデイパックから巨大な刀を取り出すと、それを構え――

「月牙天衝!」

 ただその一撃で、虚を退治してしまいました。
 とんでもない一撃です!月牙天衝――カッコいい必殺技ですね!

 ◯

 そんなこんなで一護とめぐみんは出会い、今に至る。
 めぐみんは一護が虚を倒した際にドヤ顔すると同時に、月牙天衝をカッコいいと目を輝かせていた。
 なにしろ彼女は紅魔族。カッコいいものが大好きなのだ。

「そういやめぐみん、お前が姉貴なら一つ聞きてぇことがある」

「はい、なんでしょうか?」

「兄貴や姉貴ってのがどうして一番最初に生まれてくるか知ってるか?」

「うーん……。あまり考えたことないですが、大切な妹を――こめっこを守るためでしょうか?」

「おう、それで間違いねぇ。めぐみんは姉貴としてちゃんとしてるみたいだな」

 一護はめぐみんの言葉に対して嬉しそうに頷いた。

「そんじゃ、よろしくな。めぐみん。基本的には俺が戦うから、いざという時は頼んだぜ」

 一護は情報交換の時にめぐみんから聞いた“爆裂魔法”を尊重して彼女に声を掛ける。
 爆裂魔法を語る際の熱意を見て、彼女の気持ちを尊重してやろうと思ったのだ。見た目に反してそういう優しさも兼ね備えてるのが黒崎一護という男である。
 しかし爆裂魔法を過信してはいない。いざという時は自分が卍解することを視野に入れている。
 あくまで過信していないだけで、強大な魔法であることはめぐみんの爆裂魔法に対する熱意や言葉、態度から察することは出来るが。

 それでも爆裂魔法のデメリットを考慮すると、あまり使わせる気にはなれない。
 めぐみんが疲労によりまともに動けなくなった時、めぐみん自身が困るであろうことまで一護は考えていた。

 (めぐみんにはこめっこって妹がいるんだ。それにあの答えを聞いた時にわかったけど、こいつは良い姉貴なんだと思う。だからこの殺し合いをなんとかして、妹の元に帰してやりてぇな)

 黒崎一護。
 どこまでも優しく。
 しかし悪く言えばチョコラテ(甘さ)も持ち合わせる死神代行。

 そして爆裂魔法の使い手たる、めぐみん。
 なかなか素直じゃない一面もあり、口や態度が悪いことも多いが根は善性も持ち合わせた紅魔族の少女。

 妹を大切に思う兄と姉はこうして、殺し合いに巻き込まれた。
 されども彼らは前を向く。俯いたりしない。
 ――妹たちの元へ、帰るため。



【めぐみん@この素晴らしい世界に祝福を!】
[状態]:健康
[装備]:めぐみんの杖@この素晴らしい世界に祝福を!
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:ベリアルは私達が倒し、この殺し合いを終わらせてやります!
1:一護と手を組みます!月牙天衝、カッコいいですね……!
2:カズマ、アクア、ダクネスやこめっこ。それとまあゆんゆんも巻き込まれていたら合流してあげましょう
[備考]
※参戦時期はアニメ3期の終了後です
※一護とは別世界であることが高い可能性を知りました
※制限などは採用された際に後続の書き手にお任せします

【黒崎一護@BLEACH】
[状態]:健康
[装備]:斬月@BLEACH
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×0~2
[思考]:この殺し合いでも山ほどの人を守りてぇ
1:めぐみんを守る。妹の元に帰してやりたいしな
2:他の参加者も俺が守る
3:誰か知り合いが参加してたら合流してぇな。誰かによるけどな
4:めぐみんの知り合いも参加してたら合流を目指す
[備考]
※参戦時期は少なくとも尸魂界篇終了後以降のどこか
※ 虚化は制限により無理です
※めぐみんとは別世界であることが高い可能性を知りました
※その他の制限などは採用された際に後続の書き手にお任せします
最終更新:2026年03月23日 02:46