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第7回SRC学園シナリオコンペ

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匿名ユーザー

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第7回SRC学園シナリオコンペ

作者:SRC学園のなかまたち
配布URL:http://mayr.hp.infoseek.co.jp/Conpe7.html


サイト名: 屋根裏の裏
文責者:マイヤー
掲載日:2010/03/27
記事URL:http://d.hatena.ne.jp/Mayr/20100327
感想本文:

【聖乙女に行こう!】
製作:回天さん

というわけで今回のコンペの一番槍、回天さんのシナリオ。
聖乙女学園に入学したいとある生徒が、そのための試練に合格すべく奮闘する……と、内容は非常に直球。
作品の長さも短めで構成も非常にオーソドックスではあるのですが、
全体的につくり込み要素が高かった今回のコンペの中で、
シンプルな、お題に即したシナリオで勝負というスタイルは前回と同様評価されるべきだと思います。
欠点としてはこれ非常に指摘が多くなるかと思うんですが、
多少学園に触れているプレイヤーにとってはオチが読めてしまう事。
主役のみこと自体が学園内外でかなりメジャーな存在なので、
そうした予想を裏切るもう一手がほしかった気はします。
とはいえキャラクターの描写や全体のテンポに関しては良好。
シーンの盛り上げ方、自分なりの描き方を心がけると更に質のよいシナリオが作れるんじゃないでしょうか?

シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆
お題反映:☆☆☆☆☆


【双姫剣舞】
製作:Philoさん

判定を下す側から『合格』を描いたシナリオ。
治安組織『姫士組』の長、伊佐美千佳が本当にその職に相応しいかどうか判断すべく、
監査役の神楽千歳がひそかに彼女を審査する、という内容。なるほどこれは巧いやり方。
主役を見る立場の人間=プレイヤーとする事で、非常に感情移入しやすくなってます。
登場キャラクターが非常に多い中で、焦点をしっかりこの2人に絞れるのもグッド。
また氏の作品の特徴として芝居がかった台詞回しがあげられると思うのですが、
学生ながらに武闘派路線の彼女らにはこれがよくマッチしてると思います。

全体の作りに関しては文句ないのですが、気になったのがラストでぽっと登場した市山さんの存在。
重要な総括シーンを突然プレイヤーの視界の外から入ってきたキャラでやるのは、
話の説得力からしても少々疑問があります。キャラクターの描写から『この人がこう言うならそうなんだな』と
出来るところを、何故そうなのかを説明するために文章量が多くなってしまう欠点もありますし。
……と言いつつもおまけにはこの人をチョイス。いや、性格的に使いやすいんで。

シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆
お題反映:☆☆☆☆☆


【刹木さんがんばる】
製作:千早神牙さん

合格と見せかけてバレンタインという、斜め上の時節ネタ。
このバカップルが!! と叫ばずにはいられない、そんなシナリオでした。
起点から終点まで終始ニヤニヤしかねないラブコメをストーリーベースに、全力でギミック勝負に出てます。
料理オンチの少女刹木が2月14日までにチョコを作れるくらいに成長すべく行動を起こすんですが、
そこからは全て作成パート、研究して収集して実際に作ってみて、と全てがプレイヤーの選択にゆだねられます。
故に、ラストは当然マルチエンド。でも全部が全部ニヤニヤ物なのはなんでなんだぜ。

欠点らしい欠点は殆どないんですが、収集品ややれる事の総量に比べて
エンディング数が松竹梅の3コースなのは少々残念といえば残念な様な、
けれどコンペ提出物としては丁度いい様な……とまぁ複雑なところ。
裏を返せば非常に面白かったという事なんですがね。
後はお題がおまけ程度なので、そこが惜しかったですね。よい意味でも悪い意味でも一点特化シナリオだといえるかも。
とはいえシナリオの方も起承転結しっかりしてて会話も楽しく読めたりと、作者氏の地力の高さが伺えます。
あとおまけといえば、あの規模の戦闘であのレベルのアニメ演出はあれです、やりすぎです。
だがそれがいい。

シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆☆☆
お題反映:☆☆


サイト名: 屋根裏の裏
文責者:マイヤー
掲載日:2010/03/30
記事URL:http://d.hatena.ne.jp/Mayr/20100330
感想本文:

【エンジ色のエポック】
製作:和光佳清

教師を続けるべく、13年前の自分を矯正するという試験を受ける事になった主人公、裕美。
しかし彼女が出会った過去の自分は、まるで記憶とはかけ離れた学生生活を送っていて……と、
主役キャラの固有設定を生かしたタイムトラベルモノのノベルゲー。ついでにマルチエンディング。
1stプレイではなんとかトゥルーエンディングにたどり着きました。

シナリオ自体はお題をしっかり意識したテーマで、タイムトラベルという設定を生かした話の運び方も面白いです。
Talkでなく画像による手紙の描写がそこに華を添えます。
『裕美』という存在の保全=合格、そんな声が各種バッドエンドや描写の端々に見え隠れしてたり。
少々惜しいのは現在の裕美の教師という職業に対しての想いをもう少し掘り下げていってほしかったところでしょうか。
それやるとどう考えても時間が足りないので仕方のないことでしょうか。
他には途中若干状況が分かりづらい場面があった事。手紙であれだけ手が込んでたので、
ここは表を描画して何かしら分かりやすくしてほしかったかも。
さて、特筆すべきはやはりインターフェース。シンプルながら1ヶ月で作ったとは思えない出来です。
右クリ早送り時、若干フェードアウトが遅くなるのが気にはなりますが、
それでもシナリオの雰囲気によくマッチしてます。
ともあれ、全体として見ればとてもよく出来たノベルゲーでした。
SRCのギミックと作者さんの独自性、そして実力が良く出ていたかなと。

シナリオ:☆☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆☆☆
お題反映:☆☆☆☆☆


【桜散る季節に人を妬むということ】
製作:俳諧さん

毎回独自の路線をひた走る俳諧さん作。
今回も合格という明るい話題を敢えて逆の方向に捉えた面白い作品でした。
主役の賽が学園に合格した経緯を彼女の回想という形で綴っているわけですが、
そこに期待や希望なんてものが一寸も存在しません。
作中、終始彼女は善悪両方の『能力者』の掌の上で転がされる憂き目に会います。
そんな境遇こそがこの作品での能力者と一般人の関係そのものといったところでしょうか。
また賽や他の一般人にしても、明らかな偏見や過剰な恐怖心がちらほら見られるというか、
いや、このシナリオ独自設定かもしれませんが、
公式に当てはめると明らかにあり得なそうな状況をさも奴らはそうするみたいな形で描いてる点が。
狙って書かれているならこりゃ大した物です。

ギミックに関しては今回周囲の作品と比べると地味目で、相対的に評価は落ちてしまうかもしれませんが、
皆さんこれが基本的なSRCシナリオだってのを忘れないでください……と言いたくなったり。
まぁそれを差し引いても、作中描写で光る細かな技の数々、
『望まぬ合格』という今回誰も目を付けなかった点に着目した氏の独自性は尊敬に値します。
今後もこういう路線の作品を期待してます。

シナリオ:☆☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆
お題反映:☆☆☆☆☆


サイト名: 屋根裏の裏
文責者:マイヤー
掲載日:2010/04/03
記事URL:http://d.hatena.ne.jp/Mayr/20100403
感想本文:

【最果ての楽園にて】
製作:パンさん

既にすっかり常連さんなパンさんのシナリオ。
毎回高レベルの刺客を送り込んでくる氏ですが、今回も良い意味でやられました。
後述する演出技術の高さもそうなのですが、特に眼からうろこだったのが舞台設定。
乱暴な言い方をすれば、雑多な学園の設定を一度全部取っ払っての作品作り。
結果として初見さんが設定に煩わされる事もなく、純粋にドラマに入り込んでいける方法をとってます。
このタイプの欠点として本来の舞台が持つ『らしさ』が失われてしまうという点が挙げられるのですが、
だからこそでしょうか、今回は驚くほどまっすぐな王道ストーリー。
また前々回の『7thDay』や前回の『テメェら全員死刑!』などの伏線や設定をふんだんに使ったシナリオと比較すると面白いです。
主人公サクヤの成長をしっかりと描写し、チテイ人達との交流も頬が緩むくらい和やかに、時に切なく。
そうしてプレイヤーを引きずりこんだ末に、その全てを収束させた上で提示される結末は素でほろりといきそうになったとか。

さて、上記のようにシナリオ面は非常に優れているのですが、
それを2倍にも3倍にも面白くする氏のお家芸、ギミックに関して。
今回の印象を一言で言うと『豪華』。
短~中編くらいのシナリオで使う量の画像演出を一話そのためだけに突っ込んだ、そんな感じです。
その上でシーンを分かりやすくする細かな演出も利いてたりと、描く事と組む事両方の技術を持ちえた人が、
本気を出すとこうなるよ、という見本じゃないでしょうか?
とどめにエンディングのBGM。恐らくはこれを持ってくるために色々と奔走されたと思うのですが、
それだけの価値はあると思います。作品の質に負けず劣らずです。

お題に関しては他より更に『成長』が前面に押し出されているような感覚はあったのですが、
『合格』の象徴たる『桜』をうまく使ってるなぁと、細かな点で感心してしまいました。
総括するなら、あえて様々な部分をおまけ程度にとどめ、見せるべき物を絞って叩きつけた作品。
その威力はプレイして肌で感じるべし、といったところでしょうか。

シナリオ:☆☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆☆☆
お題反映:☆☆☆☆


【総合格闘武術能力大会】
製作:狼二世さん

総『合格』闘、つまりはそういう事だ。
比較的キャラ数を詰めた印象のある今回のコンペ作品の中で、唯一といっていいお祭りゲーを持ってきてくれました。
大会を勝ち上がり、味方を増やしつつ名を挙げろ! 分岐もあるよ! ……と、
ある意味コンペの締めくくりとしては上記の【最果て~】と別方向で双璧をなす作品だったと思います。
ワイワイガヤガヤ多種多様なユニットを扱う、単純な楽しさがありましたね。
その分某スパロボの様に主役周りの動きは控えめなのですが、それでも見せ場で活躍したり、最初と終わりをきちんと展開したり、
結構お題に即したドラマが展開されていたと思います。コンペ作品のモブ顔は本当にダークホースです。
欲を言えば戦闘メインのシナリオだったので、名前だけでなく能力に関しても数種選択できる方式が欲しかったかも。
それと若干の難易度調整が欲しかったでしょうか。治安組織の騎士団より情報屋の広耳堂がユニット的に厄介なのはなんなんだろう。まぁ、これを作者さんに言うのは酷ですが。

ともあれ、どうしてもシナリオ面の構築が難しくなりがちなこのテのお祭り作品で、
ドラマもやりつつ騒ぎつつ、と結構良いトコ取りの作品でした。
特化された部分はないものの良いレベルでまとまっていたと思います。
あと製作事情の話になりますが、最終日の修羅場は本当にお疲れ様でした。

シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆☆
お題反映:☆☆☆☆


【???】
製作:???

作品名は敢えて隠します。締め切り当日に製作を始めたという某氏が滑り込ませてきたブツ。
蓋を開けた瞬間、いい意味でこの人馬鹿だと思いました。
多くを語る事はしませんというか、出来ません。そういう作品故におまけという位置づけにしたのですが、
恐らくプレイした方ほぼ全員が驚愕したんじゃないでしょうか。
未プレイの人は他作品をクリアした後、インデックスを探してみてください。
多分想像通りだったという人はいないはず。

いや本当に予想だにしない作品でした。ちなみに僕は216秒で。

シナリオ:☆
ギミック:☆☆☆☆☆(☆)
お題反映:☆☆


総括:

さて、以上でコンペ作品全ての感想を書き終わりました。
今回は非常にかぶりが危ぶまれる内容ゆえに、直接的なお題の使い方は少なかったように感じます。
ある種『成長』というのが一番テーマとして相応しかったかもしれません。

とはいえ多種多様なアプローチ、総じて質の高いシナリオの数々。
プレイヤーを楽しませる、驚かせるというゲームの本質を考えれば大成功と言える回だったと思います。
また、個人的に嬉しかったのは学園在住者の、特に最近シナリオをリリースされ始めたお2人が参加してくださったこと。
現在学園ライターとしては一段落といったところの僕ですが、
後続の人々の活躍というか、こういうものを開催し続ける意味というものを再認識できました。
なんだかえらそうな話になりますがね。


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