創作発表板 ロボット物SS総合スレ まとめ@wiki内検索 / 「第二十四話 "悪意"の胎動」で検索した結果

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  • Diver's shell
    Diver s shell 第一話 「自信があるから成功とは限らない」 第二話 「日常風景」 第三話 「ε3遺跡(前)」 「ε3遺跡(後)」  「おまけ 銭湯編」 第四話 「休日 ユト編」 「休日 メリッサ編」 第五話 「新人研修?(前)」 「新人研修?(後)」 第六話 「忘却と今」 第七話 「胎動(前)」 「胎動(中)」 「胎動(後)」 第八話 「思い出した記憶」 第九話 「過去」 第十話 「動き出した者共」 十一話 「目標地点へ(前)」 「目標地点へ(後)」 十二話 「真相(前)」 「真相(後)」 「エピローグ」 「運び屋チェルヴィ姉妹の一日」 おまけ 「起きたらとんでもない事になってた」 短編「時の経過」 設定
  • Diver's shell another 『primal Diver's』 第五話
     Diver s shell another 『Primal Diver s』  第五回:【怪物】  第二地球歴五十五年。  ネオアース。アルバトロス墜落現場。遺跡、最深部――  それは眠っていた。一時の休息が必要だったのだ。  目覚めてからまだ僅かな時間しか経っていない。だが、既にそれは成すべき目的を明確に理解していた。  そしてその為に、一度眠る必要があった。  そこはそれと同様、目覚めてからほんの僅かしか経っていないが、昔のようにそれを出迎えてくれた。入口こそ長い年月を経てくたびれてはいたが、中はまるで建造された当初のように調っていた。  それにはおよそ『心』という物は無かったが、その光景は満足が行く物であった。  それは昔から決められていた場所に落ち着き、そこにあった無数の『医師』が作業を開始した。  それの傷は深かった。また、長い時...
  • タイトルは未定だよ!
    人類が地球を捨てたのはもう昔のこと。 人類は新しい棲家として星を第二の地球として改造した。 第二地球を統治する政府に悪感情を抱く輩は少なからず存在する。 国家、民族、人種、その全てを無理矢理纏め上げ、権力を集中した故に歪みが生じ、悪意を育む。 歪みを修正する為には、力を振るう存在が必要である――。 「F事件の疲れも取れないうちに仕事とは人使いが荒いとは思わないか?」 「いえ、全く」 中堅の捜査官と、新人捜査官。 「懲りない奴ら……。しかし妙だ。資金源は断ったはずだが……」 「別の経路が?」 「としか考えられん」 予兆。 発生する、奇妙な事件。 「……この現場から推測出来ることは?」 「新人の私には分かりません」 幾つも並ぶ亡骸と、面影に狂う者達。 ―――機械は笑う事が出来るか? 「根深いな、こいつは。一筋...
  • 鋼鐵の特攻兵外伝―Special Mechanized Infantry― 第一話・下
    <ドク、何も異常はないか? 装備はなくしていないよな?>  シュミッドの姿を確認すると、ギャレンタインも小銃をローレディに構えて窪地を出て、小走りに駆け寄った。 <全て異常なしですよ>  シュミッドは成人男性二人が優に収まるほど大きなベルゲンを揺すってみせた。中に詰め込まれている大量の医療用品と 特殊工具が音を立てた。  ハンス・〝ドクトル〟・シュミッドは裕福な医者の家の生まれで、元々は将来を嘱望されていた優秀な外科医だった。しかし、 熱心なアウトドアマンだった彼からすれば、民間での医療従事は退屈過ぎた。確かに人の命を救う仕事に遣り甲斐があるのも事実だ。 それは素晴らしい仕事だし、誇るべき仕事でもあった。だがそれ以上にもっと心臓を高鳴らせたかったシュミッドは、JDFに入隊して 降下救難員(PJ:パラジャンパー)を目指した。一生に一度の人生ぐらい、自分の好き...
  • 機神幻想Endless 第三話 覚醒者 後編
    「全く……おめでたい日に限って、おめでたくないのが現れるのは、一体、どういう事なんだろうね」 とある校舎の屋上から、うねりとなって動く人波を眺めながら、不機嫌そうな表情で吐き棄てる男子生徒の姿が一つ。 男子学生――イルクレント学園大学部エーテル工学科所属、君嶋悠。彼が不機嫌な理由は唯一つ。 待ちに待った合同学園祭。その初日にも関わらず、無粋で危険な連中が忍び寄る影を察知したからだ。 「開演まで後三十分程……秒殺して戻ってから、速攻で着替えればOKかな」 学園祭で公演予定の喜劇「彦星と織姫」 とある理由で彦星役に抜擢された悠は、台詞を覚えるために何度、朝日を拝んだかさえも分からない。 今までの苦労を台無しにされては堪った物では無いと、危険物処理のために踵を返すのであった。 悠が危険な気配を察知した場所。それはイルクレント学園の裏門から続く路地裏。 元...
  • 第七話 「胎動(前)」
     『Diver s shell』  七話 「胎動(前)」  「―――……外科医から患者へ。………はい。はい。そうです。……ダイヤのエース、赤。……はい、お久しぶりです」  電話の呼び出し音がきっかり三回鳴った後、向こう側で誰かが通話に応える。  「10・10・17絡みの治療箇所に関してですが、つい先ほど病巣の特定及び理由検索が完全に出来ました。はい。点滴よりも、切除のほうでないと対処出来ないかと………はい、では、赤を72本使用しての切除と?」  とある一室で、知的そうでありながら甘い音を含んだ声の女性が喋っている。  携帯電話を持ちつつ、ブラインドの方に歩いていって、外の様子を観察する。腰に手を当てると長い髪の毛が微かに触れ、シャンプーの柑橘系の匂いを振り撒く。  外が明るいというのに、部屋の中の照明には光が点っていない。ブラインド、そし...
  • captar2 MAIN 起 前編
     この物語は悪意に満ちている。  けれどそれだけが全てでは無い。  悪意に満ちているという事は、その逆でもあるという事だ。  悪意とはそれと表裏になる概念があって初めて成り立つのだから・・・。  これは走馬灯である。  黒峰潤也が、琴峰藍の元に駆け寄るまでに黒峰潤也の脳裏に走る記憶の一つ。  全ての終わりであり、全ての始まり。  ブラックファントム捕獲作戦から4ヵ月前。  まだ、黒峰潤也と琴峰藍が出会っていなかった頃、その最悪が最悪と定義づけられた時の物語。  さて、それでは旋律が戦慄となる第二章本編の開幕で御座います。  ―――――ああ、素直じゃ無いなぁ…。 CR capter2  The Nightmare THE MAIN STORY  起 ―Harlequin―  第七機関統括区域 第二区画 ...
  • 「第八話 Festival!」(前)
     『Robochemist!』  第八話「Festival!(前)」  第二地球暦164年 8月18日“入植記念日” 晴れ  HRK学園  いつの国、いつの時代でも、何かしらの出来事を記念する日はあるものである。仮に無くても、お祝い事の一つ二つは確実にあるのが人の世であり、大抵大騒ぎか厳粛かの二択と決まっている。  ネオ・アースにも記念日があり、その中でもHRK学園がお祭り騒ぎになるのは入植記念日なのであった。  入植記念日でもあり、学園創立記念日である今日は、他の場所でも類を見ない大騒ぎが起こる。入植記念日は単なる祝日だが、学園創立記念日が重なれば当然お祭りになるのだ。  そして今日は、二日連続続くお祭りの初日。  合宿を終え、来るべき夏の大会に向けて準備を重ねていたアルメリアらも、今日は勉学も部活も忘れてはしゃごうと決めていた。  学園でも出...
  • 地球防衛戦線ダイガスト 第五話半
    地球防衛戦線ダイガスト 第五話半 私論 戦略兵器孝  海に城が浮いている。  幾つもの鋼鉄の箱を積み重ねた艦橋構造物は、そんな錯覚を抱かせた。まさに『浮かべる城ぞ頼みなる』の歌詞に相違ない景観だった。  艦橋の前には二基、後背に一基、巨大な堡塁のような台が置かれ、そこからは長大な筒が三本づつ天を指していた。  それら鋼鉄の構造物はまるで一個の城砦のごとき形を成し、特徴的な稜線を海の上に形作っている。  何らかの悪意に満ちた色眼鏡を掛けない限り、美しさすら覚えるその力強い姿は、日本人であれば大抵がその名を知っている。  大和、或いは大和級…それを知らずとも、宇宙戦艦となら答えられるだろう。  そしてその映像の彼女もまた、大和級にまつわる絶望的な戦況のご他聞に漏れず、263mにおよぶ長大な総身から黒煙を立ち上らせていた。  奇妙なことに、そういった帝国海軍の黄昏に付き物...
  • 第八話「希望は月にあり」後編(上)
     スペースポートを飛び立ったシャトルは一定の速度を保ちながらゆっくりと上昇していった。  雲を突き抜け、青一色の空に灰色の煙をばら撒いていく。  成層圏に到達すると後方に着いているバーナーからバチバチと軽く火花が飛んだ後、青い炎が灯る。  そしてシャトルは機体の先端をまっすぐに黄色く輝く月へと向け、進んでいく。 「Gカウンター、0コンマ21」  機長が計器を確認するとキャビンアテンダントは立ち上がりバタバタと忙しく走り始めた。  そしてポーンというベルの音ともに機内放送が入った。 「本機は無事、大気圏を抜けました。シートベルトを解除してください」  人々は軽くため息を付くと一斉にシートベルトを外す。 「ふぅ……」  ケントは軽くため息を付いた。  やっぱり、こういうのは苦手だね。  別にケントは飛行機やシャトルが苦手と言うわけではない。  ただ、じっとしているとい...
  • 第七話 「胎動(中)」
     『Diver s shell』  七話 「胎動(中)」  「あっ………」  古臭い上に汚い家の一角で、少女と見間違う小柄で細身の美青年がお茶の入った日本風の陶器を取り落としてしまい、床に落ちて破片となる。がちゃんと大きな音が響いた。  幸い中身も無く、青年―――……エリアーヌの指に怪我は無い。  音を聞きつけた逞しいながら歳相応の雰囲気を漂わせているオヤジが入ってくる。  エリアーヌは、弾かれたように立ち上がると、ぺこぺこと頭を下げて謝罪した。  「すいませんっ。湯のみ割っちゃって………い、今片付けますっ」  「怒っちゃいない。そろそろ買い換えようかと思ってたからな」  ちゃぶ台にかなり近い形状の小さな机の上には古びた急須が置いてあり、煎餅だとか、クッキーだとか、ゼリー菓子だとか、様々なお菓子の乗せられたお皿がある。お茶にしようとして湯...
  • ザ・シスターズ 第二話
    母さん、お久しぶりです。俺の事を覚えていますか? 長期旅行満喫中で俺の事なんて頭の片隅にもいないだろうけれど、俺です、大野啓介です。 あなたのお腹の中から生まれた子供です。こうやって言うとオレオレ詐欺みたいですね。 ここ最近、嫌な夢ばかりを見ます。 昔よく話したあの夢の話ではありません。 テスト前日の一夜漬けをしていたら、いきなり、妹を名乗るミナという女性アンドロイドがテスト前にダンボール箱に入ってやってきて、涙目になって俺の脳天にベアナックルかましていったのです。 おかげで俺はテストでまったくいい点を取れずに単位を落としてしまう羽目になってしまいました。 酷い悪夢です。 しかもその後、勝手に居座ると言い張って、この家から出て行こうとしません。 親父公認らしいので、法的にも追い出すのは無理みたいです。 本当に酷い悪夢です。 まったくもって、本当に… 「お兄ちゃん、何...
  • 地球防衛戦線ダイガスト 第十四話
    第十四話 東京の休日  五月上旬、小笠原父島。  亜熱帯気候の太陽は既に夏めいており、湿度も80パーセント近い。ここを拠点にするセラン諸惑星連合の将兵は空調の効いた設備で暮らす宇宙生活者のため、湿度と焦熱にあてられて体調を崩す者が続出していた。  それでも海洋調査に船体の修理と、野外活動の機会は多い。ユリウス・パトリキオス艦長も急遽しつらえた半袖の三種軍装を着用してはいるが、それでは頬のやつれまでは隠せない。  1ヶ月前にダイガストの巨砲で穿たれたディアマンテの修理が問題だった。装甲と電路の修理だけでも頭の痛い問題であるのに、艦載機格納庫まで吹き飛ばされたものだから、工具を筆頭に様々な整備用の設備まで失われていた。  既存品の注文になるが、なにしろ地球は銀河帝国文明圏にとっては辺境である。機材の到着は遅れに遅れ、日本国との三度目の限定攻勢を間近に控えるにもかかわらず、万全の...
  • 機甲闘神Gドラスター 第二話(前)
     場所は食堂、時は昼過ぎ。大の男が、至近距離で顔を突き合わせて睨めっこをしていた。 「壮馬よ、どーすんだ、おい」  片や28歳。超動技研所長代理。天才らしくない天才科学者にして、Gドラスター開発者。 「待て。何故俺のせいみたいな目で見る、十字」  片や32歳。百戦錬磨のエース。鍛え抜かれた肉体を持つ、Gドラスター搭乗者。  あれから一ヶ月。  幾度かエンドア出現の報があり、その度に出撃した。そしてその全てに勝利してきた。  一度は苦しい戦いもあった。それでも勝ちを収めたのは、皆の努力と壮馬の実力によるものだろう。  二人の喧嘩は続く。  職員たちも、慣れたもの。今更大袈裟に慌てたりはしない。お互い胸倉を引っ掴んで、シャツに皺を作るまで発展しているが、平和なものだ。  本日の喧嘩の理由。それは……、 「テメーがメインパイロットだろーが! 連れてこい!」 「スカウト失敗...
  • 第三話 「群狼」
    「ヴィガス、面を上げろ」  その高圧的な声によって、ヴィガスは混濁していた自らの意識を現実に引き戻すことが出来た。鎮静剤の投与による全身の筋肉に鉛を差し込まれたような倦怠感も、48時間以上の拘束による骨格の悲鳴も、肉体に付随する苦痛であれば無視することが出来た。  闇の中にぼんやりとした影が浮いている。闇に溶け込んではいるが、闇よりもなお昏い影。 「――――」  応答は視線のみ。轡球を噛ませられた状態では口が回る訳もない。元よりヴィガスにとってこの男と会話をすることは苦痛以外の何物でもない。  彼は椅子に座らされていた。ベージュの拘束衣を着させられ、照明はなく、裸足の爪先で触れた床は柔らかい材質で出来ており、それは頭部を打ちつけての自害は不可能となっている。  ――犯罪者か精神病者の扱いだ、それも重篤の。  指を弾く音がした。ついでヴィガスは、己の拘束帯が全て一斉に緩んだことに気付いた。 ...
  • capter1 MAIN 後編(下)
    これが最後の攻防だ。 空中にて相対する二体の鋼。 狗とリベジオンの決戦。 双方が携えるのは必殺の一撃。 狗が行う事は単純だ。己の背に背負う10門の空圧砲でリベジオンを自らの熱線の射線軸から逃さず捉え、熱線を当てる。 ただ、それだけの事だ。空圧砲は決定打にはならないが牽制の兵装としてはこれ以上無いものだと言えた。 故に確実に当てる為にその気を捉える事だけに全ての神経を扱っている。 それに対してリベジオンもやる事は単純である。 速度、火力、装甲それら全てが狗のそれを遥かに凌駕したスペックで狗など赤子を捻るが如く破壊すればいいだけだ。 だが、今のリベジオンにそれは出来ない話になってしまっている。 今、リベジオンは3つの爆弾を抱えている。 1つめはOS。 鋼機部隊と戦い凍結されたものを削除し、藍のバックアップから復元したものであったが一応の復旧が完了しただけであり、完全な状...
  • Diver's shell another 『primal Diver's』 第八話
     漆黒の闇があった。  その中を小さな点がいくつも、きらきら輝く物から、ぼんやり鈍く光る物まで。無数に闇の中に浮かんでいた。  そして、一際目立つ、とても巨大な青い星。  暗い暗い、宇宙空間に漂う、ネオアース。  人類が第二の故郷として選んだこの星は、その地面の九十%が海に覆われている。故に、青い。  Diver s shell another 『Primal Diver s』  第八回:【未知】  スターシップ、ドーヴ3。  ネオアースに人類が移住する為に建造された、とてつもなく巨大な宇宙船である。全長は数キロメートルに及び、内部では無数の人々が、新たな星を求め、その時を待っているのだ。  宇宙船というのは、その巨体や機能に反して意外なほど脆い。ドーヴ3も同様、その構造は意外な程脆弱といえる。  ただ宇宙を旅するならば問題は無いが、一度攻撃で...
  • GEARS外伝 Berserker第八章
    統合歴330年某日―― 守屋一刀が、その想い人である霧坂茜華を救出するために新たな力を伴い、ホルン山脈で激闘を繰り広げている頃、砕牙州庁舎で別の物語が繰り広げられていた。 庁舎の中は明かりが消え、ひっそりと静まり返っている。そんな暗がりの中を赤い髪の青年が、ゆっくりとした足取りで、水音を含んだ足音を響かせていた。 青年が通り過ぎた後には人の形をした、ナニカが其処彼処に転がっており、一見して凄惨な殺戮の舞台になっている。 だが、青年は自らの手でもたらした惨劇に対し何の感情も持たず、歩を進めた。 道しるべの様に折り重なる肉塊に彼は、何らかの人間的な反応を示すそぶり一つ見せずに。 何故なら、肉の残骸から溢れ出る鮮血が、絵の具のパレットをブチ撒けたような明らかにヒトのソレで無い色をしているからだ。 そして、時間の経過と共に肉の残骸と鮮血は土塊に変わり、廊下のいたる所...
  • ビューティフル・ワールド 第二話 赤白
    ―――――――この物語の主人公である、三つ編みの少女こと一条遥が、もう一人の主人公、鈴木隆昭と遭遇する数十分前に時間を戻そう。 遥とリヒターが特訓していた草原から少し離れた場所に、その家はある。 壁に伸びている蔦が特徴的である、二階建てレンガ造りのその家は、不思議とノスタルジックな趣を感じさせる。 この家に住居を構えるのは――――何でも屋、やおよろずと呼称させる面々だ。遥とリヒターはこのやおよろずに所属している。 まだまだ期間が短いので、生憎新人としてキャリアは皆無だが……。 やおよろずが掲げる何でも屋という看板は伊達では無い。 オートマタの修理・点検・整備から、ある種の探偵業、果てはちょっとした揉め事処理まで依頼があれば幅広く引き受ける。 それでいて成功率は極めて高く、その筋からの信頼は高い。これから、性格は少々個性的ながらも、プロフェッショルな面々を簡潔ながら...
  • GEARS 第十七話
    統合歴329年12月25日 特に慌しいわけでも無ければ、暇というわけでも無く、偶に普通じゃ無い出来事に巻き込まれつつも 極々、普通の高校生として日々を過ごしていると、気付けば新年が訪れるまで残すところ一週間。 真冬の凍て付く空気も何のその。八坂の街は聖誕祭一色に包まれ、人々は華やぎ色めいていた。 実際のところ聖誕祭だのクリスマスだの言われても、宗教や信仰の概念が無い統合歴の時代において この年間行事が一体、何を意味をしているのか、何がめでたいのかはよく分かっていない。 しかしながら、倭国人の原点である日本人も適当に理由を付けて楽しんでいたのだから問題は無い。 何千年の時を経たところで、日本人のノリが地球全土に広まった程度にしか変わっていないのだから。 そして、物語の中心、私立八坂高校では年間行事で学校主催の聖誕祭パーティが開かれている。 主催者である理事長、弥栄栄治曰く― 「ほら...
  • 第四幕
     北国へと向かう、エドたち一行。北国は、トンネルを抜けた先にあるといいますが、そんな戯言を抜かすのはハル子だけであったので、エドはまるっと無視しました。まん丸だけに。  ハル子はぶーぶーと文句を言ったのですが、所詮はまん丸人工無能。余計なことばかりくっちゃべるうえに、まったく役に立たないあたりが情けない限り。  エドはエリーと共にグレゴリオンの肩にいたのですが、次第に気温が下がってきたので、コックピットでハル子の文句に付き合うか、それとももうちょっと暖かい場所を探すか、しばし悩みました。  とりあえずしばらくは、とコックピットにもぐりこめば、ハル子がまたしても文句を言う始末です。  曰く『エリーとぴったりくっつくのはけしからん。すこぶる死んでください』というものだったのですが、  そもそもコックピットに二人は乗りすぎだし、おまけにコックピットの容積をとっているのが、そのハル子ことHAL‐8...
  • <the Pinocchio Girl> 前
    ロボット物総合SSスレ   2周年目記念作品 深い暗闇の中、大型モニターがぐるりと囲んで、彼女を照らしている。鮮明ながらも決して彼女の眼球機能を傷つけない、淡く優しいモニターの光。 彼女は耳元の専用ヘッドフォンに流れる情報を受け取りつつ、扇形キーボードを高速でタイピングし、激流の如く流れる情報のライフラインに、余す事無く目を通す。 少しでも異常があればすぐさまワクチンソフトを投与し、途切れている部分があれば直ぐに繋ぎ合せる。次々と用件は増えていく為、瞬時の判断が必要となる。 「5地区E-7不良箇所発見。至急ワクチンソフト、sI-8投与」 「27地区R‐13修理箇所の対処、完了」 「678地区B-20悪質なウイルス確認の為一定時間ブラックアウト。早急の対処を求む」 三メートル前後の卵を思わせる、緩やかで滑らかな形状の巨大なカプセル内に座り、彼女は途絶える事...
  • 「ヒューマン・バトロイド」第10話
    太平洋上、スタークは連邦の追撃部隊と戦闘を行っている。 物量の差が大きく開いているが質で巻き返している。 しかし、そのバランスも完璧では無い。一隻の戦艦がスタークに迫る。 照準が合わされ、後は指示を出すだけでその砲撃は放たれる。 だがその瞬間、スタークの艦底レールガンが先に放たれる。 そして敵艦の艦首が一気に持ち上がった。 「いてて……最高出力で射出しやがったな、ラウル……」 リクは衝撃と共に射出されて目の前の艦に激突していた。 『第一層粒子皮膜剥離、最高速じゃなければむしろ危険なんですよ』 「え?それって……ああ、なるほど」 イザナミの言葉の意味は機体を見ればすぐに分かった。 純白だった機体の色は黒くなっている。しかし焼け焦げた訳ではない。 その証拠に黒くない部分、白い銃のモチーフが見えるからだ。 新たなグラビレイトの姿、それはかなり特...
  • GEARS外伝 Berserker第三章
    闇属性の上級刻印装甲シェイサイドを駆る暗殺者の襲撃を退けてから数時間後。 敵の不意を突くために室内でシルヴァールを展開し、自宅を吹き飛ばしてしまった俺、霧坂涼夜は 今日の寝床を確保する為に観光客や流れの商人達のために解放されている観光街へと訪れていた。 異世界での住まいとは言え、家が無くなるというのは、不安なものだとは思いも寄らなかったな… そして、こんな時に限って部屋が満室だからと宿屋から宿泊を断られ続ける事、これで七件目。 ―全く以って忌々しい。シェイサイドの適合者め…今度、遭遇したら殺してしまおうか。 なんて殺気立っている場合では無いな…此の侭では宿無しで日没を迎える事になってしまう。 この国では公人以外の身分の者が許可無く、夜に城下を出歩く事を禁じられており 巡回の兵士に見つかった場合、罰金を払わされた上に不衛生な牢獄の中で一夜を明かす羽目になる。...
  • 第8話  断罪! 未来都市最期の日! 前編
     ※ 「はぐれ研究員とは何か?だと?」  いつだったか、最強無敵ロボの操縦席にまだ馴染みきっていないころだったのことは間違いないが、田所正男 は龍聖寺院光に尋ねたことがある。  セイギベース3休憩室。西研究棟の影が落ちた中庭が見渡せる窓際のテーブルには、微糖と無糖の缶コーヒー が向かい合っていた。 「“はぐれ研究員”、か……」  龍聖寺院光という女は関係者たちからそういう肩書きで呼ばれていたし、また彼女自身が名乗ってもいた。 「そうだな」わざとらしい咳払いを挟んで「はぐれ研究員とは、学問の正道や倫理からはぐれた孤高の研究者を 指す分類だ」  説明好きの白衣の女は、「この私のようにな」と付け加えて、偉そうに胸を張った。 「分かりやすいところでは、いわゆる“学会を追放されたマッドサイエンティスト”とか、そういう人種だな」 「ふむ」  それは、田所正男の予想と概...
  • 地球防衛戦線ダイガスト 第一話
    地球防衛戦線ダイガスト 第一話 出撃!! JSDFダイガスト!!  軍楽を思わせる仰々しいファンファーレと供に、テレビ画面に大きくGBCとのロゴが映し出された。  地球各所に散らばる雑多な言語を解析した彼等、ギャラクシー・ブロードキャスト・カンパニーは、放送開始から一月にして、地球全土に『限定戦争』の様相を伝え始めていた。  ほぼ毎日のように地球のどこかで『開催』される領土戦争。未開惑星の蛮土を切り取るこの儀式が、娯楽としてお茶の間に供されるようになって久しい。  銀河列強諸国の市民、臣民は、スポーツ番組のように彼等の星の代表団たる兵士達に拍手喝采をおくる。  一方で、民主主義の名の元、地球人類に対してもそれらの映像は配信されていた。  外宇宙からの悪意によって形作られたその番組は、およそ地球人類にとって楽しからざる内容に充ちている。  最初(は...
  • capter4 「アークの覚醒」 前編
    わたしがわたしだと自覚できたのはいつの事だっただろうか…。 少なくともわたしがわたしとして認識した時にわたしと共にあったのは痛みだった。 施設の地下、わたしは人が一人入れるような大きな試験管のようなガラス張りの水槽の中で、全裸でいくつものコードを巻きつけられてそこにいた。 口には呼吸用のマスクが付けられて、体は動かせないように強く固定され、逃げ出さないように筋肉の弛緩剤が投与されている。 誰かも知れない白衣の研究者達が目の前に記録用の端末を弄りながら、機器を操作する。 その度に水槽の中のわたしを■で■き、■■で■し、■■を■■する。 わたしがこの世にわたしとして確立して最初に得たのはその痛みだった。 最初は何が起こっているのかわからなかった。ただ漠然と辛い、苦しい、痛いという感覚が襲う。 体全身が痙攣して動かなくなるとそれがなくなりほんの少しの間の休憩がわたしに与えられる。...
  • 無明の侍・前編
    「あ~、糞。たりぃな」 練習機『陽炎』に乗った少年、武藤総作は欠伸をしながら呟いた 「ちょっとソウサク、きちんとやる。この課題クリア出来ないと、侍乗りになれないヨ?」 総作のモニターに金髪の亡命米国人二世クリス・バレットが映り、ソバカスに彩られた可愛らしい顔に、クリクリとした青い瞳をぷんすかさせている 二人は国立防衛高等学校、汎用機科一年の生徒だ 2019年の日本は、文化系に費やす人的資源の投入を極僅かに留め、大部分のリソースを一次産業と二次産業、研究開発と整備と兵士の教育に費やしている 普通科は廃止され、全ては生き残る為の教育に切り替わった 人類生存の危機に、誰も文句は言わなかった 言ってた者達は、初期に宇蟲に喰われてしまったのである 選択肢なぞ、人類には残されていない また、老人達は宇蟲に対する対抗手段が無かった時に食べられ、人類全体は非常に若い構成になっている 法律が改正され、女性の...
  • 第三幕 ただの阿呆《人間》共
    1. 第三幕 ただの阿呆《人間》共 夢を見ていた。セピア色の無音の夢を。 映像が始まった瞬間、――ああ、夢を見ているんだな――と分かる程、見慣れた夢。 随分昔の、それも最大級にクソッタレな記憶だ。 最初の光景はそこかしこに瓦礫が転がり、辺り一面にはすえた臭いが充満し、 何処からか男だか、女だか、子供だか、取りあえず人間の悲鳴やら怒号が響き渡る廃都。 月城刹羅――俺の記憶はそこから始まる。 世界でも最悪の治安の悪さを誇る――いや、誇れないか。名高い? いや、名高くもねェな。 ああ、アレだ。アレ。悪名高いって奴。最悪だって悪名高いスラム街。通称、スラッグストリート。 それが俺の故郷だ。名前の通り吐き捨てられたカス共の街で、そこに棄てられた俺みてェなのがカス以下のなめくじ野郎ってこった。 そんな痰壷だか肥溜めだかに根を生やしていた頃の夢だ。 ...
  • 最終幕 阿呆共《ヴァルハラ》の総大将《中間管理職》
    機体の前面にマスドライヴバズーカ二門、背面にバリア・ヴェールを三層の角錐状に展開。 機体各部のブースターの出力を一気に最大値に引き上げ、距離を詰めながら砲弾を叩き込む。 (吸血鬼の殺し方って言やァ……多過ぎて、どれから試せば良いものやら……) 定番な方法からマイナーな方法。時代や国によって、その殺戮手段は多種多様。 だが―― 「心臓をブチ貫いて、首を刎ねりゃあよォッ!!」 二発の専用弾がヴァンヘルシングの頭部と胸部に食い込み、砲弾が内側から爆ぜ、 燃え盛る爆炎がヴァンヘルシングの巨躯を飲み込み、その姿を覆い隠すが、それも僅か一瞬。 「カルンスタインの凶弾」 メアリー嬢の静謐な声と共にヴァンヘルシングの口から漆黒と真紅、放射線状に展開された 二色の光線が爆炎を引き裂き、壁の様な密度で以ってディアボロスを押し潰しにかかる。 ど...
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