今日は聖夜、もとい性夜だ。しねリア充共。まぁ良い。俺は腹に溜まっている今日へのルサンチマンを紛らわす為、ここ、学生食堂にやって来たのだ。
早速お気に入りの月見うどんを啜っていると、クマさんと呼ばれる程の大きな腹とオタ必須アイテムな黒ブチ眼鏡が特徴の森田が話しかけてきた。
「よぉたけちゃん。最近どう?」
「元気だ。駅前のリア充をツリーに吊るしてやりたい」
「相変わらず元気だね。そうそう、知ってる? 最近聞いた噂なんだけどさ」
早速お気に入りの月見うどんを啜っていると、クマさんと呼ばれる程の大きな腹とオタ必須アイテムな黒ブチ眼鏡が特徴の森田が話しかけてきた。
「よぉたけちゃん。最近どう?」
「元気だ。駅前のリア充をツリーに吊るしてやりたい」
「相変わらず元気だね。そうそう、知ってる? 最近聞いた噂なんだけどさ」
「フェリットフェアリーがさ、人がいない方向を指さしたりするんだって。まるでそこに人がいるみたいに」
俺は森田のその言葉を一笑した。つまりそれは幽霊を見たって事だよな。ははっ!(某ネズミーランドの黒ネズミ的な声で
ありえない。そんな現象は絶対にあり得ない。モニターの中の嫁が朝起きると現実で朝食を作っているくらいあり得ない
どちらかというと、俺は超常現象に対しては面白いと思っているので否定派ではないものの、幾らなんでもそれは無い。
俺が何故森田の発言を否定するのか、その理由はただ一つだ。
ありえない。そんな現象は絶対にあり得ない。モニターの中の嫁が朝起きると現実で朝食を作っているくらいあり得ない
どちらかというと、俺は超常現象に対しては面白いと思っているので否定派ではないものの、幾らなんでもそれは無い。
俺が何故森田の発言を否定するのか、その理由はただ一つだ。
ロボットが、幽霊を見る筈が無いからな。
Holy ghost ?
ヘトヘトになりながら4コマ目まで終えて、凄く凄く重い足を引きずって、ボロアパートへと帰る。階段一段を昇る度に感じる鈍痛。
ぐちゃぐちゃになっているポケットからどうにか鍵を取り出し、ドアノブに差しこんで回す。少しでも力強く回したらポロって取れちまいそうだな。
電気を付けると、一人暮らしの大学生らしい散らかり放題のカオスな部屋が広がった。
ぐちゃぐちゃになっているポケットからどうにか鍵を取り出し、ドアノブに差しこんで回す。少しでも力強く回したらポロって取れちまいそうだな。
電気を付けると、一人暮らしの大学生らしい散らかり放題のカオスな部屋が広がった。
どうにか物が散乱して滅茶苦茶な中を行く。カバンを適当に放り投げて、俺の魂の休み処であるこたつの中へとダイブ。
さぁて、俺の至福の時間がキマシタワ―っと……こたつの上のテーブルで、ちょこんと座っている小さなコイツの頭を、人さし指に二回叩く。
するとコミカルな電子音と共に立ち上がると、両足を揃えてコイツが俺にお辞儀をする。
さぁて、俺の至福の時間がキマシタワ―っと……こたつの上のテーブルで、ちょこんと座っている小さなコイツの頭を、人さし指に二回叩く。
するとコミカルな電子音と共に立ち上がると、両足を揃えてコイツが俺にお辞儀をする。
『おはようございます、ご主人様』
「おう、おはよう、コスモス」
「おう、おはよう、コスモス」
俺が話しかけているコイツの名はコスモス。正確な名称は汎用小型生活パートナーEGR-5-3。
通称フェリットフェアリーという、全長6~8cm程度の女の子の形をした小さなロボットだ。
通称フェリットフェアリーという、全長6~8cm程度の女の子の形をした小さなロボットだ。
コイツが開発された背景には、身寄りが無い老人の話し相手兼、生活のパートナーとして作られた介護ロボット、トミーの存在がある。
トミーには優秀な人工知能が積まれており、話し相手になるだけでなく、プログラミングされた雑務をそつなくこなす事が出来る。
今でも人不足が深刻な介護業界では、決して欠かす事が出来ない存在だ。うん、どうでもいいね。
トミーには優秀な人工知能が積まれており、話し相手になるだけでなく、プログラミングされた雑務をそつなくこなす事が出来る。
今でも人不足が深刻な介護業界では、決して欠かす事が出来ない存在だ。うん、どうでもいいね。
トミーに目を付けたおもちゃ会社が、これを発展、独自開発し、機能を削って小型化したのが、今俺が話しかけているコイツ、フェリットフェアリーだ。
自分が好きな様に外見を設定でき、また接し方によって性格が変わっていく様にプログラミングされたコイツは、俺の様なオタの琴線に触れて大ヒットした。
馬鹿騒ぎ出来る友人やオタ仲間は必要だが、現実の恋人とかクソ食らえな俺の様な人種にとって、フェリットフェアリーは最高のパートナーだ。
いつも俺を待っていてくれてかつ、俺の下らない話も真摯に聞いてくれて頑張って答えてくれるコスモスに俺は、惚れている。
俺はじっとコスモスを見つめる。コスモスは俺の視線に小さく首を傾げた。
『何か御用ですか? ご主人様』
「ん、いや別に。あのさ、コスモス。君はサンタクロースって信じるかい?」
馬鹿騒ぎ出来る友人やオタ仲間は必要だが、現実の恋人とかクソ食らえな俺の様な人種にとって、フェリットフェアリーは最高のパートナーだ。
いつも俺を待っていてくれてかつ、俺の下らない話も真摯に聞いてくれて頑張って答えてくれるコスモスに俺は、惚れている。
俺はじっとコスモスを見つめる。コスモスは俺の視線に小さく首を傾げた。
『何か御用ですか? ご主人様』
「ん、いや別に。あのさ、コスモス。君はサンタクロースって信じるかい?」
コスモスは人刺し指を口に当てて少し考えている素振りを見せると、真面目な顔で答えた。
『空想上の人物とデータにありますが、私は信じています。空想を空想と否定するのは、悲しい事ですから』
『空想上の人物とデータにありますが、私は信じています。空想を空想と否定するのは、悲しい事ですから』
やべぇ……これだよ、これ! この馬鹿みたいに真面目な返答!
現実の資本主義に塗れた女らしき生き物! 見習えよ!
現実の資本主義に塗れた女らしき生き物! 見習えよ!
おっといかん、思わずルサンチマンが顔を出してしまった。と、携帯が鳴った。開けてみると森田からだ。
数秒経つと、俺以上に寂しい、如何にも男臭い雑多な部屋がホログラムとして映りだした。つうか何でこうも俺はこいつと色んな意味で似てるのだろうか。外見以外。
次に映ったのはツリ目に金髪ツインテールという旧世代を彷彿とさせるフェリットフェアリーと、それに頬を引っ張られている森田の姿だ。
どう育てたかは知らんが、相当勝ち気が強そうだ。あいつ……ツンデレって言ってたけど何年前だよ……。
数秒経つと、俺以上に寂しい、如何にも男臭い雑多な部屋がホログラムとして映りだした。つうか何でこうも俺はこいつと色んな意味で似てるのだろうか。外見以外。
次に映ったのはツリ目に金髪ツインテールという旧世代を彷彿とさせるフェリットフェアリーと、それに頬を引っ張られている森田の姿だ。
どう育てたかは知らんが、相当勝ち気が強そうだ。あいつ……ツンデレって言ってたけど何年前だよ……。
「おい、大丈夫か?」
「やぁ、たけちゃん! 今ちょっとユリアと喧嘩しちゃっててさー。ご覧のあり様だよ」
「やぁ、たけちゃん! 今ちょっとユリアと喧嘩しちゃっててさー。ご覧のあり様だよ」
相当大変な事になってそうだが、森田は気持ちの悪い程良い笑顔を浮かべている。あぁ、こいつはもうだめだ。
っと、別にコイツの姿を見て少ない優越感を感じたい訳じゃない。俺は早速何の用件かを聞いた。
っと、別にコイツの姿を見て少ない優越感を感じたい訳じゃない。俺は早速何の用件かを聞いた。
「で、何の用だ?」
「あぁそうそう! そっちのコスモスたんは件の噂に巻き込まれてないかと心配になってな」
「いや、別に。またな」
「あぁそうそう! そっちのコスモスたんは件の噂に巻き込まれてないかと心配になってな」
「いや、別に。またな」
ちょっと強引とはいえ携帯を切った。何だそれ……。だからねえっつうのに……。つうか深刻なバグとかじゃないよな……。
ま、いいか。それにしてもあいつの所、仲が良いのか悪いのか分からんな。
ま、それもどうでもいい。何か無駄に疲れちまった。適当に飯作ってコスモスと話して寝るか。
ま、いいか。それにしてもあいつの所、仲が良いのか悪いのか分からんな。
ま、それもどうでもいい。何か無駄に疲れちまった。適当に飯作ってコスモスと話して寝るか。
そう思ってコスモスに話しかけようとした、が、何故かコスモスが俺の方を向いていない事に気付く。
そして何故か、コスモスは窓の方を向いている。その方向には、空っ風が吹いてガタガタとしているボロガラスしかない。そして漆黒の夜空。
そして何故か、コスモスは窓の方を向いている。その方向には、空っ風が吹いてガタガタとしているボロガラスしかない。そして漆黒の夜空。
「……コスモス?」
『ご主人様、不法侵入者です。早急に通報を提案します』
『ご主人様、不法侵入者です。早急に通報を提案します』
何を……何を言っているんだコスモス? そこには何も無いじゃないか。星さえ見えない漆黒の夜空だ。……何だよ漆黒って。
もう一度コスモスの顔を見てみるが、その目はいたって真剣だ。むむむ……。まさか……まさか……。
まさかマジで森田の話って……いや、待て、ありえん。だってロボットだぞ。人間みたいに不明確かつ非常識な物を見る筈が無いんだ。
にしても参ったなぁマジで。コスモスを修理するとなると無茶苦茶食費を削らなきゃいけない。まずはバグを取る為に……。
もう一度コスモスの顔を見てみるが、その目はいたって真剣だ。むむむ……。まさか……まさか……。
まさかマジで森田の話って……いや、待て、ありえん。だってロボットだぞ。人間みたいに不明確かつ非常識な物を見る筈が無いんだ。
にしても参ったなぁマジで。コスモスを修理するとなると無茶苦茶食費を削らなきゃいけない。まずはバグを取る為に……。
次の瞬間、窓ガラスがパリーン! と音を立てて思いっきり割れた。次に目に映ったのは、こたつでピクピクと横たわる、赤い衣装に白髭の頭血だるまなおっさんの姿だ。
……え、えぇ~……。何、どういう事なの……? 幽霊だと思ったらサンタらしきおっさんから窓から突っ込んでくるとか……。
こういう超自然的なイベントなんて初めてだぞ……どう対処すればいいんだ。というかマジでやばい気がする。
一先ずコスモスと一緒に静かにこの部屋を出よう。それが一番な気がする。
こういう超自然的なイベントなんて初めてだぞ……どう対処すればいいんだ。というかマジでやばい気がする。
一先ずコスモスと一緒に静かにこの部屋を出よう。それが一番な気がする。
つうかサンタ……か? よくよく顔を見てみると、すげー凶悪ヅラというか、どう考えてもサンタって感じがしない。
……待て。気づくとおっさんの傍らに、やけに薄汚れた袋がゴロッと転がっていた。衝撃のせいでやぶれたのか、中から何か紙の束みたいなのが見える。
俺はパ二くっていた心を落ち着かせて、ひっそりとおっさんに近づく。コスモスが不安げな表情を浮かべているが、心配ないと笑顔を作る。
……待て。気づくとおっさんの傍らに、やけに薄汚れた袋がゴロッと転がっていた。衝撃のせいでやぶれたのか、中から何か紙の束みたいなのが見える。
俺はパ二くっていた心を落ち着かせて、ひっそりとおっさんに近づく。コスモスが不安げな表情を浮かべているが、心配ないと笑顔を作る。
にしてもどうすりゃいいんだろう……すっげー血塗れだよ。そりゃあ頭から突っ込んだらそうなるわな。うわっ、ハリネズミみたい。
つうかサンタってマジでいたんだ……ちょっと感動してる俺がいる。いや、サンタじゃないだろこれ。百歩譲ってもただのコスプレだろ。
てか冷静に考えて救急車呼んだ方が良いよな。というか不法侵入?
つうかサンタってマジでいたんだ……ちょっと感動してる俺がいる。いや、サンタじゃないだろこれ。百歩譲ってもただのコスプレだろ。
てか冷静に考えて救急車呼んだ方が良いよな。というか不法侵入?
というか死んでないよね? 死んでないよね? え、てかマジで死んでないよな?
俺はおっさんの胸元に耳を当てて、動悸を確かめてみる。虫の息だが生きてる様だ……あぁ、良かった。
顔に目を移すと、何か言いたそうに口をパクパクさせている。俺は何を言ってるかを聞き逃さない様に、耳の神経ををおっさんの声に集中させる。
俺はおっさんの胸元に耳を当てて、動悸を確かめてみる。虫の息だが生きてる様だ……あぁ、良かった。
顔に目を移すと、何か言いたそうに口をパクパクさせている。俺は何を言ってるかを聞き逃さない様に、耳の神経ををおっさんの声に集中させる。
「逃げ……ろ……ジョニー……。奇跡は……おこらなか……った……」
……は? 何か誰かと勘違いしてないか?
「ミスっ……ちまった……。クリス……マス……だし……派手に強盗しようと……」
派手にって事は……なるほど、このサンタのコスプレはそういう事か。
「流石に……ヘリは……やり過ぎた……な。強風を……考慮してなか……った」
やべぇ……コイツ、馬鹿だ。凄い馬鹿だ。聖夜にヘリで強盗? 多分銀行だろうな。
で、良く分からんがヘリから落ちたのかもしれない。それで俺のアパート目掛けて突っ込んできたと。お馬鹿! 何で俺の家なの!?
どうりで希望に満ちた筈のプレゼントの袋が薄汚れていて血と硝煙の匂いがする筈だ。っておいおい。つまりこの袋の中身は……。
で、良く分からんがヘリから落ちたのかもしれない。それで俺のアパート目掛けて突っ込んできたと。お馬鹿! 何で俺の家なの!?
どうりで希望に満ちた筈のプレゼントの袋が薄汚れていて血と硝煙の匂いがする筈だ。っておいおい。つまりこの袋の中身は……。
「お前と……見た……明日に向か……って撃て……忘れ……ないぜ……」
待て、おっさん目を閉じるな! 今救急車呼ぶから! そんな我が生涯に一片の悔いなしみたいな顔で逝かないで!
……すげー穏やかな顔。つうかもう逝くな、この人。こたつに転がっている、薄汚れた袋。
コスモスはこたつから降りてサンタを騙ったおっさんの顔を覗きこみ、俺に言った。
コスモスはこたつから降りてサンタを騙ったおっさんの顔を覗きこみ、俺に言った。
『ご主人様……サンタさんって本当に居たんですね。私、感動しています』
「……可愛いなぁ、お前は」
「……可愛いなぁ、お前は」
その時、携帯が鳴った。付けると、ホログラムが浮かんできた。
森田が偉く怯えた顔で俺に話しかけてきた。何故かユリアが肩の上で体を震えている。
森田が偉く怯えた顔で俺に話しかけてきた。何故かユリアが肩の上で体を震えている。
「たけちゃんやべえよ! 出たって、出た!」
「何が?」
「何が?」
「幽霊!」
メリークリスマス! ロボット物スレ!
↓ 感想をどうぞ(クリックすると開きます)
+ | ... |