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*無限桃花~The war is coming near~ 352 名前:無限桃花~The war is coming near~[] 投稿日:2010/02/22(月) 22:29:08 ID:Szdlzv1/ (桃花‥‥聞こえるか?) 「うん‥‥」 (大丈夫なんか?腹くくってるんやろ?) 「大丈夫だよ。ちゃんと出来るから」 (こんなんなるんやったら、あと一日だけ孝也の部屋居ればよかったな) 「イヤだよ。出てくって言った手前%E
*無限桃花~The war is coming near~ 352 名前:無限桃花~The war is coming near~[] 投稿日:2010/02/22(月) 22:29:08 ID:Szdlzv1/ (桃花‥‥聞こえるか?) 「うん‥‥」 (大丈夫なんか?腹くくってるんやろ?) 「大丈夫だよ。ちゃんと出来るから」 (こんなんなるんやったら、あと一日だけ孝也の部屋居ればよかったな) 「イヤだよ。出てくって言った手前戻れないし。それに微妙なままより距離置いたほうがいい。‥‥まだ許してないし」 (はは。ガンコな娘や。まぁ私も人の事言えんけどな) 「‥‥昌さん達、大丈夫かな?もし彼方達と戦う事になったら‥‥‥」 (‥‥考えても仕方ない。解ってるやろ。桃花は寄生の事だけを考えとったらええ。闇の軍隊は現実の世界の打倒を目的に現し世に来る。それなら、それを打ち倒すんは人の仕事や) 「‥‥それじゃ私が人じゃ無いみたいじゃない」 (そう聞こえたか?はは。でも大丈夫や。人は結構強いモンやで。今のは凄いやん。あんなん私らの時代にあったら敵わんで) 「わかんないよ」 (え?そうかぁ。ニュースとかでも結構出てるんやけど。まぁええか。さ、そろそろ起きなさい。携帯鳴っとる。たぶん理子や) 「うん。そうする」  最初に桃花の目に飛び込んだのはテーブルの下だった。起き上がって見えたのは四方を囲む狭い壁とパソコンのモニター。無理な体制で寝た為か身体が痛む。座り心地の悪い椅子もそれに一役買っている。  桃花にとっては始めてネットカフェで過ごした一晩だった。  桃花は鳴りつづける携帯の画面を見る。やはり理子だった。 『‥‥おはようございます。桃花さん‥‥』 「おはようございます」 『桃花さん‥‥今どちらに?少し早いですけど、迎えに行きますよ』 「いえそんな‥‥‥すぐ近くに居るんで、歩いて行きます」 『いや‥‥その‥‥お願いします。迎えに行かせて下さい‥‥』 「?」  理子の声は昨日とはまた違い、緊張感に溢れている。あの脳天気な理子に何があったのか? 「理子さん、どうしたんですか?」 『‥‥‥来てるんです‥‥』 「へ?」 353 名前:無限桃花~The war is coming near~[] 投稿日:2010/02/22(月) 22:30:23 ID:Szdlzv1/ 『だから‥‥昨日先輩が言ってた連中が来てるんですよ!』 「ああ、協力してくれるって言ってた‥‥‥」『あんな連中来るなんて聞いてないですよぉ~!もうこの緊張感には耐えられない!一刻も早く脱出したい!だからお願いします、迎えに行かせて下さいぃ~!!』 「え‥ええ、じゃぁ‥‥お願いします」 『あ‥ありがとう!じゃ、また後で!』 「何なの一体‥‥」  理子の緊張の理由は解らなかったが、いつものように指令室のあるビルへ着いた時、少しだけその訳が解った。  そこら中にいるのは『ヤタガラス』のメンバーではないスーツの男達。明らかにいつもの警備とは違う。彼等はビルではなく、その中に居る特定の人物のみを護衛しているSPだろうと、桃花は理解した。  桃花にも、そしてメンバーであるはずの理子にすら厳重なチェックが入り、ようやくビル内へ通された。 「理子さん‥‥‥誰が来てるんです?」 「大物もいいトコですよ‥‥。先輩‥‥馬鹿とは思ってましたがここまで馬鹿とは‥‥‥‥ていうかよく呼び付けられたモンですよ。あー怖」 「はぁ‥‥‥」  エレベーター内で理子は愚痴をこぼす。一体黒丸は誰に協力を求めたのか。  エレベーターの扉が開くと、黒丸とSPが待っていた。 「待ってましたよ。さぁ、既にみんな集まっています」 「昌さん‥‥誰呼んだんですか?」 「今、紹介します。会議室へどうぞ」  黒丸は桃花を会議室へ導く。ドアの前にも歩哨が立ち、睨みを効かせていた。  理子はその場から逃げだそうと、自分のデスクへ歩を進めたが、どうやら逃げられないようだ。 「どこ行くんだ?お前も来い」 「先輩‥‥。よく平気ですね。何したか解ってるんですか?」 「もちろんだ。さぁ、いいから来い」 「ひぇぇぇ‥‥‥」  SPがドアを開く。中に居たのは体格がいい制服姿の男二人と、スーツを着た老人。  老人とはいえ背筋は伸び、その雰囲気は年齢以上の活発さを表していた。 354 名前:無限桃花~The war is coming near~[] 投稿日:2010/02/22(月) 22:32:11 ID:Szdlzv1/ 「ご紹介します。あちらの青い制服の方が田父神航空幕僚長、緑の制服の方が真先統合幕僚長です」  黒丸は彼等をそう紹介した。しかし桃花には彼等の肩書きは理解出来ない。ただ、その制服である程度は予想がつく。 「そしてあちらの方が‥‥テレビでご覧になった事があるかもしれませんね。防衛大臣の南澤大臣です」  理子が緊張するのも無理は無かった。この小汚い会議室に居るのは、3自衛隊の内のトップ二人と、それを統括する大臣。  総理大臣を除けば、事実上の自衛隊の最高指揮官達である。 「あ‥昌さん‥‥!これって‥‥?」 「驚かれましたか?我々は内閣を寄生から護衛するのが任務です。似たような任務を持つ彼等とはパイプがある。我々は秘密組織ですので、支援を求めるとどうしてもトップ連中に偏るんです」 「‥‥‥すごい無茶しますね‥‥」 「なりふり構っていられませんから。利用出来る物はなんでも利用する主義です。自衛隊も使わないと宝の持ち腐れですよ」 「ほう?随分な言い草だな黒丸君」  突然、南澤が口を開いた。 「いきなり呼び付けて会わせたい人とは、そこのお嬢さんの事かね?」 「ええ。紹介が遅れました。彼女が無限桃花さんです」 「な‥なんと?!彼女がか!?」  南澤は驚いた様子で桃花を見た。二人の幕僚長も顔を見合わせている。 「お嬢さん、あなたが本当に無限桃花で間違いないんですね?」 「はい‥‥。そうですけど?」 「これは失礼した。単独で寄生共を撃退するという報告を受けていたもので、てっきりどんな大男かと。こんな可愛らしいお嬢さんだとは思わなかった」 「はぁ‥‥」 「で、黒丸君、私達に会わせて何がしたいんだ?昨日の電話だけではイマイチ状況が把握出来ない」 「解りました。では、桃花さん。昨日話して頂いた影糾の計画、皆さんに話して頂けますか?」 「ええ?!」 355 名前:無限桃花~The war is coming near~[] 投稿日:2010/02/22(月) 22:34:22 ID:Szdlzv1/ 「まぁ心配になるのも解りますが‥‥度々報告は入れているので大丈夫ですよ。彼等も寄生に目を光らせてるのは一緒ですから。今までも部隊の訓練付けて貰ったり武器の流用してもらってるくらいです」 「‥‥解りました」  昨日と同じ説明を南澤達に話す。それは国防を仕事とする彼等にとっては一大事の内容だ。  他の官僚や政治家からはオカルト女の烙印を押されると思われる話だが、彼等は真剣に耳を傾ける。そして、田父神が口を開いた。 「なるほど‥‥‥やはり寄生はただの化け物では無かったか。突然規則性のある動きとなれば気になるのも当然だな」  真先もそれに続く。 「天狗やら鬼やらはいかがわしいが‥‥黒丸が実際に見たとなれば別だろう。監視ネットワークのデータを見る限り、連中は北へ移動している。桃花さんとの意見とも一致している。どこに向かっているやら‥‥。桃花さん、あなたの見解はどうなのですか?」 「え?わ‥私ですか‥‥?」 「ええ。黒丸の報告ではあなたは影糾とかいう寄生を探しているとか。そして我々も黒丸も寄生は影糾の元へ集結しようとしていると考えている」 「うむ。我々としては先程お話し頂いた影糾の戦争計画を何としても阻止しなければなならい。何か起きてからでは意味が無い。そして強力な寄生相手では、残念ながら我々では敵わない」 「つまり、我々はあなたに対して全面的に協力する。代わりに、影糾を何としても消してもらいたい」 「それは‥‥私もそうしたいですけど‥‥」  そこで黒丸が語りだした。ここぞとばかりに。 「そこで南澤大臣のお力をかして頂きたい。現在では我々は遠くまで動けない。動けたとしても人員も少ないし、都内の警備も怠れない」 「何が言いたいんだ?はっきり言いたまえ」 「‥‥総理に直接掛け合って頂きたい。自衛隊に寄生監視作戦を実行してほしい。それと桃花さんへの全面協力。さらに、いざ有事となった場合に備え、自衛隊に対寄生部隊を編成しすぐに展開できる準備を。今すぐに」 「やはり無茶な事を言うな‥‥」 356 名前:無限桃花~The war is coming near~[] 投稿日:2010/02/22(月) 22:36:20 ID:Szdlzv1/ 「ええ。承知してます。北のほうへ監視が伸びれば、寄生の目的地が推測出来ます。その先に婆盆と影糾が居る可能性がある。その後は‥‥‥桃花さんと我々がやります」 「‥‥‥うむ‥‥‥。」  南澤は渋い顔を維持したまま考えこむ。  そして、ゆっくりと語った。 「‥‥‥監視は問題ないだろう。通常の作業として隊員に結界を設置させればいい。情報がここへ集中するよう細工する事も可能だ。そうすれば隊員に寄生の情報が漏れる事は無い。桃花さんへの協力も可能だ。元よりそのつもりだからな。 だが、今から戦闘部隊を編成するのは無理だ。いや、そもそも有事を予測して部隊を動かす事自体、反発が強すぎる」 「‥‥それでは影糾の軍隊が現れたらどうするつもりですか?」 「‥‥まぁ待て。通常のエアパトロールとして戦闘機を飛ばす事は出来る。陸上部隊はわからんが‥‥‥。なんとかなるはずだ」  南澤はそう言うと二人の幕僚長に目をやる。二人は小さく頷き、そのまま退室した。  南澤はSPを呼び付け、同時に現れた秘書にスケジュールを確認させる。  そして部屋を後にした。 「ふう‥‥‥。これで‥‥何とかしてくれると思いますよ」 「昌さん‥‥。なんであんな人達と‥‥」 「ああ、気にしないで下さい。私は昔、陸上自衛隊にいましたから。真先幕僚長は私の上官でした。おかげで妙な人脈もできましたし」  黒丸は飄々と言ってのけた。自分が呼び付けたのが何者なのか理解していないのかと思うほどに。 「先輩‥‥私居る意味ありました‥‥?」 「あれ?お前居たのか理子?」 「‥‥酷い」 ---- [[無限桃花~落つる天~まとめに戻る>無限桃花~落つる天~]]

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