決意の森


 ジョシュアは悩んでいた。
森の中を探索して一時間以上たつが、
未だ、誰かと出会うことが無かったからだ。
 確かに、誰かに襲われなかったのは僥倖であろう。
だが彼の目的を達するには、
誰かと遭遇する必要があるのも、また事実だった・・・
(どうする?できるだけ戦闘は避けたいが・・・)
 選択肢は二つあった。
一つ目は当初の予定通り、森を出て平野を進む方法。
これなら他の参加者を探すのは容易い・・・
が、ゲームにのった人間に見つかりやすいと言う難点もある。
二つ目は、禁止エリアになるまで、この森の中に潜み続けるという方法。
仲間を探すのには不都合だが、自身の安全は大きい。
「・・・やっぱり、森を出て・・・」
 そう呟くのとほぼ同時に・・・レーダーに反応が現れた。
(やっと、一人目と遭遇か)
 ジョシュアは緊張の面持ちで身構える・・・
そこに現れたのは、青い女性的なフォルムをした機体だった。


「バランもしくは司馬という名に、心当たりは無いか?」
 目の前に立つ機体に、イキマは問い掛けた。
少しの沈黙の後、通信機から謝罪の言葉が返ってくる。
「そうか・・・ならば用は無い」
 そう言って、踵を返そうとするイキマに再び、男の声がかかった。
「待ってくれ。俺と一緒に主催者を倒さないか?」
 その言葉にイキマは歩みを止める。
(主催者を倒す・・・だと?)
「信用できないかもしれないが、俺は殺し合いなんてする気は無い!」
「・・・本当に、そんなことが出来ると思ってるのか・・・?」
 男の言葉に、イキマは思わずそう問い返していた。
「たしかに、分の悪い賭けだと思う・・・けど、俺にしか出来ないのなら・・・!」
「・・・悪いが、俺にはやる事がある」
 イキマの言葉に男は残念そうに、そうか・・・と呟く。
その言葉を聞き流しながら、イキマは続ける。
「だから・・・だから、その後・・・お前の言う賭けとやらに付き合ってやろう」
「い、いいのか?」
 続けられた言葉に、男は驚いたように問い掛けてくる。
「俺も、あの主催者が気に食わなかったからな・・・それに・・・」
「・・・それに?」
 問いかけに首を振り・・・イキマは男に自己紹介を始めた・・・


(それに・・・そうじゃなきゃ、俺は後悔するだろうからな・・・きっと)



【ジョシュア・ラドクリフ 搭乗機体:ガンダム試作2号機(機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY)
 パイロット状況:健康、核に重圧(仲間が出来たことで多少緩和?)
 機体状況:良好
 現在位置:G-4森の中
 第一行動方針:イキマの探し人(バラン、ジーグ)を共に探す
 第二行動方針:主催者打倒の為の仲間を探す
 最終行動方針:イキマと共に主催者打倒】

【イキマ 搭乗機体:ノルス=レイ(魔装機神サイバスター)
 パイロット状況:健康
 機体状況:損傷なし
 現在位置:G-4森の中
 第一行動方針:ジョシュアと共にバランを探す
 第二行動方針:アルマナを殺した男の殺害
 第三行動方針:ジーグ(司馬宙)の打倒
 最終行動方針:ジョシュアと共に主催者を倒す】

【初日 16:20】





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第58話「その手に掲げるは悪魔 ジョシュア・ラドクリフ 第95話「信頼という意味
第35話「敵と味方と イキマ 第95話「信頼という意味


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最終更新:2008年05月30日 03:44