初桃花ゲットズサー
「とうか、おなかすいた」
「……朝まで待ってくれぬか」
「おなかすいたって言ってるんだよ?」
散々駄々をこねた妹の彼方をなんとか寝かしつけ、私は隠し部屋から刀を取り出した。
寝室をちらと覗くと彼方はよく寝ている。
この子には普通の暮らしをして欲しい。そして女としての幸せを掴んで欲しい。
そのために私は亡き父の『仕事』を継ぐことにしたのだ。
「……朝まで待ってくれぬか」
「おなかすいたって言ってるんだよ?」
散々駄々をこねた妹の彼方をなんとか寝かしつけ、私は隠し部屋から刀を取り出した。
寝室をちらと覗くと彼方はよく寝ている。
この子には普通の暮らしをして欲しい。そして女としての幸せを掴んで欲しい。
そのために私は亡き父の『仕事』を継ぐことにしたのだ。
冬の夜風が肌を打つ。しばし待ち呆けていると一人の侍が暗闇から姿を現した。
「何奴!」
「無限家の桃花と申す。貴様の民への度重なる横暴を聞き、成敗しに参った」
「ほう、私を討とうとは不届き千万。女子とて容赦はせぬぞ」
哀しきことよ。自分より弱き者にのみ力を振るう。
かような者がいかにして私を倒せようか。
「無限流・紫燕閑赦!」
音も無く侍が地に伏せる。幾度となく人を斬ってきたが未だ慣れぬものだ。
さて、早く上様へ報告して日銭を頂かねば。彼方が腹を空かせて待っているからな。
「何奴!」
「無限家の桃花と申す。貴様の民への度重なる横暴を聞き、成敗しに参った」
「ほう、私を討とうとは不届き千万。女子とて容赦はせぬぞ」
哀しきことよ。自分より弱き者にのみ力を振るう。
かような者がいかにして私を倒せようか。
「無限流・紫燕閑赦!」
音も無く侍が地に伏せる。幾度となく人を斬ってきたが未だ慣れぬものだ。
さて、早く上様へ報告して日銭を頂かねば。彼方が腹を空かせて待っているからな。