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創発の館に他の桃花が来ちゃったら0

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匿名ユーザー

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プロローグ

作者:◆wHsYL8cZCc
投稿日:2010/06/19(土) 04:09:24


「本当にやるんですか?
「無論だ。私に二言は無い」

 無限の先の創発の館。
 銀髪の少女と、苦労人のオーラが滲み出る男性が話し合っている。

「なんでわざわざ……。だいたい、裏設定を超えられない桃花を集めるだけがここの目的でしょう? わざわざそれを乗り越えた者を――」
「だからお前は青いのだ」

 男性の言葉を一刀両断する少女は、かけていたソファから立ち上がり、小さな身体でつかつかと男性に歩み寄る。
 見た目はどうみてもただの小さな女の子だが、言動は威厳すら漂い、纏う気配は永遠とも思える底の深さを感じさせる。
 少女――ハルトシュラーは弟子の前まで来ると、少し期待感が篭った声で今後の展望を語りだした。

「可能性の追求だ」
「可能性……ですか」
「そう。この館は言わば出来損ないを集める施設だ。故にここに居るのは出来損ないの桃花ばかり。元無限桃花と戦わせたりもしたが、それだけでは足りないと気づいたのだ」
「だから、ここまで無茶な事をすると?」
「無茶では無い。そもそも創作など想像の力の産物。故に『想像出来得る物』ならばなんでも可能なのだ」
「だから、設定を乗り越え独り立ちした無限桃花をここに引き込むと?」
「そうだ。その無限桃花達がここへ来た事は今だかつて無かった。迂闊だったよ。まだこの館から何かが生まれる可能性を見落として居たとは……」
「しかし……。シカ・ソーニャに皆殺しにされたはずの桃花達を甦らせてまで……」
「言っただろう? 可能性の追求なのだと。およそ創作に関する全ての事に、私は目を光らせねばならない。たとえそれが、『全てが終った』桃花達の物語と言えど……な」

 ハルトシュラーは踵を返し、テーブルのティーポッドからカップに紅茶を注ぐ。予めカップに入れられたミルクとそれは一瞬だけマーブル色を見せた後に混じり合い、見慣れたミルクティーとなる。
 これから行う事も、この一杯のミルクティーのように結果は見えているかも知れない。だが、ハルトシュラーが見たいのは結果ではない。
 紅茶が一瞬見せたような、なんとも言えないマーブル模様。それを求めている。

 分厚い本を手に取り、嬉々としてそれをめくり上げる。その本に書かれているのは、数多い、それこそ無限に存在する無限桃花達。
 そして、あるページを開いて、ニヤリと笑みをこぼす。そして……。

「よし、まず最初はコイツにしよう」
「うわ……。よりによってこの桃花ですか」
「さて、どうなる事やら。この桃花の特性ならば館全体が大騒ぎになるやもしれぬ」
「探知桃花辺りは大騒ぎしそうですね……。しかも伝達係はあのお喋りか……」
「はは。楽しそうじゃないか。よし、最初に館に引きずり込む桃花は決定した。
 まずは桃花の宿敵、寄生と同じ力を持つ、最強の桃花だ!」

 ハルトシュラーは本のページを引きちぎる。そしてそれはハルトシュラーの頭上までひとりでに舞い上がり、閃光を放つ。
 弟子の目は眩む。奪われた視界は真っ白な世界だけを映し、やがて少しずつその本来の機能を取り戻して行く。

 そして見えたのは、創発の館の一角で倒れる黒い剣を持つコートを着た桃花の姿だった――




さて、どうなる事やら?





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