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温泉界へご招待 ~あるなんでもない一日~

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mintsuku

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温泉界へご招待 ~あるなんでもない一日~


「ふぁ……」

ボーっとする頭が少しずつ覚醒する感覚。

「あー朝かー」

俺は天野翔太はゆっくりと回転を始める頭をたたき起しつつ、起き上がろうとする。
しかし、起き上がれない。
なにか俺の体を押さえつけるようにがっちりと固定してる感覚。
うんこれが金縛りか。と納得しつつ、体を起こすために気合を入れる。

「うおりゃああああ!!」
「きゃっ! うるさいよっ!!」

ん? 何やら近くで声がしたような……と、視線を下に下げていくと、
そこにはがっちりと俺の体を締め付けている、浴衣姿でシャンプーハットを乗っけた湯乃香がそこにいた。
彼女、服を着ると目を回す設定だと思ったけど最近服を着る努力をしているようだ。理由はわからないけど。
まぁ、金縛りの原因もはっきり認識。
とりあえずどうするか二三秒思案した。

「湯乃香……そろそろ動きたいからどいてくれ」
「う、うん」

頷いた後ゆったりとした動作で離れていく湯乃香。
そうそう、はやくどいて欲しい。色々とヤバい。主に俺の理性が。
あ、ほんわりと薫るこの香りはラベンダーかな? 今度ハーブ湯でもやるのだろうか。
とりあえずお互い立ち上がり、恒例の朝の挨拶。

「おはよう」
「おはよう」

あ、なんかぎくしゃくする。一体なんだこの雰囲気。

湯乃香が俺の顔を改めて向く。何この上目目線。男のハートに直撃……って
俺はロリコンじゃない! 俺はロリコンじゃない! 俺はロリコンじゃない!

はっ!? 待てよ! いや、湯乃香は俺よりきっと年上だから、ときめいても何も問題ないじゃないかも?
朝の妙な状態から静かに錯乱する俺の頭をよそに、湯乃香の唇が動こうとしていた。

「あの……」
「グッモーニン! エブリワン!!」

しかし湯乃香の言葉は突然の闖入者に遮られた。
何故か落胆しつつ振り向くと、今ではすっかり見知った一人の少女、アリス・ティリアスの姿。
だが、何かがおかしい。

「どーしたの?」

疑問系を浮かべる彼女に、俺はどういうべきか非常に悩む。結局思った事を口にすることにした。

「その姿。可愛いけど似合ってない」
「どーいう意味よ! この服可愛いじゃない。たしかゴスロリって言うんだっけ?」

そこには黒のゴスロリを着込んだアリスの姿があった。
そう、ロングスカートの裾から見える白いレースっぽい物体以外、何もかもが黒い。
きっとダウナーな雰囲気を湛えた美少女なら似合うのだろう。
だがアリスが着ると、可愛くはあるが、その元気印な雰囲気が全てをぶち壊していた。

「私から見ても可愛いとは思う。でも似合ってない」
「むー。湯乃香までそういう!?」

ぷくって頬を膨らませて怒るアリスの姿はいっそ微笑ましい。
……しかし、そんな姿を見てふと疑問がよぎった。

「あれ? でもそんな服どこにあった?」

それは疑問系。湯乃香が管理する服にそれはなかったはずだった。

「いやー。ちょっとショータ君の世界に行ったら、この服が燃やされそうになってたから、
ちょっとごにょごにょしてもらってきたの。洗ったから綺麗だし、これ気に入ったのよねー」

そう言ってヒラヒラとスカートを揺らす。

「あ、そうか。アリスちゃん最近ちょくちょくいなくなると思ったら、他の世界に遊びに行ってたの?」
「うん。私基本的に旅人だからね。色々な世界に遊びに行ってたよ。もちろん目立たないように、こそこそとよ。
他の世界には一文たりとも表に出てないから安心して!」

胸を張って答えるアリス。いや、でてるわけないよね。今明かされた衝撃の事実なんだから。
ま、その事はとりあえず脇におく。

「そうなんだ。他にはどこに行ってたの?」

どこに行ったのか興味があるのか、湯乃香が聞いている。うん、俺も興味ある。
その言葉にアリスは考え込むしぐさをする。

「んー。例えば……狐の女の子の尻尾、もふもふしてきたよ」
「いきなりの爆弾発言!?」
「いやーあれは気持ちよかった。その後怒られたから逃げたけど」
「それ絶対わかっててやってるよね!?」

俺達の突っ込みもどこ吹く風。アリスは「それとね……」
と言いながら空を一瞬見て視線を戻す。

「後、ゲオルグさんの所の孤児院にケーキ10ホール位プレゼントしてきた」
「……それ、大丈夫か。その幼いなりじゃ怪しまれないか?」
「んー。一応一時的に18歳くらいに見えるようになる魔法薬飲んで行ったから。
 後、ゲオルグさんに直接渡したから大丈夫だと思う。
 私も雰囲気までは変えなかったから、多分私だと気づいてたんじゃないかなぁ」
「それならいいけど」

うーん。そんなことして大丈夫なのだろうか。
他世界に干渉するのはまずい気もするけどなあ。

「大丈夫だって。表に出るようなことはしてないから。なかったことになるだけだって。
一応念のため私だってわかるように『私の大切なゲオルグ様へ アリス・ティリアスより』って書いたから必死で隠してくれるわよ」
「うわぁ……完全に確信犯よね。それ」

湯乃香の言葉には全力で同意だ。その手紙が他の人に見つかってないことを祈る。

「とりあえずはそんなとこねー。さて、今日はどうするの?」

アリスの言葉に湯乃香はハッとした表情になる。
次の瞬間には、きりっとこの世界の主の顔になった。

「うん、じゃ今日は全員でハーブ湯を作るよ! 次来るお客さんのために!」
「おー!?」
「オーケーだ!」


今日も温泉界は平和みたいだ。うん、よかったよかった。




終わり。


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