雲幸一郎

雲幸一郎

雲 幸一郎(くも こういちろう)(1963.12.6-)は、駿台予備学校数学科講師、SEG物理科講師、東大進学塾エミール講師、元大数ゼミ講師。

経歴

滋賀県出身。
私立創価高校、東京大学理学部数学科卒。
東京大学大学院理学系研究科数学専攻中退。
1989年より駿台予備学校数学科講師。
他に、SEG物理科講師、東大進学塾エミール数学科主任講師を務める。

授業

数学の本質をつく講義で知られる講師であり、東大卒の多い駿台の中でも特に高度な授業を行う。
その為、どの分野も良いのだが特に思考力を問われる確率や整数、不等式分野に光るものがある。
「数学は暗記だ」というパターン暗記の考えは師の考えと真っ向から対立するものであり、「理系科目は文系科目と違い、正しい答えを覚えて学ぶものではない、同じ問題は二度とでないのだから、暗記に走ると本質を見誤る」と繰り返し、授業ではほぼ毎回「なぜそうなるのか」「何を問われているのか」を常に考えながら解くことを促す。
自分の頭で考えようとしない学生・自ら手を動かさない学生には大変厳しい。
師の授業をとったものについては居眠り・遅刻は禁忌である。講義中に前方のドアから入って来た生徒がいて、その生徒に蹴りを入れた事が有るぐらいである。
通常授業では浪人生に対し直接に馬鹿にする発言を時にするが、これは彼なりの愛情であり生徒の奮起を期待するものである。厳しい言葉は浪人生にとっては耳が痛いが、なんだかんだいって師のおっしゃることは至極正論であるという意見が多い。しかし、講習になるといつもの”毒舌”は影を潜め急に優しくなる……と思いきや、ここ最近の講習ではふつうに毒舌もある。また、季節講習の「東大理系数学」の授業では東大の凄さを授業内で強調する。
たまに計算ミスをするととても挙動不審になるが、意外ときちんと「ごめんなさい」と謝る。その後しばらくは毒舌も影を潜める。
東大等の難関大学あるいは医系などの難関学部を担当することが多いせいか、少し考えれば判るような問題の質問をすると「そんなのも判らないの」と受講生を非難する(=これは「受験本番は、講師が横で補助できないのだからあてにせず、少しは自分で考えてみなさい。」というこころ)。
勘違いされがちだが、自分の中で疑問点を整理した真っ当な質問であれば別に突っぱねられるとかはなくしっかりと答えて下さる。
たまにニコニコしながら解説することもある。可愛い。
円を描くのが苦手のよう。しかし楕円はきれい。
外来語の発音はある程度拘っている模様。θを「スィータ」と発音したり、Cauchy-Schwarzの不等式の不等式を授業などで最初に解説するときに「”シュワルツ”という発音はありえません」「”シュバルツ”よりも”シュヴァルツ”の方が近いですけどね」、de Moivreの定理のときも「この人はもともとフランス人(宗教的政治的理由でイングランドに亡命した)ですからね、”ド・モアブル”よりも”ド・モワブル”の方が近いと思うけど」とおっしゃったり。
解説の途中の一部雑談のような部分では、定理や用語・記号の意味を解説する際にその成り立ちや語源から、「どう意味をとらえるべきか」を指摘したり、日本語訳されたものが誤訳であるとか、逆に優れた意訳であるとか指摘することもある。もちろん、たまにではあるが。
上2つの例のように、語学を含め、数学とその周辺の教養的なことも知っているようである。
意外に思われるかもしれないが、口では「本当はこんな板書要らないと思うんだけどね」「この位は気付けないといけません」等とは言いつつ、出来る人にとってはやや冗長に感じる計算過程であってもわざわざ書いて下さる。

人物

学生時代の専攻は代数幾何学、指導教官は川又雄二郎。
栗色の髪の毛で、眼鏡を掛けていらっしゃる。髪の色と若干まるっとした小柄な体型のせいか、一部方面からは「 小動物みたいで可愛い 」という意見も。
ネット上というか某つぶやきサイトのコラージュ写真数では駿台講師の中で随一。ただし大半が雑コラ。
仲の良い講師が多い。
霜栄・霜康司(関西駿台英語科・シス単著者)兄弟同様、雲幸一郎・雲孝夫兄弟としてよく大島保彦の雑談のネタにされる。(大島曰く、人間性の良さのランクは「雲幸一郎>霜栄>>>雲孝夫・霜康司」。不等号のどちら側が人間性が良いことを示すのかは読者の判断に任せる。)
数学科同士では安田亨と仲が良く、シーズンオフには家に遊びに行ったことも有るそう。
意外と茶目っ気もあるようである。小林俊昭の弁当をよく隠して楽しんでいるらしい。
茶目っ気故かは分からないが、授業中、特にちょっとした雑談を挟むときにとても楽しそうな顔をしている。一見厳格な師に見え隠れするギャップに可愛いと評する者も。
弟である雲孝夫はSEG数学科の講師である。 SEGでは雲孝夫との区別として授業担当欄に「雲K」と書かれるため、SEGの生徒には「くもけー」と呼ばれることが多い。
受験生時代は各予備校の模試や大学への数学学力コンテストで満点を連発し、 自身が東大受験をした際、数学を全問正解し、更に別解を添えたという伝説があるが、これは事実ではない。ただし、慶應医学部を受験した際には「時間もスペースも余っていたので別解を3~4個書いた」ということが本人の口から語られている。また、東大本番でほぼ6完を達成したのは事実。
東大理科Ⅲ類を受験したが、進振りで理学部数学科に進学した。
ちなみに甘いものが好物らしく、特にハイチュウとチョコレートがお気に入り。 同僚講師に「このくらいのチョコなら一瞬で食いますよ」と、手で10×20センチほどの大きさを示して言ったらしい。
日本共産党の志位和夫に似ていると言われる。
ゆとりの教科書を猛烈に批判する。一例に、教える順序が変わりしっかりした理解が出来なくなってしまったことへの批判が挙げられる。
センター試験の数学が大嫌い。数学は答えでなく論述こそ大事と考えるためである。またセンターのせいで必要条件と十分条件の誤った認識が生まれていると考えている。
本番のセンター試験では漢文で0点を取る快挙を成し遂げた。普段は何点か取れていたが、その日に限って少し勉強してしまい迷いが生じたそうだ。2013年の自身の誕生日に御茶ノ水の文系クラスの生徒達から、大好物のハイチュウと漢文の問題集をプレゼントされている。2015年現在、ちょこちょこ進めている模様。
それと関連して、東大の古文漢文はほぼ白紙で提出したらしい。それでも尚合格したというのだから驚きである。
よく他の講師(大島や霜など)のマイクや教材を授業前に隠す。だが大抵耐えられず、自分から「そのままだと授業で困りますよ」とか、大島と霜が話をしているところに割って入って「お話中失礼ですが霜さん、教材はありますか」など言って自分からバラす。
そんな雲師も、年末は奥さん(美人だという噂)と娘さんとディズニーランドで年越し、という情報あり。
(冬期に森下寛之師が疲れきった雲師を労った時)「生徒の方が辛いんだよ!」

講習

講習会では、主に駿台お茶の水校・市谷校舎に出講し以下などを担当する。
  • スーパー数学総合/スーパー数学完成
  • スーパーα数学ⅠAⅡB
  • スーパーα数学総合完成
  • 難関大数学合否を決めるⅢ全10題
  • 解法の研究Ⅰ・Ⅱ
  • 解法の完成Ⅰ・Ⅱ
  • 完答を目指すセンター数学ⅠAⅡB
  • 東大理系数学
  • 東工大数学(夏期のみ)
  • 医系数学
  • 数学ファイナルアタック
  • 京大プレ理系数学
  • 京大プレ文系数学
  • 東工大プレ数学演習
  • 入試本番直前演習のうち、「東工大数学 一発必中」全て
  • 入試本番目前演習のうち、「東大理系数学 とどめの一撃Ⅲ-微分・積分編」※毎年小林隆章、森茂樹とⅠ~Ⅲで持ち回りをしている。

発言録

厳しい言葉が並ぶが、毒舌の前には「ホントにね、厳しいことを言うようだけどね、」、後には「・・・でもね、そうは言っても浪人してしまったんですから、皆さんはしっかり勉強して合格を勝ち取ってくださいね 」などというフォローもある。生徒からはやる気が出る、という声も。
誤解無きよう、これは、浪人生に対する、彼なりの優しさである。
ただ真偽は不明だが大島保彦によれば「彼はテキストの問題の予習をしていないの!だから彼が毒舌を吐いている時は頭をフル回転させて問題を解いているの!」だそうだ。
  • 「こんな問題、10秒たりとも考えてはなりません」(理科大の問題に対し)
  • 「このくらいの問題がね、満点取れないようじゃ、医学部なんて夢のまた夢なんでね。まぁこれは授業ですから、一応やっていきましょう」(XSテキスト解説時)
  • 「今回2問ぐらいしか解けない人は入試でも2問しか解けないでしょう」(冬期直前講習にて)
  • 「予習の時にこの問題が解けなかった人は相当がんばらないといけませんね」「こんな問題は予習の段階でできてもらわなければ、困ります」(XSテキスト解説時)
  • 「君たちは理系なんでね。この程度の問題では・・・」(XSテキスト解説時)
  • 「・・・これが引き算の基本ですからね。知らなかった人は小学校からやり直した方がいいでしょう」(XSテキスト解説時)
  • 「この問題はね、ほんとにちょろいんでね、数2の中で一番簡単な問題です。この問題ができなかったらもう他に解いていい問題なくなっちゃいますからね」(XSテキスト解説時)
  • 「こんなところに何年もいたらね、人生終わりますよ。もうほんとに寝る間も惜しんでね、予習・復習をする。駿台にお金貢いだってしょうがないですからね」(市谷で浪人生に対し)
  • 「こんな問題ができなかったら理二だって無理ですからね」(XSテキスト解説時)
  • 「この時期にこの問題ができないようでは、数学を受験科目から外して私立文系にしたほうがいい。分母に0代入するなんて、教える気なくしますね」
  • 「この問題の答えはさっきと全く同じになります。にもかかわらず、別のクラスでまた同じ計算を繰り返している人がいたんですね。同じ計算を2度やっているわけです。時間がもったいないです。 2・3分前に解いた式と結果が同じになることに気づかなければそれは病気ですね。 おじいさんおばあさんになって、2・3分前のことが分からなくなる、それは理解できます。でもね、君たちは、まだ若いんだから、気づかなきゃ。 気がつかなければね、それはホントに病気ですよ。(黒板に向かって小声で)そういう人は病院に行かなくちゃねぇ~・・・」(XSテキスト解説時)
  • 「勉強ってのはみんな同じ間違いを繰り返しますね。 やはり勉強というのは痛みをともなわないから・・・ 」(XSテキスト解説時)
  • 「もし東大に受かったとしてもね、二浪して行ったんじゃ、もうだめでしょうね」(東大エンカレッジにてディスカレッジではない
  • 「社会に出て一度失敗してしまったら無能のレッテルを貼られてしまいます。 だから、受験でも一度失敗してしまった浪人生には受験時に-30点を加算すればいいんですよ。 そうすればね、現役時代にみんな必死に勉強しますからね。」(XSテキスト解説時)
  • 「心が弱いと志望校に合格することはできません。どこかの寺にいかなければならない。」(XSテキスト解説時)
  • 「こういう解答が人を馬鹿にしてるっていうんだよ!!」(質問に来た生徒のノートを見て)
  • 「君はお嫁にいったほうがいい」(質問に来た女子生徒のノートを見て)
  • 「自分には厳しく、他人にはもっと厳しく」(XSテキスト解説中・有言実行なさっている)
  • 「この問題も解けないようじゃ東工大すら受かりませんからね」(XSテキスト解説時)
  • 「今年(2014年)の東大の文系の問題は至って標準的です。普通に解いていれば80点中65点は取れたはず。ですがそれが出来なかったため皆さんはここにいるのですから努力するしかありませんね。」(YSテキスト解説時)
  • 「法線の傾きを分母が0になる可能性のある1/2tでおく。全く人間性を疑いますね。本番でやってしまったらその年の合格を諦めなければなりません。」(YSテキスト解説時)
  • (駿台全国模試について)「生徒の皆は難しいって言っているようだけどね、正直あれは典型問題の集まりです。難関大と言われているところはもっともっとlevelが高い。全国模試なんて160点170点ぐらい余裕でとってナンボってもんです」(現役クラス時)
  • 「(東大の問題について)この問題はただの5個の一次方程式を解き積分の式に代入する。レベルで言えば偏差値50くらいの大学の問題です。こんなものが出来てないようではこの先思いやられます。」(YSテキスト解説時)
  • 「ここ最近、理系の国語の出来なさが目立ちます。国語が出来ないという事は、その分数学も出来なくなってしまうということです。文章が読めないということですからね。模試でも、特に確率なんかは理系より文系の方がよくできているんですよね」(XSテキスト解説中)
最終更新:2018年02月20日 02:49
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