創発の館に他の桃花が来ちゃったら①
作者:◆wHsYL8cZCc
投稿日:2010/08/20(金) 20:49:58
投稿日:2010/08/20(金) 20:49:58
「……――!!?」
胸騒ぎがした。今までにない程だった。
彼女はそれを胸に抱いたままベッドから飛び起きた。夜中にふと目が覚める事はたまにあるが、今回は普通では無いと直感的に理解した。
それは、自身にとって、そして仲間達にとっても最大の危機が迫っていると、遺伝子に刻まれた情報から読み取っている。そんな気分だった。刻まれた情報を、無意識の内に脳が取捨選択し、その中でもっとも重要な情報は自動で発信される。
その情報はまさしく、睡眠という生命活動に重要な要素を完全に放棄させる程の情報だった。また、彼女はその特性上、他の者よりもそれの感受性が高かった。
彼女はそれを胸に抱いたままベッドから飛び起きた。夜中にふと目が覚める事はたまにあるが、今回は普通では無いと直感的に理解した。
それは、自身にとって、そして仲間達にとっても最大の危機が迫っていると、遺伝子に刻まれた情報から読み取っている。そんな気分だった。刻まれた情報を、無意識の内に脳が取捨選択し、その中でもっとも重要な情報は自動で発信される。
その情報はまさしく、睡眠という生命活動に重要な要素を完全に放棄させる程の情報だった。また、彼女はその特性上、他の者よりもそれの感受性が高かった。
彼女は寝間着姿のままで自室のテーブルへと駆け寄った。
小柄な身体は汗ばんでいた。暑い訳では無かった。それはいわゆる冷や汗だった。
本来であれば寝起きはすぐにポニーテールへと纏められている髪も、今はそのままだった。そんなものどうでもいいとすら今は認識していた。
彼女はテーブルの上に地図を広げた。
そして、その上に奇妙な生き物のような物を解き放つ。まるで生きた黒い毛糸の切れ端のようなそれは、地図の上に落ちるとその上を駆け回る。
見たこともない現象だった。少なくとも、これまでは一度たりともそのような動きはしなかったのだ。
毛糸の切れ端は地図の上をまるで龍が暴れ回るが如く蹂躙し、やがて一カ所に留まった。
そこで、また見たことも無い現象を見せた。
その場に留まったまま、痙攣しているが如く姿を変えはじめた。柔らかい毛糸のようだった先程までとは違い、えらく鋭角な姿となっていた。
それを見た彼女は恐怖した、
それは遺伝子よりもっと深い、彼女を構成するもっとも重要な部分から発せられていた。その情報は彼女に「恐怖せよ」とけたたましく警報を鳴らす。
睡眠を放棄してまで、ポニーテールである事を放棄してまで。
それは彼女達を構成する「設定」という根源から来る最大の警報だったのだ。
小柄な身体は汗ばんでいた。暑い訳では無かった。それはいわゆる冷や汗だった。
本来であれば寝起きはすぐにポニーテールへと纏められている髪も、今はそのままだった。そんなものどうでもいいとすら今は認識していた。
彼女はテーブルの上に地図を広げた。
そして、その上に奇妙な生き物のような物を解き放つ。まるで生きた黒い毛糸の切れ端のようなそれは、地図の上に落ちるとその上を駆け回る。
見たこともない現象だった。少なくとも、これまでは一度たりともそのような動きはしなかったのだ。
毛糸の切れ端は地図の上をまるで龍が暴れ回るが如く蹂躙し、やがて一カ所に留まった。
そこで、また見たことも無い現象を見せた。
その場に留まったまま、痙攣しているが如く姿を変えはじめた。柔らかい毛糸のようだった先程までとは違い、えらく鋭角な姿となっていた。
それを見た彼女は恐怖した、
それは遺伝子よりもっと深い、彼女を構成するもっとも重要な部分から発せられていた。その情報は彼女に「恐怖せよ」とけたたましく警報を鳴らす。
睡眠を放棄してまで、ポニーテールである事を放棄してまで。
それは彼女達を構成する「設定」という根源から来る最大の警報だったのだ。
毛糸のようだった物は幾重にも枝分かし、その鋭角な姿を激しくうねられた。その姿はまるで、真っ黒な、それこそ地獄から現れたような。
「――稲妻……!」
※ ※ ※
波乱呼び込む創発の館。
眼鏡桃花は目が覚めた。何者かの来訪を感じたのだ。
彼女は魔法を使う能力を持っている。館へと到達する者が居れば、彼女はすぐさまそれを知る事が出来るように、館中に一種のセンサーを配置したのだ。
以前に現れた冬の妖精の寄生。あのような事態にすぐさま対処する為に、図書館の資料で知った別の桃花の世界で使用された監視システムを参考にした物だった。
眼鏡桃花は目が覚めた。何者かの来訪を感じたのだ。
彼女は魔法を使う能力を持っている。館へと到達する者が居れば、彼女はすぐさまそれを知る事が出来るように、館中に一種のセンサーを配置したのだ。
以前に現れた冬の妖精の寄生。あのような事態にすぐさま対処する為に、図書館の資料で知った別の桃花の世界で使用された監視システムを参考にした物だった。
狭い範囲であれば参考となった世界よりも遥かに複雑で高度な監視が可能だった。また、彼女の魔法を使う能力は、その精度に磨きをかけている。
そのおかげか、館に来る者が新たな桃花か、それとも寄生か、さらにはハルトシュラーの来訪まで識別出来る程だった。
そして今回は、無限桃花の宿敵、寄生の来訪を告げる物だった。
そのおかげか、館に来る者が新たな桃花か、それとも寄生か、さらにはハルトシュラーの来訪まで識別出来る程だった。
そして今回は、無限桃花の宿敵、寄生の来訪を告げる物だった。
「夜中に来るなんて化け物らしいわね」
眼鏡桃花はポニーテールに髪を纏め、簡単に身支度を整えた。
まずは探知桃花に寄生の居場所を特定して貰わなければならないのだ。彼女の監視システムは優れた機能を有していたが、専門の能力者である探知桃花には及ばない。また、戦闘となれば高い攻撃力を誇る彼女が率先して出向く事となる。
そうなれば監視は探知桃花に一任して置いたほうが有利である。
まずは探知桃花に寄生の居場所を特定して貰わなければならないのだ。彼女の監視システムは優れた機能を有していたが、専門の能力者である探知桃花には及ばない。また、戦闘となれば高い攻撃力を誇る彼女が率先して出向く事となる。
そうなれば監視は探知桃花に一任して置いたほうが有利である。
「さて、まずは皆を叩き起こさなきゃ……。面倒ね」
彼女はそう言って部屋を出ようとした。すると、予想だにしない事態が彼女を待っていた。
ドアがノックされたのだ。
それも何度も、まるで助けを求めるかのように。
ドアがノックされたのだ。
それも何度も、まるで助けを求めるかのように。
彼女は珍しくうろたえた。あまりに不気味だったから。
ただでさえ夜中の来訪者など歓迎すべきではない。さらに、つい先程自分達にとってまさしく不倶戴天の存在が現れたのだ。
嫌な予感が走った。これから一体なにが起きるのかと要らぬ考えが頭を過ぎった。
ドアをノックする者は我慢出来なくなったのか、ついに口を開いて「開けて」と言った。ドアの向こうから聞こえたその声は、眼鏡桃花にとっては非常に珍しい物だった。
ドアを開ける。
そこに居たのは、フードで顔をすっぽり覆った、探知桃花。
ただでさえ夜中の来訪者など歓迎すべきではない。さらに、つい先程自分達にとってまさしく不倶戴天の存在が現れたのだ。
嫌な予感が走った。これから一体なにが起きるのかと要らぬ考えが頭を過ぎった。
ドアをノックする者は我慢出来なくなったのか、ついに口を開いて「開けて」と言った。ドアの向こうから聞こえたその声は、眼鏡桃花にとっては非常に珍しい物だった。
ドアを開ける。
そこに居たのは、フードで顔をすっぽり覆った、探知桃花。
「どうしたのよ!? あなたが一人で来るなんて……。一体どうしたの?」
眼鏡桃花は言った。探知桃花は無言だったが、代わりに手に持った地図を開いて眼鏡桃花へと見せた。
そして、その上で暴れる黒い稲妻は眼鏡桃花にもすぐにわかった。
眼鏡桃花にもそれが何かすぐに理解した。
監視システムを作る際に参考にした、あの世界に現れたそれは、彼女達にとって最悪の敵。
監視システムを作る際に参考にした、あの世界に現れたそれは、彼女達にとって最悪の敵。
「まさか……! あなた探知したのね? 何が来たか……」
探知桃花は頷いた。
「そんな……。上位種は滅びたはずなのに……。それにこの黒い稲妻は、あの最上位種の証……」
眼鏡桃花は恐れた。彼女もまた、設定からくる恐怖を逃れられない。何故ならば、そう設定されているからだ。「無限桃花、寄生を恐れよ」と。
そして探知桃花は、滅多に開かない口でか細く言ったのだ。
そして探知桃花は、滅多に開かない口でか細く言ったのだ。
「寄生が来る。影糾が来る……!」
※ ※ ※
空気がやたらと冷たかったのを彼女は感じた。
石造りの床は丹念に磨き上げられ、暗闇であったのに光を反射しそうな程だった。
石造りの床は丹念に磨き上げられ、暗闇であったのに光を反射しそうな程だった。
彼女は目が覚めた。そして、辺りを見回した。
見覚えは無かった。だが、何となくだが普通の場所では無いとは理解した。 そこは以前、夢で見た魔王と出会った場所に何と無く似ていたのだ。
見覚えは無かった。だが、何となくだが普通の場所では無いとは理解した。 そこは以前、夢で見た魔王と出会った場所に何と無く似ていたのだ。
彼女はまだ完全に目覚めていない頭で考えた。だが、何を考えるべきか、それすらよく分からなかった。
ただ、今は何もすべきではない。やがて向こうからやって来るだろう。そう思った。まるで、何者かにそう教えられているような気になった。
ただ、今は何もすべきではない。やがて向こうからやって来るだろう。そう思った。まるで、何者かにそう教えられているような気になった。
彼女は再び眠りにつく。着ていたベージュのロングコートは保温性に優れていた。彼女は寒い地方の出身であるが、そういう人間は寒さに強いが寒いのは大嫌いなのだ。彼女もまたそうだった。
身体を丸めてそれに耐えた。腹に抱えた一本の刀は、彼女の体温ですっかり生温くなっていた。
身体を丸めてそれに耐えた。腹に抱えた一本の刀は、彼女の体温ですっかり生温くなっていた。
彼女は再び眠ってしまう前に、その刀、村正をしっかりと握った。そして、何と無くあの名前を呼んでみた。
「……ハルトシュラー」
そしてその桃花は、再び眠りはじめた。
※ ※ ※
ロビーは大騒ぎだった。
以前に現れた冬の妖精の寄生。その時ですら相当な事になったが、今回はケタ違い。
あのお喋り桃花が触れ回った「最強の寄生が来ました」という発言は館を大混乱に陥れ、結果ロビーは辺り一面、それこそ無限に桃花だらけといった様相を呈する。
以前に現れた冬の妖精の寄生。その時ですら相当な事になったが、今回はケタ違い。
あのお喋り桃花が触れ回った「最強の寄生が来ました」という発言は館を大混乱に陥れ、結果ロビーは辺り一面、それこそ無限に桃花だらけといった様相を呈する。
サムライポニーテール少女、無限桃花もその騒ぎに乗じてロビーへ駆け付けた。あのお喋りの事だから一回りも二回りも話を大きくしているだろう。しかしながら、寄生が出たとなれば黙っている訳にも行かなかった。
そして、額に汗し、真顔でテーブルの上を見つめる眼鏡桃花と探知桃花を見て悟る。
そして、額に汗し、真顔でテーブルの上を見つめる眼鏡桃花と探知桃花を見て悟る。
「あのお喋りもたまには本当の事を言うんだ」
「酷いねー。まるで私がウソばっかり言ってるみたいだ」
「似たような物だろう」
「なにそれ酷い」
「酷いねー。まるで私がウソばっかり言ってるみたいだ」
「似たような物だろう」
「なにそれ酷い」
いつもと変わらぬやり取りだった。この時はまだ、この桃花は事の重大さに気づいていなかった。
知らなかったのだ。最強の寄生、影糾が一体どういう存在か。以前に図書館で少しだけ見ただけだったのだ。そして、それはたった一人の無限桃花によって滅ぼされたはずだ。そう思っていた。
知っているのは資料でそれをよく調べた眼鏡桃花と、感覚でそれを理解した探知桃花だけだった。
知らなかったのだ。最強の寄生、影糾が一体どういう存在か。以前に図書館で少しだけ見ただけだったのだ。そして、それはたった一人の無限桃花によって滅ぼされたはずだ。そう思っていた。
知っているのは資料でそれをよく調べた眼鏡桃花と、感覚でそれを理解した探知桃花だけだった。
「前みたいに眼鏡が片付けてくれるだろう? なんなら私だって……」
「今回はそうは行かないみたいだよ。だってそれならさっさとやるはずだし、それに見てよあの顔。完全ビビってる」
「それならなおさら。皆で戦えばいい。そういう桃花だって館にはたくさん居るはずだし……」
「今回はそうは行かないみたいだよ。だってそれならさっさとやるはずだし、それに見てよあの顔。完全ビビってる」
「それならなおさら。皆で戦えばいい。そういう桃花だって館にはたくさん居るはずだし……」
テーブルの回りでは眼鏡桃花が他の桃花を必死で説得していた。
何やら意見の対立があるらしい。会議に加わっていないセーラー桃花と(便宜上こう呼ぶ)お喋り桃花はそれを見ているしか無かった。
対立の内容は、セーラー桃花が考えたように、戦闘向きの桃花を集めて一気に影糾を叩いてしまおうという強行派。
もう一つは、影糾が動きだす前になんとかハルトシュラーにコンタクトをとり対応して貰おうという考え。眼鏡桃花の意見だった。
何やら意見の対立があるらしい。会議に加わっていないセーラー桃花と(便宜上こう呼ぶ)お喋り桃花はそれを見ているしか無かった。
対立の内容は、セーラー桃花が考えたように、戦闘向きの桃花を集めて一気に影糾を叩いてしまおうという強行派。
もう一つは、影糾が動きだす前になんとかハルトシュラーにコンタクトをとり対応して貰おうという考え。眼鏡桃花の意見だった。
「……だから、私達じゃ皆殺しにされるわ」
「そうとは限らないでしょ。実際、影糾は他の桃花に負けてるじゃない。なら、これだけ桃花が集まるここなら、いくら最上位の寄生だって……」
「そうとは限らないでしょ。実際、影糾は他の桃花に負けてるじゃない。なら、これだけ桃花が集まるここなら、いくら最上位の寄生だって……」
こんなやり取りがずっと続いていたのだ。眼鏡桃花も彼女達の意見を全て否定したい訳ではない。
なぜならば、「無限桃花、寄生を恐れよ。そして、それを討ち滅ぼすべし」そう設定されているからだ。
出来得るならばそうしたい。だが、調べれば調べるほど。解るのは影糾寄生という存在の恐ろしさ。
恐らく殆どの無限桃花が敗れ去って来たであろう相手である。それに、概ねどの影糾も恐るべき力を持って破壊の限りを尽くす。資料には弱点やらは一切なく、ただその強さだけが淡々と記されていただけだった。
影糾にもそれぞれ設定があり、それぞれ桃花のように違いはあった。だが、その設定の一行目に書かれているのはどれも皆共通の事である。
なぜならば、「無限桃花、寄生を恐れよ。そして、それを討ち滅ぼすべし」そう設定されているからだ。
出来得るならばそうしたい。だが、調べれば調べるほど。解るのは影糾寄生という存在の恐ろしさ。
恐らく殆どの無限桃花が敗れ去って来たであろう相手である。それに、概ねどの影糾も恐るべき力を持って破壊の限りを尽くす。資料には弱点やらは一切なく、ただその強さだけが淡々と記されていただけだった。
影糾にもそれぞれ設定があり、それぞれ桃花のように違いはあった。だが、その設定の一行目に書かれているのはどれも皆共通の事である。
「影糾寄生。無限桃花の宿敵であり、破壊の権化」
そして、それを証明するかのように、図書館の資料にはその最強の寄生が起こしてきた凄惨な疫災ばかり記されていた。おまけに、無限に存在するはずの桃花でそれを倒したのはたった一人しかいなかったのだ。それも相打ちである。
これでは自分の中で最高の威力を誇る魔法を放っても勝ち目はないだろう。これに対処出来る者と言えば、ハルトシュラーくらいしか居なかったのだ。
彼女ならば優雅に紅茶を嗜みつつ、ハエを潰すように倒してくれるはずだ。
他力本願なのは口惜しいが、相手が悪い。
そしてそれを必死に説明するが、残念ながら理解してくれる者は少なかった。
これでは自分の中で最高の威力を誇る魔法を放っても勝ち目はないだろう。これに対処出来る者と言えば、ハルトシュラーくらいしか居なかったのだ。
彼女ならば優雅に紅茶を嗜みつつ、ハエを潰すように倒してくれるはずだ。
他力本願なのは口惜しいが、相手が悪い。
そしてそれを必死に説明するが、残念ながら理解してくれる者は少なかった。
「じゃあもういい。行きたい人だけで行けば」
「……! それはダメよ! それこそ無駄死にになるわ」
「だから分からないじゃない。これほどの数で攻めたら勝てるかも。向こうだってこれだけの桃花を一度に相手した事ないだろうし……」
「解ってないわね。そういう相手じゃないのよ。ヘタに手を付けて目が覚めたら、それこそ館ごと木っ端微塵にされるわ」
「眠ってるならなおさら。今のうちよ」
「……! それはダメよ! それこそ無駄死にになるわ」
「だから分からないじゃない。これほどの数で攻めたら勝てるかも。向こうだってこれだけの桃花を一度に相手した事ないだろうし……」
「解ってないわね。そういう相手じゃないのよ。ヘタに手を付けて目が覚めたら、それこそ館ごと木っ端微塵にされるわ」
「眠ってるならなおさら。今のうちよ」
桃花達は二つのグループに別れる事となった。
一つは戦闘系の桃花をメインに構成された、過激派桃花。
もう一つは眼鏡を中心に非戦闘系桃花を多数含む親ハルトシュラー派。
一つは戦闘系の桃花をメインに構成された、過激派桃花。
もう一つは眼鏡を中心に非戦闘系桃花を多数含む親ハルトシュラー派。
「もう。バカなんだから……。殺されるだけよ」
眼鏡桃花の声などもはや聞こえなかった。
過激派桃花達は集団のテンションと日頃の欲求不満をブチ撒けようとしていたのだ。欲求不満とはずばり、戦闘に対して。なぜなら彼女達は戦闘向きに設定された桃花が大多数なのだ。
そして何より、「寄生を討ち滅ぼすべし」という設定に忠実な桃花達だった。
過激派桃花達は集団のテンションと日頃の欲求不満をブチ撒けようとしていたのだ。欲求不満とはずばり、戦闘に対して。なぜなら彼女達は戦闘向きに設定された桃花が大多数なのだ。
そして何より、「寄生を討ち滅ぼすべし」という設定に忠実な桃花達だった。
「どうしましょう……」
「どうなったんだ……?」
「どうなったんだ……?」
セーラー桃花は眼鏡に話し掛ける。あまり事態を飲み込めていなかった彼女はとりあえずその場に留まっていた。おかげで自然と眼鏡桃花のグループへと成っていた。
他の桃花達の顔ぶれは非戦闘系を中心に、眼鏡を始めとした戦闘系の親ハルトシュラー派。
大人桃花に医者桃花に変態にロリにお喋りに……。
他の桃花達の顔ぶれは非戦闘系を中心に、眼鏡を始めとした戦闘系の親ハルトシュラー派。
大人桃花に医者桃花に変態にロリにお喋りに……。
「……なんだいつものメンバーか」
「どうだっていいわ。それより、何とか魔王とコンタクトしなくちゃ……」
「それほど危険な相手なのか? 出向いた桃花達ならうまくやれば……」
「その出向いた桃花達はほとんど今まで影糾に殺された桃花と大差ないのよ。どう足掻いたって勝ち目は無いの」
「……じゃあどうするんだ? ハルトシュラーが簡単に手を貸してくれるとも思えないが……」
「そうよね……。でもそれ以外の方法は……」
「うーん……。そうだ。影糾を倒した桃花はどうやって倒したんだ?」
「それは……。私達にはそれぞれ能力が一つ与えられている。しってるわよね?」
「もちろん」
「その桃花は、なんと寄生と同じ力を持っていた。それも、影糾と同程度の、全く同じ力を。それがその桃花の能力。
私達と元々が違うのよ。その桃花はその世界の中で『影糾を殺す為』に生まれたとされているから。
寄生を倒す為に、破壊の権化である影糾と同じ能力を……待って」
「?」
「そうか……。そうだった。ここがどんな場所か忘れていたわ」
「どうしたんだ?」
「もう少し冷静になればよかった。その可能性を忘れてたわ」
「だからどうしたんだ?」
「どうだっていいわ。それより、何とか魔王とコンタクトしなくちゃ……」
「それほど危険な相手なのか? 出向いた桃花達ならうまくやれば……」
「その出向いた桃花達はほとんど今まで影糾に殺された桃花と大差ないのよ。どう足掻いたって勝ち目は無いの」
「……じゃあどうするんだ? ハルトシュラーが簡単に手を貸してくれるとも思えないが……」
「そうよね……。でもそれ以外の方法は……」
「うーん……。そうだ。影糾を倒した桃花はどうやって倒したんだ?」
「それは……。私達にはそれぞれ能力が一つ与えられている。しってるわよね?」
「もちろん」
「その桃花は、なんと寄生と同じ力を持っていた。それも、影糾と同程度の、全く同じ力を。それがその桃花の能力。
私達と元々が違うのよ。その桃花はその世界の中で『影糾を殺す為』に生まれたとされているから。
寄生を倒す為に、破壊の権化である影糾と同じ能力を……待って」
「?」
「そうか……。そうだった。ここがどんな場所か忘れていたわ」
「どうしたんだ?」
「もう少し冷静になればよかった。その可能性を忘れてたわ」
「だからどうしたんだ?」
眼鏡桃花は目をつむってぼそぼそとつぶやいていた。呪文を唱えていた。魔法を使うのだ。そして、探知桃花に歩みより耳元で小声で指示を出した。
探知桃花は地図を見る。そして、今だに暴れる黒い稲妻をじっと見ていた。
探知桃花は地図を見る。そして、今だに暴れる黒い稲妻をじっと見ていた。
「やっぱり……。でもまさか本当に来るなんて」
「どうしたんだ一体?」
「そういえば、寄生なんてここには滅多に来ないもの。特に影糾なんてそれぞれの世界で大暴れしてるはずよ。そんな多忙なのがわざわざ来るほうがおかしいし」
「何の話をしているんだ?」
「どうしたんだ一体?」
「そういえば、寄生なんてここには滅多に来ないもの。特に影糾なんてそれぞれの世界で大暴れしてるはずよ。そんな多忙なのがわざわざ来るほうがおかしいし」
「何の話をしているんだ?」
セーラー桃花は眼鏡に問い掛けるが、眼鏡の方は一気に力が抜けたのか反応が無かった。
ようやく返答をしてくれたのは、肩を叩き「どうしたのか?」と強く問い掛けた時。
ようやく返答をしてくれたのは、肩を叩き「どうしたのか?」と強く問い掛けた時。
「はぁ……。出向いた連中に説明しに行きましょ。どんな性格かは知らないけど、向こうだっていきなり襲われて黙ってるとも思えないし」
「どういう事なんだ?」
「……こんな面倒な状況を創る人って言ったら、やっぱりハルトシュラーしか居ないわね。ああ、もう。厄介な人なんだから。まぁいいわ。さ、連中に説明しにいくわよ」
「その前に私に説明してくれ。どうしたんだ?」
「鈍いわね。最強の桃花がここに来たのよ」
「どういう事なんだ?」
「……こんな面倒な状況を創る人って言ったら、やっぱりハルトシュラーしか居ないわね。ああ、もう。厄介な人なんだから。まぁいいわ。さ、連中に説明しにいくわよ」
「その前に私に説明してくれ。どうしたんだ?」
「鈍いわね。最強の桃花がここに来たのよ」
僅かな桃花が佇む館のロビー。その中で告げられた新たな仲間の来訪は、ちょっとした混乱を招いた。
どこかで監視しているハルトシュラーはこれで満足だろうか。それとも、もとから興味が無かったように自ら引き起こした事件にもさほど感心がないのか。
眼鏡桃花は前者である事を祈りつつ、テーブルの上のバームクーヘンを魔法で引き寄せ一口ぱくり。
今頃、出向いた桃花達はどうなってるのだろうか。おそらくは医者桃花が大活躍する事になるであろう。
そう思いつつ、まだ困惑気味のセーラー桃花を尻目にバームクーヘンをもう一口かじった。
どこかで監視しているハルトシュラーはこれで満足だろうか。それとも、もとから興味が無かったように自ら引き起こした事件にもさほど感心がないのか。
眼鏡桃花は前者である事を祈りつつ、テーブルの上のバームクーヘンを魔法で引き寄せ一口ぱくり。
今頃、出向いた桃花達はどうなってるのだろうか。おそらくは医者桃花が大活躍する事になるであろう。
そう思いつつ、まだ困惑気味のセーラー桃花を尻目にバームクーヘンをもう一口かじった。