小林俊昭
小林俊昭(こばやしとしあき)は、駿台予備学校英語科講師。
人物
主にトップクラスで授業を行う。性格は寡黙だが真面目で、東大レベルであろうが私大であろうが、英文を一文一文板書して、英文法を軸にとことん語りつくしていく。
皮肉屋で冗談好きな一面も持ち合わせ、英文や受験問題に対するツッコミで生徒を笑わせる。
「コバトシ」という愛称で呼ばれる(数学科の
小林隆章と分ける為。彼はコバタカと呼ばれる)。コバトシが授業中、小林隆章を「コバタカ」と称したそうだが、真偽は明らかではない。
通常授業にて一度だけ無意識のうちに誤って東進衛星予備校の林修の某セリフを発してしまい教室中の笑いが数分間収まらなかったことがある。
師曰く、「駿台の中でasオタクと思われてるそうなんだけど別にそういうわけじゃなくて単にasが重要なだけ」だそうだが、どう考えてもasオタクである感は否めない。
授業
「表現の丸暗記」ではなく「文法を軸とした成り立ちの理解」を指導する。日本語訳を丸ごと覚えるのではなく、どういう思考でこういった表現が生まれたかを理解することで「英語的な発想」を身に着ければ、暗記せずともその都度その発想から適切かつ自然な日本語訳をすることができる(つまり英語の科目ながら日本語の問題にできる)というのが基本路線である。
実際、師の授業を修得すると文法問題はもちろん、英文のニュアンスを汲むことで読解もスムーズに読めるようになり、英作文も書けるようにまでなる。
「英語は一つであり、あらゆる演習は相互に補完されるべき」という信条は一貫しており、英文法・読解・構文・作文と、形式が違えども、全て「文法の理解」が基本軸になる。
読解授業ではパラグラフ・リーディングや、設問の解法といったことは基本的に一切解説せず、一文一文をとことん精読する。受験英語の長文読解に関しては「読めれば解けるはず」という立場であり、大学の入試問題は構文が読めているかを問う問題しか出ていないということから、設問の解法や方法論を教えることには懐疑的であるためである。
この点について大島師は「1度このやり方をとる必要はある」と評価しつつ、「最後まで行ってはいけない」とも述べている。
英作文も文法の理解が基本。授業形式は英文を一気に書かずに、和文を細かく分解し、部分的に表現をまとめ、数パターンずつの解答を作り、最後にそれを繋げる方式をとる(その組み合わせで数パターンの作文ができる)。
勝田耕史師などの講義のようにひと筆で書くような鮮やかさはないものの、生徒がマネするのに易しい方式であり、読解や文法の授業で習った知識が多くなってくると、受験生にも師と同じような英語的な作文が自然と書けるようになってくる。その時英語が一つであり、文法的学習が王道であることを改めて実感するだろう。ただし、ネイティブ的に自然なニュアンス、細かな和文の取捨選択はあまり意識してない様であり、勝田師のような授業になれていると不満に思えるかもしれない。もちろん板書された表現以外でも正解になる場合もある。必ずしも網羅的に書かれるわけではないので、板書と自分の解答が違う場合は授業後に添削をお願いするとよい。
このように文法、構文、読解、作文の授業のどれを取っても非の打ち所のない授業展開である。ただし、英語入試研究の教材に関しては主眼が論理展開の把握に置かれているにも関わらず、師は上述のとおり一文一文を精読していく為、本来の目的を達成出来ないという点が指摘されている。これに関して師の授業に不満を持つ生徒というのは聞かないが、研究教材の作成陣は師の授業を快く思っていない、という噂がある。
全身を使ってボクシングのジャブのような姿勢で板書を行う。手首を使って叩きつけるように板書するため、チョークが粉々になっていく様子が師の背中越しに見える。1コマに数本を消費するそのチョークの破壊量故、チョークの箱を何箱も持ってくるのが特徴。池袋校ではついに教務から少しクレームが出てしまったらしい。
これは体験談だが、とある授業で2コマで29本ものチョークを折ってしまい、壇上はその粉でまみれてしまった。師がそれを踏み、教室の外の廊下に足跡が出来た。その時は1コマにつき6箱(それ以上か)のチョークを持ってきた。
池袋校の授業時には、「小林先生用チョーク入れ」と書かれたカゴにチョークケースを8個ほど入れて持ってくる。
なお、かつてその足跡を見て
雲幸一郎師は「小林さん、かくれんぼしたら間違いなく負けますよ」という秀逸なコメントをしたらしい。(小林師談)
字は独特で慣れるまでは読み間違えやすい。板書する場所は基本的にその時空いているところであり、書き方もスペースがないと斜めに書いたりする等、割と乱雑なので、黒板上は毎コマめちゃくちゃになるが、ノートに丁寧に書き取ると、その板書はルールに従って精密に研究されており、参考書のようで非常に復習がしやすい(ノートを作って満足してしまいがちなので注意)。各文法項目毎に板書を行うシステムだが、その板書内容・例文等は学年・現役浪人問わず共通。そのため、一年間通して受講すると、英文法が網羅されるようになっている(テキストに解説したい文法事項がない場合はその文法事項が収録された演習問題等を使って解説する)。
彼の真骨頂は「スーパー英語総合」「integrative英語」などの総合英語授業で見れるだろう。通常授業の「英語入試問題研究」では、そのあまりの授業の充実さにもぐる人間が出てくるようになり、近頃ついに一部クラスでもぐり摘発という異例の事態にまで発展するほどである。
補講、延長は当たり前。
夏期講習の「スーパー英語総合」では50分の延長をする。通常夏期講習が3時間授業×4日間であるが、彼の授業は15時間以上になる。この現象はセルフハイグレードと呼ばれる。ただ、2015年夏期の「スーパー英語総合」はボリュームが減ったため、延長は1日30分程度で済んだ。
英文法の参考書の執筆依頼が
駿台文庫から来ているが、伸ばし伸ばしになっているそうだ。師本人によると「要望は多いのだが、これ以上はさすがに過労死してしまうから(笑)」という。
2015年秋現在、時折駿台文庫の方と打ち合わせをしているようなので2016年には参考書が刊行されるかもしれない。
冬季講習では、早慶大英語Part2(13:40~16:30)を延長し過ぎてしまったため、同じ教室で行われる一橋大英語(17:00~)の開始が遅れてしまった。
比較の話の時、「別に駿台世界史の須藤先生がスッピンであるって嘘っぱち書いてもいいけど、すか。そんなこと社会常識じゃないって話です、ええ」と例に出すなど、なんだかんだ言って他の講師ともある程度交流がある模様。
質問
外見や講師室でも黙々と授業準備に励む気迫からか、小林師に質問する生徒は
大島保彦師に比べると少ない。
その真面目さから、文法の質問や英作文の添削の際も、授業と同様に力強く解説をされるので、周りから見ると一瞬怒られているように見えるかも知れないが、それは英語と生徒に対する熱心さから来るものであり、恐れる必要はない。
それ以上にどんな英文法の質問にも瞬間的に(多くは食い気味に)、かつ的確な例文を書きながら解説を行う姿は見物である。入試直前になると質問を持った生徒たちが講師室の前にずらっと並び授業後も1時間近く続くこともある。
特に細かい動詞の語法の違い、その理由・成り立ちや、授業では解説のなかった文法分野などに言及して教えてくださるので、英作文などは毎回添削してもらうとよい。
ぶっちゃけると、良くも悪くも「ぶっきらぼう」なことが多いのでそういう対応を好まない人にはオススメできない。
時間があるときは、軽い雑談やサインにも笑顔で応じてくれる。その話題作りのためにも、英作文を持っていくのはおすすめ。
あまりにも忙しすぎるので空き時間にソファで寝てることがあるがそういう時は少し時間を空けてから行くとよい。
唯一の欠点としては、個人対応の場合の師の鉛筆書きの字は授業に輪をかけて草書がかっており、字も薄いため、判読がほぼ不可能なことが挙げられる。説明をよく聞いておき改めて自分でメモを入れることが重要になるだろう。もしくは、書いてもらった紙を貰った後、あまり間を空けないで自分で書き直すなどもよい。
特に講習だと、授業前に質問するのは適さない。授業後にまとめて質問するとよい。同じ校舎で前のコマに授業が入っている場合だとその講座の質問をする生徒が多くて待つ時間が長くなるためであり、ない場合でも校舎に師が来校されるのが10分前というギリギリの時間であるためである。(京浜東北線の遅延も合わさると授業開始時間が遅れることもしばしば)
講習
先述のように、ハイレベルな講座を担当することが多い。
- 高2Sα英語(基幹講座)
- スーパー英語総合(完成)(基幹講座)
- integrative英語(オリジナル講座)
- 頻出!英文法入試問題(2015年度の冬期は担当なし)
- 一橋大英語
- 直前ファイナルアタックⅡ‐語法・文法‐
- 直前ファイナルアタックⅣ‐センター第4問・第5問対策‐
- 早大プレ英語
- 一橋大プレ英語(読解)
どれもハイレベルな講座であるが、基礎から教えて頂けるため、偏差値50くらいの人でもついていけるだろう。
ただし講座は基本的に毎日延長する。昼コマであれば10~20分早く始め、同じくらい延長する。夜コマの場合は4コマ目を作り、午後9時前まで行うこともある。ただし、延長をする・しないにかかわらず、授業の質を維持するため、基本的に「integrative英語」以外はテキストは終わらないので、そのつもりで受講すること(一応解説しきれないパートにも解説プリント・単語プリントは配布されるが、授業の質には到底及ぶものではない)。
文法事項に関して、レギュラーで師の講義を受講していない生徒への配慮のため、レギュラーと被る文法事項板書も多い(レギュラーほど詳細な解説ではないが、質問に行けば丁寧に教えてくださる)。
その人気故、締切になる講座も多いので、駿台内部生のみで受付終了になることもあるので、申し込み開始とともに申し込むことをお勧めする。他の講座にも言えるが、授業タームの直前4、5日前だとキャンセルが出ていたりするので狙い目。
integrative英語
季節講習でオリジナル講座を持ってほしいという声に応え、2015年度夏期講習から「integrative英語」が開講された。講座は文法・読解・作文を通して、英文法の知識を有機的に養うものであり、講義スタイルとしてはスーパー英語総合の上位版である。
2015年度の「integrative英語」のテーマは「比較・語順」。相対・絶対比較や倒置やクジラ構文などを重点的に学習する。出典は昭和~2010年代の東大の要約・文法問題、本年(2015年)の京都大や一橋の英作文、2014年慶應医学部など幅広いが、見ての通りトップレベル大学の入試問題からの厳選でありレベルは相当高く予習も厳しい。間でちょっとした実践演習も行われる。
「私も好き好んでセルフハイグレードやってるわけじゃないんでねぇ」と仰るように、「スーパー英語総合(完成)」に比べるとテキストの分量が抑え目であることと、前述のとおり既習事項を流し目に解説することによって、テキストはすべて授業時間に終わるようになっている(ただし10分開始前倒し・20分延長を行った)。2015年夏季Cタームの初開講時「なんせ最初の講座なんで、終わるとは思うんだけど…、念のために明日から10分早く来てもらっていいですか、そして20分延長させてください。……最終日1時間早く来てもらうかもしれません(笑)」と言って教室を沸かせた。前述の延長時間で終わる目途が立った3日目「雲先生に非難されました。なんでセルフハイグレードをやんないんだって。延長を『することを』、じゃないんですね、延長『しないことを』、ええ、責められました。」と言って再び教室を沸かせた。
とはいえ昼タームは終盤かなり駆け足で終わらせ、割愛された事項も多かったため、コバトシ本人が出来に納得しているかどうかは不明であり、夜タームにセルフハイグレードを行う可能性は否定できない。
2015年第2回目(池袋校朝ターム)では、毎回開始前倒し10分延長20-30分、最終日は前倒し30分延長40分弱程度で終わった。(本人は1-3日目は60分1コマ×3、最終日は50分1コマ×4でやるつもりだったらしいが、もちろん延長した。)
2015年度H期間の夜タームでは「夜なんで心おきなくできますからね」との発言があった。
コバトシの授業が好きになりすぎるとこの程度の延長だと足りなく感じてくるので注意。
冬も開講する。
この講座が新設されたせいかは不明だが「スーパー英語総合完成」の担当コマ数が減り、「早慶大英語Part2」と冬期の「頻出!英文法入試問題」の担当が無くなった。
最終更新:2017年08月10日 17:13