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ある男の手記。

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ある男の手記。


もう我慢出来ないから奴の話を書く↓。


 俺はなぜここにいるのだろうか。
 既に身体はボロボロだ。栄光の代償とはいえ、あまりに大きい。その栄光すらやがては廃れて忘れ去られる運命だと言うのに。
 冷たいリノリウムの床と配管が向きだしの無機質な壁。真ん中に置かれた会議用のテーブルの上に置かれた軽食と、俺の栄光の切れ端。
 これが今の俺のすべてだ。

 誰も居ない部屋で静かに待つのはもう慣れた。昔はいつも仲間がたが、俺が特別な存在となってからは誰も来ない。それどころか、皆目の色を変えて俺の首を狙ってきやがる。
 ある人はそれも栄光の代償と言った。ふざけやがって。もっとも、そいつもきっと俺と同じ目にあったんだろうけどな。
 遠くから大勢の人間の声が聞こえる。今日もかつての仲間と後輩達が栄光を目指し闘っている。そこに待つのは孤独だと知らずに。

 しかし最近はこの静寂も悪くないと思っている。いろいろ考え事も出来るし、血の気の多い奴と金にならない喧嘩をする事もない。
 孤高ってのはこういう物なのかと、最近ようやく解って来た感じだぜ。

 さて、そろそろ時間だろう。俺はテーブルの上の栄光の切れ端を肩にかけた。チンケな代物だが、込められた意味は大きい。馬鹿な俺でもそれくらい解るさ。

 そしてドアが開き「そろそろ時間です」とヒョロっとした奴が言いに来た。俺は「解った」とだけ言ってそいつについていく。
 着いたのは鉄格子の前。その向こうには栄光えの道が覗いてやがる。そしてそこから俺を呼ぶ声がする。

「‥‥‥では本日のメインイベント!IPWCヘビー級王者!スーパーストロングパンツマシーン入場!」

 相変わらず大仰な入場だ。花道の両脇の観客どもは「SSP!SSP!」と騒ぎ立てまくる。うるさいったりゃありゃしねぇ。
 リングに立った俺は栄光の切れ端を高々とかかげた。ホントは腰が痛ぇからやりたくないんだけど、これも仕事さ。

 さて、今日もこの騒ぐ馬鹿共の期待に応えなきゃなんねぇ。正直もうウンザリなんだが、コイツ等のおかげで今の俺がある事も確かだ。
 やるしかないのさ。俺はチャンピオンだからな。
 俺はスーパーストロングパンツマシーン。
 最強のマスクマンだ。





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