チェンジ・ザ・ワールド☆
雪時計.2
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雪時計
「おうい! すまないが、配達に行ってくれないかい?」
「はい!」
あれから一年。
私は相変わらず傘屋で働いていた。
あれから『銀さん』と会う事はなかったけれど、風の噂で歌舞伎町の万事屋に「坂田銀時」という名の銀髪のお侍がいる事を知った。
会いに行こうかと思った事もあったが、行った所でどうせ相手は私の事など覚えていないだろうし、話す事もないのだからやめた。
不思議な事にあれ以来宝石商の息子の有作は私に近寄らなくなり、平和な日々を過ごしていた。
店を出てしばらく歩いた時、私は立ち止まって懐から壊れた懐中時計を取り出して見つめた。
そして傘を少し傾けて空を見上げる。
「今日もよく降るなあ」
あの日と同じ灰色の空からは、朝からずっと雪が降り続いている。
「今日は殴られてねえか?」
「えっ?」
突然後ろから声をかけられ、私は驚いて立ち止まった。
聞き覚えのある声に胸がドクンと鳴る。
ゆっくり振り返ると、辺りに降りしきる雪と同じ銀色の髪をしたお侍さんが立って微笑んでいた。
「あなたは……」
「俺ぁ坂田銀時。歌舞伎町で万事屋をやってんだ。万事屋銀ちゃんって言やあ、結構有名なんだぜ?」
「どう、したんですか?」
あまりに突然で、私の頭の中は真っ白だ。
まさかまた会えるなんてーーー
銀さんはゆっくりと私の前まで来ると、懐からすうっと何かを取り出した。
「ほらよ」
「ーーーこれは」
私の手に乗せられたそれは、鈍色に光る懐中時計だった。
傘屋の旦那様に頂いたのとそっくり同じ懐中時計。
「一年かかっちまったぜ。これを探して、あんたを探すのに」
「え? あ……そんな、良かったのに……でも、ありがとうございます」
嬉しくて、涙が出そうになった。
一年も前の事を覚えていて、しかもずっと探してくれていたなんて。
「俺は万事屋だからな。約束したろ? 弁償するってさ」
「ありがとうございます。本当に、ありがとう……」
何度も頭を下げた。
だって本当に嬉しかったから。
何度目かに頭を下げた時、銀さんはそれを止めて通りの向こうを指差した。
「もういいって。それよりさ、あっちの大きい道に新しいカフェが出来たらしいんだけど、良かったら一緒にパフェ食いに行かねえ?」
パフェ……が、好きなんだな。
私は思わず軽く吹き出した。
「ぷっ……いいですよ。でも、配達を頼まれているので、その後でもいいですか?」
そう言って手に持っていた傘を見せると、銀さんは「ああ~」と大げさに頭に手をやった。
「去年あんたにどこで仕事してんのか聞いとけば、こんなに長い間探さなくて済んだのになあ。何度もあの宝石商のドラ息子の所に行ったけど会ってもらえなくてさあ。あんたの事が聞きたかっただけなのに、よっぽど懐中時計当てられたのが怖かったんだろうな?」
なるほど、何度も銀さんが来たから、恐怖で私に付きまとわなくなったのか。これはこれでもう一つ感謝しなければいけないな。
「んで? 配達ってどこだ?」
「ふふ。あのドラ息子のいる宝石店です」
「ふ~ん。そりゃまた去年と一緒じゃねえの」
歩き出した私に並んで歩きながら、銀さんは可笑しそうに言った。
「もしまた絡まれたら、助けてくれますか?」
「次はきちんと代金もらうからな」
「分かりました」
「ところでさ」
「はい?」
「あんたの名前、何て言うんだ?」
私ははっとして立ち止まり、銀さんに向かってお辞儀をした。
「改めまして、鈴と言います。傘屋で奉公させて頂いています。傘がご入用の時は、是非、家へいらしてください」
「鈴……。あんたにぴったりの名前だな」
私の胸は熱かった。
壊れて雪のように冷たくなっていた懐中時計が、溶けてしまいそうなくらい。
雪の日に初めて出会い、同じ雪の日に再び出会えたこの銀髪のお侍さんを、好きになってしまったから。
END
※あとがき※
最後までお読み頂きありがとうございます!
久しぶりの二次小説の更新です(笑)
これは2年程前に、お友達にプレゼントとして一方的に書いて送りつけた話しですw
銀魂好きなんですけど、最近どうも年のせいか小さい活字が大量に書き込まれているマンガが読めない…
まあ、それは置いといてですね、寒いうちにアップできて本当に良かったです。
今度はいつ二次小説書くかなあ……
最後までお読み頂きありがとうございます!
久しぶりの二次小説の更新です(笑)
これは2年程前に、お友達にプレゼントとして一方的に書いて送りつけた話しですw
銀魂好きなんですけど、最近どうも年のせいか小さい活字が大量に書き込まれているマンガが読めない…
まあ、それは置いといてですね、寒いうちにアップできて本当に良かったです。
今度はいつ二次小説書くかなあ……
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