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雨の日に〜4−5

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4-5
















 「で? 俺を急いで帰って来させる程のネタは何なんだ?」


 加藤は警察署内の科学捜査研究所の椅子に座り、コーヒーの入ったカップを持ってこちらへやって来る広渡の姿を見ながら言った。


「いや、晩飯はやっぱり壱番屋の焼き肉がいいなあって思ってさ。あそこの肉は安い上にめちゃくちゃ美味い」


 ニコニコと笑いながらコーヒーを加藤に手渡す広渡を睨みながら、加藤は黙ってそのコーヒーを受け取った。


「……と、言うのは半分冗談だけど。こっちが半分本題。本村理恵のスーツに付着していた毛髪を鑑定してたんだが、女性のものだと判明した」

「……?」


 加藤は鑑定結果の書いてある紙を見て、広渡を見上げた。


「もちろんうちの署の誰のものでも無いし、彼女の家族のものでも無い。第三者の女性の毛髪だ」

「事件と関係があると?」

「さあな、それを調べるのがお前達の仕事だろ?」

「投げやりかよ……しかし、偶然付着したとも考えられるし……」


 加藤の様子に、広渡は驚いた。もっと食いついて来ると思っていたのだ、この反応は少し面白くない。漸く出て来た犯人への手掛かりかも知れないと言うのに、乗り気ではないらしい。


「どうしたんだよ? 今まで被害者から証拠は髪の毛一つ見つからなかったってのに、今回はその証拠になるかも知れない重大なもんが見つかったんだぞ?」

「いや、今俺達が追ってるのは男なんだ。あの例の写真の男……だから女性の毛髪と言われてもなあ……」


 広渡は自分が解析した画像の男の顔を思い出した。


「やっぱり何か事件と関係ありそうなのか? あの男の人」

「ああ……間違いないと俺は思ってる。だからあいつが係わっているという確実な証拠が欲しいんだ、俺は」


 加藤の辛そうな表情に、広渡は手に持っていたコーヒーを見つめた。

 昔からこの友人は見た目とは裏腹に、妙に生真面目な所がある。もう少し肩の力を抜けば、今頃嫁さんの一人でも貰っていただろうに。


「しかし実際に女性の毛髪と言う物証が一つ上がったのは確かなんだ。何だよ、もっと喜ぶかと思ったのになあ」

「あ、悪い……でもまあ、これから調べるうちに何か重大な事に繋がる可能性もあるしな、まあ地道に調べるさ……おっと、こんな時間か。俺は行くから、もしまた何かあったら教えてくれよ、じゃあな!」


 加藤は広渡からもらったコーヒーを机に置くと、そそくさと部屋を出て行った。














                                  続く…









この後の展開の為に、短いですがここで一区切りします(笑)





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