チェンジ・ザ・ワールド☆
散る〜.3
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散るは花
「駄目です! 絶対に駄目!!!!」
万事屋に響いた銀時の叫び声。
ソファーに座る操が困ったように笑い、隣りに座る新八に助けを求める。
その視線を受けて新八はため息を吐く。
「あ~もう。もう決まった事なんですから、いい加減諦めてくださいよ」
「誰が諦めるかっ! 他にも医者はたくさんいるだろーが! なんで操なんだよ! しかも何で真選組!? 男ばっかりじゃねえか! 何でわざわざオオカミがうようよいる檻の中にご馳走を投げてあげなきゃなんないのっ!?」
納得がいかない銀時は、さっきからこの調子で駄々をこねっぱなしなのである。
幼い頃からずっと一緒で、大切に大切にしてきた操は医者だ。
先日まで操が働いていた町の診療所の院長が真選組の屯所で働いていた老医師と知り合いで、引退するから誰か新しい医者を紹介してくれないかと頼まれた時に操を紹介したのだ。
操も知り合いだったし、話しを通しやすいからということで結局すぐに決まった。
そんな操は銀時の家にほとんど毎日食事の用意に来てくれていて、掃除や洗濯も時間があればしてくれる。
本人曰く、家政婦のボランティアだ。
家賃を滞納している時もこっそり大家に払っているし、銀時が糖尿持ちなので食事やおやつにも気を配ってくれていた。
まあ、それでも勝手に買い食いばかりしている銀時には操の好意は立て板に水状態なのだが……
「でももう決まったことなんだし、今更他のお医者さんを探すなんて出来ないでしょ? 今は都会の大病院とかにばっかりお医者さんが流れて、医師不足なんだから」
「そんなこと知るかっ! じゃあお前どーすんの!? 俺達の飯はどーすんのっ!?」
「一番の心配はそこかいっ!」
新八の相変わらずのツッコミを聞き流し、銀時が操に詰め寄る。
「お母さんが許しても、お父さんは許しません! 真選組だぞ! あのマヨラーとかゴリラとかサドとかミントンとか変態ばっかりいる所だぞ! それになんだ? 夜勤とかもあるんだろっ?」
「もう、人の悪口ばっかり言わないの。夜勤は仕方ないでしょ? 救急病院と同じで、真選組の人たちも24時間体制で働いてるんだから……」
「いやもう、だから誰がお母さんなんだ、コラ」
サ○エさんのカツラを被せられた新八がやる気無さげにつっこむ。
「新八に決まってるアル」
ずっと黙って事の成り行きを見ていた神楽が漸く口を開いた。
「神楽ちゃ~ん。お前も操がいないと困るだろ~? お前の大好きな酢昆布いっつも買ってくれるのは誰だ?」
「操アル!」
「お前の大好きなお肉を買ってくれるのは誰だ?」
「操アル!」
「そうだろ~。そうだろ~? その操がここに来る回数が減ったらどう思う?」
「ーーーーーーだ、駄目アルっ! 操、どこにも行ったら駄目アルよーーーー!!! 操はずっと永久に私達に飯を作り続けないと駄目アル! そう、それはまるで寿司ロボット! 寸分も違う事なく四角く握られたそのシャリは口の中でほろほろとほぐれ、技術などいらないその仕業はまさに至宝! 回転寿司屋希望の星! 操はまさに寿司ロボットみたいに私達にほろほろの酢昆布を買ってくれないと駄目アルっ!」
「寿司ロボット関係ねえっ!? しかもほろほろの酢昆布って何っ!? それって酢昆布じゃなくてとろろ昆布だよね!?」
「うるさい新八! もしどっかに行ってしまうっていうんなら、七代先まで呪ってやるアル!!」
「七代先って……恨みすぎだろ」
ツッコミに疲れたらしい新八が力なく言うと、神楽と銀時が操に抱きついた。
行かないで~。と情けない声で言っている。
銀時は神楽が抱きついたのでどさくさ紛れにだが。
「……もう、困った人たちねえ」
操はほぼ毎日万事屋に足を運んでいるとはいえ、実際に住んでいる家は別だ。
新八としては銀時が操の事を好きなのはバレバレなのだし、きっと操もまんざらではないのではないかと思われる(あくまでなんとなく思っている程度)ので、プロポーズすることをお勧めしているのだが、喧嘩以外では史上最強にチキンな銀時は、ずっと友達という関係から進めずにいた。
もういっそのこと仕事先を変更するのは諦めてもらって、ここに住んでもらうので譲歩してはどうかと思う。
「それなら銀さん。操さんにはここに住んでもらえばいいじゃないですか? そしたら必ずここに帰ってきてくれる訳だし、それならいいでしょ?」
新八の提案に銀時と神楽が目を輝かせた。
「新八君ナイスアイディア~~!!! そうしよう、それがいい! いや、もうそれしかない!」
「そうアル。眼鏡、お前たまにはいい事言うアル! 操、ここに一緒に住むアルよ!!」
「たまにはってなんだっ!?」
「はあ……分かったわ。私がここに住むなら、真選組で仕事するのを許してくれるのね?」
「飯も作ってくれるんだよな!?」
「銀さんっ! あんた飯以外どうでもいいんですかっ!?」
「分かった。できる限り作るから、手伝ってくれる?」
「手伝う手伝う! なあ~、神楽?」
「何でもするアル! 任せるアルよ! ーーー新八が」
「うおいっ! こらっ! 今最後に小さく新八がって言ったよなっ!? お前ら手伝う気ゼロだろっ!!」
かくして操は真選組で働けるようになったのであった。
続く…
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