西暦2143年、あの第四次世界大戦から16年たった。
世界地球主義連邦と宇宙開発同盟は一つに纏まり、新地球合同連邦が発足した。
この組織は地球の自治及び宇宙開発を先導する為に作られた、人類を一つにまとめあげる組織として発足する。
だが、この新連邦には南太平洋中立国家郡は参加していない。
それは中立国家郡の成り立ちに関係している。
両陣営にいられない者や、そもそもどちらの思想も受け入れられない者の集まりである中立国家郡は新連邦への参加を国民が拒否した。
その結果、世界は二分されたまま16年も経っていた。
リク・レンストルは崖に腰掛けて空を見上げる。
僅かな休息が妻と重ならない時、彼はこうして一人で空を見上げる。
そこにはかつての戦いに対する感情が渦巻き、これからの未来に対する希望が流れている。
だが彼が真面目に考えていられる時間は長く続かない。
すぐに妻の事に考えが移る。
未だに新婚の熱が冷めないリクはミキの姿を思い浮かべてはにやける。
「お前は相変わらずだな」
後ろから同僚であるロイクに声をかけられる。
リクはいきなり自分の世界から引き戻されて、溜息をつきながら立ち上がれる。
「どうした、連邦が来たか?」
見事にスルーされたロイクは溜息をついて続ける。
「いや、シャトルが近付いてる。リキ総隊長だ」
「おお、やっと来たか!」
リクは急いで立ち上がり、制服についた草を掃って歩きだす。
「既に連絡は取った。彼も乗っているが……」
「何かあったのか?」
言い淀むロイクに緊張を高めるリク。
ロイクは本当に言いづらそうにボソリと言った。
「女連れだそうだ」
ポカンとするリクは言葉の意味を理解すると地面を笑い転げた。
「マジかよ!?目茶苦茶面白い事になってるなぁ、おい!」
「で、ラウル整備班長から例の奴の完成が間近との事だ」
「ひぃ、ひぃ……とりあえず……駒は揃った、かな?」
乱れた呼吸を整えてリクはゆっくりと立ち上がり呟く。
「協力はするが……俺にはお前の考えるように進むかは分からないんだが……」
ロイクが眉間にシワを寄せて言うのに対して、リクはロイクの肩を叩く。
「駄目だぞ?ちゃんと信頼をしとかないと。信じればちゃんと実を結ぶ。俺はそうして生きてるし、そうしなきゃ生きていけない」
「………分かったって、分かったから肩を握り潰そうとするなぁぁ!?」
「反応すればいいんだ」
偉そうに頷くリクに握り潰されそうになった肩をさするロイク。
それを全く気にせず大きく伸びをしてリクは歩きだす。
一瞬海を見ると戦闘の光が見えた。
「やっぱり、一筋縄ではいかないよなぁ……」
事前にリキから受けていた報告とは状況が違うらしい。
最悪の場合に備えて待機しておく必要がありそうだ。
「ロイク、小隊連れて迎撃。リキの生存を優先、シャトルは出来たら援護程度でいい」
「おい、いいのか!?シャトルには――」
「どんなに上質な鉱石でも、キチンと叩かなきゃただの石だ。死の直前ぐらいまで行っといた方が後々楽なんだよ」
「お前………いや、酷いな……」
何か言いたげだったが、ロイクはそれとは別の言葉を呟く。
「俺が怨まれる分には問題無い。……それよりさっさと行かないと、本当にヤバいぞ?」
ロイクはその言葉に慌てて走っていく。
リクは自分も万が一の為に戦闘の準備をしようと走り出すが、足を止めてもう一度海上の光を見つめて言った。
「お前の理由を見せて貰うぞ。アスカ」
世界地球主義連邦と宇宙開発同盟は一つに纏まり、新地球合同連邦が発足した。
この組織は地球の自治及び宇宙開発を先導する為に作られた、人類を一つにまとめあげる組織として発足する。
だが、この新連邦には南太平洋中立国家郡は参加していない。
それは中立国家郡の成り立ちに関係している。
両陣営にいられない者や、そもそもどちらの思想も受け入れられない者の集まりである中立国家郡は新連邦への参加を国民が拒否した。
その結果、世界は二分されたまま16年も経っていた。
リク・レンストルは崖に腰掛けて空を見上げる。
僅かな休息が妻と重ならない時、彼はこうして一人で空を見上げる。
そこにはかつての戦いに対する感情が渦巻き、これからの未来に対する希望が流れている。
だが彼が真面目に考えていられる時間は長く続かない。
すぐに妻の事に考えが移る。
未だに新婚の熱が冷めないリクはミキの姿を思い浮かべてはにやける。
「お前は相変わらずだな」
後ろから同僚であるロイクに声をかけられる。
リクはいきなり自分の世界から引き戻されて、溜息をつきながら立ち上がれる。
「どうした、連邦が来たか?」
見事にスルーされたロイクは溜息をついて続ける。
「いや、シャトルが近付いてる。リキ総隊長だ」
「おお、やっと来たか!」
リクは急いで立ち上がり、制服についた草を掃って歩きだす。
「既に連絡は取った。彼も乗っているが……」
「何かあったのか?」
言い淀むロイクに緊張を高めるリク。
ロイクは本当に言いづらそうにボソリと言った。
「女連れだそうだ」
ポカンとするリクは言葉の意味を理解すると地面を笑い転げた。
「マジかよ!?目茶苦茶面白い事になってるなぁ、おい!」
「で、ラウル整備班長から例の奴の完成が間近との事だ」
「ひぃ、ひぃ……とりあえず……駒は揃った、かな?」
乱れた呼吸を整えてリクはゆっくりと立ち上がり呟く。
「協力はするが……俺にはお前の考えるように進むかは分からないんだが……」
ロイクが眉間にシワを寄せて言うのに対して、リクはロイクの肩を叩く。
「駄目だぞ?ちゃんと信頼をしとかないと。信じればちゃんと実を結ぶ。俺はそうして生きてるし、そうしなきゃ生きていけない」
「………分かったって、分かったから肩を握り潰そうとするなぁぁ!?」
「反応すればいいんだ」
偉そうに頷くリクに握り潰されそうになった肩をさするロイク。
それを全く気にせず大きく伸びをしてリクは歩きだす。
一瞬海を見ると戦闘の光が見えた。
「やっぱり、一筋縄ではいかないよなぁ……」
事前にリキから受けていた報告とは状況が違うらしい。
最悪の場合に備えて待機しておく必要がありそうだ。
「ロイク、小隊連れて迎撃。リキの生存を優先、シャトルは出来たら援護程度でいい」
「おい、いいのか!?シャトルには――」
「どんなに上質な鉱石でも、キチンと叩かなきゃただの石だ。死の直前ぐらいまで行っといた方が後々楽なんだよ」
「お前………いや、酷いな……」
何か言いたげだったが、ロイクはそれとは別の言葉を呟く。
「俺が怨まれる分には問題無い。……それよりさっさと行かないと、本当にヤバいぞ?」
ロイクはその言葉に慌てて走っていく。
リクは自分も万が一の為に戦闘の準備をしようと走り出すが、足を止めてもう一度海上の光を見つめて言った。
「お前の理由を見せて貰うぞ。アスカ」
――それはきっと新しい時代の始まり。
それはきっと新しい世代の始まり。
それはきっと、新しい繋がりの始まり。
それはきっと新しい世代の始まり。
それはきっと、新しい繋がりの始まり。
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