すすめ!ハルトシュラーズ 第6話
531 名前:すすめ!ハルトシュラーズ 第6話 投稿日:2010/03/05(金) 00:55:33 ID:86ZhSzsE
時は交流戦真っ只中。ハルトシュラーズは今日より、仙台ファルコンズとの三連戦を迎える。
試合前のミーティング。監督のほっしーは見るからに不機嫌だった。
原因は、誰もがわかっている。この前の三連戦で、ハルトシュラーズは三連敗を喫していたのだ。
しかも、その内容がよくない。
第一戦は、1失点完投のキョンを打線が援護できず、0-1。
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第二戦は逆に打線が爆発するものの、中継ぎ投手陣が大炎上で逆転を許し、6-9。
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/ ./ ;ィ" ヽ'ヽ "" ,.イ' /.:.:/ !.:.::::::::l.:.! 「たまたま調子が悪かっただけですぅ」
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,イ .,..イ,/(ミヽ.'./^7,イ.:/::.:.:/.:.:..:/* j.:ヽ.:ヽ.:/
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r' ※ ,イ:i::::「(´ /ィ! ヽイ' /::;i:::/.:.:.:,イ. /`ヽ、i,/
そして第三戦は、投打共にまったくいいところがなく0-10で完敗。
これでは監督が怒るのも無理はない。
532 名前:すすめ!ハルトシュラーズ 第6話 投稿日:2010/03/05(金) 00:56:47 ID:86ZhSzsE
「まったく、何をやってんねんおまえら! そんなんでお客様から入場料取って、申し訳ないと思わんのか!」
ほっしーの怒声は、止むことなく続く。
それを真摯に受け止める者も、反発を抱く者も、表情が冴えないという点では同じだ。
だがその中で一人だけ、笑みを浮かべている選手がいた。
元メジャーリーガーにしてハルトシュラーズの一番バッターを務める男・ルパン三世である。
「やっぱりこういうときには……ベテランの俺たちが頑張るべきなんだろうねえ」
ふと漏れたルパンのつぶやきは、ほっしーの大声にかき消され誰の耳にも届くことはなかった。
◇ ◇ ◇
午後6時。Kスタジアム宮城にて、定刻通りに試合開始。
一回表、マウンドに立つのは誰もが認めるファルコンズの大エース・岩クマー。
対するバッターはルパンだ。
「そんじゃまあ、今日もお仕事といきましょうかねえ」
いつもどおりの軽口を叩きながら、ルパンは打席に入る。
一番バッターは、よく「突撃隊長」などと称される。
「突撃」という言葉からは、深く考えず勢いだけで突っ込む、といったイメージを連想する者も多いだろう。
だが、一番バッターとはそんな単純なものではない。
相手の先発ピッチャーと真っ先に対決するのが、一番バッターだ。
ピッチャーの今日の調子、投球の組み立て、そういったものを後続のバッターのために可能な限り引き出すのが、一番バッターの最初の仕事だ。
ルパンは、それを重視する男であった。
第一打席の一球目から打ちにいくようなことはしない。
ツーストライクまでは、バットを振らない。そして追い込まれたあとは、可能な限りボールをカットして球数を投げさせる。
それが、彼の流儀だ。
「ストライク! バッターアウト!」
審判のコールと同時に、球場が割れんばかりの大歓声に包まれる。
本日のルパンの第一打席は、8球粘っての三振であった。
「どうです? 今日のあちらさんの調子は」
ベンチへ戻る途中のルパンに、次の打者である串子が声をかける。
それに対し、ルパンはあくまで軽い態度を崩さずに答える。
「いやー、たぶん絶好調じゃないの? ありゃ、打つのに苦労するよ」
「そうですか……」
ルパンの答えに、串子は表情を曇らせる。
そこに、再びルパンの明るい声がかけられた。
「そう悲観するもんじゃないよ、串子ちゃ~ん。たしかに苦労はするだろうけど、絶対に打てないってわけじゃない。
相手も俺たちと同じ人間なんだから、なんとかなるって。それじゃ、頑張ってね~」
最後まで明るい態度を崩さずに、ルパンは立ち去る。
533 名前:すすめ!ハルトシュラーズ 第6話 投稿日:2010/03/05(金) 00:57:39 ID:86ZhSzsE
「同じ人間……か。まあ、言われてみればそうですよね。例え球界を代表する投手の一人といっても……」
微笑を浮かべつつ、串子は視線をマウンドに向ける。
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| ( _●_) ミ
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/___/__ ヽノ /´> ̄) ←岩クマー投手
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「人……間……?」
まあ、うちのチームにも人間っぽくないのいっぱいいるし。
そう思い直す串子であった。