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「いとしのメリー」
114 :いとしのメリー:2011/01/17(月) 15:50:53 ID:/5FkPLKE
メリーさんVSしがない大学生。
そんなにホモホモしくないですごめんなさい
そんなにホモホモしくないですごめんなさい
「わたし、メリーさん」
携帯電話を通話ボタンを押すと、単調な声が響く。マイク越しに聞こえる喧騒からして店にでもいるのだろうか。
「いま、街にいるの」そう一言付け加えると電話は勝手に切られた。
十数分後。
「わたしメリーさん」またかかってきた。今度はカンカンと踏切の音。
何処かで迷子にでもなったか、と心でため息をついた所でまたスピーカー越しに
「いま、家に向かっているの」とだけ聞こえて、電話が切れた。
グツグツと鍋の中身が音を立てる。もう良いくらいかな、と蓋を開け湯気に煽られながらジャガイモの欠片に菜箸を通す。そろそろルーを出してこよう。
「わたしメリーさん」三回目の電話。
「今日はシチューだぞ、とっとと帰って来い」
「今、でっかい犬に吠えられた」若干声が震えている。怖かったのだろう。電話が切れる。
ルーを手で割って鍋に放り込むとぶつぶつと大きな泡が立ってルーがどろどろに溶ける。
かくして野菜と鳥肉の水煮はめでたくホワイトシチューに進化した。めでたしめでたし
携帯電話を通話ボタンを押すと、単調な声が響く。マイク越しに聞こえる喧騒からして店にでもいるのだろうか。
「いま、街にいるの」そう一言付け加えると電話は勝手に切られた。
十数分後。
「わたしメリーさん」またかかってきた。今度はカンカンと踏切の音。
何処かで迷子にでもなったか、と心でため息をついた所でまたスピーカー越しに
「いま、家に向かっているの」とだけ聞こえて、電話が切れた。
グツグツと鍋の中身が音を立てる。もう良いくらいかな、と蓋を開け湯気に煽られながらジャガイモの欠片に菜箸を通す。そろそろルーを出してこよう。
「わたしメリーさん」三回目の電話。
「今日はシチューだぞ、とっとと帰って来い」
「今、でっかい犬に吠えられた」若干声が震えている。怖かったのだろう。電話が切れる。
ルーを手で割って鍋に放り込むとぶつぶつと大きな泡が立ってルーがどろどろに溶ける。
かくして野菜と鳥肉の水煮はめでたくホワイトシチューに進化した。めでたしめでたし
布巾で手を拭いていると、後ろで声がする。
「わたしメリーさん」
「おかえり」振り向くと、程よく透けた少年が鍋を覗こうとしていた。
「シチューだって聞いたから走ってきた」肩が上下して、頬が少し赤い。
「いい加減趣味の悪い悪戯はやめて欲しいんですが」
「やだ」
「というか本名を思い出してください」
「思い出してたらここにはいないよ、馬鹿」口の減らない餓鬼だ。
「わたしメリーさん」
「おかえり」振り向くと、程よく透けた少年が鍋を覗こうとしていた。
「シチューだって聞いたから走ってきた」肩が上下して、頬が少し赤い。
「いい加減趣味の悪い悪戯はやめて欲しいんですが」
「やだ」
「というか本名を思い出してください」
「思い出してたらここにはいないよ、馬鹿」口の減らない餓鬼だ。
「メリーさん」はたぶん中学生のピチピチの亡霊だ。
悪戯で「わたしメリーさん」を掛けている最中に事故で死んだ…というのは本人談。
その拍子に自分の本名やら家族やら全て忘れてしまったというのだから尚更タチが悪い。
今日もまた死んで暇なのをいい事に、「プチ・自分探しの旅」へ出かけていたらしい。毎日毎日勉強漬けの大学生からすれば羨ましい限りの優遇である。
「で、何か手がかりは有ったのか?」
「…むはひからいぬはきはいみたい」勝手にコタツへ入りシチューをほお張りながら「メリー」が答える。
というかいつの間にシチューよそいやがった。やっぱり幽霊ってすばしっこいのか。
突っ込み所は山々だったが、早くコタツに入りたいので自分の分のシチューをよそうと早々にキッチンを後にした。
「あ、そうだ」
これあげる、と紙袋がコタツの上に置かれる。何かの景品らしい。
袋を開けると、フェルト地の羊のぬいぐるみが入っていた。
「…ひつじ?」
「ん、メリーさんといえばやっぱ羊じゃん」
「…どうやって取ったんだよ」お前お金持ってないじゃん、と突っ込む。
「んー?ないしょ」にぃっとまだ幼い顔で笑う彼が恐ろしい。そしてゲーセンの人ごめんなさい。
羊の顔をまじまじと見つめる。プラスチックのくりくりとした目が俺を見つめ返す。
悪戯で「わたしメリーさん」を掛けている最中に事故で死んだ…というのは本人談。
その拍子に自分の本名やら家族やら全て忘れてしまったというのだから尚更タチが悪い。
今日もまた死んで暇なのをいい事に、「プチ・自分探しの旅」へ出かけていたらしい。毎日毎日勉強漬けの大学生からすれば羨ましい限りの優遇である。
「で、何か手がかりは有ったのか?」
「…むはひからいぬはきはいみたい」勝手にコタツへ入りシチューをほお張りながら「メリー」が答える。
というかいつの間にシチューよそいやがった。やっぱり幽霊ってすばしっこいのか。
突っ込み所は山々だったが、早くコタツに入りたいので自分の分のシチューをよそうと早々にキッチンを後にした。
「あ、そうだ」
これあげる、と紙袋がコタツの上に置かれる。何かの景品らしい。
袋を開けると、フェルト地の羊のぬいぐるみが入っていた。
「…ひつじ?」
「ん、メリーさんといえばやっぱ羊じゃん」
「…どうやって取ったんだよ」お前お金持ってないじゃん、と突っ込む。
「んー?ないしょ」にぃっとまだ幼い顔で笑う彼が恐ろしい。そしてゲーセンの人ごめんなさい。
羊の顔をまじまじと見つめる。プラスチックのくりくりとした目が俺を見つめ返す。
「…そっくりじゃん、お前に」
「マジで!?ってかウルトラねーよ」
「お前、人間じゃなくて案外羊の霊かもしれないな。犬嫌いだし」
「いや普通に人間だから…あ、元人間か」
「マジで!?ってかウルトラねーよ」
「お前、人間じゃなくて案外羊の霊かもしれないな。犬嫌いだし」
「いや普通に人間だから…あ、元人間か」
こうして俺とメリーさんの一日は過ぎてゆく。
出来るならもう少しだけ成仏しないで欲しい、と少なからず思う俺がいる。
何だかんだで、メリーさんのいる生活は楽しい。
何だかんだで、メリーさんのいる生活は楽しい。
【END】
メリーさんが本当は乳臭い少年だったらこの世はヘブンだと思って書いてみました。
いかに絡み無しでBLっ気を出すかを試みてみましたが見事な惨敗っぷりです…
お目汚し失礼しました。
いかに絡み無しでBLっ気を出すかを試みてみましたが見事な惨敗っぷりです…
お目汚し失礼しました。