レッツゴーレッカマン ◆hqLsjDR84w
◇ ◇ ◇
「宣戦布告じゃっ!!」
◇ ◇ ◇
商店街の一角に、小さな小さなおもちゃ屋さんがありました。
しかしながら、いまはお月さまが空に浮かんでいるような時間です。
おもちゃで遊ぶような子どもは、もう夢のなかに遊び場を移しています。
ならば、おもちゃ屋さんが営業なんてしているはずもありません。
店員は一人もおらず、お店の照明も落としてしまっています。
ですが、だというのに、真っ暗なおもちゃ屋さんのなかに一人の少年がいました。
しかしながら、いまはお月さまが空に浮かんでいるような時間です。
おもちゃで遊ぶような子どもは、もう夢のなかに遊び場を移しています。
ならば、おもちゃ屋さんが営業なんてしているはずもありません。
店員は一人もおらず、お店の照明も落としてしまっています。
ですが、だというのに、真っ暗なおもちゃ屋さんのなかに一人の少年がいました。
ツンツンと立てた黒い髪。
黒いTシャツにジーンズ。
左の頬っぺたには絆創膏。
そして右手に銀色の籠手。
腕に刻まれた七つの漢字。
黒いTシャツにジーンズ。
左の頬っぺたには絆創膏。
そして右手に銀色の籠手。
腕に刻まれた七つの漢字。
実は彼はただの少年ではなく、なにがあってもお姫さまを守る忍者なのです。
けれど、彼が忠義を誓ったお姫さまは悪い人間にさらわれてしまいました。
忍者仲間たちと一緒に助けに行こう――というところで、殺し合いなどを命ぜられてしまいました。
そんな指示に従う気は、忍者の少年には欠片もありません。
忍者とて、誰の言うことも聞くワケではないのです。
とはいえ、どうにかしていち早く帰還してお姫さまを助けねばなりません。
どうしようかと、忍者少年は考えました。
帰るためには、まず仲間たちと合流し、かつ殺し合いに乗り気な輩を倒さねばいけません。
ならば、とにもかくにも人を集めねばならない。
見ただけで仲間たちが集まって来るような道具が、ここにはあるに違いないだろう。
そう結論を出して、少年はおもちゃ屋さんに来たのです。
けれど、彼が忠義を誓ったお姫さまは悪い人間にさらわれてしまいました。
忍者仲間たちと一緒に助けに行こう――というところで、殺し合いなどを命ぜられてしまいました。
そんな指示に従う気は、忍者の少年には欠片もありません。
忍者とて、誰の言うことも聞くワケではないのです。
とはいえ、どうにかしていち早く帰還してお姫さまを助けねばなりません。
どうしようかと、忍者少年は考えました。
帰るためには、まず仲間たちと合流し、かつ殺し合いに乗り気な輩を倒さねばいけません。
ならば、とにもかくにも人を集めねばならない。
見ただけで仲間たちが集まって来るような道具が、ここにはあるに違いないだろう。
そう結論を出して、少年はおもちゃ屋さんに来たのです。
がさごそ、がさごそ。
がさごそ、がさごそ。
がさごそ、がさごそ。
がさごそ、がさごそ。
がさごそ、がさごそ。
がさごそ、がさごそ。
がさごそ、がさごそ。
少年は、ひたすら何かを探しています。
お目当てでないものは、乱暴に後ろへと投げ捨ててしまいます。
お目当てでないものは、乱暴に後ろへと投げ捨ててしまいます。
大きなクマのぬいぐるみが、ボヨンと床を跳ねていきました。
プラスチック製のバットが、コロコロと転がって行きました。
柄の長い虫取り網が、カランと音を立てて床に当たりました。
喋る人形が、衝撃を受けてモルスァとだけ言って黙りました。
ロボットのプラモデルが、ガシャンとバラバラになりました。
モデルガンは少し眺められたのち、やっぱり投げられました。
プラスチック製のバットが、コロコロと転がって行きました。
柄の長い虫取り網が、カランと音を立てて床に当たりました。
喋る人形が、衝撃を受けてモルスァとだけ言って黙りました。
ロボットのプラモデルが、ガシャンとバラバラになりました。
モデルガンは少し眺められたのち、やっぱり投げられました。
そして、ようやく。
目的の品を見つけて、少年はにひひと笑いました。
笑みを隠そうともせずに、勢いよくおもちゃ屋さんを飛び出します。
自分で投げたバットに躓きましたが、何事もなかったかのように起き上がって外に出ました。
傾きつつあるお月さまを眺めて、親指と人差し指を擦りあわせます。
すると、指と指の間から火花が散りました。
少年はただの忍者でなく、忍者軍団の長である炎術士なのでした。
発現させた炎でもって、少年は発見した打ち上げ花火の導火線に火を点けます。
ヂリヂリ音を立てて、火は筒状の花火本体へと進んでいきます。
完全に筒のなかに炎が呑み込まれて、ほんの一瞬だけ静かになり――筒の先端から火の玉が発射されました。
目的の品を見つけて、少年はにひひと笑いました。
笑みを隠そうともせずに、勢いよくおもちゃ屋さんを飛び出します。
自分で投げたバットに躓きましたが、何事もなかったかのように起き上がって外に出ました。
傾きつつあるお月さまを眺めて、親指と人差し指を擦りあわせます。
すると、指と指の間から火花が散りました。
少年はただの忍者でなく、忍者軍団の長である炎術士なのでした。
発現させた炎でもって、少年は発見した打ち上げ花火の導火線に火を点けます。
ヂリヂリ音を立てて、火は筒状の花火本体へと進んでいきます。
完全に筒のなかに炎が呑み込まれて、ほんの一瞬だけ静かになり――筒の先端から火の玉が発射されました。
ひゅるるるる――と。
お月さまの顔目がけて、火の玉は飛んで行きます。
もう少しで届くかな、というところで。
お月さまの顔目がけて、火の玉は飛んで行きます。
もう少しで届くかな、というところで。
ぽんっ――と。
火の玉は妙に軽快な音を鳴らしながら、大きな一輪の花となって夜空に咲き誇りました。
火の玉は妙に軽快な音を鳴らしながら、大きな一輪の花となって夜空に咲き誇りました。
花はすぐに消えてしまいましたが、その明るさゆえにしばらくは見た者の視界に残り続けます。
辺りに焦げ臭さが漂うなかで、少年は目を細めました。
辺りに焦げ臭さが漂うなかで、少年は目を細めました。
【D-4 商店街おもちゃ屋前/一日目 黎明】
【花菱烈火】
[時間軸]:24巻236話『-要塞都市-SODOM』にてSODOMに突入する寸前。
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済み、花火ではない)
[基本方針]:仲間たちと合流し、プログラムを破壊する。
[時間軸]:24巻236話『-要塞都市-SODOM』にてSODOMに突入する寸前。
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3(確認済み、花火ではない)
[基本方針]:仲間たちと合流し、プログラムを破壊する。
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000:OP『胎動~インディケイション~』 | 花菱烈火 | 041:死出の誘蛾灯 |