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Yuri-3-027 - (2010/10/26 (火) 09:46:09) のソース

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* 美貴と私:2 清々しい朝に


27 :創る名無しに見る名無し:2010/10/16(土) 14:33:31 ID:cJOmDH/D

 朝、正門を入った所で美貴と出くわした。ヤバいどうしよう。緊張して俯いた私に美貴が声をかけた。 
「おはよ」 
「おはよう……」 
「何?元気ないね?風邪?」 
「うん、ちょっとね……」 
 嘘ではない。ある意味風邪だろう。でも引かせた本人は気付いてないようだけど。 
「大丈夫?一緒に保健室行こうか?」 
「ううん、大丈夫」 
「そう?」 
 はぁ、やってしまった。素直に「うん」って言えばもっと一緒にいられたのに……それにしても……やっぱり美貴はめちゃくちゃ可愛い。
 会うたびに熱は上がっていく。……でも、私の水銀がどんどん上昇すればするほど、そのぶん彼女との距離が遠くなっていく気がする。 

 バレたら嫌われるんだろな…… 

 人気者の彼女に別の友達が声をかけた。私は歩調を落として少し後ろを歩く。この距離でいい。この距離でいいのだ。
 二歩先を歩く美貴の背中を見つめる。一生触れられない。でも見失うこともない。
 でもやっぱり……そうして今日も私は清々しい朝に深いため息を一つ。 

※同シリーズの別エピソードは[[3-018>Yuri-3-018]]、[[3-031>Yuri-3-031]]へ 

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