アットウィキロゴ
チェンジ・ザ・ワールド☆
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

チェンジ・ザ・ワールド☆

act.4(白波瀬)

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
管理者のみ編集可
就職難民 黙って俺についてこい!










 吾妻屋さんに着くと中から店主さんが出迎えてくれた。


「私、美成堂の葉月という者で――」

「お話は伺っています。どうぞ中へ」


 そう言うと好々爺といった様相の店主さんは、私を店内へと導いてくれた。

 店内に入ると紙の匂いが鼻腔を優しく刺激した。なんか懐かしい匂い――。


「化粧品用の冊子に使うんでしたら、この辺りの紙なんてどうでしょう?」


 白波瀬さんがしっかりと話をしておいてくれたようで、通された部屋にはそれっぽい紙の見本が用意されていた。


「うわぁ、どれも素敵ですね! 早速ですがこちらはおいくらでしょうか?」


 用意されていた紙は私が理想としているような物ばかりで、中でも一番気に入った物の値段を聞いてみる。でもきっと、これは高い……。


「そちらでしたら――」


 そう言って店主さんが提示された金額は驚くほどの安さだった。


「え? あ、あの本当ですか?」

「勿論。嘘なんて言いませんよ」

「これに決めます!!」


 さんざん色んな店を回ってきたから、これがどんなに凄い事かは十分すぎるほどに分かっている。だってこれじゃあ……この値段じゃあここの店主さんの儲けなんて、あってないような物なんじゃないかしら……?

 不安になって思わず店主さんの方を見ると、店主さんはにこにこと笑っている。


「あの、どうしてこのようなお値段で?」


 こんな事聞いちゃいけない事なのかもしれないけど、聞かずにはいられない! だって破格すぎるもの!

 私の不躾な問いにも店主さんは笑みを崩さないまま口を開いた。


「そりゃあ白波瀬の坊ちゃまのたっての頼みですからなぁ」

「へ? 白波瀬の、坊ちゃま?」

「ああっと! いけない、これは秘密でした。娘さん、どうか今言った事は忘れて下さい。それがこの値段の条件です」

「……分かりました」


 とは言ったものの、白波瀬の坊ちゃま~~!? もしかして、もしかすると、白波瀬さんって実はすっごいお金持ちなのかしら……。そう言われると、物腰の優雅さも納得だわ。

 とにもかくにも白波瀬さんのおかげで紙も準備できた! その旨を社長に伝えると、社長は満足そうに「よくやった」と褒めてくれたので、思わず肩の荷が下りる思いがした。


 白波瀬さんにもお礼を言わなくちゃ! そう思って電話を掛けたけど、結局何度かけても繋がらなかった。





 次へ→ act.5(白波瀬)





お帰りの際は、窓を閉じてくださいv
お話はこちらに戻る
最近更新されたスレッド
人気記事ランキング
ウィキ募集バナー